| 【発明の名称】 |
熱伝達コネクタ |
| 【発明者】 |
【氏名】丸野 泰生
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| 【要約】 |
【課題】冷媒等の漏れを起こすことなく、高効率で熱の継断を自在に行うことのできる熱コネクタを提供する。
【解決手段】いずれも金属材料からなり、左右方向に延びる凹状断面形状の受容部10aを有する第1のコネクタ部材10と、左右方向に延びて凸状断面形状の挿入部20aを有する第2のコネクタ部材20と、挿入部20aの前後側面に沿って配設されて側面外方に突出する断面形状を有する櫛歯状コンタクト25とから熱伝達コネクタ1を構成する。そして、上下方向に嵌脱自在に接続して二つのコネクタ部材間に挟持された櫛歯状コンタクト25を介して固体接触により熱の伝達を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属材料からなり左右方向に延びる凹状断面形状の受容部を有する第1のコネクタ部材と、金属材料からなり左右方向に延びる凸状断面形状の挿入部を有する第2のコネクタ部材と、前記挿入部の前後側面の少なくとも一面に沿って配設されて、前記側面外方に突出する断面形状を有する金属材料製の櫛歯状コンタクトとからなり、上下方向に嵌脱自在に接続されるとともに前記二つのコネクタ部材間に挟持された前記櫛歯状コンタクトを介して固体接触により熱の伝達を行うことを特徴とする熱伝達コネクタ。 【請求項2】 前記受容部は矩形箱状を呈し、前記挿入部の左右端部には前記挿入部が前記受容部内に挿入されるときに前記櫛歯状コンタクトの左右端部を保護する側端保護部材を有することを特徴とする請求項1に記載の熱伝達コネクタ。 【請求項3】 前記挿入部の挿入端部には前記櫛歯状コンタクトの歯先端部を保護する上端保護部材を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱伝達コネクタ。 【請求項4】 前記挿入部の基端部には前記櫛歯状コンタクトの付け根部分を面接触により固定保持する固定部を有することを特徴とする請求項1から請求項3に記載の熱伝達コネクタ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は電子機器や産業機械等に使用されるコネクタに関し、さらに詳しくは熱を集熱、移送する熱移送装置等に用いられて熱の伝達を行う熱伝達コネクタに関する。 【0002】 【従来の技術】電子機器や産業機械等の装置内部には、局部的に熱を発し、または局部的に吸熱する構成部材を持つものがあり、これ等装置では発熱体の過熱による障害や吸熱体の過冷却による障害(例えば当該発熱体や吸熱体自身及びその周辺に配置される装置の動作不良や損傷など)を防止するため、これ等発熱体や吸熱体(以下「発熱体等」という。)の発生する熱を放熱する放熱手段を備え、発熱体等の熱を放熱させて作動させる構成を有するものが多い。 【0003】例えば、コンピュータにはCPU(MPU)をはじめとしてメモリやハードディスクドライブ等の発熱体が数多く搭載されており、これらを安定動作させるために発熱体から筐体やキーボード等に伝導伝熱させて自然空冷により放熱させ、また小型ファンを設けて強制空冷により放熱させる構成が用いられてきた。 【0004】しかし、近年ではマイクロプロセッサの高性能化やモジュール化による発熱量の増大と局部高発熱化、いわゆるノートブック型パーソナルコンピュータの小型化・薄型化に伴う発熱体の高密度化とこれによる直接対流冷却(強制空冷)流路確保の困難性の問題が生じており、熱移送型冷却装置を用いて発熱部の冷却を行うものが実用化されつつある。 【0005】これは、金属板等からなる集熱手段を発熱体に密着して配設し、集熱手段により集められた発熱体の熱をヒートパイプ等の熱移送手段を用いてコンピュータ本体の外周部まで移送し、移送された熱をコンピュータ本体の外周端部に配設した放熱フィンとファン等からなる放熱手段により放熱して発熱体の冷却を行うものである。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記のような熱移送手段を用いれば前記局部高発熱化の問題や対流冷却流路確保の困難性の問題は改善され、機器配置の自由度向上の効果が認められる。しかし、上記熱移送型冷却装置を用いた場合であっても、集熱手段(発熱部)と放熱手段とは熱移送手段(ヒートパイプ)によって結ばれて一体的に構成されており、また放熱手段たる放熱フィンや冷却ファンの大きさはコンピュータがフル作動した状態での最大発熱量を基準として決定されるため、コンピュータ本体はその外周端部に配設される放熱手段の外形寸法によって規定される寸法(例えば厚さ方向寸法)以下に小型化することができないという課題があった。 【0007】例えば、ノートブック型パーソナルコンピュータ(以降「ノートPC」という。)には、携帯性向上及びバッテリー消費電力低減化のためフロッピーディスクドライブ(以降「FDドライブ」という。)やCD−ROMドライブ(以降「CDドライブ」という。)等を本体から分離して薄型化、軽量化し、さらに本体バッテリーで作動する携帯使用時にはマイクロプロセッサの作動速度をも制限して使用する分離式薄型ノートPCがある。 【0008】そして、携帯使用した薄型ノートPCを机上で使用するときには、FDドライブやCDドライブ、家庭用電源アダプタを搭載し、プリンタその他の外部周辺機器との接続コネクタ等をも備えたステーション上に載置してこれ等との電気的接続を行うとともに、ステーション上では家庭用電源を用いて上記各ドライブや内蔵マイクロプロセッサを含めパーソナルコンピュータをフル作動可能な構成となっている。 【0009】従って、上記分離式薄型ノートPCでは、ステーションと分離して使用される携帯使用時にマイクロプロセッサが継続してフル作動することがなく、その発熱量が低いことが明らかであるにも拘わらず、従来では集熱手段と放熱手段との間を嵌脱自在に分離・接続する熱伝達コネクタがなかったため、ステーション上でのフル作動状態を基準として規定された放熱手段を薄型ノートPC本体内に配設せざるを得ず、ノートPCの本体寸法を小型化する障害となっていた。 【0010】上記同様の例は薄型ノートPCのみならず、コンピュータやNC装置、理化学装置をはじめ産業機械その他の装置に使用される熱移送装置に於いて随所にあり、発熱体等と放熱手段との間を嵌脱自在に接続し固体接触により熱の伝達を行う熱伝達コネクタの開発が望まれていた。 【0011】本発明は、かかる課題に鑑みて成されたものであり、発熱体等からの熱を移送する熱移送装置等に用いられ、嵌脱自在に構成されて固体接触により大容量の熱を高効率で伝達する熱伝達コネクタを供給することを目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本発明では、金属材料からなり左右方向に延びる凹状断面形状の受容部を有する第1のコネクタ部材(例えば実施形態に於ける集熱側コネクタ部材10)と、金属材料からなり左右方向に延びて凸状断面形状の挿入部を有する第2のコネクタ部材(例えば実施形態に於ける放熱側コネクタ部材20)と、挿入部の前後側面の少なくとも一面に沿って配設されて側面外方に突出する断面形状を有する金属材料性の櫛歯状コンタクトとからなり、上下方向に嵌脱自在に接続されるとともに二つのコネクタ部材間に挟持された櫛歯状コンタクトを介して固体接触により熱の伝達を行うことにより熱伝達コネクタを構成する。 【0013】この様な構成によれば、第1のコネクタ部材と第2のコネクタ部材、櫛歯状コンタクトはいずれも熱伝導性の良好な金属材料からなり、両コネクタ部材は受容部と挿入部とで嵌脱自在に接続されるとともに、接続時において両コネクタ部材間に挟持される櫛歯状コンタクトを介して相互に固体接触する。櫛歯状コンタクトは細い櫛歯状の接触子を有するため、挿入される受容部の表面形状にならって弾性変形し接触面積を確保する。従って、両コネクタ部材間の熱抵抗を低く保って効率的な熱伝達を行うことができる。また、固体接触であるためコネクタの嵌脱時に熱伝達媒質の漏れを生ずることがない。 【0014】なお、第1のコネクタ部材における受容部は矩形箱状を呈し、第2のコネクタ部材における挿入部の左右端部には、挿入部が受容部内に挿入されるときに櫛歯状コンタクトの左右端部を保護する側端保護部材(例えば実施形態に於けるガイド部21r,21l)を備えて構成することが好ましい。この様な構成によれば、第1のコネクタ部材に第2のコネクタ部材を接続嵌合させるときに、誤って両者の左右端部を当接させた場合であっても、第2のコネクタ部材に配設された櫛歯状コンタクトを破損させる心配がない。従って、接続嵌合時における両コネクタの位置ズレに対する許容度や取り扱い性を向上させることができる。 【0015】また、第2のコネクタ部材における挿入部の挿入端部には櫛歯状コンタクトの歯先端部を保護する上端保護部材(例えば実施形態に於けるコンタクトカバー28)を設けることが望ましい。この様な保護部材を配設することにより、斜めにこじる様に挿入接続された場合や、誤って挿入端部を他の周辺機器に当接させてしまったような場合、櫛歯状コンタクトを払拭清掃する場合等において、櫛歯状コンタクトを変形させたり破損させたりする心配がない。従って、接続嵌合時における両コネクタの位置ズレに対する許容度や取り扱い性を向上させたコネクタを提供することができる。 【0016】なお、第2のコネクタ部材における挿入部の基端部には、櫛歯状コンタクトの付け根部分を面接触により固定保持する固定部(例えば実施形態に於けるリブ21c)を有するよう構成することが望ましい。この様な構成によれば櫛歯状コンタクトを介して第1のコネクタ部材から伝達される熱を広い伝達面積で効率的に第2のコネクタ部材に伝達するとともに、第2のコネクタ部材における熱伝達経路を短くすることができる。従って、熱伝達効率の高いコネクタを提供することができる。 【0017】 【発明の実施の形態】以降、本発明の好ましい実施の態様について図面を用いて説明する。図5には、本発明に係る熱伝達コネクタ1を用いた熱移送装置の構成を示しており、まずこの熱移送装置について説明する。 【0018】熱移送装置は発熱体(若しくは吸熱体、前記同様「発熱体等」という。)Hの熱を集熱する集熱手段40と、集熱された熱を移送する熱移送手段45,55と、移送された熱を放熱する放熱手段50と、熱移送手段45,55の間に配設されて集熱手段40と放熱手段50とを着脱自在に接続し、固体接触により熱の伝達を行う熱伝達コネクタ1とから構成されている。 【0019】集熱手段40は熱伝導率の高い金属材料を薄板状若しくはブロック状に成型加工した集熱体41からなり、発熱体等Hに密着配設して発熱体等の熱を効率的に集熱させる。集熱体41の側端部には熱移送手段である集熱側ヒートパイプ45の一端部が熱的・機械的に接合されており、集熱体41で集められた発熱体等の熱を他端に接続された熱伝達コネクタ1に効率的に伝熱する。 【0020】放熱手段50は、放熱フィン51とファン52とからなり、一端部が熱伝達コネクタ1に接続され他端部が放熱フィン51に接続された放熱側ヒートパイプ55を介し、熱伝達コネクタ1から放熱フィン51に移送される熱をファン52を用いて強制的に空気中に放熱する。 【0021】一対の熱伝達コネクタ1は、集熱側ヒートパイプ45の接続された集熱側コネクタ部材10と、放熱側ヒートパイプ55の接続された放熱側コネクタ部材20とからなり、これらの間で嵌脱自在に接続するとともに、後に詳述するように櫛歯状コンタクトを介して相互に固体接触させ、両コネクタ部材間で熱的な接続を行うことにより集熱手段40で集められた発熱体等Hの熱を放熱手段50に伝達する。 【0022】この様にして構成される熱移送装置は、熱伝達コネクタ1の部分で着脱自在に構成されるため、個々を分離して製作し別々の装置に組み込むことができる。なお、熱伝達コネクタ1で分離された熱移送装置の集熱側部分を集熱モジュール4、放熱手段側を放熱モジュール5という。以下、この様な熱移送装置に用いられる熱伝達コネクタ1の構成について説明する。 【0023】図1には、本発明に係る熱伝達コネクタ1の好ましい実施の形態を斜視図として示しおり、この熱伝達コネクタ1は一対の集熱側コネクタ部材10と放熱側コネクタ部材20とから構成されている。集熱側コネクタ部材10は、左右に延びる凹状の断面形状の受容部10aを有する集熱側コネクタボディ11からなり、例えばアルミ合金や銅合金等の熱伝導率の高い金属材料をダイキャストやシェルモールド等の方法により成形し、必要に応じてフライスや研削、ボーリング等の機械加工を行って、所望の溝の形状寸法となるように仕上げ、さらに適宜メッキや蒸着等の表面処理を施して形成する。なお、以降の説明においては、図1における上下を上下方向、凹状の溝の延びる方向を左右方向、これ等と直交する方向を左右方向と規定する。 【0024】放熱側コネクタ部材20は、上記集熱側コネクタ部材10の受容部10aと接続嵌合する凸状の挿入部20aを有して形成されており、左右方向に延びる凸状の突起部を有する放熱側コネクタボディ21と、この突起部の前後側面に沿って配設されて挿入部21aの側面外方に突出する櫛歯状コンタクト25、及び、挿入部20aの先端部に配設されて櫛歯状コンタクト25の歯先端部を保護するコンタクトカバー28とから構成されている。図2(a)(b)には放熱側コネクタ20の上面図及び正面図を、図3(a)(b)には同コネクタ部材の左側面図及び代表断面図を示しており、以降これ等各図をあわせて参照し説明を続ける。 【0025】放熱側コネクタボディ21は図3(b)に示す様に、平板状の基板部21a、上方に向け突出する突起部21b、突起部21bの前後に突起部と平行に延びて形成されたリブ21c,21c、突起部21bの左右側端部に形成された半円柱状のガイド部21r,21l、突起部21bの上端部に形成されてコンタクトカバー28を受容固定する溝部21dなどから構成されており、集熱側コネクタボディ11と同様の金属材料を用い同様の加工方法により製作される。 【0026】放熱側コネクタボディ21の突起部21bの前後側面には、この突起部の前後側面に沿って櫛歯状コンタクト25が配設されている。この櫛歯状コンタクト25は連続する板状の付け根部25a、櫛歯状に切断されるとともに波形に成型されて挿入部側面に突出する接触部25b及び歯先先端部25cからなり、板状の付け根部25a端部において放熱側コネクタボディ21の突出部21aとリブ21cとの間にカシメや圧入等により接続固定され、突出部側面と板状の付け根部との間で面接触する。櫛歯状コンタクト25は、リン青銅やベリリュウム銅(使用環境によってはバネ用ステンレス鋼)などの高熱伝導性バネ材料を精密プレス成形等により上記形状に成形加工し、必要に応じて耐食性のメッキ等表面処理を施して用いる。 【0027】放熱側コネクタボディ21の突起部上端の溝部21dには、基端部から上方に向けて延びる櫛歯状コンタクト25の歯先先端部25cを保護し、上方からの当接物によって櫛歯状コンタクト25が変形したり破損したりすることを防止する笠木状のコンタクトカバー28が圧入や接着等の手法により固定されている。笠木状のコンタクトカバー28は、図3(b)に示す様に歯先先端部25cを上面及び前後面から保護するとともに、コンタクトカバー下面に形成された空間28bにより櫛歯状コンタクト25が前後方向について弾性変形自在となるように構成されている。 【0028】放熱側コネクタボディ21の突起部21bの左右側端部には、上端部がR状に面取りされた半円柱状のガイド部21r,21lが形成されている。また、この左右ガイド部の外形幅bと前後方向厚さtとは、これを受容する集熱側コネクタ部材の受容部10aの開口幅Bと前後方向開口厚さTとの関係において、Bがbよりわずかに大きくまたTがtよりわずかに大きくなるように構成されている。従って、櫛歯状コンタクト25はこのガイド部によって左右端部が保護され、左右側方から作用する外力によって櫛歯状コンタクト25が変形したり破損したりすることがない。また、これ等ガイド部は集熱側コネクタの受容部10aと接続嵌合させるときに左右のガイドとしての役割を果たし、スムースな着脱を可能とするほか、嵌合時おいて集熱側コネクタボディ11が前後方向に相対変位し、あるいは左右方向に延びる軸を中心に回転することにより、櫛歯状コンタクト25が前後方向に押圧されて(コジられて)変形することを防止している。 【0029】以上のように構成された集熱側コネクタ部材10と放熱側コネクタ部材20とは、それぞれの受容部10aと挿入部20aとで相互に接続嵌合する。図4は、両コネクタ部材が接続嵌合した状態を断面図として示しており、両コネクタ部材は放熱側コネクタ部材20に形成された左右のガイド部21r,21lによって前後左右方向に位置決めされ、ガイドされて上下方向の接続軸に沿うようにして接続が進行する。下方に向け相対移動する集熱側コネクタ部材10は、その入口端面のR部が、波形に成型されて前後方向に突出する櫛歯状コンタクトの接触部25bと当接する。さらに集熱側コネクタ部材10を下方に移動させて接続を進行させると、受容部10aの入口端部は接触部25bの斜面を滑るようにして櫛歯状コンタクト25を内方に押圧する。櫛歯状コンタクト25は受容部10aとの当接点からの押圧力によって弾性変形し、歯先部25cがコンタクトカバー28下方の空間部において内方に移動する。そして、図示するように接触点25bが受容部10a内に完全に挿入されて受容部内壁面と接触する状態となって接続が完了する。 【0030】この様な接続状態では、接触部25bが細い櫛歯状(短冊状)の接触子を有するため、挿入される受容部10aの表面形状にならって弾性変形し集熱側コネクタ部材との接触面積を確保することができ、一方、放熱側コネクタ部材側では櫛歯状コンタクト25の付け根部25a(平板部)で広い熱伝達面積を持って熱の伝達を行うことができる。また、櫛歯状コンタクト25の接触部25bは弾性変形に伴う反撥力により接触面圧を維持し、平板状の付け根部25aはこの反力を受けて、てこの原理により放熱側コネクタボディ21の突出部21b上部に押しつけられる。 【0031】すなわち、上記のような構成を取ることによって、2つのコネクタボディ両者への伝熱状有効な接触面積及び接触面圧を確保するとともに、これ等2つのコネクタボディ間の熱移動距離を極めて短くすることができる。従って、集熱側コネクタ部材10と放熱側コネクタ部材20間の熱抵抗を低く保って効率的な熱伝達を行う熱伝達コネクタを提供することができる。 【0032】なお、以上説明した図1〜図4の各図では、熱移送手段である集熱側ヒートパイプ及び放熱側ヒートパイプを記載していないが、これ等ヒートパイプはこの熱伝達コネクタの配設位置や配向方向により、例えば、放熱側コネクタ部材20では基板部21aに適宜な方向(前後、左右、底面)から取付用の孔を穿設し、あるいは溝を形成して機械的にカシメまたは熱伝導性接着剤を用ることなどにより、容易に熱的・機械的に接続することができる。 【0033】また、以上の説明では便宜上、凹状の断面形状の受容部10aを有するコネクタ部材側を集熱側コネクタ部材10とし、凸状の挿入部20aを有するコネクタ部材側を放熱側コネクタ部材20としたが、これ等は以上の説明から明らかなように逆の構成であっても何ら問題はなく、使用される状況に応じて適宜いずれか一方を集熱側、他方を放熱側として構成することにより同様の効果を奏することができるものである。 【0034】このようにして構成される熱伝達コネクタ1を用いた熱移送装置では、集熱側モジュール4と放熱側モジュール5とを着脱する場合に於いて、冷媒等の漏れを生ずることなく必要に応じて嵌脱自在に接続することができ、両者を接続した時には集熱側モジュール4の発熱体Hの熱を熱伝達コネクタ1を介して放熱側モジュール5の放熱手段50に効率よく伝達して冷却することができる。 【0035】図6は以上説明した熱伝達コネクタ1を有する熱移送装置を「解決しようとする課題」で述べた、いわゆる分離式薄型ノートPCに適用したものである。この分離式薄型ノートPCはノートPC本体60とステーション70とからなり、机上で使用するときには、FDドライブやCDドライブ、家庭用電源アダプタ、プリンタその他の外部周辺機器との接続コネクタ等を備えたステーション70上にノートPC本体60を載置接続することによりこれ等との電気的接続を行って、上記ドライブやマイクロプロセッサを含めパーソナルコンピュータ全体をフル作動させる。 【0036】一方、ノートPCを外部に持ち出して使用するときにはノートPC本体60をステーション70から切り離し、携帯性を考慮して薄型化、軽量化されたノートPC本体60のみで分離使用可能とし、さらに本体内蔵バッテリで作動する分離使用時には消費電力低減のためマイクロプロセッサの処理機能や処理速度を制限して使用するよう構成されている。なお、図6では説明のためノートPC本体60及びステーション70を透視して本発明の主要部のみを表示している。 【0037】ノートPC本体60側には集熱モジュール4が内蔵されており、本体内部の発熱体等であるマイクロプロセッサMに密着配設された集熱体41の集熱した熱をを熱伝達コネクタ1の集熱側コネクタ部材10に移送する。なお、集熱側コネクタ部材10の配設位置はハードディスクユニットや内蔵バッテリ等他の構成部品の配置やステーション70との相対位置関係などから適宜定めることができ、図6では本体60の底面に開口を設けて配設している。 【0038】ステーション70には放熱側モジュール5が内蔵されており、ノートPC本体60の集熱側コネクタ部材10と対応する位置に配設された放熱側コネクタ部材20(図2では載置部上面に上方に向けて配設している)に伝達された熱を、ヒートパイプ55を介してステーション70の後方に配設された放熱フィン51に伝熱し、さらに強制空冷用の冷却ファン52により強制空冷する。 【0039】熱伝達コネクタ1の集熱側コネクタ部材10と放熱側コネクタ部材20とは、ステーション70の載置部にノートPC本体60を載置したときに他の周辺機器や電源等の接続端子と同様に一体的に接続される。従ってステーション70上でMPUをフル作動させた場合でも、その発熱を熱伝達コネクタ1を介して放熱フィン51に伝熱し、冷却ファン52により強制空冷してMPUを効率的に冷却することができ、過熱による性能低下や異常作動、あるいはノートPCの筐体やキーボードが熱くなる等の心配がない。 【0040】一方、ノートPC60本体を携帯して使用するときにはMPUの発熱量が小さく、筐体やキーボード等への伝導伝熱や対流伝熱による自然空冷で十分放熱されるため、放熱モジュール5を必要としない。熱伝達コネクタ1を有して構成した上記熱移送装置では、ステーション70からノートPC本体60を取り外すときに熱伝達コネクタ1で放熱モジュール5を切り離して使用することができる。 【0041】従って、本発明の熱伝達コネクタ1を備えた熱移送装置によれば、従来の薄型ノートPCで小型化のネックとされていた放熱手段を薄型ノートPCの本体外部に分離し、必要時のみ接続することができるためノートPC本体60を小型軽量化することができる。 【0042】また、例えばペルチェ素子を用いて構成する盤用クーラや除湿器、電子冷却装置等では、ペルチェ素子の放熱側(加熱側)を被冷却側と別室構成とすることが求められる場合が多い。この様な場合に通常は隔壁を挟んで加熱側と冷却側とを別室構成とするが、被冷却部がシステム内の奥部にある様な場合には放熱される熱の処理が問題となり、放熱手段を別配置とすることが望まれていた。 【0043】この様な場合に於いても本発明の熱移送型冷却装置を用いることにより、クーラや電子冷却装置のペルチェ素子の発熱側に集熱モジュールを設け、システム外壁周辺の適宜な位置に放熱モジュール配設しておき、これ等を組み立て時に本発明に係る熱伝達コネクタ1で接続することにより容易に従来の問題を解決することができる。 【0044】 【発明の効果】以上説明したように、本発明では、いずれも金属材料からなり、左右方向に延びる凹状断面形状の受容部を有する第1のコネクタ部材と、左右方向に延びて凸状断面形状の挿入部を有する第2のコネクタ部材と、挿入部の前後側面に沿って配設されて側面外方に突出する断面形状を有する櫛歯状コンタクトとから熱伝達コネクタが構成され、上下方向に嵌脱自在に接続して二つのコネクタ部材間に挟持された櫛歯状コンタクトを介して固体接触により熱の伝達を行う。この様な構成によれば、第1のコネクタ部材、第2のコネクタ部材、櫛歯状コンタクトは、いずれも熱伝導性の良好な金属材料からなり、接続時において櫛歯状コンタクトを介して相互に固体接触する。櫛歯状コンタクトは細い櫛歯状の接触部を有するため、挿入される受容部の表面形状にならって弾性変形し接触面積を確保する。従って、両コネクタ部材間の熱抵抗を低く保って効率的な熱伝達を行うことができ、熱伝達コネクタを小型に構成することができる。また、コネクタの左右方向幅を変化させることにより、小容量から大容量まで任意の容量の熱伝達コネクタを容易に提供することができる。さらに、固体接触であるためコネクタの嵌脱時に熱伝達媒質の漏れを生ずることがない。 【0045】なお、第1のコネクタ部材における受容部は矩形箱状を呈し、第2のコネクタ部材における挿入部の左右端部には、挿入部が受容部内に挿入されるときに櫛歯状コンタクトの左右端部を保護する側端保護部材を備えて構成することが好ましい。この様な構成によれば、第1のコネクタ部材に第2のコネクタ部材を接続嵌合させるときに、誤って両者の左右端部を当接させた場合や斜めに接続された場合であっても、第2のコネクタ部材に配設された櫛歯状コンタクトを破損させる心配がない。従って、接続嵌合時における両コネクタの位置ズレに対する許容度や取り扱い性を向上させることができる。 【0046】また、第2のコネクタ部材における挿入部の挿入端部には櫛歯状コンタクトの歯先端部を保護する上端保護部材を設けることが望ましい。この様な保護部材を配設することにより、斜めにこじる様に挿入接続された場合や、誤って挿入端部を他の周辺機器に当接させてしまったような場合、櫛歯状コンタクトを払拭清掃する場合等において、櫛歯状コンタクトを変形させたり破損させたりする心配がない。従って、接続嵌合時における両コネクタの位置ズレに対する許容度や取り扱い性を向上させたコネクタを提供することができる。 【0047】なお、第2のコネクタ部材における挿入部の基端部には、櫛歯状コンタクトの付け根部分を面接触により固定保持する固定部を有するよう構成することが望ましい。この様な構成によれば櫛歯状コンタクトを介して第1のコネクタ部材から伝達される熱を広い伝達面積で効率的に第2のコネクタ部材に伝達するとともに、第2のコネクタ部材における熱伝達経路を短くすることができる。従って、熱伝達効率の高いコネクタを提供することができる。 【0048】そして、以上のような熱伝達コネクタを用いることによって熱移送装置に於ける発熱体と放熱手段とを自由に分離・接続可能に構成することができ、電子機器や産業機械等を構成する構成部品の配置の自由度向上、効率化、小型化が可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000105338 【氏名又は名称】ケル株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月22日(1999.9.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092897 【弁理士】 【氏名又は名称】大西 正悟
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| 【公開番号】 |
特開2001−91174(P2001−91174A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月6日(2001.4.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−268733 |
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