トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F28 熱交換一般




【発明の名称】 熱交換器及びその製造方法
【発明者】 【氏名】礒部 錬太郎

【要約】 【課題】熱交換すべき流体の流速や流量がフィン配列方向において異なる場合でも、各フィンの部分的な霜詰まりを確実に防止することのできる熱交換器及びその製造方法を提供する。

【解決手段】ダクト5の空気流入口5aが空気流入側の幅方向一端寄りに設けられている場合、各フィン1同士の間隔を空気流入口5a側が広くなるように設定することにより、空気流入口5a側の着霜量が多くなった場合でも、各フィン1間の部分的な霜詰まりを確実に防止することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 互いに厚さ方向に間隔をおいて配列された複数の伝熱用フィンと、各フィンに接合された熱媒体流通用チューブとからなり、チューブ内の熱媒体が熱交換すべき流体を各フィンの一端側から他端側に向かって流通させるようにした熱交換器において、少なくとも一部のフィン同士の間隔を互いに異なるように設定したことを特徴とする熱交換器。
【請求項2】 互いに一端側の長さの異なるフィンを交互に配置したことを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
【請求項3】 互いに厚さ方向に間隔をおいて配列された複数の伝熱用フィンと、各フィンに接合された熱媒体流通用チューブとからなり、チューブ内の熱媒体が熱交換すべき流体を各フィンの一端側から他端側に向かって流通させるようにした熱交換器の製造方法において、互いに一端側の長さの異なるフィンを交互に配置するとともに、各フィンの間にフィン配列方向にそれぞれ所定の厚さを有する複数のスペーサを介在させて各フィンを各スペーサによって保持した後、各フィンに前記チューブを接合することを特徴とする熱交換器の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種冷熱機器の蒸発器等として用いられる熱交換器及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の熱交換器としては、例えば特開平5−26591号公報に記載されているように、互いに厚さ方向に間隔をおいて配列された複数の伝熱用フィンと、各フィンに接合された熱媒体流通用チューブとからなり、チューブ内の熱媒体が熱交換すべき流体を各フィンの一端側から他端側に向かって流通させるようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記熱交換器を冷蔵庫や冷凍・冷蔵ショーケース等の蒸発器として使用する場合、熱交換器を流通する空気に含まれる水分が各フィンに霜として付着する。しかしながら、前記熱交換器では、通風路の形状等によって各フィンを流通する空気の流速や流量がフィン配列方向において部分的に異なる場合、各フィンの着霜が流速や流量の大きい部分に集中するため、各フィンに部分的な霜詰まりを生じ易いという問題点があった。
【0004】本発明は上記事情に鑑み、その目的とするところは、熱交換すべき流体の流速や流量がフィン配列方向において異なる場合でも、各フィンの部分的な霜詰まりを確実に防止することのできる熱交換器及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成するために、請求項1では、互いに厚さ方向に間隔をおいて配列された複数の伝熱用フィンと、各フィンに接合された熱媒体流通用チューブとからなり、チューブ内の熱媒体が熱交換すべき流体を各フィンの一端側から他端側に向かって流通させるようにした熱交換器において、少なくとも一部のフィン同士の間隔を互いに異なるように設定している。これにより、少なくとも一部のフィン同士の間隔が互いに異なるように設定されていることから、熱交換すべき流体の流速や流量がフィン配列方向において異なる場合には、流速や流量の大きい方のフィンの間隔を広くすることにより、各フィンの部分的な霜詰まりが防止される。
【0006】また、請求項2では、請求項1記載の熱交換器において、互いに一端側の長さの異なるフィンを交互に配置している。これにより、請求項1の作用に加え、互いに一端側の長さの異なるフィンが交互に配置されていることから、着霜が長いフィンの一端側に積極的に生じ、各フィン間の霜詰まりが防止される。
【0007】また、請求項3では、互いに厚さ方向に間隔をおいて配列された複数の伝熱用フィンと、各フィンに接合された熱媒体流通用チューブとからなり、チューブ内の熱媒体が熱交換すべき流体を各フィンの一端側から他端側に向かって流通させるようにした熱交換器の製造方法において、互いに一端側の長さの異なるフィンを交互に配置するとともに、各フィンの間にフィン配列方向にそれぞれ所定の厚さを有する複数のスペーサを介在させて各フィンを各スペーサによって保持した後、各フィンに前記チューブを接合するようにしている。これにより、互いに異なった厚さを有する複数のスペーサを各フィン間に介在させることにより各フィンが互いに間隔をおいて保持されることから、例えばフィン保持用の多数の溝を有する治具を用い、治具の各溝に複数のフィンをそれぞれ挿入するといった面倒な方法を採る必要がない。この場合、各フィン間に介在させるスペーサを厚さの異なったものに変更することにより、各フィンの間隔を任意に設定することが可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】図1乃至図3は本発明の一実施形態を示すので、図1は熱交換器の全体斜視図、図2はその概略正面図、図3は着霜状態を示す熱交換器の部分拡大図である。
【0009】この熱交換器は、互いに一端側の長さの異なる複数の伝熱用フィン1,2と、各伝熱用フィン1,2に接合された蛇行状の冷媒流通用チューブ3とからなり、チューブ3は各フィン1,2に設けた複数の長孔4に挿入されている。
【0010】一端側の長いフィン1と短いフィン2は交互に配置され、その間隔はそれぞれA1に設定されている。また、一端側の長いフィン1同士の間隔は、図2に示すようにフィン配列方向一端側から他端側に向かって徐々に狭くなるように設定されている。即ち、各フィン1同士の間隔はフィン配列方向の一端側から順にB1,B2,…B10に設定され、フィン配列方向ほぼ中央から他端までの区間Cにおいては全て等しい間隔B10に設定されている。この場合、一端側の長いフィン1同士の間隔B1,B2,…B10は、何れも一端側の長いフィン1と短いフィン2との間隔A1よりも広く設定されている。
【0011】以上のように構成された熱交換器は、図2に示すように冷熱機器等の蒸発器としてダクト5内に設置され、ダクト5内を流通する空気と熱交換する。この場合、各フィン1,2の一端側(長さの異なる方)は、ダクト5の空気流入側に配置されている。即ち、熱交換器の空気流入側は他端側によりも着霜量が多くなるが、空気流入側は一端側の長さの長いフィン1と短いフィン2が交互に配置されているため、図3に示すように着霜Dが長いフィン1の一端側に積極的に生じ、各フィン1,2間の霜詰まりが防止される。
【0012】また、ダクト5の空気流入口5aは空気流入側の幅方向一端寄りに設けられ、熱交換器は各フィン1同士の間隔の広い方が空気流入口5a側になるように配置されている。即ち、空気流入口5aからダクト5内に流入する空気はダクト5の幅方向一端側の方が他端側よりも流速及び流量が大きくなるため、熱交換器においては空気流入口5aに近い方が着霜量が多くなるが、熱交換器の各フィン1同士の間隔は空気流入口5a側が広くなっているため、着霜量が多くなっても各フィン1間に霜詰まりを生ずることはない。この場合、フィン1同士の間隔はダクト5の幅方向他端側に向かって徐々に狭くなるように設定されているので、着霜が生じた場合でもダクト5内の空気が熱交換器の幅方向に均一に流通する。
【0013】このように、本実施形態の熱交換器によれば、ダクト5の空気流入口5aが空気流入側の幅方向一端寄りに設けられている場合、各フィン1同士の間隔を空気流入口5a側が広くなるように設定したので、空気流入口5a側の着霜量が多くなっても各フィン1間の部分的な霜詰まりを確実に防止することができる。
【0014】尚、前記実施形態では、空気流入口5aの位置に合わせて各フィン1の間隔をフィン配列方向一端側から他端側に向かって徐々に狭くなるように設定したものを示したが、例えば流入空気が熱交換器の幅方向中央側に集中する場合は、各フィン1の間隔をフィン配列方向中央部を広く、配列方向両端側を狭くすればよい。また、実施形態では各フィン1の間隔が徐々に広く(または狭く)なるようにしたものを示したが、等しい間隔ずつ段階的に変えるようにしてもよい。更に、前記実施形態では一端側の長いフィン1と短いフィン2とを交互に配置したものを示したが、全て長さの等しいフィンを有するものであってもよい。
【0015】図4は前記熱交換器の製造方法を示すもので、各フィン1,2の間に複数のスペーサ6を介在させて熱交換器を製造するようにしたものである。
【0016】即ち、本実施形態の製造方法においては、互いに一端側の長さの異なるフィン1,2を交互に配置するとともに、各フィン1,2の間にフィン配列方向にそれぞれ所定の厚さを有する複数のスペーサ6を介在させて各フィン1,2を各スペーサによって保持した後、各フィン1,2にチューブ3を接合する。この場合、各スペーサ6には、一端側の長いフィン1と短いフィン2との間隔A1に等しい厚さのものと、一端側の長い各フィン1同士の間隔B1,B2,…B10にそれぞれ等しい厚さのものを用いる。また、各スペーサ6にはボルト挿通用の孔6aが設けられ、各フィン1,2を保持した各スペーサ6の孔6aにボルト7を挿入してナット8で固定することにより、各フィン1,2が各スペーサ6によって確実に保持される。
【0017】このように、本実施形態の熱交換器の製造方法によれば、互いに異なった厚さを有する複数のスペーサ6を各フィン1,2間に介在させるようにしたので、例えばフィン保持用の多数の溝を有する治具を用い、治具の各溝に複数のフィンをそれぞれ挿入するといった面倒な方法を採る必要がなく、各フィン1,2の間隔の異なる熱交換器を極めて容易に製造することができる。この場合、各フィン1,2間に介在させるスペーサ6を厚さの異なったものに変更することにより、各フィン1,2の間隔を任意に設定することができ、フィン間隔の設定が異なる複数種類の熱交換器を製造する場合に極めて有利である。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の熱交換器によれば、熱交換すべき流体の流速や流量がフィン配列方向において異なる場合でも、各フィンの部分的な霜詰まりを確実に防止することのできるので、除霜の手間を大幅に減らすことができる。
【0019】また、請求項2の熱交換器によれば、請求項1の効果に加え、着霜を長いフィンの一端側に積極的に生じさせることができるので、各フィン間の霜詰まり防止効果をより高めることができる。
【0020】また、請求項3の熱交換器の製造方法によれば、請求項1または2の熱交換器を極めて容易に製造することができるとともに、各フィンの間隔を任意に設定することができるので、フィン間隔の設定が異なる複数種類の熱交換器を製造する場合に極めて有利である。
【出願人】 【識別番号】598176570
【氏名又は名称】株式会社興亜製作所
【出願日】 平成11年6月18日(1999.6.18)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−4291(P2001−4291A)
【公開日】 平成13年1月12日(2001.1.12)
【出願番号】 特願平11−208060