| 【発明の名称】 |
複式熱交換器 |
| 【発明者】 |
【氏名】杉本 竜雄
【氏名】阪根 高明
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| 【要約】 |
【課題】複式熱交換器における放熱面積の増大、及び、構造部品を減少させてコストダウンを図る。
【解決手段】電子部品用冷却水が流通する冷却部110と、冷凍サイクル用冷媒が流通する第3凝縮部120cとを離して配置することにより、冷却部110の熱が第3凝縮部120cに伝熱される際の距離を長くして、この伝熱量を少なくする。また、電子部品用冷却水の温度はエンジン用冷却水の温度に比べて低く、冷却部110から凝縮部120への伝熱量が少ない。よって、従来必要とされていた断熱部を廃止しても第3凝縮部120cを流出する冷媒の温度を所定温度に確保することができるので、断熱部を廃止して複式熱交換器における放熱面積の増大、及び、構造部品を減少させてコストダウンを図ることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子部品を冷却する冷却水が流通する第1通路(111)、前記第1通路(111)に前記冷却水が流入する冷却水入口部(150)、及び前記第1通路(111)から前記冷却水が流出する冷却水出口部(151)を有し、前記冷却水と空気との間で熱交換して前記冷却水を冷却する第1冷却部(110)と、冷凍サイクルの冷媒が流通する第2通路(121)、前記第2通路(121)に前記冷媒が流入する冷媒入口部(160)、及び前記第2通路(121)から前記冷媒が流出する冷媒出口部(161)を有し、前記冷媒と空気との間で熱交換して前記冷媒を冷却する第2冷却部(120)とを備え、少なくとも前記第1通路(111)及び前記第2通路(121)のいずれか一方には、前記通路(111、121)の方向が略180度UターンするUターン部が設けられ、前記冷却水入口部(150)と前記冷媒出口部(161)との間には、少なくとも1つの前記Uターン部が配置されることを特徴とする複式熱交換器。 【請求項2】 前記冷却水入口部(150)と前記冷媒入口部(160)との間には前記Uターン部が配置されることなく、かつ、前記冷却水入口部(150)から前記冷却水が流通する方向と前記冷媒入口部(160)から前記冷媒が流通する方向とは同方向であることを特徴とする請求項1に記載の複式熱交換器。 【請求項3】 電子部品を冷却する冷却水が流通し、前記冷却水と空気との間で熱交換して前記冷却水を冷却する冷却部(110)と、冷凍サイクルの冷媒が流通し、前記冷媒と空気との間で熱交換して前記冷媒を凝縮する凝縮部(120a、120b)と、前記凝縮部(120a、120b)で凝縮された液相冷媒が流通し、前記液相冷媒と空気との間で熱交換して前記液相冷媒を過冷却する過冷却部(120d)とを備え、前記冷却部(110)と前記過冷却部(120d)との間には、前記凝縮部(120a、120b)が配置されることを特徴とする複式熱交換器。 【請求項4】 前記冷却部(110)には、前記冷却水が流入する冷却水入口部(150)が備えられ、前記凝縮部(120a)には、前記冷媒が流入する冷媒入口部(160)が備えられ、前記冷却水入口部(150)と前記冷媒入口部(160)とは隣接して配置され、かつ、前記冷却水入口部(150)から前記冷却水が流通する方向と、前記冷媒入口部(160)から前記冷媒が流通する方向とは同方向であることを特徴とする請求項3に記載の複式熱交換器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ラジエータやコンデンサ等の異種の熱交換器を一体化した複式熱交換器に関するもので、いわゆるハイブリッド車両(ハイブリットカー)や電気自動車に適用して有効である。なお、ここで言うハイブリッドカーとは、エンジン(内燃機関)と電動モータ(以下、モータと略す。)とを切り換えて走行する車両、及びエンジンは主に発電に使用し、走行は主にモータにて行う車両等を言うものであり、これらのハイブリットカーや電気自動車はモータの制御を行うインバータ等の電子部品を冷却する必要がある。 【0002】 【従来の技術】従来、チューブとフィンを交互に積層してチューブの端部をタンクに挿入接続したラジエータ及びコンデンサを、車両の上下方向または左右方向に一体化した複式熱交換器が知られている。 【0003】ここで、ラジエータがエンジン用冷却水を冷却するものである場合には、ラジエータに流入する冷却水の温度(100℃〜110℃)は、コンデンサに流入する冷媒の温度(60℃〜70℃)より高温であるため、ラジエータの熱がコンデンサに伝熱されてコンデンサの熱交換率が低下する問題があった。 【0004】そこで、特開平10−111086号公報にて、ラジエータとコンデンサとの間に接合プレートを配設して、断熱部を形成するようにしたものが提案されており、この断熱部によって、ラジエータの熱がコンデンサに伝熱され難くしていた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術のように接合プレートを配設することは、熱交換器の放熱面積の減少と、構造部品の増加によるコストアップの問題が生じる。 【0006】本発明は、上記点に鑑み、複式熱交換器における放熱面積の増大、及び、構造部品を減少させてコストダウンを図ることを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明では、電子部品用冷却水が流通する第1通路(111)及び第1通路(111)に冷却水が流入する冷却水入口部(150)を有し、冷却水と空気との間で熱交換する第1冷却部(110)と、冷凍サイクル用冷媒が流通する第2通路(121)及び第2通路(121)に冷媒が流出する冷媒出口部(161)を有し、冷媒と空気との間で熱交換する第2冷却部(120)とを備え、第1通路(111)及び第2通路(121)のいずれか一方には通路(111、121)の方向が略180度UターンするUターン部が設けられ、冷却水入口部(150)と冷媒出口部(161)との間には少なくとも1つのUターン部が配置されることを特徴としている。 【0008】ところで、第1冷却部(110)を流通する冷却水は電子部品を冷却するものであり、冷却水入口部(150)に流入する冷却水の温度(例えば60℃〜70℃)はエンジン用冷却水の温度(100℃〜110℃)に比べて低い。一方、第2冷却部(120)に流入する冷媒の温度は、例えばフロンを冷媒とし、外気温度が30℃の場合には、一般的に60℃〜70℃であり、電子部品用冷却水と冷媒との温度差は、エンジン用冷却水と冷媒との温度差に比べて小さい。 【0009】従って、第1冷却部(110)から第2冷却部(120)への伝熱量は、冷却水がエンジン用冷却水である場合に比べて電子部品用冷却水である場合の方が少なくなる。 【0010】また、第2冷却部(120)の要求性能として、第2冷却部(120)から流出する冷媒出口部(161)の冷媒温度が重要となるが、請求項1に記載の発明では、冷却水入口部(150)と冷媒出口部(161)との間にはUターン部が配置されるので、冷却水入口部(150)と冷媒出口部(161)とは離れて配置されている。よって、冷却水入口部(150)の熱が冷媒出口部(161)の冷媒に伝熱される際の距離が長くなり、この伝熱量が少なくなる。 【0011】以上により、従来必要とされていた断熱部を廃止しても第2冷却部(120)を流出する冷媒の温度を所定温度に確保することができるので、断熱部を廃止して複式熱交換器における放熱面積の増大、及び、構造部品を減少させてコストダウンを図ることができる。 【0012】請求項2に記載の発明では、冷却水入口部(150)と冷媒入口部(160)との間にはUターン部が配置されることなく、かつ、冷却水入口部(150)から冷却水が流通する方向と冷媒入口部(160)から冷媒が流通する方向とは同方向であることを特徴としている。 【0013】これにより、第2冷却部(120)のうち第1冷却部(110)と隣接して第1冷却部(110)と熱交換してしまう部分は、第2冷却部(120)のうち最も温度が高い部分であるので、この熱交換する部分の温度差を小さくすることができ、第1冷却部(110)から第2冷却部(120)への伝熱量を小さくできる。 【0014】また、冷却水と冷媒とは、冷却水入口部(150)及び冷媒入口部(160)からUターン部までに、対向することなく平行して流通して熱交換するため、この熱交換の際の平均温度差を、対向流通して熱交換を行う際の平均温度差に比べて小さくできるので、第1冷却部(110)から第2冷却部(120)への伝熱量を少なくできる。よって、請求項1に記載の発明の効果をより一層増大することができる。 【0015】請求項3に記載の発明では、電子部品を冷却する冷却水が流通し、冷却水と空気との間で熱交換して冷却水を冷却する冷却部(110)と、冷凍サイクルの冷媒が流通し、冷媒と空気との間で熱交換して冷媒を凝縮する凝縮部(120a、120b)と、凝縮部(120a、120b)で凝縮された液相冷媒が流通し、液相冷媒と空気との間で熱交換して液相冷媒を過冷却する過冷却部(120d)とを備え、冷却部(110)と過冷却部(120d)との間には凝縮部(120a、120b)が配置されることを特徴としている。 【0016】ところで、前述のように、第1冷却部(110)から第2冷却部(120)への伝熱量は、冷却水がエンジン用冷却水である場合に比べて電子部品用冷却水である場合の方が少なくなる。 【0017】また、凝縮部(120a、120b)及び過冷却部(120d)の要求性能として、過冷却部(120d)から流出する冷媒温度が重要となるが、請求項8に記載の発明では、第1冷却部(110)と過冷却部(120d)との間に凝縮部(120a、120b)が配置されることにより、第1冷却部(110)と過冷却部(120d)とは離れて配置されている。よって、第1冷却部(110)の熱が過冷却部(120d)に伝熱される際の距離が長くなり、伝熱量が少なくなる。 【0018】以上により、請求項1に記載の発明と同様に、断熱部を廃止して複式熱交換器における放熱面積の増大、及び、構造部品を減少させてコストダウンを図ることができる。 【0019】請求項4に記載の発明では、冷却部(110)には冷却水が流入する冷却水入口部(150)が備えられ、凝縮部(120a)には冷媒が流入する冷媒入口部(160)が備えられ、冷却水入口部(150)と冷媒入口部(160)とは隣接して配置され、かつ、冷却水入口部(150)から冷却水が流通する方向と冷媒入口部(160)から冷媒が流通する方向とは同方向であることを特徴としているので、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られる。 【0020】本発明は、上記目的を達成するため、因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。 【0021】 【発明の実施の形態】(第1実施形態)本実施形態は、本発明に係る複式熱交換器を、ハイブリットカーに適用したものであって、図1は本実施形態に係る複式熱交換器100を空気流れ上流側から見た斜視図である。 【0022】この複式熱交換器100は、インバータ等の電子部品用冷却水を冷却する冷却部(第1冷却部)110と、図示しない冷凍サイクルの高圧側冷媒を凝縮する凝縮部(第2冷却部)120とを一体化したものであり、冷却部110の下方側に凝縮部120が並列配置されている。 【0023】そして、冷却部110は、電子部品用冷却水が流通する複数本の第1チューブ111、及び第1チューブ111間に配設されて電子部品用冷却水と空気との熱交換を促進する波形状の第1フィン112から構成されており、第1チューブ(第1通路)111及び第1フィン112は上下方向に交互に積層されている。 【0024】また、凝縮部120は、冷媒が流通する複数本の第2チューブ(第2通路)121、及び第2チューブ121間に配設されて冷媒と空気との熱交換を促進する波形状の第2フィン122から構成されており、第2チューブ121及び第2フィン122は、第1チューブ111及び第1フィン112の積層方向と同じ方向に、並列して交互に積層されている。 【0025】130、140は、上下方向に、冷却部110上端から凝縮部120下端まで延びる円筒形状の第1、第2タンクであり、第1、第2チューブ111、121及び第1、第2フィン112、122の長手方向両端側にそれぞれ配設され、第1、第2チューブ111、121の両端がそれぞれ挿入接続されている。すなわち、第1、第2タンク130、140は、複数の第1、第2チューブ111、121に、冷却水及び冷媒を分配供給するものである。 【0026】そして、131、132は、第1タンク130内の空間を第1〜第3空間130a〜130cの3つの空間に仕切る第1、第2仕切り壁(セパレータ)であり、141、142は、第2タンク140内の空間を第4〜第6空間140a〜140cの3つの空間に仕切る第1、第2仕切り壁である。 【0027】なお、第1、第3仕切り壁131、141は、冷却部110と凝縮部120との境界面に位置している。また、凝縮部120のうち、第2仕切り壁132より上方の部分を第1凝縮部(冷媒入口側凝縮部)120aと称し、第4仕切り壁142より上方かつ第2仕切り壁132より下方の部分を第2凝縮部と称し、第4仕切り壁142より下方の部分を第3凝縮部(冷媒出口側凝縮部)120cと称す。 【0028】そして、第1、第4空間130a、140aは冷却部110全体に連通し、第2空間130bは第1凝縮部120aに連通し、第5空間140bは第1、第2凝縮部120a、120bに連通し、第3空間130cは第2、第3凝縮部120b、120cに連通し、第6空間は第3凝縮部120cに連通している。 【0029】そして、第1空間130aの側方には、冷却水が流入する配管を連結する冷却水入口継手(冷却水入口部)150が備えられており、第1空間130a内に冷却水が流入するように第1空間130aと冷却水入口継手150とが連通している。 【0030】同様に、第4空間140aの側方には、冷却水が流出する配管を連結する冷却水出口継手(冷却水出口部)151が備えられ、第2空間130bの側方には、冷媒を流入する配管を連結する冷媒入口継手(冷媒入口部)160が備えられ、第6空間140cの側方には、冷媒を流出する配管を連結する冷媒出口継手(冷媒出口部)161が備えられている。 【0031】170は、冷却部110の上部と第3凝縮部120cの下部に配置され、第1、第2チューブ111、121の長手方向と同じ長さに延びるプレートであり、冷却部110及び第3凝縮部120cを保護するものである。 【0032】なお、第1、第2チューブ111、121、第1、第2フィン112、122、第1、第2タンク130、140、及びプレート170は、アルミニウム製のベア材及びろう材をクラッドしたクラッド材からなり、一体ろう付けにより形成されている。 【0033】次に、以上の構成による作動を説明すると、電子部品からの高温(60℃〜80℃)の冷却水は、冷却水入口継手150から第1空間130aに流入し、冷却部(冷却水入口側冷却部)110の第1チューブを流通する。その後、第4空間140aに流入して、冷却水出口継手151から電子部品に向かって流出する。 【0034】一方、冷凍サイクルの圧縮機(図示せず)から吐出される高温(外気温度30℃の場合、60℃〜80℃)の冷媒は、冷媒入口継手160から第2空間130bに流入し、第1凝縮部120aの第2チューブ121を流通して第5空間140bに流入する。 【0035】その後、第5空間140b内にて冷媒の方向が略180度Uターンして第2凝縮部120bの第2チューブ121に流入する。(このように冷媒流れがUターン部分をUターン部と称す。)その後、第2チューブ121を流通して第3空間130cに流入し、第3空間130c内にて冷媒の方向がUターンして第3凝縮部120cの第2チューブ121に流入する。 【0036】その後、第2チューブ121を流通して第6空間140cに流入し、冷媒出口継手161から冷凍サイクルの気液分離器(図示せず)に向かって流出する。 【0037】次に、本実施形態の特徴を述べる。 【0038】冷却部110を流通する冷却水は電子部品を冷却するものであり、第1空間130aに流入する冷却水の温度(60℃〜70℃)はエンジン用冷却水の温度(100℃〜110℃)に比べて低く、冷却部110から凝縮部120への伝熱量が少ない。 【0039】また、第1〜第3凝縮部120a〜120cのうち、第3凝縮部120cは、冷媒流れの最下流側に位置しているため、最も低い温度となっている。そして、この第3凝縮部120cと、第3凝縮部120cに比べて高温である冷却部110との間には、第1、第2凝縮部120a、120bが介在し、第3凝縮部120cと冷却部110とは離れて配置されるので、冷却水入口部150の熱が冷媒出口部161の冷媒に伝熱される際の距離が長くなり、この伝熱量が少なくなる。 【0040】また、冷却部110のうち、冷却水が流入する第1空間130aと連通する部分が最も高温であり、第1凝縮部120aのうち、圧縮機から吐出される高温の冷媒が流入する第2空間130bと連通する部分が最も高温であり、冷却部110と凝縮部120との熱交換はこれらの高温部分同士で行われるので、この熱交換する部分の温度差を最も小さくでき、冷却部110から凝縮部120への伝熱量を最小限にできる。 【0041】さらにまた、冷却水と冷媒とは、第1、第2空間130a、130bから第4、第5空間140a、140bまでに、対向することなく平行して流通して熱交換するので、この熱交換の際の平均温度差を、対向流通して熱交換を行う際の平均温度差に比べて小さくできるので、冷却部110から第1凝縮部120aへの伝熱量を少なくできる。 【0042】以上により、第3凝縮部120cから流出する冷媒温度の確保が容易にできるため、従来必要とされていた断熱部を廃止することができ、複式熱交換器における放熱面積の増大、及び、構造部品を減少させてコストダウンを図ることができる。 【0043】(第2実施形態)上記第1実施形態では、第2空間130bから第6空間140cまでに第1〜第3凝縮部120a〜120cにより冷媒が凝縮するように設計されているが、第2実施形態では、第2空間130bから第3空間130cまでに第1、第2凝縮部120a、120bにより冷媒が凝縮するように設計されており、第1実施形態における第3凝縮部120cを過冷却部120dとして用いている。 【0044】そして、第3空間130cは、第5仕切り壁133により第7、第8空間130d、130eに仕切られており、第7、8空間130d、130eの側方には、上下方向に延びる円筒形状のサブクールタンク180が備えられている。 【0045】このサブクールタンク180は、第7、8空間130d、130eにそれぞれ連通しており、第2凝縮部120bから第7空間130dに流入する冷媒を液相冷媒と気相冷媒とに分離して液相冷媒を過冷却部120dに向けて流出するとともに、冷凍サイクル内の余剰冷媒を蓄えるものである。なお、このサブクールタンク180は、ろう付け接合にて第1タンク130に一体化されている。 【0046】ところで、過冷却部120dの温度(外気温度30℃の場合、平均45℃)は、凝縮部120の温度に比べて低温であり、冷却部110からの熱影響を受け易い。 【0047】そこで、本第2実施形態によれば、過冷却部120dと冷却部110との間には第1、第2凝縮部120a、120bが介在し、過冷却部120dと熱交換部110とは離れて配置されるので、冷却水入口部150の熱が冷媒出口部161の冷媒に伝熱される際の距離が長くなり、この伝熱量が少なくなる。 【0048】よって、過冷却部120dから流出する冷媒温度の確保が容易にできるため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。 【0049】(第3実施形態)第3実施形態では、第1および第2実施形態における第1、第2、第3チューブ111、121、121aの形状に特徴があり、以下、第1実施形態に本第3実施形態を用いた場合を説明する。図3(a)は図1のA−A断面図であり、第2チューブ121は、押出し加工により、支柱124を備える多穴形状に形成されている。この支柱124は、第2チューブ121を流通する冷媒の圧力に対する耐圧強度を高めるものである。 【0050】図4(a)は、第1チューブ111の拡大図であり、横断面(チューブの長手方向と直交する方向の断面)を示している。この第1チューブ111は、板状部材を折り曲げて横断面が偏平形状に形成されており、その長径方向略中央部には、板状部材の一部及び端部を第1チューブ111の内方側に向けて折り曲げて突出させた支柱114が形成されている。この支柱114は、短径方向と平行な面を互いに接触させた状態で、長径方向に重なって形成されている。 【0051】このように、第1チューブ111の横断面を偏平形状に形成し、第2チューブ121の如く多穴形状に形成しない理由は、第1チューブ111を流通する冷却水は冷媒ほど圧力が高くならないため、耐圧強度を高める必要がなく、第1チューブ111内の通水抵抗を小さくするものである。なお、第1チューブ111内に支柱114を形成した理由は後述する。 【0052】次に、第1、第2チューブ111、121、第1、第2フィン112、122、第1、第2タンク130、140、及びプレート170を一体ろう付けする手順を説明する。 【0053】初めに、第1チューブ111及び第1フィン112と、第2チューブ121及び第2フィン122とをそれぞれ交互に積層し、その上下両端にプレート170を配置し、チューブ111、121両端に第1、第2タンク130、140を配置して仮組付けする。 【0054】次に、図5(a)の矢印に示すワイヤW等により、上下2つのプレート170を巻締めて仮組付け状態を保持する。この巻締めの際には、隣接する第1チューブ111及び第1フィン112と、隣接する第2チューブ121及び第2フィン122とを確実にろう付けして、接合強度を上げるとともに、第1チューブ111及び第1フィン112の間と、第2チューブ121及び第2フィン122の間の熱伝導率を向上させるために、ワイヤWにより上下2つのプレート170を所定の力で巻締めて、第1、第2チューブ111、121の積層方向(チューブの短径方向)に所定の圧縮力を加えている。 【0055】次に、上記のように仮組付けされた仮組付け体は、ろう付け用加熱炉内に搬入され、このろう付け用加熱炉内にて仮組付け体をろう材融点まで加熱して一体ろう付けされる。 【0056】ところで、図3(c)に示すように、第1チューブ111内に支柱114を形成しない場合には、第1チューブ111の短径方向の強度は、第2チューブ121の短径方向の強度より低くなり、第1チューブ111のみを積層した場合に必要とする第1の圧縮力が、第2チューブ121のみを積層した場合に必要とする第2の圧縮力に比べて小さくなる。 【0057】従って、このような異なる強度の第1、第2チューブ111、121を積層する複式熱交換器100では、第2の圧縮力を加えざるをえなくなり、よって、この第2の圧縮力により、図5(b)に示す点線のように冷却部110が第1チューブ111短径方向に変形してしまい、ろう付けし難くなるという問題が生じる。あるいは、仮に、ろう付けできたとしても、第1チューブ111は短径方向のチューブ内側に塑性変形した状態でろう付けされることになるので、第1チューブ111の横断面の通水面積が小さくなり、通水抵抗が大きくなるという問題が生じる。 【0058】そこで、本第3実施形態では第1チューブ111内に形成される支柱114により、短径方向の強度が補強されるので、第1チューブ111は短径方向に変形し難くなり、ろう付けを容易にすることができ、また、変形により通水抵抗が大きくなることを防止できる。 【0059】(第4実施形態)第4実施形態では、第1、第2フィン112、122の形状を詳細に説明する。図6(a)は、図1の空気流れ上流側の正面図であり、図6(b)は図6(a)のB部拡大図である。そして、図6(b)に示すように、第1、第2フィン112、122はチューブ111、121の長手方向に波打つ波形状であり、第1フィン112の波のピッチP1は、第2フィン122の波のピッチP2よりも長く形成されている。 【0060】なお、第1フィン112の肉厚及び、上下方向のフィン高さは、第2フィン122の肉厚及び上下方向のフィン高さと同じである。 【0061】このような場合には、第1チューブ111の短径方向の変形が生じやすいので、第3実施形態の支柱114を第1チューブ111に形成することは好適である。 【0062】(他の実施形態)また、第1〜4実施形態では、冷却部110及び凝縮部120のうち、凝縮部120のみにUターン部を設けているが、冷却水入口部150と冷媒出口部161との間に、少なくとも1つのUターン部が配置されていれば、冷却部110のみにUターン部を設けてもよいし、冷却部110及び凝縮部120ともにUターン部を設けてもよいし、第1、第2空間130a、130bから第4、第5空間140a、140bまでに冷却水と冷媒が平行して流通することなく、対向して流通するようにしてもよい。 【0063】また、第1〜4実施形態では、第1、第2タンク130、140に複数のチューブ111、121、121aを挿入接続した構造であるマルチフロータイプの構造としているが、チューブを蛇行状に曲げたいわゆるサーペンタイプの構造としてもよい。 【0064】また、第1〜4実施形態では、冷凍サイクルは、冷媒の臨界圧力を超えることのない圧力域で冷媒(例えばフロン)を循環させるものであるが、圧縮機の吐出側の冷媒圧力が冷媒(例えばCO2)の臨界圧力を超える冷凍サイクル(超臨界冷凍サイクル)に用いてもよい。 【0065】また、第3実施形態では、第1チューブ111の肉厚及び短径寸法Lは、第2チューブ121の肉厚及び短径寸法Lと同じであるが、図3(b)に示すように、第1チューブ111の短径寸法L1が第2チューブ121の短径寸法Lより大きい場合、あるいは、第1チューブ111の肉厚が第2チューブ121の肉厚より薄い場合には、第1チューブ111の短径方向の変形が生じやすいので、このような場合に第3実施形態の支柱114を形成することは好適である。 【0066】また、第3実施形態では、第1チューブの横断面形状を図4(a)に示す形状に形成しているが、図4(b)に示すように、長径方向略中央部に、板状部材の両端部を第1チューブ111の内方側に向けて折り曲げて突出させた支柱114を形成してもよい。なお、この支柱114は、短径方向と平行な面を互いに接触させた状態でろう付けされており、第1チューブ111の短径方向の強度を高めるものである。 【0067】また、第3実施形態では、第2チューブ121は押出し加工により支柱114を備える多穴形状に形成されているが、多穴形状を廃止して、長径方向に波形状のインナフィン(図示せず)を第2チューブ121に挿入してもよい。このインナフィンは、伝熱面積を増大させて冷媒の冷却を促進するものであり、かつ、多穴形状における支柱114の役割を担うもので、第2チューブ121の短径方向の強度を高めるものである。 【0068】また、第4実施形態では、第1フィン112の肉厚は、第2フィン122の肉厚と同じであるが、第1フィン112の肉厚が第2フィン122の肉厚より薄い場合には、第1チューブ111の短径方向の変形が生じやすいので、このような場合に第3実施形態の支柱114を形成することは好適である。 【0069】また、第1チューブ111の短径寸法L1が第2チューブ121の短径寸法Lより大きい場合、あるいは、第1チューブ111の肉厚を第2チューブ121の肉厚より薄くした場合に、第1フィン112のフィン高さを第2フィン122のフィン高さより低くした複式熱交換器100に本発明を適用してもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー
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| 【出願日】 |
平成11年12月13日(1999.12.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100022 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 洋二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−174168(P2001−174168A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月29日(2001.6.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−353396 |
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