| 【発明の名称】 |
断熱槽 |
| 【発明者】 |
【氏名】豊田 秀司
|
| 【要約】 |
【課題】断熱性及び止水性に優れ、熱橋の発生を防止し、メンテナンスフリーで省スペース化を図り、強度も向上させる。
【解決手段】樹脂材料で一体成形した桶形状の内部槽10をこの内部槽10よりもひとまわり大きく一体成形した外部槽11に重ね合わせて両槽10,11間に空気層12を形成し、この空気層12に断熱材13を充填して両槽10,11を接着させ、内部槽10及び外部槽11の上部開口面側には夫々外方へ延びるフランジ部10A,11Aを形成し、これらフランジ部10A,11Aを重ね合わせて接合し、この接合個所を含む外部に補強材2を取付けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 樹脂材料で一体成形した桶形状の内部槽をこの内部槽よりもひとまわり大きく一体成形した外部槽に重ね合わせて両槽間に空気層を形成し、この空気層に断熱材を充填して両槽を接着させ、内部槽及び外部槽の上部開口面側には夫々外方へ延びるフランジ部を形成し、これらフランジ部を重ね合わせて接合し、この接合個所を含む外部に補強材を取付けたことを特徴とする断熱槽。 【請求項2】 前記内部槽と外部槽とが回転成形法で成形され、断熱材が発泡樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の断熱槽。 【請求項3】 前記内部槽と外部槽とを成形する樹脂材料がポリエチレンであり、断熱材が硬質ポリウレタンの発泡体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の断熱槽。 【請求項4】 前記外部槽の底面に下方に突出するリブを形成し、リブ間の凹部に補強材の一部を嵌め込み、フランジ部同士を接合する金具を利用して側周面を補強材で補強するとともに、底面と側周面とに配置された補強材を連結したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の断熱槽。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、集合住宅や高層ビル、又は商業目的の建屋(店舗、倉庫)等の空調設備において夜間電力を利用し、製氷、蓄熱する目的の氷蓄熱空調機器に用いる断熱槽に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の氷蓄熱空調機器に用いられる断熱槽としては、FRP製のパネル水槽、鋼板製水槽、FRP製の板の間にポリウレタンフォームを挟んだパネルを水槽に組立てたもの(HLU水槽)などが知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】FRP製のパネル水槽は、四角形パネルの各辺に設けたフランジを重ね合わせてボルトで接合するが、この接合部には断熱材を充填することができず、熱橋(ヒートブリッジ)となり、結露が生ずるという不具合があった。また、設置後に初期漏水が発生する可能性があり、仕上げ作業を行うためのメンテナンススペースを側面及び底面に必要とした。 【0004】鋼板製水槽の場合、水槽本体、化粧板が鋼板製の為、重量が重く、運搬効率が悪い。また、水槽本体溶接部の錆び発生及びピンホールによる漏水発生の問題があった。さらに、据付架台、化粧板との接合部に熱橋ができ、結露が発生する。 【0005】また、HLU水槽の場合、FRPハンドレイアップ接合の為、成形の時間、工数が大きくなり、作業環境も悪いという不具合があった。また、内面の平滑性がなく、熱交換器の内部設置が困難であり、接合部はFRP層になり、断熱材が充填できない為、熱橋ができ、結露が発生するという問題もあった。 【0006】そこで、この発明は、断熱性及び止水性に優れ、熱橋の発生を防止し、メンテナンスフリーで省スペース化を図り、強度も向上させた断熱槽を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するため、この発明は、樹脂材料で一体成形した桶形状の内部槽をこの内部槽よりもひとまわり大きく一体成形した外部槽に重ね合わせて両槽間に空気層を形成し、この空気層に断熱材を充填して両槽を接着させ、内部槽及び外部槽の上部開口面側には夫々外方へ延びるフランジ部を形成し、これらフランジ部を重ね合わせて接合し、この接合個所を含む外部に補強材を取付けたものである。 【0008】 【発明の実施の形態】以下に、この発明の好適な実施例を図面を参照にして説明する。 【0009】図1はこの発明の好適な実施例を示す正面図であり、槽本体1の外部に補強材2を設けてある。図2は図1に示す一側側の拡大断面であり、槽本体1は樹脂材料で一体成形した桶形状の内部槽10と、この内部槽10よりもひとまわり大きく樹脂材料で一体成形した桶形状の外部槽11とを重ね合わせ、これら両槽10,11の間に空気層12を形成し、この空気層12に断熱材13を充填して両槽10,11を接着させている。また、内部槽10及び外部槽11の上部開口面側には夫々外方へ延びるフランジ部10A,11Aを形成してあり、これらフランジ部10A,11Aを重ね合わせて接合してある。このフランジ部10A,11Aを接合した個所を含む外部に前記補強材2が取付けてある。フランジ部10A,11Aの接合個所においては、補強材2を構成する天井フレーム20とテンションバー21をボルト3で取付けてある。また、このボルト3はT型ブラケット22をフランジ部11Aの下方に取付けてある。このT型ブラケット22には側板フレーム23を取付けてある。この側板フレーム23の下端は同様のT型ブラケット24に取付けてある。このT型ブラケット24は底板フレーム25にボルト4により取付けてある。これら符号20ないし25で示すものが補強材2を構成している。 【0010】図3は上方から見た平面図であり、図4はこの平面図のコーナー部分の拡大図を示す。コーナーブラケット26もボルト3で締結されている。この平面図の外寸は、縦1234mm、横1734mmとした。フランジ部10Aの延出長さは110mm、空気層12の間隙は42mmとした。 【0011】図5は補強材2を取付ける前の槽本体1の正面図を示す。図6はこの図5に示すものの部分的な拡大断面図である。フランジ部10A,11Aの間にはシール材5を挟んである。また、外部槽11の底面にはリブ6を形成し、これらリブ6の間の凹部7に補強材2(底板フレーム25)が取付けられるようになっている。 【0012】図7は補強材2が取付けられる前の槽本体1の上から見た平面図であり、図8はこの平面図のコーナー個所の部分的拡大断面図である。側周面にも補強材2取付け用の凹部8が形成してある。 【0013】図9は補強材2を取付ける前の槽本体1の底面図である。この底面図に示す凹部7に補強材2すなわち底板フレーム25が取付けられる。図10は図9における矢印Aの個所の拡大図であり、凹部7の位置を明瞭に示すとともに、側面の凹部8を示す。 【0014】前記内部槽10と外部槽11とは、回転成形法で一体成形され、断熱材13は発泡樹脂を用いた。さらに、内部槽10と外部槽11とは夫々ポリエチレンを用い、断熱材13は硬質ポリウレタンの発泡体を用いた。内部槽10と外部槽11とを形成する材料としてポリエチレンの他にポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンも使用でき、これら熱可塑性樹脂を用いることでリサイクルが可能となる。ポリエチレンで厚さ4mm前後に成形した内部槽10と外部槽11との間は約42mm程度あけて空気層12を形成する。冷水や温水は内部槽10内に収容され、冷水などが収容された部分の周囲には、継目がなく、かつその外まわりの断熱材13も均一の厚みで配置されることとなり、止水性、断熱性に優れ、熱橋も生じないものとなる。 【0015】前記内部槽10と外部槽11の成形方法としては、回転成形法の他にブロー成形法、真空成形法、射出成形法、HLU成形法(ハンドレアップ)によっても成形可能である。しかしながら、板金製の金型に粉体樹脂を投入し、金型を回転させながら加熱し、樹脂が溶解し遠心力で金型に付着し製品を形成する回転成形法は、角部が厚肉になり易く、強度面で有効である。また、金型には圧力が殆ど加わらないので金型も軽量で安価である。さらに、この成形法では、初期投資が少なく、成形コストも安価である。 【0016】補強材2としては、チャンネル鋼、H鋼などを用いることができ、これらの鋼材で檻のようなフレームを構成し、このフレームの中に槽本体1を収容する恰好となる。槽本体1の側周面に配される補強材2は凹部8に、底面に配される補強材2は凹部7に夫々嵌め込まれるように取付けられ、側周面と底面とに配置された補強材2同士は連結される。 【0017】 【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、樹脂材料で一体成形した桶形状の内部槽をこの内部槽よりもひとまわり大きく一体成形した外部槽に重ね合わせて両槽間に空気層を形成し、この空気層に断熱材を充填して両槽を接着させ、内部槽及び外部槽の上部開口面側には夫々外方へ延びるフランジ部を形成し、これらフランジ部を重ね合わせて接合し、この接合個所を含む外部に補強材を取付けたので、内容物を貯留するスペースには接合部がないので、止水性も向上し、かつ全体に断熱材が均一に行き渡るので断熱性能にも優れたものとなる。また、内容物を蓄積する部分には従来のような接合部がないので、熱橋の発生を防止することができ、しかもメンテナンスのためのスペースを必要としない。さらにまた、補強材を取付けてあるので、強度的にも十分なものとなる。内部槽と外部槽とをポリエチレンで成形し、断熱材を硬質ポリウレタンの発泡体としたとき、内部槽と外部槽の肉厚を薄くすることにより軽量化を図ることができるとともに、間に設けた硬質ポリウレタンの発泡体の存在により、内部槽と外部槽とは接着されて全体として軽量化を図れ、かつ強度的にも十分なものとなる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005278 【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
|
| 【出願日】 |
平成11年11月18日(1999.11.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078824 【弁理士】 【氏名又は名称】増田 竹夫
|
| 【公開番号】 |
特開2001−141381(P2001−141381A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月25日(2001.5.25) |
| 【出願番号】 |
特願平11−327851 |
|