トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F28 熱交換一般




【発明の名称】 熱搬送装置を用いた冷凍装置
【発明者】 【氏名】井崎 博和

【氏名】齋 博之

【要約】 【課題】冷蔵庫の冷熱発生装置10に可燃性冷媒を用いた場合に、これが漏洩しても発火する危険がないようにする。

【解決手段】冷熱発生装置10を圧縮機11、凝縮器12、減圧器13、蒸発器により形成し、この回路内を可燃性冷媒が循環するようにして庫外に配設する。また、二酸化炭素が封入された環状のヒートパイプ21により熱搬送装置20を形成する。このヒートパイプ21に庫外に配設された蒸発器14と熱接触する熱搬送媒体凝縮部22と、庫内に配設されて冷蔵庫の庫内空気と熱接触する熱搬送媒体蒸発部23とを設ける。そして、二酸化炭素が熱搬送媒体凝縮部22で蒸発器14を流動する冷媒により冷却されて凝縮し、当該凝縮した熱搬送媒体が庫内空気により加熱されることにより蒸発させることにより、庫内空気を冷却する。これにより可燃性冷媒が漏洩しても庫内に貯まり発火する危険がないようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 可燃性冷媒を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、該凝縮器で凝縮した冷媒を減圧する減圧器と、該減圧器で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器とを備えて冷凍装置の非密閉空間に配設される冷熱発生装置と、前記蒸発器と熱接触する熱搬送媒体凝縮部と、冷凍装置の被冷却空気と熱接触する熱搬送媒体蒸発部とを備えた熱搬送装置とを有して、該熱搬送装置に封入された熱搬送媒体が、前記熱搬送媒体凝縮部で前記蒸発器を流動する冷媒により冷却されて凝縮し、当該凝縮した熱搬送媒体が被冷却空気により加熱されることにより蒸発して、当該被冷却空気を冷却することを特徴とする熱搬送装置を用いた冷凍装置。
【請求項2】 前記熱搬送装置が、環状に形成されたヒートパイプであることを特徴とする請求項1記載の熱搬送装置を用いた冷凍装置。
【請求項3】 前記熱搬送媒体が、二酸化炭素であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱搬送装置を用いた冷凍装置。
【請求項4】 前記熱搬送媒体凝縮部が熱搬送媒体蒸発部に対して高い位置に設けられて、凝縮した熱搬送媒体が流下して熱搬送媒体蒸発部に貯留するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の熱搬送装置を用いた冷凍装置。
【請求項5】 前記熱搬送媒体凝縮部が傾斜して設けられて、前記減圧器からの冷媒が当該傾斜領域における下側から上側に向って流動するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の熱搬送装置を用いた冷凍装置。
【請求項6】 前記熱搬送装置にポンプが設けられて、前記熱搬送媒体を循環させるようにしたことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の熱搬送装置を用いた冷凍装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被冷却空気の冷却に用いられる冷熱を二酸化炭素等が封入された熱搬送装置により供給するようにした冷凍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、冷凍装置は広く普及しており、例えば冷蔵庫においては、冷媒を圧縮する圧縮機、圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器、凝縮した冷媒を減圧する減圧器、該減圧器で減圧されて液冷媒となった冷媒を蒸発させ、これにより庫内空気を冷却する蒸発器等からなる冷凍回路を有している。
【0003】圧縮機、凝縮器及び減圧器は冷蔵庫の庫内と区画された部屋に配置され、蒸発器は庫内と連通した部屋に配置されている。
【0004】このような冷凍回路に用いられている冷媒として、従来R−22等の塩素を含む冷媒(以下、特定フロンガスと記載する)が用いられてきた。
【0005】しかし、このR−22冷媒はオゾン層を破壊する原因となることが判明し使用が規制され、これに代わる冷媒として、地球温暖化係数の小さなHC290(プロパン)等の自然冷媒が検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自然冷媒は強燃性があり、配管にピンホール等のリークパスが存在すると、このリークパスから漏洩した冷媒が冷蔵庫の庫内に貯まり、例えば冷蔵庫の扉スイッチやサーモスタット等により発火する恐れが指摘されている。
【0007】そこで、本発明は、熱搬送装置を用いて可燃性冷媒が漏洩しても発火する危険がないようにした冷凍装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、可燃性冷媒を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、該凝縮器で凝縮した冷媒を減圧する減圧器と、該減圧器で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器とを備えて冷凍装置の非密閉空間に配設される冷熱発生装置と、蒸発器と熱接触する熱搬送媒体凝縮部と、冷凍装置の被冷却空気と熱接触する熱搬送媒体蒸発部とを備えた熱搬送装置とを有して、該熱搬送装置に封入された熱搬送媒体が、熱搬送媒体凝縮部で蒸発器を流動する冷媒により冷却されて凝縮し、当該凝縮した熱搬送媒体が被冷却空気により加熱されることにより蒸発して、当該被冷却空気を冷却することにより、可燃性冷媒が漏洩しても発火する危険がないようにしたことを特徴とする。
【0009】請求項2にかかる発明は、熱搬送装置を環状に形成されたヒートパイプで構成して、熱搬送材が効率的に熱搬送できるようにしたことを特徴とする。
【0010】請求項3にかかる発明は、熱搬送媒体として二酸化炭素を用いることにより、この二酸化炭素が漏洩して密閉空間に貯まっても爆発等が起きないようにして安全性を高めたことを特徴とする。
【0011】請求項4にかかる発明は、熱搬送媒体凝縮部が熱搬送媒体蒸発部に対して高い位置に設けられて、凝縮した熱搬送媒体が流下して熱搬送媒体蒸発部の管内に貯留するようにして、熱搬送媒体が効率的に熱搬送できるようにしたことを特徴とする。
【0012】請求項5にかかる発明は、熱搬送媒体凝縮部が傾斜して設けられて、当該傾斜領域における下位の部位から上位の部位に向って減圧器からの冷媒が流動するように形成して、効率的に熱搬送媒体を冷却できるようにしたことを特徴とする。
【0013】請求項6にかかる発明は、熱搬送装置にポンプが設けられて、熱搬送媒体を循環させるようにしたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1は本発明にかかる冷凍装置の一例としての冷蔵庫の概略構造を示す断面図である。
【0015】冷蔵庫における冷凍回路は、庫内空気(被冷却空気)と接触しないように設けられて冷熱を発生する冷熱発生装置10、庫内空気と熱接触が可能に設けられて冷熱発生装置10からの熱を庫内空気に搬送する冷熱搬送装置20等を主要構成としている。
【0016】冷熱発生装置10には、HC290(プロパン)等の自然冷媒が循環し、当該自然冷媒を圧縮する圧縮機11、圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器12、凝縮した冷媒を減圧する減圧器13、該減圧器13で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器14等により構成されている。
【0017】なお、以下の説明では冷熱発生装置10を循環する自然冷媒を単に冷媒と記載する。
【0018】また、冷熱搬送装置20は、図2に示すように、銅やアルミニューム等を材料として環状に接続されたヒートパイプ21により形成され、その内部には熱搬送媒体である二酸化炭素が所定圧力で封入され、一方が蒸発器14と熱接触する熱搬送媒体凝縮部22、他方が庫内空気と熱接触するフィン24等を備えた熱搬送媒体蒸発部23とに構成されている。
【0019】なお、図2は冷凍回路を構成する冷熱発生装置10及び冷熱搬送装置20を概略構成を模式化して示した図で、図中斜線部分は二酸化炭素が液化して貯留されていることを示し、一点鎖線で囲まれた領域が庫内を示している。
【0020】また、冷蔵庫は外箱2と内箱3とを有し、これらの間に断熱材5が充填されている。さらに冷蔵庫の前面には扉4が設けられると共に、下部等に圧縮機11及び凝縮器12が配設されている。
【0021】また蒸発器14及び熱搬送媒体凝縮部22は、冷蔵庫の背面上部側の内箱3と外箱2の間に設けられ、熱搬送媒体蒸発部23は庫内の冷却室6に設けられて、ファン7により庫内空気が循環するようになっている。
【0022】熱搬送媒体凝縮部22はヒートパイプ21の上方に位置して傾斜して設けられて、当該部分のヒートパイプ21に管状の蒸発器14が挿入された2重管構造に形成されている。
【0023】これにより、減圧器13で減圧された冷媒が蒸発器14に循環して当該領域に貯留している気相の二酸化炭素を冷却するようになっている。
【0024】その際に、傾斜した熱搬送媒体凝縮部22に設けられている蒸発器14の冷媒供給口15は、冷媒吐出口16より低い位置になるように設定されて、二酸化炭素の凝縮が効率的に行えるようになっている。
【0025】また、熱搬送媒体蒸発部23はヒートパイプ21の下方に位置し、当該部分にフィン24等が設けられて、庫内空気と二酸化炭素とが効率的に熱交換できるようになっている。
【0026】そして、圧縮機11で圧縮されてホットガスとなった冷媒は、凝縮器12により凝縮し、減圧器13で減圧されて液化する。
【0027】液化した冷媒は、ヒートパイプ21の熱搬送媒体凝縮部22に設けられた蒸発器14に供給され、当該熱搬送媒体凝縮部22を冷却して蒸発し、圧縮機11へと戻る。
【0028】一方、ヒートパイプ21には上述したように二酸化炭素が封入され、液化した二酸化炭素が熱搬送媒体蒸発部23に貯留されている。
【0029】そして、庫内空気により熱搬送媒体蒸発部23に貯留されている二酸化炭素が加熱(即ち、庫内空気は冷却される)されて蒸発し、熱搬送媒体凝縮部22へと上昇する。
【0030】熱搬送媒体凝縮部22は上述したように冷気発生装置により冷却されているので、その熱を受けて蒸発した二酸化炭素が液化して熱搬送媒体蒸発部23に貯まる。
【0031】このように二酸化炭素は、熱搬送媒体凝縮部22の冷媒と熱搬送媒体蒸発部23の庫内空気とを熱源としてヒートパイプ21内を循環し、これにより冷熱発生装置10で発生した冷熱が庫内に搬送されて、当該庫内を冷却するようになっている。
【0032】このとき圧縮機11、凝縮器12、減圧器13及び蒸発器14は冷媒配管により環状に連結されており、例えば凝縮器12と冷媒配管との接続においてピンホール等が存在するとそこから可燃性の冷媒が漏れてしまうことがある。
【0033】冷媒が発火等を起すためには、漏れた冷媒が貯まって空気と所定の比率になることが必要である。
【0034】しかし、冷熱発生装置10は、冷蔵庫の筐体内であっても発火点となるスイッチ類が露出している空間に設けられておらず、また機外空気が通風できるように設けられているので、実質的に冷蔵庫の筐体と庫内との間で爆発等が起る恐れはない。
【0035】一方、庫内は密閉された空間であり、扉スイッチや庫内灯等の発火点となり得るものが存在するが、蒸発器14が庫内に設けられていないので、冷媒が庫内に漏れて貯まることがない。
【0036】従って、冷熱発生装置10に可燃性の自然冷媒を用いても爆発等の危険性を防止することが可能になる。
【0037】なお、図2等からも分るように、二酸化炭素は蒸発、凝縮を繰返すことによりヒートパイプ21内を循環するようになっているのでメカニカルな圧縮機11等の作用を必要とせず、かかる観点から熱搬送効率が非常に高い構成となっている。
【0038】また、熱搬送媒体としの二酸化炭素は大気中に含まれるものであり、安全性の観点からも好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、熱搬送媒体がヒートパイプ21内で液相と気相との湿り状態で存在することができる物質で有ればよい。
【0039】さらに、上記説明では冷凍装置として冷蔵庫を例に説明したが本発明はこれに限定されるものではなく、図3に示すようなショーケース等のようなものであっても良い。
【0040】このような場合には、冷熱発生装置10における圧縮機11や凝縮器12は店舗外に配置されて冷媒を圧縮し凝縮して、店舗内に配設された減圧器13及び蒸発器14等に供給する場合が多く、また蒸発器14を搭載するショーケース本体は、長尺物である場合が多い。
【0041】このため熱搬送装置は長くなってしまい、熱搬送媒体蒸発部23で空気により蒸発した熱搬送媒体を効率的に蒸発部に戻すことが困難になる場合がある。
【0042】そこで、かかる場合には環状に形成されたヒートパイプ21の途中にポンプ25を設けて熱搬送媒体を強制的に循環させるようにすることが好ましい。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1にかかる発明によれば、冷凍装置の非密閉空間に可燃性冷媒の循環する冷熱発生装置を配設し、当該非密閉空間と作用空間とに跨って熱搬送装置を設けて、該熱搬送装置で冷気発生装置で発生した冷熱を作用空間に搬送するようにしたので、可燃性冷媒が漏洩しても発火する危険がなくなり安全性を向上させることが可能になる。
【0044】請求項2にかかる発明によれば、熱搬送装置を環状に形成されたヒートパイプで構成したので、熱搬送材が効率的に熱搬送できるようになる。
【0045】請求項3にかかる発明によれば、熱搬送媒体として二酸化炭素を用いることにより、この二酸化炭素が漏洩して密閉空間に貯まっても爆発等が起きないようになり安全性を高めることが可能になる。
【0046】請求項4にかかる発明によれば、熱搬送媒体凝縮部を熱搬送媒体蒸発部に対して高い位置に設けたので、容易に凝縮した熱搬送媒体が流下して熱搬送媒体蒸発部の管内に貯留するようになり、熱搬送媒体が効率的に熱搬送できるようになる。
【0047】請求項5にかかる発明によれば、熱搬送媒体凝縮部が傾斜して設けられて、当該傾斜領域における下位の部位から上位の部位に向って減圧器からの冷媒が流動するように形成したので、効率的に熱搬送媒体を冷却できるようになり冷凍装置の効率低下を抑制することが可能になる。
【0048】請求項6にかかる発明によれば、熱搬送装置にポンプが設けられて、熱搬送媒体を循環させるようにしたので、効率的に熱搬送媒体を冷却できるようになり冷凍装置の効率低下を抑制することが可能になる。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成11年9月24日(1999.9.24)
【代理人】 【識別番号】100083231
【弁理士】
【氏名又は名称】紋田 誠 (外1名)
【公開番号】 特開2001−91171(P2001−91171A)
【公開日】 平成13年4月6日(2001.4.6)
【出願番号】 特願平11−270204