トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F28 熱交換一般




【発明の名称】 熱交換器用タンクおよび熱交換器
【発明者】 【氏名】間野 智之

【氏名】清水 昌弘

【要約】 【課題】本発明は、ラジエータ,コンデンサ等の熱交換器の構成部品である熱交換器用タンクおよび熱交換器に関し、部品点数を低減することを目的とする。

【解決手段】タンク本体11の一側面11aにパイプ取付穴27を形成し、このパイプ取付穴27にパイプ部材13の先端部29を嵌挿してなる熱交換器用タンクにおいて、前記パイプ部材13の先端面33および先端部29の両側35を、前記タンク本体11の内面に当接して前記タンク本体11内を分割するとともに、前記パイプ部材13の先端部29に前記分割した一方のタンク本体11側に開口する開口部31を形成してなることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 タンク本体(11,11A,11B)の一側面(11a)にパイプ取付穴(27,27B)を形成し、このパイプ取付穴(27,27B)にパイプ部材(13,13A,13B)の先端部(29,29B)を嵌挿してなる熱交換器用タンクにおいて、前記パイプ部材(13,13A,13B)の先端面(33,33B)および先端部(29,29B)の両側(35,35B)を、前記タンク本体(11,11A,11B)の内面に当接して前記タンク本体(11,11A,11B)内を分割するとともに、前記パイプ部材(13,13A,13B)の先端部(29,29B)に前記分割した一方のタンク本体(11,11A,11B)側に開口する開口部(31,31B)を形成してなることを特徴とする熱交換器用タンク。
【請求項2】 請求項1記載の熱交換器用タンクにおいて、前記タンク本体(11,11A,11B)およびパイプ部材(13,13A,13B)がアルミニウムからなり、前記タンク本体(11,11A,11B)とパイプ部材(13,13A,13B)との当接部を相互にろう付けしてなることを特徴とする熱交換器用タンク。
【請求項3】 一体形成されるタンク本体(11,11A,11B)を、パイプ部材(13,13A,13B)により分割して入口側タンク部(15,15A)および出口側タンク部(17,17A)を形成するとともに、前記入口側タンク部(15,15A)と出口側タンク部(17,17A)とをチューブ(21,45)を介して連通してなることを特徴とする熱交換器。
【請求項4】 請求項3記載の熱交換器において、前記タンク本体(11)の入口側タンク部(15)と出口側タンク部(17)の両側を、半円状のチューブ(21)により接続し、円形状のコア部(25)を形成してなることを特徴とする熱交換器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラジエータ,コンデンサ等の熱交換器の構成部品である熱交換器用タンクおよび熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コア部を円形状に形成したラジエータとして、例えば、実開平1−81468号公報に開示されるものが知られている。図12は、この公報に開示されるラジエータを示すもので、このラジエータでは、入口側タンク1と出口側タンク2とが、間隔を置いて直列に配置されている。
【0003】入口側タンク1と出口側タンク2の両側が、半円状のチューブ3により接続されている。そして、チューブ3の間にコルゲートフィン4を配置することにより、円形状のコア部5が形成されている。このようなラジエータでは、入口側タンク1に流入した冷却液が、チューブ3を通る間に冷却された後、出口側タンク2に流入される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の熱交換器用タンクでは、入口側タンク1と出口側タンク2とを別体で形成しているため、部品点数が増大し、製造コストが増大するという問題があった。本発明は、かかる従来の問題を解決したもので、部品点数を低減することができる熱交換器用タンクおよび熱交換器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の熱交換器用タンクは、タンク本体の一側面にパイプ取付穴を形成し、このパイプ取付穴にパイプ部材の先端部を嵌挿してなる熱交換器用タンクにおいて、前記パイプ部材の先端面および先端部の両側を、前記タンク本体の内面に当接して前記タンク本体内を分割するとともに、前記パイプ部材の先端部に前記分割した一方のタンク本体側に開口する開口部を形成してなることを特徴とする。
【0006】請求項2の熱交換器用タンクは、請求項1記載の熱交換器用タンクにおいて、前記タンク本体およびパイプ部材がアルミニウムからなり、前記タンク本体とパイプ部材との当接部を相互にろう付けしてなることを特徴とする。請求項3の熱交換器は、一体形成されるタンク本体を、パイプ部材により分割して入口側タンク部および出口側タンク部を形成するとともに、前記入口側タンク部と出口側タンク部とをチューブを介して連通してなることを特徴とする。
【0007】請求項4の熱交換器は、請求項3記載の熱交換器において、前記タンク本体の入口側タンク部と出口側タンク部の両側を、半円状のチューブにより接続し、円形状のコア部を形成してなることを特徴とする。
【0008】(作用)請求項1の熱交換器用タンクでは、パイプ部材の先端面および先端部の両側が、タンク本体の内面に当接され、タンク本体がパイプ部材により分割される。
【0009】また、パイプ部材の先端部に開口部が形成され、パイプ部材が入口パイプまたは出口パイプとされる。請求項2の熱交換器用タンクでは、タンク本体およびパイプ部材がアルミニウムからなり、タンク本体とパイプ部材との当接部が相互にろう付けされる。請求項3の熱交換器では、一体形成されるタンク本体が、パイプ部材により分割され入口側タンク部および出口側タンク部が形成される。
【0010】そして、入口側タンク部と出口側タンク部とがチューブを介して連通される。請求項4の熱交換器では、タンク本体の入口側タンク部と出口側タンク部の両側が、半円状のチューブにより接続され、円形状のコア部が形成される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0012】図1は、本発明の熱交換器の第1の実施形態を示しており、この第1の実施形態では、本発明が円形状のラジエータに適用される。図において符号11は、ラジエータのタンク本体を示している。このタンク本体11は、長尺の直方体状に形成されている。タンク本体11の一側面の中央には、パイプ部材である出口パイプ13が配置されている。
【0013】そして、この出口パイプ13により、タンク本体11が上下に分割され、上部に入口側タンク部15が形成され、下部に出口側タンク部17が形成されている。入口側タンク部15の上部には、入口パイプ19が配置されている。この実施形態では、入口側タンク部15と出口側タンク部17の両側が、半円状のチューブ21により接続されている。
【0014】そして、チューブ21の間にコルゲートフィン23を配置することにより、円形状のコア部25が形成されている。チューブ21およびコルゲートフィン23は、アルミニウムにより形成されている。図2ないし図4は、タンク本体11への出口パイプ13の取付部の詳細を示しており、矩形筒状のタンク本体11の一側面11aには、円形状のパイプ取付穴27が形成されている。
【0015】そして、このパイプ取付穴27に出口パイプ13の先端部29が嵌挿されている。出口パイプ13は、円筒状をしており、先端部29が半円状に切り欠かれ、開口部31が形成されている。そして、出口パイプ13の先端面33が、図3に示すように、タンク本体11の一側面11aに対向する対向面11bに当接されている。
【0016】また、図4に示すように、出口パイプ13の外周の両側部35が、タンク本体11の一側面11aの両側に位置する側面11cの内面に当接されている。すなわち、出口パイプ13の外径Rは、側面11cの間の寸法Wと同一の寸法とされている。なお、図3において符号37は、チューブ21の端部が嵌挿されるチューブ穴を示している。
【0017】この実施形態では、タンク本体11は、アルミニウムのクラッド材からなり、内面側に犠牲腐食層が形成され、外面側にろう材層が形成されている。また、出口パイプ13は、アルミニウムのクラッド材からなり、内面側に犠牲腐食層が形成され、外面側にろう材層が形成されている。なお、この場合、タンク本体11の両面にろう材層を形成し、出口パイプ13の両面に犠牲腐食層を形成してもよい。
【0018】また、タンク本体11の内面に犠牲腐食層を、外面にろう材層を形成するとともに、出口パイプ13の両面に犠牲腐食層を形成し、フラックスに酸化珪素フラックスを使用するようにしても良い。そして、図2に点々で図示するように、出口パイプ13の先端面33、出口パイプ13の外周の両側部35がタンク本体11の内面にろう付けされ、また、出口パイプ13のパイプ取付穴27への嵌合部39が、パイプ取付穴27にろう付けされている。
【0019】なお、この実施形態では、タンク本体11への入口パイプ19の取付部も出口パイプ13の取付部と同様に形成されているため詳細な説明を省略する。上述した熱交換器は、各部材に非腐食性フラックスを塗布した後、図1に示したように各部材を組み付け、この状態で熱処理を行うことにより、各部材の当接部が相互にろう付けされる。
【0020】そして、上述した熱交換器では、入口パイプ19から入口側タンク部15に流入した冷却液が、チューブ21を通る間に冷却され、出口側タンク部17に流入し、出口パイプ13から流出される。以上のように構成された熱交換器では、一体形成されるタンク本体11を、出口パイプ13により分割して入口側タンク部15および出口側タンク部17を形成し、入口側タンク部15と出口側タンク部17とをチューブ21を介して連通したので、仕切部材等を使用することなく、出口パイプ13によりタンク本体11を直接分割することが可能になり、部品点数を低減することができる。
【0021】また、タンク本体11の入口側タンク部15と出口側タンク部17の両側を、半円状のチューブ21により接続し、円形状のコア部25を形成したので、入口側タンクと出口側タンクとを別体で形成する場合に比較して部品点数を低減することができる。さらに、上述した熱交換器では、出口パイプ13の先端部29を円筒状にしたので、図5に示すように、入口パイプ13からの冷却液が、出口パイプ13の先端部29の上面により整流され、内側に位置するチューブ21内に流れ込むため、内側に位置するチューブ21に冷却液を確実に供給することが可能になり、また、流体抵抗を低減することができる。
【0022】そして、上述した熱交換器用タンクでは、出口パイプ13の先端面33および先端部29の外周の両側部35を、タンク本体11の内面に当接したので、仕切部材等を使用することなく、出口パイプ13によりタンク本体11を直接分割することが可能になり、部品点数を低減することができる。また、タンク本体11と出口パイプ13との当接部を相互にろう付けしたので、出口パイプ13による分割部の気密性あるいは液密性を容易,確実に確保することができる。
【0023】図6は、本発明の熱交換器の第2の実施形態を示しており、この第2の実施形態では、本発明がラジエータに適用される。このラジエータは、上側タンク41と下側タンク43とを、上下方向に間隔を置いて対向配置して形成されている。
【0024】上側タンク41と下側タンク43との間には、チューブ45とコルゲートフィン47とが交互に配置されコア部49が形成されている。上側タンク41のタンク本体11Aは、長尺の直方体状に形成されている。タンク本体11Aの一側面の中間部には、パイプ部材である入口パイプ13Aが配置されている。
【0025】そして、この入口パイプ13Aにより、タンク本体11Aが左右に分割され、一側に入口側タンク部15Aが形成され、他側に出口側タンク部17Aが形成されている。出口側タンク部17Aの端部には、出口パイプ51が配置されている。図7は、タンク本体11Aへの入口パイプ13Aの取付部の詳細を示しており、矩形筒状のタンク本体11Aの一側面には、円形状のパイプ取付穴27が形成されている。
【0026】そして、このパイプ取付穴27に入口パイプ13Aの先端部29が嵌挿されている。なお、この入口パイプ13Aのタンク本体11Aへの取り付けは、図3に示した出口パイプ13のタンク本体11への取り付けと同様であるため詳細な説明は省略する。
【0027】また、タンク本体11A、入口パイプ13A等は、第1の実施形態と同様にアルミニウムのクラッド材により形成されている。上述した熱交換器は、各部材に非腐食性フラックスを塗布した後、図6に示したように各部材を組み付け、この状態で熱処理を行うことにより、各部材の当接部が相互にろう付けされる。
【0028】そして、上述した熱交換器では、上側タンク41の入口パイプ13Aから入口側タンク部15Aに流入した冷却液が、チューブ45を通る間に冷却され、下側タンク43に流入し、さらに、チューブ21を通って、上側タンク41の出口側タンク部17Aに流入し、出口パイプ51から流出される。図8ないし図10は、本発明の熱交換器の第3の実施形態の要部を示しており、この実施形態では、矩形筒状のタンク本体11Bの一側面11aには、矩形状のパイプ取付穴27Bが形成されている。
【0029】そして、このパイプ取付穴27Bに入口パイプ13Bの先端部29Bが嵌挿されている。入口パイプ13Bは、図11に示すように、ホースが被嵌される円筒状の円筒部13aと、この円筒部13aに連続して形成される先端部29Bとから形成されている。
【0030】そして、先端部29Bは、円筒部13aに滑らかに接続される矩形筒状の矩形筒状部29aと、この矩形筒状部29aを切り欠いて形成される断面コ字状の開口部31Bと、開口部31Bの先端に形成される先端面33Bとから形成されている。そして、この実施形態では、図9に点々で図示するように、入口パイプ13Bの先端面33B、入口パイプ13Bの開口部31Bの両側部35Bがタンク本体11Bの内面にろう付けされ、また、入口パイプ13Bの矩形筒状部29aが、パイプ取付穴27Bにろう付けされている。
【0031】この実施形態においても上述した第1および第2の実施形態と同様の効果を得ることができるが、この実施形態では、入口パイプ13Bの先端部29Bを矩形状に形成したので、開口部31Bを偏平状に形成することが容易に可能になる。そして、開口部31Bを偏平状に形成することにより、図10に示すように、タンク本体11Bに形成されるチューブ穴37Bに、開口部31Bを干渉させることなく、入口パイプ13Bを配置することができる。
【0032】なお、上述した実施形態では、入口パイプ13A,13Bまたは出口パイプ13の先端部29を切り欠いて開口部31を形成した例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、例えば、先端部29を切り欠くことなく先端部29に貫通穴を形成することにより開口部を形成するようにしても良い。
【0033】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1の熱交換器用タンクでは、入口パイプまたは出口パイプとなるパイプ部材の先端面および先端部の両側を、タンク本体の内面に当接したので、仕切部材等を使用することなく、パイプ部材によりタンク本体を直接分割することが可能になり、部品点数を低減することができる。
【0034】請求項2の熱交換器用タンクでは、タンク本体とパイプ部材との当接部を相互にろう付けしたので、パイプ部材による分割部の気密性あるいは液密性を容易,確実に確保することができる。請求項3の熱交換器では、一体形成されるタンク本体を、パイプ部材により分割して入口側タンク部および出口側タンク部を形成し、入口側タンク部と出口側タンク部とをチューブを介して連通したので、仕切部材等を使用することなく、パイプ部材によりタンク本体を直接分割することが可能になり、部品点数を低減することができる。
【0035】請求項4の熱交換器では、タンク本体の入口側タンク部と出口側タンク部の両側を、半円状のチューブにより接続し、円形状のコア部を形成したので、入口側タンクと出口側タンクとを別体で形成する場合に比較して部品点数を低減することができる。
【出願人】 【識別番号】000004765
【氏名又は名称】カルソニックカンセイ株式会社
【出願日】 平成11年9月24日(1999.9.24)
【代理人】 【識別番号】100072718
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 史旺 (外1名)
【公開番号】 特開2001−91168(P2001−91168A)
【公開日】 平成13年4月6日(2001.4.6)
【出願番号】 特願平11−270094