| 【発明の名称】 |
熱搬送装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】齋 博之
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| 【要約】 |
【課題】熱搬送媒体Qの封入量を最適な量に設定してコストパフォーマンスの高い熱搬送装置20を提供する。
【解決手段】銅製のパイプを環状に接続し、その肉厚を1.1mm、単位長さ当りの重さを274g/m、環境の最高温度を55℃にしたときに、熱搬送媒体Qのなす圧力が10MPaより低い圧力になるように当該熱搬送媒体Qの封入量を300kg/m3以下にする。このときの熱搬送媒体Qとして二酸化炭素を用いる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 銅製のパイプを環状に接続して形成され、その中に二酸化炭素の熱搬送媒体が100kg/m3〜300kg/m3の範囲で封入されることにより気液混合状態となって貯留されて、液相の前記熱搬送媒体が貯留されている領域に熱接触する熱源と気相の前記熱搬送媒体が貯留されている領域に熱接触する熱源との間を当該熱搬送媒体が相状態を変えることにより行き来して熱を搬送するようにしたことを特徴とする熱搬送装置。 【請求項2】 前記パイプの肉厚が1.1mm、単位長さ当りの重さが274g/m、環境の最高温度を55℃にしたときに、前記熱搬送媒体によるパイプの内圧が10MPaより低い圧力になるように当該熱搬送媒体の最大封入量を300kg/m3にしたことを特徴とする請求項1記載の熱搬送装置。 【請求項3】 前記パイプの肉厚が0.89mm、単位長さ当りの重さが228g/m、環境の最高温度を55℃にしたときに、前記熱搬送媒体によるパイプの内圧が8MPaより低い圧力になるように当該熱搬送媒体の最大封入量を200kg/m3にしたことを特徴とする請求項1記載の熱搬送装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、相変化を繰返すことにより熱を搬送する熱搬送装置に関する。 【0002】 【従来の技術】今日、熱を効率よく搬送する熱搬送装置としてヒートパイプが知られている。かかるヒートパイプの概略構成を図7に示す。 【0003】ヒートパイプは、パイプの両端を閉じて形成し、その内部に気液混合状態の熱搬送媒体Qが封入され、この上端側が気相の熱搬送媒体Qが貯留される気相部113、下端側が液相の熱搬送媒体Qが貯留される液相部112に構成されて、気相部113には低熱源116が熱接触し、液相部112には高熱源115が熱接触している。 【0004】これにより、熱搬送媒体Qが液相部112と気相部113との温度差を無くするように、即ち低熱源116と高熱源115との温度差を無くするように等圧条件の下で相変化を繰返して熱を搬送するようになっている。 【0005】なお、液相の熱搬送媒体Qを液相熱搬送媒体QLで示し、気相の熱搬送媒体Qを気相熱搬送媒体QGで示す。 【0006】例えば、液相部112の液相熱搬送媒体が高熱源115により加熱されると蒸発し、気相部113に移動する。その際の蒸発熱は、高熱源115から与えられ、これにより高熱源115の温度が下がる。 【0007】気相部113の気相熱搬送媒体QGは、低熱源116により冷却されて凝縮し、重力作用により滴下して液相部112に戻る。その際の凝縮熱は低熱源116に与えられ、これにより低熱源116の温度が上がる。 【0008】このようなサイクルにより熱搬送が行われ、かかる熱搬送は低熱源116と高熱源115との温度差が無くなるまで継続する。 【0009】このときヒートパイプ内がクローズされた空間であり、かつ、熱搬送媒体Qが気液混合状態(湿り状態)にあるため、圧力一定のもとで熱搬送するので外部になす仕事が理論上ゼロになって効率的な熱搬送が可能になっている。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる熱搬送媒体Qが、効率的に熱搬送するためには常に湿り状態にあることが要求される。 【0011】即ち、ヒートパイプに封入された熱搬送媒体の封入量が少ない場合には、湿り度が小さくなって、液相熱搬送媒体QLが少なくなる。従って、高熱源115の熱により容易に全ての液相熱搬送媒体QLが気化してしまう事態が生じる。 【0012】逆に、ヒートパイプに封入された熱搬送媒体の封入量が多い場合には、湿り度が大きくなって、液相熱搬送媒体QLが多くなる。従って、封入量が多い場合は、凝縮部に貯留する液量が増えて熱交換特性が劣化する。 【0013】無論、これらは高熱源115及び低熱源116の熱源容量や液相部112と気相部113との距離等にも依存するため一概に断じることはできないが、いずれにしても熱搬送媒体Qの最適封入量が存在する。 【0014】また、このようなヒートパイプは運転状態と停止状態との2状態を経験する。即ち、高熱源115と低熱源116とが存在する状態は運転状態であり、高熱源115と低熱源116とが存在しない状態(温度が等しい状態)は停止状態である。 【0015】そして、停止状態では環境温度が31℃を越えると、ヒートパイプ内の二酸化炭素が超臨界状態となり封入量が多いほど内圧が高くなる。 【0016】このとき、内圧が例えばヒートパイプの端部封止強度等により決る耐圧特性よりも高くなるとヒートパイプは破裂等を起こしてしまう。 【0017】そこで、本発明は、熱搬送媒体の封入量を最適な量に設定してコストパフォーマンスの高い熱搬送装置を提供することを目的とする。 【0018】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、銅製のパイプを環状に接続して形成され、その中に二酸化炭素の熱搬送媒体を100kg/m3〜300kg/m3の範囲で封入して気液混合状態で貯留し、これにより液相の熱搬送媒体が貯留されている領域に熱接触する熱源と気相の熱搬送媒体が貯留されている領域に熱接触する熱源との間を当該熱搬送媒体が相状態を変えることにより行き来して熱を搬送するようにして、熱搬送の効率化及び装置のコストパフォーマンスを高めたことを特徴とする。 【0019】請求項2にかかる発明は、パイプの肉厚が1.1mm、単位長さ当りの重さが274g/m、環境の最高温度を55℃にしたときに、熱搬送媒体のなす圧力が10MPaより低い圧力になるように当該熱搬送媒体の最大封入量を300kg/m3にして、熱搬送の効率化及び装置のコストパフォーマンスを高めたことを特徴とする。 【0020】請求項3にかかる発明は、パイプの肉厚が0.89mm、単位長さ当りの重さが228g/m、環境の最高温度を55℃にしたときに、熱搬送媒体のなす圧力が8MPaより低い圧力になるように当該熱搬送媒体の最大封入量を200kg/m3にして、熱搬送の効率化及び装置のコストパフォーマンスを高めたことを特徴とする。 【0021】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1は、本発明にかかる熱搬送装置の模式図で、銅やアルミニューム等を材料として環状に形成され、この管内に熱搬送媒体として二酸化炭が後述する手順により封入されている。 【0022】図中斜線領域は、二酸化炭素が液化して貯留されている液相領域QLであり、点線領域は二酸化炭素が気化している気相領域QGである。 【0023】なお、熱搬送媒体として二酸化炭素を選択したのは、オゾン破壊係数がゼロ、地球温暖化係数が小さい(CO2で1)、爆発等の危険がない、無害である、冷蔵庫等の冷凍域(−40℃〜0℃)に適している等の理由からである。 【0024】図2は環境温度(横軸)を変化させたときの熱搬送装置の内圧(縦軸)を二酸化炭素の封入量に対して示した図である。 【0025】同図から分るように、環境温度が上昇するに従い熱搬送装置内の圧力も上昇する。なお、0℃での圧力が封入量に依存していないのは、少なくともこの温度で二酸化炭素が気液混合状態になっているためである。 【0026】冷蔵庫等の冷凍機器は、通常0℃以下の冷気を発生するのに用いられるので、これらの冷凍装置が運転されているときは熱搬送装置内の温度は、0℃近傍の温度以下となっている。 【0027】しかし、このような冷凍装置を輸送したり、倉庫に保管したりする場合には、熱搬送装置内の温度は環境温度に等しくなり、時には臨界点(31℃)を越えてしまい内圧が上昇し破裂等を起す危険がある。 【0028】従って、こような危険を防止するためには、熱搬送装置の肉厚を厚くして耐圧特性を向上させればよいが、これでは部材コストが上昇すると共に、熱搬送装置が重くなってしまう。 【0029】このような観点から、本発明にかかる熱搬送装置は、上述したように銅やアルミニューム等の熱伝導性の優れている金属等からなる直線状のパイプを曲げて環状に形成して、端部を通常の溶接技術等を用いて接続している。 【0030】例えば、銅製のパイプを銀ロウ等により接続した場合、熱搬送装置の肉厚を1.1mm、重量を274g/mとしたとき許容できる内圧は10MPaである。 【0031】そこで、環境の最高温度を55℃とすると、二酸化炭素の封入量は図3から300kg/m3以下にしなければならないことが分る。 【0032】同様に、熱搬送装置の肉厚0.89mm、重量を228g/mとしたときには、許容できる内圧は8MPaであり、環境温度を55℃とすると、二酸化炭素の封入量は200kg/m3以下にしなければならないことが分る。なお、図3はこれらの結果をまとめて図示した表である。 【0033】なお、封入量の下限としては、上記条件の下では100kg/m3が妥当である。 【0034】次に、このような熱搬送装置の適用例として冷蔵庫を例に説明する。図4は冷蔵庫の概略構造を示す断面図で、この冷蔵庫は庫内空気(被冷却空気)と接触しないように設けられて冷熱を発生する冷熱発生装置10、庫内空気と熱接触が可能に設けられて冷熱発生装置10からの熱を庫内空気に伝達する上述した熱搬送装置20等を主要構成としている。 【0035】冷熱発生装置10には、HC290(プロパン)等の自然冷媒が循環し、当該自然冷媒を圧縮する圧縮機11、圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器12、凝縮した冷媒を減圧する減圧器13、該減圧器13で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器14等により構成されている。 【0036】なお、以下の説明では冷熱発生装置10を循環する自然冷媒を単に冷媒と記載する。 【0037】また、熱搬送装置20は、図5に示すように、上端が蒸発器14と熱接触する熱搬送媒体凝縮部22、下端が庫内空気と熱接触するフィン24等を備えた熱搬送媒体蒸発部23とに構成されている。 【0038】冷蔵庫は外箱2と内箱3とを有し、これらの間に断熱材5が封入されている。さらに冷蔵庫の前面には扉4が設けられると共に、下部等に圧縮機11及び凝縮器12が配設されている。 【0039】また蒸発器14及び熱搬送媒体凝縮部22は、冷蔵庫の背面上部側の内箱3と外箱2の間に設けられ、熱搬送媒体蒸発部23は庫内の冷却室6に設けられて、ファン7により庫内空気が循環するようになっている。 【0040】熱搬送媒体凝縮部22は熱搬送装置21の上方に位置して傾斜して設けられて、当該部分の熱搬送装置21に管状の蒸発器14が挿入された2重管構造に形成されている。 【0041】これにより、減圧器13で減圧された冷媒が蒸発器14に循環して当該領域の二酸化炭素を冷却するようになっている。 【0042】その際に、傾斜した熱搬送媒体凝縮部22に設けられている蒸発器14の冷媒供給口15は、冷媒吐出口16より低い位置になるように設定されて、二酸化炭素の凝縮が効率的に行えるようになっている。 【0043】また、熱搬送媒体蒸発部23は熱搬送装置21の下方に位置し、当該部分にフィン24等が設けられて、庫内空気と二酸化炭素とが効率的に熱交換できるようになっている。 【0044】そして、圧縮機11で圧縮されてホットガスとなった冷媒は、凝縮器12により凝縮し、減圧器13で減圧されて液化する。 【0045】液化した冷媒は、熱搬送装置21の熱搬送媒体凝縮部22に設けられた蒸発器14に供給され、当該熱搬送媒体凝縮部22を冷却して蒸発し、圧縮機11へと戻る。 【0046】一方、熱搬送装置21には上述したように二酸化炭素が封入され、液化した二酸化炭素が熱搬送媒体蒸発部23に貯留されている。 【0047】そして、庫内空気により熱搬送媒体蒸発部23に貯留されている二酸化炭素が加熱(即ち、庫内空気は冷却される)されて蒸発し、熱搬送媒体凝縮部22へと上昇する。 【0048】熱搬送媒体凝縮部22は上述したように冷気発生装置により冷却されているので、その熱を受けて蒸発した二酸化炭素が液化して熱搬送媒体蒸発部23に貯まる。 【0049】このように二酸化炭素は、熱搬送媒体凝縮部22の冷媒と熱搬送媒体蒸発部23の庫内空気とを熱源として熱搬送装置21内を循環し、これにより冷熱発生装置10で発生した冷熱が庫内に伝達されて、当該庫内を冷却するようになっている。 【0050】このとき圧縮機11、凝縮器12、減圧器13及び蒸発器14は冷媒配管により環状に連結されており、例えば凝縮器12と冷媒配管との接続においてピンホール等が存在するとそこから可燃性の冷媒が漏れてしまうことがある。 【0051】冷媒が発火等を起すためには、漏れた冷媒が貯まって空気と所定の比率になることが必要である。 【0052】しかし、冷熱発生装置10は、冷蔵庫の筐体内であっても発火点となるスイッチ類が露出している空間に設けられておらず、また室内との通気が可能なように設けられているので、実質的に冷蔵庫の筐体と庫内との間で爆発等が起る恐れはない。 【0053】一方、庫内は密閉された空間であり、扉スイッチや庫内灯等の発火点となり得るものが存在するが、蒸発器14が庫内に設けられていないので、冷媒が庫内に漏れて貯まることがない。 【0054】従って、冷熱発生装置10に可燃性の自然冷媒を用いても爆発等の危険性を防止することが可能になる。 【0055】なお、図2等からも分るように、二酸化炭素は蒸発、凝縮を繰返すことにより熱搬送装置21内を循環するようになっているのでメカニカルな圧縮機11等の作用を必要とせず、かかる観点から熱搬送効率が非常に高い構成となっている。 【0056】また、熱搬送媒体としの二酸化炭素は大気中に含まれるものであり、安全性の観点からも好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、熱搬送媒体が熱搬送装置21内で液相と気相との湿り状態で存在することができる物質で有ればよい。 【0057】さらに、上記説明では冷凍装置として冷蔵庫を例に説明したが本発明はこれに限定されるものではなく、図6に示すようなショーケース等のようなものであっても良い。 【0058】このような場合には、冷熱発生装置10における圧縮機11や凝縮器12は店舗外に配置されて冷媒を圧縮し凝縮して、店舗内に配設された減圧器13及び蒸発器14等に供給する場合が多く、また蒸発器14を搭載するショーケース本体は、長尺物である場合が多い。 【0059】このため熱搬送装置は長くなってしまい、熱搬送媒体蒸発部23で空気により蒸発した熱搬送媒体を効率的に蒸発部に戻すことが困難になる場合がある。 【0060】そこで、かかる場合には環状に形成された熱搬送装置21の途中にポンプ25を設けて熱搬送媒体を強制的に循環させるようにすることが好ましい。 【0061】 【発明の効果】以上説明したように請求項1にかかる発明によれば、銅製のパイプを環状に接続して形成され、その中に熱搬送媒体を100kg/m3〜300kg/m3の範囲で封入したので、熱搬送の効率化及び装置のコストパフォーマンスを高めることが可能になる【0062】請求項2にかかる発明によれば、パイプの肉厚が1.1mm、単位長さ当りの重さが274g/m、環境の最高温度を55℃にしたときに、熱搬送媒体のなす圧力が10MPaより低い圧力になるように当該熱搬送媒体の最大封入量を300kg/m3にしたので、熱搬送の効率化及び装置のコストパフォーマンスを高めたことが可能になる。 【0063】請求項3にかかる発明によれば、パイプの肉厚が0.89mm、単位長さ当りの重さが228g/m、環境の最高温度を55℃にしたときに、熱搬送媒体のなす圧力が8MPaより低い圧力になるように当該熱搬送媒体の最大封入量を200kg/m3にしたので、熱搬送の効率化及び装置のコストパフォーマンスを高めたことが可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001889 【氏名又は名称】三洋電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月24日(1999.9.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083231 【弁理士】 【氏名又は名称】紋田 誠 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−91173(P2001−91173A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月6日(2001.4.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−270205 |
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