| 【発明の名称】 |
マイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体 |
| 【発明者】 |
【氏名】鶴来 充啓
【氏名】岸本 隆
【氏名】内梨 栄
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| 【要約】 |
【課題】潜熱蓄熱体全体を均一に加熱できるようにする。潜熱蓄熱材が外部へ漏洩するのを防止する。
【解決手段】マイク口波による加熱が可能な潜熱蓄熱体1において、誘電損失係数が低い容器3の中に潜熱蓄熱材2を封入した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 マイクロ波による加熱が可能な潜熱蓄熱体であって、誘電損失係数が低い容器の中に潜熱蓄熱材が封入されると共に、潜熱蓄熱材が容器の外部に漏洩しない構造であることを特徴とするマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項2】 潜熱蓄熱材が加熱により過冷却状態に至る物質からなり、この潜熱蓄熱材の過冷却状態を任意に解放する解放手段を具備していることを特徴とする請求項1記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項3】 容器が可撓性材料、硬質材料のいずれか、もしくはそれらの組合せによる多重構造の容器で構成されていることを特徴とする請求項1記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項4】 多重構造の容器が、潜熱蓄熱材を封入した内側容器と、内側容器を収納した外側容器と、内側容器と外側容器の間に設置されて内側容器の中の潜熱蓄熱材の外部への漏洩を防止するための液溜め部とを備えていることを特徴とする請求項3記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項5】 マイクロ波による潜熱蓄熱体の加熱時において、容器内部が高圧になるのを防止するための減圧手段を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項6】 容器の全体または一部が、液体を通さず気体のみを通す材料からなることを特徴とする請求項5記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項7】 容器の一部が、減圧弁及び液体を通さず気体のみを通す材料の組合せで構成されていることを特徴とする請求項5記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項8】 マイクロ波による潜熱蓄熱体の加熱時において、潜熱蓄熱材の厚み方向における温度差を低減するように構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項9】 潜熱蓄熱材が、蓄熱主材とこの蓄熱主材の融点と沸点の間に融解潜熱を持つ蓄熱副材とで構成されていることを特徴とする請求項1又は2又は8記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項10】 蓄熱主材の密度が蓄熱副材の密度より高いことを特徴とする請求項9記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項11】 潜熱蓄熱材内部に熱伝導性の高い攪拌子を混入したことを特徴とする請求項1又は2又は8記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項12】 マイクロ波による潜熱蓄熱体の加熱時において、潜熱蓄熱体の下部にマイク口波を集中させて、潜熱蓄熱材の下部から上部への対流により全体加熱するためのマイク口波集中手段を備えていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項13】 マイクロ波による潜熱蓄熱体の加熱時において、潜熱蓄熱体の上部にマイクロ波シールドが施されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項14】 マイクロ波による潜熱蓄熱体の加熱時において、潜熱蓄熱体が上部の潜熱蓄熱材層と下部の水層とから構成されていることを特徴とする請求項12記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項15】 マイク口波集中手段は、マイクロ波による潜熱蓄熱体の加熱時において、潜熱蓄熱体の下部にマイクロ波を潜熱蓄熱体下部に集中させるためのパラボラ形状を有していることを特徴とする請求項12記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項16】 マイクロ波による潜熱蓄熱体の加熱時において、潜熱蓄熱体の下部に断熱材を設置してなることを特徴とする請求項12〜15のいずれかに記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項17】 潜熱蓄熱体の形状を、マイクロ波による潜熱蓄熱体の加熱時において潜熱蓄熱体の各場所へマイクロ波照射エネルギーを集中できる形状にしたことを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項18】 マイクロ波による潜熱蓄熱体の加熱時において、潜熱蓄熱体の端部の厚みを中央部の厚みよりも増すようにしたことを特徴とする請求項17記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項19】 マイクロ波による潜熱蓄熱体の加熱時において、潜熱蓄熱体の形状を円形もしくは6角形以上の多角形にすることを特徴とする請求項17記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項20】 過昇温防止、蓄熱完了、過冷却解放可能、蓄熱残量のうちの少なくとも一つ以上の判断表示手段を備えていることを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項21】 判断表示手段が、温度変化を示す示温テープであることを特徴とする請求項20記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項22】 内側容器と外側容器との間に、過昇温防止を連絡する圧力センサーと報知器とを設けたことを特徴とする請求項請求項3〜21のいずれかに記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項23】 可撓性材料からなる内側容器のシール部分を外側容器に突設させたリブにて圧着してなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項24】 リブが柔軟性のある補強材で構成されていることを特徴とする請求項23記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。 【請求項25】 潜熱蓄熱材の過冷却状態を解放する解放手段が容器の内部に設置されるトリガー素子と、容器の外部から該トリガー素子を操作する操作部とからなり、上記トリガー素子は、トリガー材料の表面に潜熱蓄熱材料のエンブリオが付着され、操作部によるトリガー材料の変形によりエンブリオが凝集されて結晶核となり、この結晶化が潜熱蓄熱材全体まで伝播していくことによって潜熱蓄熱材の過冷却状態が解放されて発熱するように構成されていることを特徴とする請求項2記載のマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波により均一に加熱蓄熱できるマイクロ波加熱可能潜熱蓄熱体に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、潜熱蓄熱材自身或いはそれを含む潜熱蓄熱体をマイクロ波により加熱し蓄熱する際、以下のような問題点があった。マイクロ波はその性質上誘電損失係数の低いものは透過し易く、高いものには吸収されやすい。つまり潜熱蓄熱材料においては、固体状態よりも液体状態の方が誘電損失係数が高いためマイクロ波による加熱段階において部分的に融解が始まると、そこに集中してマイクロ波が吸収されるため、液体部分はさらに加熱され、融け残っている固体部分との温度差は非常に大きくなる傾向がある。殊に潜熱蓄熱材が水和物の相変化を利用したものであればこの傾向はさらに顕著になり、加熱ムラが生じたままで潜熱蓄熱体全体の温度を上昇させようとする場合、液体部分は異常加熱状態になり、この場合、容器自身が損傷したり、潜熱蓄熱体自身の部分的な異常昇温により変質してしまう場合もあり得る。 【0003】また、無機水和物に代表されるような過冷却を起こしやすい潜熱蓄熱材を封入し、同時に潜熱蓄熱材の過冷却状態(結晶が完全に融解した状態)を解放するトリガー素子を設置して潜熱蓄熱体を構成し、この潜熱蓄熱体を加熱して過冷却状態にしたのち、トリガー素子にて解放して発熱させるタイプの潜熱蓄熱体の加熱に関しては、全体の完全融解が上記過冷却状態に至るための必要条件である。そのため上記マイクロ波加熱による加熱ムラがある場合、全体的に完全融解させようとすると部分的に非常に温度が上がり、容器の損傷を招く可能性がある。 【0004】その他の問題点として潜熱蓄熱材のマイクロ波加熱による加熱ムラ、もしくはユーザーの誤使用によって潜熱蓄熱体が損傷した場合、内部の潜熱蓄熱材が外部へ漏洩し、周囲機器を破損・汚染・付臭の恐れがあった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、マイクロ波加熱による部分的な加熱ムラが引き起こす異常昇温を防止し、全体を均一に加熱できるようにし、さらに万が一ユーザーの加熱時における誤使用(加熱したまま忘れて長時間放置する等)による潜熱蓄熱体の損傷が生じた際にも内部潜熱蓄熱材が外部へ漏洩するのを防止できるマイクロ波蓄熱式加熱器を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために請求項1記載の発明にあっては、マイク口波による加熱が可能な潜熱蓄熱体であって、誘電損失係数が低い容器3の中に潜熱蓄熱材2が封入されていることを特徴としており、このように構成することで、誘電損失係数が低い材料からなる容器3にマイク口波が透過しやすくなり、潜熱蓄熱材2の加熱を効率的に行うことができると共に、万が一ユーザーの加熱時における誤使用(加熱したまま忘れて長時間放置する等)による潜熱蓄熱体1の損傷が生じた際にも内部の潜熱蓄熱材2が外部へ漏洩するのを防止できる。 【0007】また請求項2記載の発明は、請求項1において、潜熱蓄熱材2が加熱により過冷却状態に至る物質からなり、この潜熱蓄熱材2の過冷却状態を任意に解放する解放手段4を具備しているのが好ましく、この場合、潜熱蓄熱材2全体の完全融解によって均一に過冷却状態に至らしめることができるので、加熱ムラによる異常昇温という問題も生じなくなり、また解放手段4によって過冷却状態を解放することで、発熱ムラをなくすことができる。 【0008】また請求項3記載の発明は、請求項1において、容器3が可撓性材料、硬質材料のいずれか、もしくはそれらの組合せによる多重構造の容器で構成されているのが好ましく、この場合、用途に応じて容器内の空気の膨張による容器3の変形防止及び破損防止を図ることができる。 【0009】また請求項4記載の発明は、請求項3において、多重構造の容器が、潜熱蓄熱材2を封入した内側容器6と、内側容器6を収納した外側容器5と、内側容器6と外側容器5の間に設置されて内側容器6の中の潜熱蓄熱材2の外部への漏洩を防止するための液溜め部7とを備えているのが好ましく、この場合、仮に内側容器6が加熱超過により破損した場合でも液溜め部7にて潜熱蓄熱材2が外部に漏洩するのを防止できる。 【0010】また請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかにおいて、マイク口波による潜熱蓄熱体1の加熱時において、容器3内部が高圧になるのを防止するための減圧手段8を備えているのが好ましく、この場合、潜熱蓄熱体1の加熱時における容器3の損傷防止に効果的となる。 【0011】また請求項6記載の発明は、請求項5において、容器3の全体または一部が、液体を通さず気体のみを通す材料からなるのが好ましく、この場合、内部の潜熱蓄熱材2が外部に漏洩することなく減圧することができる。 【0012】また請求項7記載の発明は、請求項5において、容器3の一部が、減圧弁及び液体を通さず気体のみを通す材料の組合せで構成されているのが好ましく、この場合、内部の潜熱蓄熱材2が外に漏洩することなく、より確実に減圧することができる。 【0013】また請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれかにおいて、マイク口波による潜熱蓄熱体1の加熱時において、潜熱蓄熱材2の厚み方向における温度差を低減するように構成されているのが好ましく、この場合、潜熱蓄熱材2の上部温度と下部温度の温度差を低減することができる。 【0014】また請求項9記載の発明は、請求項1又は2又は8において、潜熱蓄熱材2が、蓄熱主材10とこの蓄熱主材10の融点と沸点の間に融解潜熱を持つ蓄熱副材11とで構成されているのが好ましく、この場合、蓄熱副材11によって潜熱蓄熱体1の温度の上昇速度を抑えることができる。 【0015】また請求項10記載の発明は、請求項9において、蓄熱主材10の密度を蓄熱副材11の密度より高くするのが好ましく、この場合、蓄熱主材10と蓄熱副材11を混合して封入した場合、加熱溶融状態に近づくにつれて密度の低い蓄熱副材11が上部の方へ自動的に移動して、蓄熱主材10の急激な温度上昇を抑えることができる。 【0016】また請求項11記載の発明は、請求項1又は2又は8において、潜熱蓄熱材2内部に熱伝導性の高い攪拌子9を混入するのが好ましく、この場合、マイク口波による加熱時に攪拌子9が均熱材として働き、材料温度を均一にすることができる。 【0017】また請求項12記載の発明は、請求項1〜11のいずれかにおいて、マイク口波による潜熱蓄熱体1の加熱時において、潜熱蓄熱体1の下部にマイク口波を集中させて、潜熱蓄熱材2の下部から上部への対流により全体加熱するためのマイク口波集中手段12を備えているのが好ましく、この場合、対流により効率的に全体を融解することができる。 【0018】また請求項13記載の発明は、請求項1〜12のいずれかにおいて、マイクロ波による潜熱蓄熱体1の加熱時において、潜熱蓄熱体1の上部にマイクロ波シールド13が施されているのが好ましく、この場合、潜熱蓄熱体1の下部方向からの照射量を多くし、下部の潜熱蓄熱材2を先に溶融させることができ、対流による全体均一加熱ができる。 【0019】また請求項14記載の発明は、請求項12においてマイクロ波による潜熱蓄熱体1の加熱時において、潜熱蓄熱体1が上部の潜熱蓄熱材層14と下部の水層15とから構成されているのが好ましく、この場合、水層15の加熱によって潜熱蓄熱材2の下部に存在する結晶を下方向から効率良く加熱溶融することができる。 【0020】また請求項15記載の発明は、請求項12において、マイク口波集中手段12は、マイクロ波による潜熱蓄熱体1の加熱時において、潜熱蓄熱体1の下部にマイクロ波を潜熱蓄熱体1下部に集中させるためのパラボラ形状を有しているのが好ましく、この場合、潜熱蓄熱材2の下部に存在する結晶を下方向から加熱溶融することができる。 【0021】また請求項16記載の発明は、請求項12〜15のいずれかにおいて、マイクロ波による潜熱蓄熱体1の加熱時において、潜熱蓄熱体1の下部に断熱材16を設置してなるのが好ましく、この場合、断熱材16によって潜熱蓄熱体1の下部方向からの熱を再び逃すことなく内側に保存することができるようになる。 【0022】また請求項17記載の発明は、請求項1〜16のいずれかにおいて、潜熱蓄熱体1の形状を、マイクロ波による潜熱蓄熱体1の加熱時において潜熱蓄熱体1の各場所へマイクロ波照射エネルギーを集中できる形状にするのが好ましく、この場合、マイクロ波の集中のしやすさに応じて、各部分の形状を工夫することにより部分的な加熱ムラを防止できる。 【0023】また請求項18記載の発明は、請求項17において、マイクロ波による潜熱蓄熱体1の加熱時において、潜熱蓄熱体1の端部の厚みDを中央部の厚みdよりも増すようにするのが好ましく、この場合、マイクロ波の集中のしやすいところに潜熱蓄熱材2が多く存在することとなり、全体としては均一に加熱できる。 【0024】また請求項19記載の発明は、請求項17において、マイクロ波による潜熱蓄熱体1の加熱時において、潜熱蓄熱体1の形状を円形もしくは6角形以上の多角形にするのが好ましく、この場合、マイク口波の集中を緩和することができる。 【0025】また請求項20記載の発明は、請求項11〜19のいずれかにおいて、過昇温防止、蓄熱完了、過冷却解放可能、蓄熱残量のうちの少なくとも一つ以上の判断表示手段17を備えているのが好ましく、この場合、マイクロ波による潜熱蓄熱体1の加熱のしすぎの防止または蓄熱が本当に終わっているかどうかもしくは過冷却が解放できる温度になっているかどうか、または蓄熱残量があとどれくらいあるか等を表示させることができる。 【0026】また請求項21記載の発明は、請求項20において、判断表示手段17が、温度変化を示す示温テープであるのが好ましく、この場合、この示温テープを潜熱蓄熱体1表面に貼ることによって潜熱蓄熱材2の蓄熱完了、過冷却解放可能、蓄熱残量を一目で確認することができる。 【0027】また請求項22記載の発明は、請求項3〜21のいずれかにおいて、内側容器6と外側容器5との間に、過昇温防止を連絡する圧力センサー18と報知器19とを設けるのが好ましく、この場合、異常昇温を音により感知でき、容器3の損傷が起こる前に加熱をストップさせることができる。 【0028】また請求項23記載の発明は、請求項1〜7のいずれかにおいて、可撓性材料からなる内側容器6のシール部分6を外側容器5に突設させたリブ20にて圧着するのが好ましく、この場合、シール部分6の強度がアップし、内側容器6の破壊までの時間を延長することができる。 【0029】また請求項24記載の発明は、請求項23において、リブ20が柔軟性のある補強材で構成されているのが好ましく、この場合、可撓性材料からなる内側容器6の形状をリブ20からの圧力に対して安定良く保つことができる。 【0030】また請求項25記載の発明は、請求項2において、潜熱蓄熱材2の過冷却状態を解放する解放手段4が容器の内部に設置されるトリガー素子21と、容器の外部から該トリガー素子21を操作する操作部25とからなり、上記トリガー素子21は、トリガー材料22の表面に潜熱蓄熱材料のエンブリオが付着され、操作部25によるトリガー材料22の変形によりエンブリオが凝集されて結晶核となり、この結晶化が潜熱蓄熱材2全体まで伝播していくことによって潜熱蓄熱材2の過冷却状態が解放されて発熱するように構成されているのが好ましく、この場合、マイク口波による潜熱蓄熱体1の均一加熱によって潜熱蓄熱材2の加熱ムラをなくすことで、潜熱蓄熱材2全体を均一に過冷却状態にすることが容易となる。 【0031】 【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。 【0032】本実施形態のマイクロ波による加熱が可能な潜熱蓄熱体1は、図1に示すように、誘電損失係数が低い容器3と、この容器3の中に封入される潜熱蓄熱材2とで主体が構成されている。容器3として誘電損失係数の低いものを用いることで、マイクロ波加熱段階において全体が均一に加熱されるようになっている。本例では、潜熱蓄熱体1の容器3は可撓性材料、硬質材料のいずれか、もしくはそれらの組合せによる多重構造の容器で構成されている。ここで図1〜図4のように用途に応じてその組合せを自由に選択できるようにするのが好ましい。図1は外側容器5が硬質材料、内側容器6が可撓性材料の場合を示し、図2は外側容器5、内側容器6共に硬質材料の場合を示し、図3は外側容器5、内側容器6共に可撓性材料の場合を示し、図4は外側容器5が可撓性材料、内側容器6が硬質材料の場合を示している。 【0033】また上記マイクロ波による加熱の際、内側容器6の破損により内部の潜熱蓄熱材2が外部まで漏洩しないような構成になっている必要があり、そのためには外側容器5を柔軟にするか、或いは完全密閉でない状態にするのが望ましく、このように構成することで、この場合、外側容器5と内側容器6の間の空気の膨張による外側容器5の変形または破損を防止できるようになる。 【0034】ここで、容器3を構成する誘電損失係数が低い材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどが好ましい。また、容器3の厚さが3mm以下であればPVC、HIPS、PC、TPX、PETなどを使用してもよい。また、可撓性材料としてはラミネートフィルム等を使用できる。 【0035】しかして、潜熱蓄熱体1の容器3の材料として誘電損失係数が低い材料を使うことにより、マイクロ波が容器3を透過しやすく効率的に潜熱蓄熱材2の加熱を行うことができる。従って、マイクロ波加熱による部分的な加熱ムラが引き起こす異常昇温を防止し、全体を均一に加熱できる潜熱蓄熱体1を提供することができると共に、容器3自身も加熱されにくいので、損傷が少なくて済む。さらに、潜熱蓄熱材2が容器3の外部に漏洩しない構造となっているので、つまり、潜熱蓄熱材2を封入する容器3を内側容器6と外側容器5の2重構造とすることで、万が一ユーザーの加熱時における誤使用(加熱したまま忘れて長時間放置する等)による潜熱蓄熱体1の損傷が生じた際にも内部の潜熱蓄熱材2が外部へ漏洩するのを防止することができ、結果として周囲機器の破損・汚染・付臭の恐れをなくすことができる。 【0036】次に、上記容器3の中に封入される潜熱蓄熱材2としては、例えば、マイク口波の加熱による冷却後、比較的安定良く過冷却状態(結晶が完全に融解した状態)に至る物質が用いられる。このような比較的安定に過冷却状態に至る材料として、無機水和物が挙げられる。具体的には水酸化バリウム八水和物、酢酸ナトリウム三水和物、チオ硫酸ナトリウム五水和物、リン酸水素ナトリウム十二水和物、硫酸ナトリウム十水和物、塩化カルシウム六水和物が挙げられる。水和物を潜熱蓄熱材2として使用する場合、水蒸気透過率及び酸素透過率が非常に低いポリエチレンやポリプロピレンやPETが有効であり、ラミネートフィルムにおいては蒸着PETを使用することで更にその効果が上がる。但し、蒸着PETは外部応力によりクラックが入りやすいので、厚みの増加、重ね合わせ、他の材料による保護等を施した方がその性能を長期にわたって保持できる。 【0037】また、上記のように潜熱蓄熱材2が、加熱冷却後、比較的安定に過冷却状態に至る(結晶が完全に融解する)物質である場合にあっては、その過冷却状態を任意に解放する解放手段4が設けられる。 【0038】この解放手段4の構成に関しては、特に限定されないが、過冷却解放の安定性という点で、図5〜図7のようにトリガー材料22間への潜熱蓄熱材料のエンブリオ(凝集して結晶核となるもの)の付着、凝集という方式が特に有効である。例えば図5に示すように、可撓性を有するトリガー材料22の両表面に潜熱蓄熱材料のエンブリオを付着すると共に、トリガー材料22の両表面にワッシャー23をそれぞれ配置し、止めネジ24で止めると共に、トリガー材料22の両端部を、図6(a)(b)に示すように、トリガー枠29内に上方に凸となるように架け渡してトリガー素子21を構成する。このとき、トリガー材料22とワッシャー23との隙間により多くの潜熱蓄熱材料のエンブリオを付着させておく。そしてトリガー素子21を内側容器6の内部に設置すると共に、外側容器5の一部に操作部25を設置し、外側容器5の外部から該トリガー素子21を操作できるようにする。操作部25を押し込むとトリガー素子21の中央部が下方に撓んでトリガー材料22とワッシャー23との間が摩擦され、ここに付着されている潜熱蓄熱材料のエンブリオが凝集されて結晶核となり、この結晶化が潜熱蓄熱材2全体まで伝播していくことによって、潜熱蓄熱材2の過冷却状態が解放されて発熱するものである。 【0039】なお図6(a)(b)の実施形態では、トリガー素子21の中央部を上方に凸となるように湾曲した状態で設置することで、操作部25の押し込みによってトリガー素子21が矢印mで示す方向に反転して大きな移動ストロークを確保できるようになるが、必ずしもこれには限定されず、例えば図6(c)のようにトリガー材料22を平坦状に設置し、操作部25にて下方に撓ませるようにしてもよいものである。 【0040】また、上記図6に示すように、トリガー素子21が内側容器6内に固定しない状態で設置されていると、外側容器5に加えられた力がトリガー素子21に伝わりにくく操作ができないという不具合がある。そこで、図7に示すように、トリガー素子21を外側容器5の上下面から突出させた凸部26にて固定するのが好ましい。この場合、外部の操作圧力に対して常にトリガー素子21部分の動作ポイントが安定した位置に設置されており、繰り返し操作においてもトリガー素子21が破壊されないようにストローク及び圧力が一定となる。つまり、外側容器5の操作部25に圧力を加えるとこの力が操作部25から押圧部25aを介して直線的にトリガー素子21に伝わるためトリガー素子21の操作の安定化を図ることができる。 【0041】次に、上記マイク口波による加熱時に潜熱蓄熱材2の外部への漏洩を防止する手段として、図8に示すように、内側容器6の中の潜熱蓄熱材2の外部への漏洩を防止するための液溜め部7を内側容器6と外側容器5の間に設置するのが好ましい。特に多重構造の容器で構成されている潜熱蓄熱体1において、内側容器6が可撓性材料の場合は、加熱超過により破損する可能性がある。その際、周囲に液溜め部7があることにより外部に漏洩するのを防止できる。また、通常はこの液溜め部7の空間が断熱材16の役割を果たし、加熱後も温度が上がりにくく持ち運びやすいという利点もある。なお内側容器6として水蒸気透過対策のための蒸着PET等を使用している場合でも、液溜め部7にて外側容器5を保護できるので、外側容器5にクラックが入りにくい状態となり、性能が長期間維持されるものとなる。 【0042】また上記マイクロ波による潜熱蓄熱体1の加熱時において、図9〜図11に示すように、容器3内部が高圧にならない構成になっているのが好ましい。図9に示す例では、容器3内部に空気溜まり30を設け、その部分に減圧手段8を構成する減圧弁31を使用することにより液体を漏らさず気体を外部に通し減圧できるようにしている。また、図10に示す例では、容器の一部(全体でもよい)が、液体を通さず気体のみを通す気体選択透過フィルム32で構成してある。この気体選択透過フィルム32の材料としては、ゴアテックス(商標名)を用いるのが良い。このゴアテックスは空気のみを選択的に透過するため外部に潜熱蓄熱材2を漏洩させることなく減圧することができる。さらに、図11に示すように、外側容器5の一部が、減圧弁31と気体選択透過フィルム32との組合せで構成されているのが好ましい。つまり、減圧弁31のみでは液を通す可能性があることから、減圧弁31の下にゴアテックス等の気体選択透過フィルム32を用いることにより、内部の潜熱蓄熱材2を外に漏洩することなく、より効果的に減圧することができる。 【0043】また上記潜熱蓄熱体1の加熱時において、潜熱蓄熱材2の厚み方向で温度差が低減する構成になっているのが好ましい。図12に示すように、電子レンジ33を使用してマイクロ波Aによる加熱を行った場合、マイクロ波Aは電子レンジ33庫内の上部より照射されるタイプのものが商品の大半を占めている。そのため上部より加熱された場合は潜熱蓄熱材2の上部温度と下部温度の温度差が大きくつく。そこで、以下の図14〜図17等に示すように、潜熱蓄熱体1の上部の熱を下部に伝熱により持っていくか、あるいは、上部の温度が上がりにくい構成にすることにより全体を均一に加熱できるようにするのが好ましい。 【0044】図14は、潜熱蓄熱材2が、蓄熱主材10とこの蓄熱主材10の融点と沸点の間に融解潜熱を持つ蓄熱副材11とから構成されている場合を示している。マイク口波による加熱の際に蓄熱主材10が、図13で示す潜熱蓄熱材2の潜熱領域a,bを超えて、顕熱領域cに達すると、非常に温度が上がりやすくなる。そこで、この温度領域(融点と沸点の間)に潜熱領域を持つ蓄熱副材11を同時に封入することにより顕熱領域c´に達するまで時間がかかり、温度の上昇速度を抑えることができる。特に電子レンジ加熱の場合、上部よりマイクロ波が照射されることにより上部昇温が促進されるため、これを防止する対策として、図14のように蓄熱主材10上部に蓄熱副材11を位置させることが全体均一加熱において有効となる。 【0045】図15は蓄熱主材10の密度を蓄熱副材11の密度より高くした場合を示している。蓄熱主材10と蓄熱副材11とを混合して封入した場合にあっては、加熱溶融状態に近づくにつれてそれぞれの密度差のため蓄熱副材11が上部、蓄熱主材10が下部に自動的に位置するようになる。このとき上部温度の上昇速度は蓄熱副材11の融解潜熱により減少する。そのため全体が均一加熱できる。この組合せとして蓄熱主材10に融解すると粘性が極端に減少する無機の水和物を使用し、蓄熱副材11に有機系潜熱蓄熱材2をしようすると蓄熱主材10の無機水和物が先に融解し、それに伴い図15(a)(b)に示すように、密度の低い有機系の蓄熱副材11が上部の方へ自動的に移動して、蓄熱主材10の急激な温度上昇を抑える役目をする。一般的に無機水和物の密度は有機系潜熱蓄熱材2よりも小さいため、有機が上部に無機が下部に位置するようにする。また密度差を設けることで、互いに混じりあうことも少ないので長期間の繰り返し使用に強くなるという利点もある。 【0046】図16は、潜熱蓄熱材2内部に熱伝導性の高い攪拌子9を混入した場合を示している。攪拌子9として例えばセラミックやSUSなどの固まりを用いる。この攪拌子9を潜熱蓄熱材2内部に封入することによって、加熱時に高熱伝導性を有する攪拌子9自体が均熱材として働き、また加熱直後の持ち運び時には、攪拌子9を構成するセラミックやSUSの固まりが潜熱蓄熱材2全体を攪拌するため、材料温度を均一にできるという利点もある。 【0047】図17は、誘電損失係数が低い外側容器6中に潜熱蓄熱材2を封入するにあたり、潜熱蓄熱材2の上部に横方向に長い高熱伝導性の材料50を設置し、さらにその熱を下部に伝えるための縦方向に長い高伝導材料51を複数設置した場合を示している。つまり図18のように誘電損失係数が低い外側容器6中に潜熱蓄熱材2のみを封入した場合は、加熱ムラが発生しやすいが、図17のように構成することで、潜熱蓄熱材2の上部の熱を高熱性伝導性の材料50,51を介して潜熱蓄熱材2の下部に伝えることができ、潜熱蓄熱材2内部全体を均一加熱できるようになる。 【0048】また、図19は潜熱蓄熱体1の下部にマイク口波Aを集中させ、潜熱蓄熱材2の下部から上部への対流により全体加熱するようにした場合を示している。ちなみに電子レンジ等によるマイクロ加熱では潜熱蓄熱体1上部にマイクロ波Aが集中する。上部から溶融した潜熱蓄熱材2に対してさらにマイクロ波Aがその溶融部に吸収され易い性質を持っていることから、下部との温度差が大きくなる。これを防ぐために潜熱蓄熱材2上部にマイクロ波シールド13を施すことにより、下部方向からの照射量を多くし、下部の潜熱蓄熱材2を先に溶融させることができる。これにより図19(b)に示すように、加熱溶融された潜熱蓄熱材2Aが潜熱蓄熱体1上部の方に上昇し、上部の潜熱蓄熱材2が下部に降りて来るという、いわゆる対流が起こり、効率的に全体を融解することができる。 【0049】図20、図21は上記潜熱蓄熱体1の加熱時において、潜熱蓄熱体1の上部にマイクロ波シールド13として、シールド枠13a或いはアルミシート13bを施した場合を示している。上部にマイクロ波シールド13を施すことにより、下部方向からの照射量を多くし、下部の潜熱蓄熱材2を先に溶融させることができる。なお潜熱蓄熱体1の上部にマイクロ波シールド13を施す方法として、図20のように外側容器5内部上部にシールド枠13aを施しても良いし、図21のように内側容器6の上面にアルミシート13bを装着しても良い。また可撓性容器を使用する場合には、片側にアルミラミネートフィルムを使用することでマイク口波シールド13が一体となった容器として使用することができる。 【0050】図22は、上記潜熱蓄熱体1の加熱時において、潜熱蓄熱体1内部が分離フィルム60を用いて上部の潜熱蓄熱材層14と下部の水層15とに分離した場合を示している。マイクロ波が特に集中しやすい水の入った容器3を潜熱蓄熱材2の下部に位置させることによってその水が先に昇温されるため下部に存在する結晶を下方向から加熱溶融する。また図23に示すように、外側容器5と内側容器6との間に水層15を封入してもよく、この場合、分離フィルムを用いずに全体均一加熱が可能となる。 【0051】図24はマイクロ波Aによる潜熱蓄熱体1の加熱時において、潜熱蓄熱体1の下部にマイクロ波Aを潜熱蓄熱体1下部に集中させるためのパラボラ形状を持つマイク口波集中手段12を施した場合を示している。このパラボラ状のマイクロ波Aの集積器40の設置により、下部へのマイクロ波Aの集中をさらに向上させることができる。このとき例えば図25に示すように、潜熱蓄熱体1の下部に断熱材16を設置するのが望ましい。潜熱蓄熱体1の下部に断熱材16があることにより下部方向からの熱を再び逃すことなく内側に保存することができるため、全体均一加熱が促進される。 【0052】図26は上記潜熱蓄熱体1の加熱時において、潜熱蓄熱体1の各場所へのマイクロ波照射エネルギーの集中に合わせた形態した場合を示している。ちなみに、電子レンジによるマイクロ波加熱の場合、その特性上庫内中央部は周囲よりも電解が弱く、さらに、マイクロ波の性質上、端部の鋭利な部分へ局部集中しやすい。そのため図26のイで囲んだ部分のような形状を持つラミネート形状の内側容器6を使用している場合、イの部分が優先的に加熱されるということになり、部分的な加熱ムラがおこりやすい。そこでマイクロ波の集中のしやすさに応じて、後述の図27〜29等のように各部分の形状を工夫すれば全体均一加熱が可能となる。このことは前記図1〜図25の各実施形態においても同様である。 【0053】さらに、均一加熱を促進させるために、図27に示すように、潜熱蓄熱体1の加熱時において、潜熱蓄熱体1の周囲の厚みDを増し、中央部の厚みd(<D)を薄くするのが好ましい。このように潜熱蓄熱体1の中央部の体積を周囲に持っていくことで、マイクロ波の集中しやすいところに潜熱蓄熱材2が多く存在するため全体としては均一に加熱できる。またこのとき図28に示す中央部が上方に凸状に膨らんだ断熱材16を内側容器6の下面に設置すると共に、内側容器6を可撓性材料で構成すれば、図27に示す潜熱蓄熱体1の形状を簡単に作ることができるので便利である。 【0054】図29(b)(c)は上記潜熱蓄熱体1の加熱時において、潜熱蓄熱体1形状を円形もしくは6角形以上の多角形にした場合を示している。ここで、図29(a)のように潜熱蓄熱体1の形状を四角にすると角部ロが鋭利なため、角部ロにマイクロ波が集中しやすくなる。それを防止するために形状を図29(b)に示すような六角形以上にすることによって、マイク口波の集中を緩和することができるようになる。なお、理想的には図29(c)に示すような丸型が好ましい。 【0055】次に、過昇温防止、蓄熱完了、過冷却解放可能、蓄熱残量のうち少なくとも一つ以上の判断表示を行うために、図30に示すように、判断表示手段17を設けるのが好ましい。ここでは、過昇温防止連絡として内側容器6と外側容器5の間に圧力センサー18と報知器19とが設けられている。外側容器5に硬質の容器3を使用し、内部に可撓性のある容器3を使用した場合、加熱昇温によって内側容器6が体積膨張を起こす。このとき外部と内部の空間が圧縮されることを利用してその部分に圧力センサー18及びそれに伴う報知器19を設置することにより異常昇温が音により感知できるようになる。マイクロ波による潜熱蓄熱体1の加熱において加熱のしすぎの防止または蓄熱が本当に終わっているかどうかもしくは過冷却が解放できる温度になっているかどうか、または蓄熱残量があとどれくらいあるか等を表示させることにより、容器3の損傷が起こる前に加熱をストップさせることができるので、潜熱蓄熱材2としての使い勝手がさらに向上する。 【0056】なお判断表示方法としては温度、内部圧力等を利用しそのエネルギーを色、光、音等の五感に訴えるものに変換することにより上記判断表示が可能になる。その一例として温度により色が変化する示温テープを潜熱蓄熱体1の容器3表面に貼ることによって潜熱蓄熱材2の蓄熱完了、過冷却解放可能、蓄熱残量を確認するようにしてもよい。 【0057】また、上記のように多重構造をとる潜熱蓄熱体1において、図31に示すように、外側容器5の上下面から突設させたリブ20により可撓性材料からなる内側容器6のシール部分6aを圧着するようにしてもよい。内側容器6として可撓性容器3を使用している場合、或いは異常昇温によって容器3が破壊される場合にあっては、主にそのシール部分6aが最初に破損する。このシール部の強度を上げるために外側容器5の上下面に突設されたリブ20によって内側容器6のシール部分6aを圧着することにより、シール部分6aの強度がアップし、内側容器6の破壊までの時間を延長することができる。なお、図32(a)〜(d)に示すように、外側容器5の上下面から突設させたリブ20を可撓性材料からなる内側容器6を圧着させないようにしてもよく、また、図32(e)に示すように、リブに代えてボス20´を用いてもよいものである。 【0058】ここで、上記リブ20(あるいはボス20´)としては柔軟性のある補強材、例えばゴムで構成されているのが好ましい。リブ20をゴムなどの柔軟性のある補強材で構成することによって、図31に示す例では、ラミネートフィルム等からなる内側容器6を傷つけないようにシール圧着できて、外部からの圧力に対して内側容器6の形状をより安定良く保てるようになる。 【0059】 【実施例】以下に本発明を実施例によって詳述する。尚、本発明は以下の実施例に限られるものではない。 【0060】[実施例1〜19、比較例1〜3]以下の各実施例1〜19において、本発明の潜熱蓄熱体1におけるマイクロ波加熱による加熱状況を比較例1〜3と比較を行い、その結果を表1、表2に示す。なお、加熱、ケースについての共通条件は、潜熱蓄熱材2容量:500g、レンジ出力:500Wとした。 【0061】実施例1では、外側容器5として、図20に示す断面形状を有し、内寸180mm×180mm×12mm、肉厚2mmのPP製中空容器を用い、その中に酢酸ナトリウム三水和物が100重量部、ピロリン酸ソーダ五水和物が1重量部の蓄熱主材を封入した。 【0062】実施例2では、外側容器5として、図20に示す断面形状を有し、内寸φ180×20mm、肉厚2mmのPP製中空容器を用いた。内側容器6として、φ180円形シールからなるラミネート袋を図29(c)に示すラミネート形状とし、その中に実施例1と同様の蓄熱主材を封入した。 【0063】実施例3では、外側容器5として、図25に示す断面形状を有し、内寸190mm×190mm×20mm、肉厚2mmのPP製中空容器を用いた。内側容器6として、180mm×180mmの4方シールのラミネート袋を図29(a)に示すラミネート形状とし、その中に酢酸ナトリウム三水和物が100重量部の蓄熱主材を封入した。 【0064】実施例4では、外側容器5として実施例3と同様のものを図28に示す断面形状とした。内側容器6として実施例3と同様のものを図29(a)に示すラミネート形状とし、その中に実施例3と同様の蓄熱主材を封入した。 【0065】実施例5では、外側容器5として、図27に示す断面形状を有し、内寸190mm×190mm×20mm、端部の肉厚が2mm、中央の肉厚が5mmのPP製中空容器を用いた。内側容器6として実施例3と同様のものを図29(a)に示すラミネート形状とし、その中に実施例3と同様の蓄熱主材を封入した。 【0066】実施例6では、外側容器5として実施例3と同様のものを図23に示す断面形状とした。内側容器6として、180mm×180mmの4方シールの上下2層構造のラミネート袋を図29(a)に示すラミネート形状とし、その中に実施例3と同様の蓄熱主材を封入した。 【0067】実施例7では、外側容器5として実施例3と同様のものを図22に示す断面形状とした。内側容器6を実施例3と同様のものを図29(a)に示すラミネート形状とし、その中に実施例3と同様の蓄熱主材を封入した。 【0068】実施例8では、外側容器5として実施例3と同様のものを図14に示す断面形状とした。内側容器6は実施例3と同様のものを図29(a)に示すラミネート形状とし、その中に実施例3と同様の蓄熱主材を封入した。 【0069】実施例9では、外側容器5として実施例3と同様のものを図15に示す断面形状とした。内側容器6は実施例3と同様のものを図29(a)に示すラミネート形状とし、その中に実施例3と同様の蓄熱主材を封入した。 【0070】実施例10では、外側容器5として実施例3と同様のものを図16に示す断面形状とした。内側容器6は実施例3と同様のものを図29(a)に示すラミネート形状とし、その中に実施例3と同様の蓄熱主材を封入した。 【0071】実施例11では、図17に示す断面形状を有し、内寸180mm×180mm×12mm、肉厚2mmのPP製中空容器の中に、実施例1と同様の蓄熱主材を封入した。 【0072】実施例12では、外側容器5として実施例3と同様のものを図24に示す断面形状とした。内側容器6は実施例3と同様のものを図29(a)に示すラミネート形状とし、その中に実施例3と同様の蓄熱主材を封入した。 【0073】実施例13では、実施例1と同様の外側容器5を図11に示す断面形状とし、その中に実施例1と同様の蓄熱主材を封入した。 【0074】実施例14では、外側容器5として実施例3と同様のものを図9に示す断面形状とした。内側容器6は実施例3と同様のものを図29(a)に示すラミネート形状とし、その中に実施例3と同様の蓄熱主材を封入した。 【0075】実施例15では、外側容器5として実施例3と同様のものを図10に示す断面形状とした。内側容器6は実施例3と同様のものを図29(a)に示すラミネート形状とし、その中に実施例3と同様の蓄熱主材を封入した。 【0076】実施例16では、外側容器5として、図4に示す断面形状を有し、180mm×180mmの4方シールのシリコンゴム製袋を用いた。内側容器6は内寸190mm×190mm×20mm、肉厚2mmのPP製中空容器を図29(a)に示すラミネート形状とし、その中に実施例1と同様の蓄熱主材を封入した。 【0077】実施例17では、外側容器5として実施例3と同様のものを図2に示す断面形状とした。内側容器6は実施例16と同様のものを用い、その中に実施例1と同様の蓄熱主材を封入した。 【0078】実施例18では、外側容器5として実施例16と同様のものを図3に示す断面形状とした。内側容器6は実施例3と同様のものを用い、その中に実施例1と同様の蓄熱主材を封入した。 【0079】実施例19では、外側容器5として実施例2と同様のものを図15、図21、図23にそれぞれ示す断面形状とした。内側容器6はφ180円形シールからなるラミネート袋を図29(c)に示すラミネート形状とし、その中に実施例1と同様の蓄熱主材を封入した。 【0080】一方、比較例1では、実施例11と同様の外側容器5を図18に示す断面形状とし、その中に実施例1と同様の蓄熱主材を封入した。 【0081】比較例2では、実施例3と同様のラミネート袋を図29(a)に示すラミネート形状とし、その中に実施例1と同様の蓄熱主材を封入した。 【0082】比較例3では、内寸180mm×180mm×12mm、肉厚2mmのカーボン入りPP製中空容器を図18に示す断面形状とし、その中に実施例1と同様の蓄熱主材を封入した。 【0083】 【表1】
【0084】 【表2】
【0085】尚、上記表1,表中2中において、注1)は完全溶解するまでに達した部分的最高温度であり、注2)は完全溶解するまでの潜熱蓄熱体の最高温度と最低温度の差であり、注3)は振らずに潜熱蓄熱体が過冷却に至る(結晶が完全に溶解する)最低時間であり、注4)は外部及び内部も含めて破損あるいは変形して元に戻らなくなった最低時間である。 【0086】[実施例20、比較例4]実施例20では、外側容器5として、図32(a)〜(d)に示す断面形状を有し、内寸190mm×190mm×20mm、肉厚2mmのPP製中空容器の上下面に、幅5mm、高さ6mmのリブ20を等間隔に4本ずつ相対するように設置した。内側容器6は、180mm×180mmの4方シールのラミネート袋を図29(a)に示すラミネート形状とし、その中にチオ硫酸ナトリウム五水和物100重量部からなる蓄熱主材を封入した。 【0087】比較例4では、外側容器5として、図1に示す断面形状を有し、内寸190mm×190mm×20mm、肉厚2mmのPP製中空容器を用いた。内側容器6は実施例20と同様のものを図29(a)に示すラミネート形状とし、その中に実施例20と同様な蓄熱主材を封入した。 【0088】上記実施例20において、マイク口波により加熱したときの容器破損時間を比較例4と比較し、その結果を表3に示す。この表3から本発明のリブ20付きの容器3では変形がないことがわかる。 【0089】 【表3】
【0090】[実施例21、比較例5]実施例21では、外側容器5として、図31(a)(b)に示す断面形状を有し、内寸200mm×200mm×50mm、肉厚2mmのPP製中空容器の上下面に、内側に高さ10mm、肉厚3mmのリブ20をそれぞれ設置して、そのリブ20で内側容器6のラミネート部分を圧着した。内側容器6は、180mm×180mmの4方シールのラミネート袋を図27(a)に示すラミネート形状とし、その中に酢酸ナトリウム三三水和物が100重量部、ピロリン酸ソーダ五水和物が1重量部の蓄熱主材を封入した。 【0091】比較例5では、外側容器5として図1に示す断面形状を有し、内寸190mm×190mm×50mm、肉厚2mmのPP製中空容器を用いた。内側容器6は、実施例21と同様のものを用い、その中に実施例21と同様の蓄熱主材を封入した。 【0092】上記実施例21において、内側容器6を外側容器5のリブ20で押さえ込んだ際の容器破損時間をリブ無しのものと比較した。その結果を表4に示す。 【0093】 【表4】
【0094】[実施例22〜24、比較例6]実施例22では、外側容器5として、図9に示す断面形状を有し、内寸190mm×190mm×20mm、肉厚2mmのPP製中空容器を用いた。内側容器6は、180mm×180mmの4方シールのラミネート袋を図27(a)に示すラミネート形状とし、その中に酢酸ナトリウム三水和物が100重量部の蓄熱主材を封入した。 【0095】実施例23では、外側容器5として実施例22と同様のものを図30に示す断面形状とした。内側容器6は実施例22と同様のものを用い、その中に実施例22と同様の蓄熱主材を封入した。 【0096】実施例24では、外側容器5として実施例22と同様のものを図20に示す断面形状とした。内側容器6は実施例22と同様のものを用い、その中に実施例22と同様の蓄熱主材を封入した。 【0097】比較例6では、外側容器5として実施例22と同様のものを図1に示す断面形状とした。内側容器6は実施例22と同様のものを用い、その中に実施例22と同様の蓄熱主材を封入した。 【0098】上記実施例22〜24において、外側容器5に設置された各判断表示によりその潜熱蓄熱体の加熱時における使い勝手を比較例6の判断表示無しのものと比較した。その結果を表5に示す。 【0099】 【表5】
【0100】[実施例25、比較例7]実施例25では、図7のように内側容器6内にトリガー素子21を設置し、且つ外側容器5の上下面から突出させた凸部にてトリガー素子21を固定した。そして、外側容器5の操作部25に圧力を加えると、この力がブロック操作部25から直線的にトリガー素子21に伝わり、トリガー素子21の操作が安定して行えることがわかった。 【0101】比較例7では、図6のように内側容器6内にトリガー素子21を設置したが、外側容器5によるトリガー素子21の固定は行われていない。この場合、外側容器5から加えられた力がトリガー素子21に伝わりにくく、操作が不安定になる場合があった。 【0102】 【発明の効果】上述のように請求項1記載の発明にあっては、マイクロ波による加熱が可能な潜熱蓄熱体であって、誘電損失係数が低い容器の中に潜熱蓄熱材が封入されているので、誘電損失係数が低い材料からなる容器にマイクロ波が透過しやすくなり、潜熱蓄熱材の加熱を効率的に行うことができ、従って、マイクロ波加熱による部分的な加熱ムラが引き起こす異常昇温を防止し、全体を均一に加熱できると共に、容器自身も加熱されにくいので損傷が少なくて済む。さらに、潜熱蓄熱材は容器の外部に漏洩しない構造となっているので、万が一ユーザーの加熱時における誤使用(加熱したまま忘れて長時間放置する等)による潜熱蓄熱体の損傷が生じた際にも内部の潜熱蓄熱材が外部へ漏洩するのを防止でき、周囲機器の破損・汚染・付臭の恐れをなくすことができる。 【0103】また請求項2記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、潜熱蓄熱材が加熱により過冷却状態に至る物質からなり、この潜熱蓄熱材の過冷却状態を任意に解放する解放手段を具備しているので、潜熱蓄熱材全体の完全融解によって均一に過冷却状態に至らしめることができるので、加熱ムラによる異常昇温という問題も生じなくなり、また解放手段によって過冷却状態を解放することで、発熱ムラをなくすことができる。 【0104】また請求項3記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、容器が可撓性材料、硬質材料のいずれか、もしくはそれらの組合せによる多重構造の容器で構成されているので、用途に応じてその組合せを自由に選択できると共に、多重構造の容器であるので空気の膨張による容器の変形防止及び破損防止に効果的となる。 【0105】また請求項4記載の発明は、請求項3記載の効果に加えて、多重構造の容器が、潜熱蓄熱材を封入した内側容器と、内側容器を収納した外側容器と、内側容器と外側容器の間に設置されて内側容器の中の潜熱蓄熱材の外部への漏洩を防止するための液溜め部とを備えているので、仮に内側容器が加熱超過により破損した場合でも、周囲に液溜め部があることにより外部に漏洩するのを防止できる。また液溜め部は断熱の役割を果たし、加熱後も温度が上がりにくくて持ち運びがしやすくなる。 【0106】また請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の効果に加えて、マイクロ波による潜熱蓄熱体の加熱時において、容器内部が高圧になるのを防止するための減圧手段を備えているので、マイクロ波による潜熱蓄熱体の加熱時における容器の損傷防止を図ることができる。 【0107】また請求項6記載の発明は、請求項5記載の効果に加えて、容器の全体または一部が、液体を通さず気体のみを通す材料からなるので、内部の潜熱蓄熱材が外部に漏洩することなく減圧することができる。 【0108】また請求項7記載の発明は、請求項5記載の効果に加えて、容器の一部が、減圧弁及び液体を通さず気体のみを通す材料の組合せで構成されているので、内部の潜熱蓄熱材が外に漏洩することなく、より確実に減圧することができる。 【0109】また請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の効果に加えて、マイクロ波による潜熱蓄熱体の加熱時において、潜熱蓄熱材の厚み方向における温度差を低減するように構成されているので、つまり潜熱蓄熱材の上部の熱を下部に伝熱により持っていったり、あるいは上部の温度が上がりにくい構成にすることで、例えば電子レンジを使用してマイクロ波加熱を行った場合でも、潜熱蓄熱材の上部温度と下部温度の温度差を低減することができ、潜熱蓄熱材全体を均一に加熱することができる。 【0110】また請求項9記載の発明は、請求項1又は2又は8記載の効果に加えて、潜熱蓄熱材が、蓄熱主材とこの蓄熱主材の融点と沸点の間に融解潜熱を持つ蓄熱副材とで構成されているので、マイク口波による加熱の際に、蓄熱主材が顕熱領域に達して非常に温度が上がりやすくなっても、この温度領域(融点と沸点の間)に潜熱領域を持つ蓄熱副材を同時に封入することにより、潜熱蓄熱体の温度の上昇速度を抑えることができ、全体均一加熱に有効となる。 【0111】また請求項10記載の発明は、請求項9記載の効果に加えて、蓄熱主材の密度を蓄熱副材の密度より高くしたので、蓄熱主材と蓄熱副材を混合して封入した場合、加熱溶融状態に近づくにつれて密度の低い蓄熱副材が上部の方へ自動的に移動して、蓄熱主材の急激な温度上昇を抑える役目をすることとなり、全体均一加熱により有効となる。 【0112】また請求項11記載の発明は、請求項1又は2又は8記載の効果に加えて、潜熱蓄熱材内部に熱伝導性の高い攪拌子を混入したので、マイク口波による加熱時に攪拌子が均熱材として働き、また加熱直後の持ち運びにより攪拌子が潜熱蓄熱材全体を攪拌するため材料温度を均一にすることができる。 【0113】また請求項12記載の発明は、請求項1〜11のいずれかに記載の効果に加えて、マイクロ波による潜熱蓄熱体の加熱時において、潜熱蓄熱体の下部にマイク口波を集中させて、潜熱蓄熱材の下部から上部への対流により全体加熱するためのマイク口波集中手段を備えているので、加熱溶融された潜熱蓄熱材は潜熱蓄熱体の上部に上昇して、上部の潜熱蓄熱材が下部に降りて来るという、いわゆる対流が起こり、効率的に全体を融解することができる。 【0114】また請求項13記載の発明は、請求項1〜12のいずれかに記載の効果に加えて、マイクロ波による潜熱蓄熱体の加熱時において、潜熱蓄熱体の上部にマイクロ波シールドが施されているので、潜熱蓄熱体の下部方向からの照射量を多くし、下部の潜熱蓄熱材を先に溶融させることができ、対流による全体均一加熱ができる。 【0115】また請求項14記載の発明は、請求項12記載の効果に加えて、マイクロ波による潜熱蓄熱体の加熱時において、潜熱蓄熱体が上部の潜熱蓄熱材層と下部の水層とから構成されているので、マイクロ波が特に集中しやすい水層を潜熱蓄熱材層の下部に位置させることによってその水層が先に昇温されるため、潜熱蓄熱材の下部に存在する結晶を下方向から効率良く加熱溶融することができ、全体均一加熱ができる。 【0116】また請求項15記載の発明は、請求項12記載の効果に加えて、マイク口波集中手段は、マイクロ波による潜熱蓄熱体の加熱時において、潜熱蓄熱体の下部にマイクロ波を潜熱蓄熱体下部に集中させるためのパラボラ形状を有しているので、潜熱蓄熱体下部にマイクロ波を集中させることができ、潜熱蓄熱材の下部に存在する結晶を下方向から加熱溶融することができ、全体均一加熱ができる。 【0117】また請求項16記載の発明は、請求項12〜15のいずれかに記載の効果に加えて、マイクロ波による潜熱蓄熱体の加熱時において、潜熱蓄熱体の下部に断熱材を設置してなるので、断熱材によって潜熱蓄熱体の下部方向からの熱を再び逃すことなく内側に保存することができるようになり、全体均一加熱が促進される。 【0118】また請求項17記載の発明は、請求項1〜16のいずれかに記載の効果に加えて、潜熱蓄熱体の形状を、マイクロ波による潜熱蓄熱体の加熱時において潜熱蓄熱体の各場所へマイクロ波照射エネルギーを集中できる形状にしたので、マイクロ波の集中のしやすさに応じて、各部分の形状を工夫することにより部分的な加熱ムラを防止でき、全体均一加熱が可能となる。 【0119】また請求項18記載の発明は、請求項17記載の効果に加えて、マイクロ波による潜熱蓄熱体の加熱時において、潜熱蓄熱体の端部の厚みを中央部の厚みよりも増すようにしたので、潜熱蓄熱体の中央部分の体積を端部に持っていくことで、例えば電子レンジを使用してマイクロ波加熱を行った場合でも、マイクロ波の集中のしやすいところに潜熱蓄熱材が多く存在することとなり、全体としては均一に加熱できる。 【0120】また請求項19記載の発明は、請求項17記載の効果に加えて、マイクロ波による潜熱蓄熱体の加熱時において、潜熱蓄熱体の形状を円形もしくは6角形以上の多角形にしたので、マイクロ波が集中しやすい鋭利な角部を持たない形状となり、これによりマイク口波の集中を緩和することができる。 【0121】また請求項20記載の発明は、請求項11〜19のいずれかに記載の効果に加えて、過昇温防止、蓄熱完了、過冷却解放可能、蓄熱残量のうちの少なくとも一つ以上の判断表示手段を備えているので、マイクロ波による潜熱蓄熱体の加熱において加熱のしすぎの防止または蓄熱が本当に終わっているかどうかもしくは過冷却が解放できる温度になっているかどうかまたは蓄熱残量があとどれくらいあるか等を表示させることにより、潜熱蓄熱材としての使い勝手を向上させることができる。 【0122】また請求項21記載の発明は、請求項20記載の効果に加えて、判断表示手段が、温度変化を示す示温テープであるので、この示温テープを潜熱蓄熱体表面に貼ることによって潜熱蓄熱材の蓄熱完了、過冷却解放可能、蓄熱残量を一目で確認することができる。 【0123】また請求項22記載の発明は、請求項3〜21のいずれかに記載の効果に加えて、内側容器と外側容器との間に、過昇温防止を連絡する圧力センサーと報知器とを設けたので、例えば外側容器を硬質材料で構成し、内側容器を可撓性材料で構成した場合、加熱昇温によって内側容器が体積膨張を起こし、このとき外部と内部の空間が圧縮されることを利用してその部分に圧力センサー及びそれに伴う報知器を設置することで、異常昇温を音により感知でき、容器の損傷が起こる前に加熱をストップさせることができる。 【0124】また請求項23記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の効果に加えて、可撓性材料からなる内側容器のシール部分を外側容器に突設させたリブにて圧着したので、異常昇温によって内側容器が破壊される場合には、主に内側容器のシール部分が最初に破損するが、このシール部の強度を上げるために外側容器に突設させたリブによって内側容器のシール部分を圧着することで、シール部分の強度がアップし、内側容器の破壊までの時間を延長することができる。 【0125】また請求項24記載の発明は、請求項23記載の効果に加えて、リブが柔軟性のある補強材で構成されているので、可撓性材料からなる内側容器の形状をリブからの圧力に対して安定良く保つことができる。 【0126】また請求項25記載の発明は、請求項2記載の効果に加えて、潜熱蓄熱材の過冷却状態を解放する解放手段が容器の内部に設置されるトリガー素子と、容器の外部から該トリガー素子を操作する操作部とからなり、上記トリガー素子は、トリガー材料の表面に潜熱蓄熱材料のエンブリオが付着され、操作部によるトリガー材料の変形によりエンブリオが凝集されて結晶核となり、この結晶化が潜熱蓄熱材全体まで伝播していくことによって潜熱蓄熱材の過冷却状態が解放されて発熱するように構成されているので、マイク口波による潜熱蓄熱体の均一加熱によって潜熱蓄熱材の加熱ムラをなくすことが容易となり、結果として潜熱蓄熱材全体を均一に過冷却状態に至らしめることが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005832 【氏名又は名称】松下電工株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月27日(1999.9.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087767 【弁理士】 【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−91175(P2001−91175A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月6日(2001.4.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−273384 |
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