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【発明の名称】 ヒートパイプの製造方法
【発明者】 【氏名】野上 正輝

【要約】 【課題】放熱器あるいは熱交換器に用いる、低コストで信頼性も高いヒートパイプの製造方法を提供する。

【解決手段】熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、蛇行状、らせん状等、一筆書き状のパターンの長尺の細溝11aを一方の面に備える溝付き板11を形成する工程と、同様の材料、製法で前記溝付き板の細構を形成した板面を覆って該細溝の開放側を閉じて管状とする形状寸法の蓋板12を形成する工程と、前記溝付き板11と前記蓋板12とを接着層13で接着接合する工程とからなる、簡単容易、低コストなヒートパイプの製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、一筆書き状のパターンの長尺の細溝を一方の面に備える溝付き板を形成する工程と、熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、前記溝付き板の細溝を形成した板面を覆って該細溝の開放側を閉じて管状とする形状寸法の蓋板を形成する工程と、前記溝付き板と前記蓋板とを接着接合する工程と、からなることを特徴とするヒートパイプの製造方法。
【請求項2】 熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、一筆書き状のパターンの長尺の細溝を一方の面に備える溝付き板を形成する工程と、熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、前記溝付き板に形成した溝と鏡像関係にあるパターンの細溝を一方の面に設け、前記溝付き板の細溝を形成した板面を覆う形状寸法の蓋板を形成する工程と、前記溝付き板と蓋板との双方の細溝の開放側を対向させ両細溝を合成して管状となるように前記溝付き板と前記蓋板とを接着接合する工程と、からなることを特徴とするヒートパイプの製造方法。
【請求項3】 熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、一筆書き状のパターンの長尺の細溝を、両面にそれぞれ備える溝付き板を形成する工程と、熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、前記溝付き板の細溝を形成した両面を覆って該細溝の開放側を閉じて管状とする2枚の蓋板を形成する工程と、前記溝付き板の両面に、それぞれ前記蓋板を接着接合する工程と、からなることを特徴とするヒートパイプの製造方法。
【請求項4】 熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、一筆書き状のパターンの長尺の細溝を、両面にそれぞれ備える溝付き板を形成する工程と、熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、溝付き板側に形成した細溝と鏡像関係にあるパターンの細溝を一方の面に形成し、前記溝付き板の細溝を形成した板面を覆う形状寸法の蓋板を形成する工程と、前記溝付き板と蓋板との双方の細溝の開放側を対向させ両細溝を合成して管状となるように前記溝付き板の両面に前記蓋板をそれぞれ接着接合する工程と、からなることを特徴とするヒートパイプの製造方法。
【請求項5】 熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、一筆書き状のパターンの長尺の細溝を、両面にそれぞれ備え、積層の際に対向する面の細溝が互いに鏡像関係にあるパターンとした溝付き板を複数形成する工程と、前記複数の溝付き板を接着接合して積層体とする工程と、熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、前記溝付き板の積層体の上下両面を覆って細溝の開放側を閉じて管状とする形状寸法の2枚の蓋板を形成する工程と、前記積層体の上下両面に、それぞれ前記蓋板を接着接合する工程と、からなることを特徴とするヒートパイプの製造方法。
【請求項6】 熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、一筆書き状のパターンの長尺の細溝を、両面にそれぞれ備え、積層の際に対向する面の細溝が互いに鏡像関係にあるパターンとした溝付き板を複数形成する工程と、前記複数の溝付き板を接着接合して積層体とする工程と、前記積層体の上下両面に形成した細溝とそれぞれ鏡像関係にあるパターンの細溝を一方の面に形成し、前記積層体の上下両面をそれぞれ覆う形状寸法の2枚の蓋板を形成する工程と、前記積層体の上下両面に、それぞれ前記蓋板を接着接合する工程と、からなることを特徴とするヒートパイプの製造方法。
【請求項7】 溝付き板の両面にそれぞれ形成する細溝は、細溝のパターンを同一とせず、一部の領域でのみ重複するようにレイアウトすることを特徴とする請求項3、4、5、6に記載のヒートパイプの製造方法。
【請求項8】 細溝のパターンは、蛇行状、らせん状、多角状から一つを選択して実施することを特徴とする前記請求項各項に記載のヒートパイプの製造方法。
【請求項9】 細溝のパターンは、蛇行状、らせん状、多角状の二つ以上を組み合わせて実施することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7に記載のヒートパイプの製造方法。
【請求項10】 細溝は、ストレート状、各種波形状から一つを選択して実施することを特徴とする前記請求項各項に記載のヒートパイプの製造方法。
【請求項11】 細溝は、ストレート状、各種波形状の二つ以上を組み合わせて実施することを特徴とする前記請求項各項に記載のヒートパイプの製造方法。
【請求項12】 ヒートパイプの全体平面形状は、放熱対象の目的、設置スペース等による使用場所に応じた形状とすることを特徴とする前記請求項各項に記載のヒートパイプの製造方法。
【請求項13】 溝の底面には突条片を突出形成する工程を付加することを特徴とする前記請求項各項に記載のヒートパイプの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放熱器、熱交換器の製造方法に関し、詳しくはそれらのヒートパイプ部分の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放熱器のヒートパイプは金属の薄板やリボンの片面に細溝のパターンを、切削により形成し、これを他の薄板と積層溶接して細溝を蛇行細径トンネル構造とし、閉ループとした後、その一部に接続したバルブから作動液を封入して形成している。そして放熱器として使用する場合は、その細溝のパターンを形成した金属の薄板やリボンの面上に、放熱すべき対象を取り付けることにより、その部分から受熱し作動液は気相成分の気泡と液相成分の液滴とが交互に配列され、毛細管現象により循環して放熱作用が得られる。このような放熱器は公知である。
【0003】また、多数の貫通細孔を有するアルミ押し出し偏平管を形成、貫通細孔が両端末でターンを繰り返し往復蛇行するように再加工して貫通細孔が蛇行細径トンネルとなるようにしたものがある。図14と図15にその構造を図示した。1は放熱器であり、貫通細孔1aを多数有するようにアルミ押し出し偏平管として図14(a)の平面図、同(b)の端面図のように形成する。そして図15のごとく貫通細孔1aの両端末に各ターン部2をそれぞれ付加して貫通細孔1aが往復蛇行するようにし、始点1cと終点1dとを接続し閉ループとして再加工する。3はバルブであり、閉ループ内に作動液を封入した後、これを閉じる。
【0004】また、熱交換器として用いる場合は、閉ループとせずに両端の一方を入力側、他端を出力側とし、この間に流体を通過させることによって熱交換を行うように利用する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来の放熱器、熱交換器のヒートパイプにおいては、前者のものでは、パターン形成に高価な切削費用がかかり、さらに薄板の積層溶接は高真空高温炉内で高圧で接合する必要があり、全体として極めて高価格になる。
【0006】また、後者のものでは、貫通細孔が往復蛇行するように行う両端末での接続加工は、孔が極めて小径であり、かつ相互に隣接する孔間隔も極めて小さいので、非常に難しく、従ってコスト高となり、いずれも製造上、問題のあるものであった。
【0007】本発明は、このような課題を解決し、低価格で製造することができ、しかも信頼性の点でも優れた放熱器、熱交換器に用いるヒートパイプの製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の問題点は本発明によれば、熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、一筆書き状のパターンの長尺の細溝を一方の面に備える溝付き板を形成する工程と、熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、前記溝付き板の細溝を形成した板面を覆って該細溝の開放側を閉じて管状とする形状寸法の蓋板を形成する工程と、前記溝付き板と前記蓋板とを接着接合する工程とからなるヒートパイプの製造方法により解決される。
【0009】また、熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、一筆書き状のパターンの長尺の細溝を一方の面に備える溝付き板を形成する工程と、熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、前記溝付き板に形成した溝と鏡像関係にあるパターンの細溝を一方の面に設け、前記溝付き板の細溝を形成した板面を覆う形状寸法の蓋板を形成する工程と、前記溝付き板と蓋板との双方の細溝の開放側を対向させ両細溝を合成して管状となるように前記溝付き板と前記蓋板とを接着接合する工程とからなるヒートパイプの製造方法とすることで解決される。
【0010】さらに、熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、一筆書き状のパターンの長尺の細溝を、両面にそれぞれ備える溝付き板を形成する工程と、熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、前記溝付き板の細溝を形成した両面を覆って該細溝の開放側を閉じて管状とする2枚の蓋板を形成する工程と、前記溝付き板の両面に、それぞれ前記蓋板を接着接合する工程とからなるヒートパイプの製造方法とすることで解決される。
【0011】また、熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、一筆書き状のパターンの長尺の細溝を、両面にそれぞれ備える溝付き板を形成する工程と、熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、溝付き板側に形成した細溝と鏡像関係にあるパターンの細溝を一方の面に形成し、前記溝付き板の細溝を形成した板面を覆う形状寸法の蓋板を形成する工程と、前記溝付き板と蓋板との双方の細溝の開放側を対向させ両細溝を合成して管状となるように前記溝付き板の両面に前記蓋板をそれぞれ接着接合する工程とからなるヒートパイプの製造方法とすることで解決される。
【0012】また、熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、一筆書き状のパターンの長尺の細溝を、両面にそれぞれ備え、積層の際に対向する面の細溝が互いに鏡像関係にあるパターンとした溝付き板を複数形成する工程と、前記複数の溝付き板を接着接合して積層体とする工程と、熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、前記溝付き板の積層体の上下両面を覆って細溝の開放側を閉じて管状とする形状寸法の2枚の蓋板を形成する工程と、前記積層体の上下両面に、それぞれ前記蓋板を接着接合する工程とからなるヒートパイプの製造方法とすることで解決される。
【0013】また、熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、一筆書き状のパターンの長尺の細溝を、両面にそれぞれ備え、積層の際に対向する面の細溝が互いに鏡像関係にあるパターンとした溝付き板を複数形成する工程と、前記複数の溝付き板を接着接合して積層体とする工程と、前記積層体の上下両面に形成した細溝とそれぞれ鏡像関係にあるパターンの細溝を一方の面に形成し、前記積層体の上下両面をそれぞれ覆う形状寸法の2枚の蓋板を形成する工程と、前記積層体の上下両面に、それぞれ前記蓋板を接着接合する工程とからなるヒートパイプの製造方法とすることで解決される。
【0014】また、前項までの解決手段において、溝付き板の両面に細溝をそれぞれ設ける場合、そのパターンを両面同じものとせず、一部の領域でのみ重複するようにレイアウトすることで解決する。
【0015】さらに、前項までの解決手段において、細溝のパターンは、蛇行状、らせん状、多角状の中から一つ選択するか、二つ以上を組み合わせて形成することで解決される。
【0016】また、前項までの解決手段において、細溝の細部として、ストレート状、各種の波形状の中から一つ選択するか、二つ以上を組み合わせて形成することで解決される。
【0017】また、前項までの解決手段において、全体の平面形状は放熱対象の目的、設置スペースなどによる使用場所に応じた形状とすること、さらに、細溝の底面には突条片を突出形成する工程を付加することで解決される。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、放熱器、熱交換器に用いるヒートパイプを、熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、蛇行状、らせん状等、一筆書き状のパターンの長尺の細溝を一方の面に備える溝付き板を形成する工程と、熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、前記溝付き板の細溝を形成した板面を覆って該細溝の開放側を閉じて管状とする形状寸法の蓋板を形成する工程と、前記溝付き板と前記蓋板とを接着接合する工程とによって製造するようにする。
【0019】蓋板側にも、溝付き板側に形成した細溝と鏡像関係のパターンの細溝を設けるような工程とし、細溝を設けた面を対向させて接着接合する工程とすれば、両者の溝が合成されて一つの管となるので、それぞれの溝は浅いものですみ、加工が容易となり、全体の厚みも薄くすることができる。
【0020】細溝を溝付き板の両面に形成するような工程とし、両面をそれぞれ覆う蓋板を形成する工程、そして三者を接着接合する工程によって製造すれば、パターンは2層となって、より効率的な冷却や熱交換ができるものとなる。
【0021】また、前項において、溝付き板の両面をそれぞれ覆う蓋板側にも、溝付き板側に形成した細溝と鏡像関係のパターンの細溝をそれぞれ設けるような工程とし、細溝を設けた面を対向させてそれぞれ接着接合する工程とすれば、両者の溝が合成されて一つの管となるので、それぞれの溝は浅いものですみ、加工が容易となり、全体の厚みも薄くすることができる。
【0022】さらに、細溝を両面に形成した溝付き板を複数形成する工程、そしてこれらを多層構造として積層する工程を付加し、その積層体の上下両面を蓋板で覆うように接着接合する工程により製造すれば、パターンは多層構造となって、より効率的な冷却や熱交換ができるヒートパイプを容易に製造することができる。
【0023】また、前項において、溝付き板の積層体の上下両面をそれぞれ覆う蓋板の形成工程を、蓋板側にも、溝付き板側の積層体の上下両面に形成した細溝と鏡像関係のパターンの細溝をそれぞれ設けるような工程とし、接着接合工程を細溝を設けた面を対向させてそれぞれ接着接合する工程とすれば、両者の溝が合成されて一つの管となるので、それぞれの溝は浅いものですみ、加工が容易となり、全体の厚みも薄くすることができる。
【0024】溝付き板の両面に形成する細溝のパターンを互いに同一のパターンとせずに、一部の領域でのみ重複するようにレイアウトしたものを形成する工程とすることによって、部分的、重点的に、より効率的な冷却や熱交換ができるヒートパイプを容易に製造することができる。
【0025】細溝の底面に、突条片を突出形成する工程を付加すれば、さらに効率的な冷却や熱交換ができるヒートパイプを容易に製造することができる。
【0026】細溝を構成するパターンは、蛇行状、らせん状、多角形状の中から一つを選択してもよいし、二つ以上を組み合わせたパターンとしてもよい。
【0027】また、細溝を巨視的に見るとそのパターンが前記のように蛇行状、らせん状、あるいは多角形状のものであるが、これの細部としてはストレートなものでも、サイン波、矩形波、あるいは鋸歯状波的なものとすることもでき、このようにすれば、さらに熱効率のよいものを得ることができる。
【0028】さらに、ヒートパイプの全体の平面形状は、放熱対象目的、設置スペース等による使用場所に応じた形状とすることによって熱効率のよいものを得ることができる。
【0029】
【実施例】図を用いて本発明の実施例を説明する。図1は第1の実施例を示すものであり、図1の(a)は正面図、同(b)はそのA−A断面図、同(c)はそのB−B断面図、同(d)は図1(c)C部の拡大図である。以上各図において、10は放熱器のヒートパイプであり、溝付き板11と蓋板12とを接着剤層13によって強固に接合して製造される。溝付き板11には、一方の面に細い溝11aを、図1(a)に見られる閉ループを構成するような一筆書き状に所望のパターンにレイアウトして設け、他方の面は平坦となるように、アルミ系、銅系のような熱伝導率の良好な材料を用い、プレス、鍛造、鋳造などの手段で形成する。
【0030】蓋板12は平坦な板状であり、前記溝付き板11の細溝11aが存在する側の面を覆うような寸法形状であり、溝付き板11同様にアルミ系、銅系のような熱伝導率の良好な材料を用いて形成し、溝付き板11の細溝11aの存在する部分以外のフラットな面と蓋板12とを接着剤層13によって強固に接合する。
【0031】14は細溝11aによって構成される閉ループの一部に接続されたバルブで、このバルブ14を開き作動液を注入した後、これを閉じることによって再び閉ループが構成され、作動液の作用によって放熱作用を得ることができる。
【0032】このように作られた放熱器のヒートパイプ10の表面、裏面とも、平坦な面であるので、発熱素子を直接搭載することが容易であり、搭載場所の選択範囲が広く、設計の自由度が高い。
【0033】図2は本発明の第2の実施例のものであるが、前記第1の実施例と差異のある部分のみを図示したので、部分断面図のみとなっている。本実施例の放熱器のヒートパイプ20は、溝付き板21の一方の面に細溝21aを形成、この面に平坦な板状体からなる蓋板22を接着剤層23によって接合して作られている。溝付き板21の接着側の面は細溝21aが設けられる部分を除き平坦に作られ、他方の面は細溝21aの形状に沿って凹凸面となっている点が第1の実施例と異なる点である。このような形状に作ることによって、表面積が増加し、放熱効果の増大が期待できるものとなる。
【0034】図3は本発明の第3の実施例のものであり、前記第2の実施例と同様、第1の実施例に対して差異のある部分のみを図示した部分断面図とした。本実施例の放熱器のヒートパイプ30は、溝付き板31の一方の面に細溝31aを形成、この細溝31aと鏡像関係となるようなパターンの細溝32aを一方の面に形成した蓋体32を接着剤層33によって接合して作られている。双方の細溝31a、32aのパターンを工夫することによって、溝付き板31と蓋体32とを共通の1個の部品とすることもでき、経済的な効果も期待できる。また、双方の細溝を合成して1個の管状とするので、それぞれの溝は浅いものですみ、加工が容易であり、全体の厚みも薄いものとすることができる。
【0035】図4は本発明の第4の実施例のものであり、前記第3の実施例と同様、第1の実施例に対して差異のある部分のみを図示した部分断面図とした。本実施例の放熱器のヒートパイプ40は、溝付き板41の一方の面に細溝41aを形成、この面に溝付き板41と鏡像関係にあるパターンの細溝42aを形成した蓋体42を接着剤層43によって接合して作られる。溝付き板41、蓋体42の接着側の面は細溝41a、42aが設けられる部分を除き平坦に作られ、他方の面は細溝41a,42aの形状に沿って凹凸面となっている。このような形状に作ることによって、前記第2の実施例同様、表面積が増加し、放熱効果の増大が期待できるものとなる。
【0036】図5は本発明の第5の実施例のものであり、前記第4の実施例と同様、第1の実施例に対して差異のある部分のみを図示した部分断面図とした。本実施例の放熱器のヒートパイプ50は多層構造に作られ、両面に細溝を備える溝付き板と、その両面を覆う二つの蓋体とからなる。一方の蓋体51は、その一方の面に細溝51aを形成、溝付き板52は、その一方の面に細溝52aを、蓋体51の細溝51aと鏡像関係にある位置に形成する。また、溝付き板52の他方の面には細溝52bを設け、この細溝52bと鏡像関係にある位置に細溝53aを設けたもう一方の蓋体53を作り、三者を二つの接着剤層54によって接合する。
【0037】このような多層構造に作ることによって、全体の放熱効果を増加させたり、また、詳細は後述するが、放熱器の面の中の部分的な放熱効果を増加させるようなことも可能となる。
【0038】前記図5の第5の実施例において、蓋体51と同53との細溝のない面を、細溝の形状に沿って図5中に点線で示し、第6の実施例としたように凹凸面とすることも可能である。このような第6の実施例の形状に作ることによって、前記第2の実施例同様、表面積が増加し、放熱効果の増大が期待できるものとなる。
【0039】図6は本発明の第7の実施例のものであり、本実施例の放熱器のヒートパイプ60は前記第5、第6の実施例同様、多層構造に作られ、一つの溝付き板と、その両面を覆う二つの蓋体とからなる。蓋体61は、その一方の面に細溝61aを形成、溝付き板62は、その一方の面に細溝62aを、蓋体61の細溝61aと鏡像関係で整合する位置に形成する。また、溝付き板62の他方の面には細溝62bを設け、この細溝62bと鏡像関係で整合する位置に細溝63aを設けた蓋体63を作り、三者を接着剤層64によって接合する製法は前記二つの実施例同様であるが、細溝61aと細溝62aとによって構成される管状部の位置と、細溝62bと細溝63aとによって構成する管状部の位置とが相互にずれがあるように設定する。このように作ることによって全体の厚みを薄くすることができる。
【0040】前記図6の第7の実施例において、蓋体61と同63との細溝のない面を、細溝の形状に沿って図6中に点線で示し、第8の実施例としたように凹凸面とすることも可能である。このような第8の実施例の形状に作ることによって、前記第2の実施例同様、表面積が増加し、放熱効果の増大が期待できるものとなる。
【0041】図7は前記の各放熱器のヒートパイプに形成する細溝の別の実施例の拡大断面図である。細溝70の最奥部、換言すれば細溝70の底面には一つ以上の突条片71aが突出するように設けられる。このように作ることで、封入される作動液の毛細管現象がより効果的なものとなる。
【0042】図8は前記図7を用いて説明した細溝の構造を、接合する双方面に細溝が形成される製造法の例、すなわち図3の第3実施例、図4の第4実施例、図5の第5及び第6実施例、そして図6の第7及び第8実施例に適用したものであり、細溝80と細溝81のそれぞれの最奥部、換言すれば細溝の底面に一つ以上の突条片81a、82aを突出させて設ける。このように作ることで、封入される作動液の毛細管現象がより効果的なものとなる。
【0043】図9及び図10に前記した各実施例における放熱器の細溝のパターンのレイアウトを例示した。図9には細溝82を図の縦、横両方向に平行に設け、閉ループを構成した例が、また、図10には渦巻き状の細溝83を設け、閉ループを構成した例が図示されている。両図においてBは作動液封入時に用いるバルブである。なお、これらは一例であって、本発明の放熱器のヒートパイプの製造法によれば閉ループを形成するパターンは全く自由であって、放熱対象の形状、目的により、いかようにでも加工することが可能である。
【0044】図11は、前記した2層以上の多層構造に製造された放熱器のヒートパイプに適用される閉ループのパターンレイアウトの例である。84は第1の細溝で構成される閉ループであり、図の横方向に平行な細溝が複数並列に設けられ、一方、85は第2の細溝で構成される、前記の第1の細溝84とは別の細溝で、独立した閉ループであり、図の縦方向に平行な細溝が複数並列に設けられている。従って細溝84と細溝85が交差する付近は特に放熱効果が高く得られることになり、交差場所や交差角度は全く自由であるので、所望する部分を重点的に放熱することが可能となる。
【0045】以上の各実施例は、放熱器に用いるヒートパイプとして説明したが、本発明は冒頭にも説明したように放熱器のみならず、熱交換器用のヒートパイプとしても実施することができる。すなわち、図12に細溝のレイアウトパターンを例示したように、細溝86を閉ループとせずに、一端部86aを冷水の入力端とし、他端部86bから温水を取り出すようにして熱交換を行うことも可能である。
【0046】さらに、熱交換器として利用する場合にも、前記放熱器の場合同様、図13に細溝のレイアウトパターンを例示したように、細溝87を閉ループとせずに、一端部87aを冷水の入力端とし、他端部87bから温水を取り出すようにし、この細溝87と積層されて多層構造とした細溝88についても、閉ループとせずに、一端部88aを冷水の入力端とし、他端部88bから温水を取り出すようにすれば、細溝87と細溝88が交差する付近は特に熱交換効果が高く得られることになり、交差場所や交差角度は全く自由であるので、所望する部分で重点的に熱交換を行うことが可能となる。
【0047】また、前記の多層構造とした例は、両面に細溝を形成した1枚の溝付き板を製造する工程と、その両面をそれぞれカバーする蓋板を製造する工程と、溝付き板両面に蓋板をそれぞれ接着接合する工程とからなるようにしたが、これは、細溝を両面にそれぞれ備え、積層の際に対向する面の細溝が互いに鏡像関係にあるパターンとした溝付き板を複数形成する工程と、前記複数の溝付き板を接着接合して積層体とする工程と、前記溝付き板の積層体の上下両面を覆って細溝の開放側を閉じて管状とする形状寸法の蓋板を形成する工程と、前記積層体の上下両面に、それぞれ前記蓋板を接着接合する工程とからなるようにして、より効果的な冷却、熱交換を行うようにすることもできる。
【0048】図16に細溝のパターン例を示す。(A)は蛇行状、(B)はらせん状、(C)は多角状のパターンとなっており、実施に当たってては、これらの中から一つを選択するか、二つ以上を組み合わせればよい。
【0049】図17に細溝の細部を示す。(A)はストレート状、(B)はサインウエーブ状、(C)は鋸歯状となっており、実施に当たってては、これらの中から一つを選択するか、二つ以上を組み合わせればよい。
【0050】図18にヒートパイプの全体の平面形状を示す。(A)は矩形の組み合わせ状、(B)は円形状、(C)は楕円状、(D)は正方形状、(E)は三角形状、(F)は六角形状となっており、実施に当たってては、これらの中から一つを選択し、放熱対象の目的、設置スペース等による使用目的に応じた形状とする。
【0051】図19に前記とは別の細溝の断面図を示す。(A)のものは、溝付き板101の一方の面に細溝101aを形成、蓋体102を接着剤層103によって接着し、蓋体102には細溝101aに沿って突条102aが細溝側へ突出するように製作、また、(B)のものは、溝付き板201の一方の面に細溝201aを形成、蓋体202を接着剤層203によって接着し、蓋体202には細溝201aに沿って背面側を凹ました突条202aが細溝側へ突出するように加工しているものであり、ともに熱効率向上に効果がある。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、放熱器、熱交換器に用いるヒートパイプを、熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、細溝のパターンを一方の面に備える溝付き板を形成する工程と、熱伝導良好な金属を用い、プレス、鍛造、あるいは鋳造により、前記溝付き板の細溝を形成した板面を覆って該細溝の開放側を閉じて管状とする形状寸法の蓋板を形成する工程と、前記溝付き板と前記蓋板とを接着接合する工程とによって、製造するようにしたので、製造コストが低く、信頼性の高いものを得ることができるとともに、使用スペースに応じた形状に製作することができる。
【0053】蓋板側にも、溝付き板側に形成した細溝と鏡像関係のパターンの細溝を設けるような工程とし、細溝を設けた面を対向させて接着接合する工程とすれば、両者の溝が合成されて一つの管となるので、それぞれの溝は浅いものですみ、加工が容易となり、全体の厚みも薄くすることができる。
【0054】細溝を溝付き板の両面に形成するような工程とし、両面をそれぞれ覆う蓋板を形成する工程、そして三者を接着接合する工程によって製造すれば、パターンは2層となって、より効率的な冷却や熱交換ができるものとなる。
【0055】また、前項において、溝付き板の両面をそれぞれ覆う蓋板側にも、溝付き板側に形成した細溝と鏡像関係のパターンの細溝をそれぞれ設けるような工程とし、細溝を設けた面を対向させてそれぞれ接着接合する工程とすれば、両者の溝が合成されて一つの管となるので、それぞれの溝は浅いものですみ、加工が容易となり、全体の厚みも薄くすることができる。
【0056】さらに、細溝を両面に形成した溝付き板を複数形成する工程、そしてこれらを多層構造として積層する工程を付加し、その積層体の上下両面を蓋板で覆うように接着接合する工程により製造すれば、パターンは多層構造となって、より効率的な冷却や熱交換ができるヒートパイプを容易に製造することができる。
【0057】また、前項において、溝付き板の積層体の上下両面をそれぞれ覆う蓋板の形成工程を、蓋板側にも、溝付き板側の積層体の上下両面に形成した細溝と鏡像関係のパターンの細溝をそれぞれ設けるような工程とし、接着接合工程を細溝を設けた面を対向させてそれぞれ接着接合する工程とすれば、両者の溝が合成されて一つの管となるので、それぞれの溝は浅いものですみ、加工が容易となり、全体の厚みも薄くすることができる。
【0058】また、多層構造として、細溝を両面にそれぞれ備え、積層の際に対向する面の細溝が互いに鏡像関係にあるパターンとした溝付き板を複数形成する工程と、前記複数の溝付き板を接着接合して積層体とする工程と、前記溝付き板の積層体の上下両面を覆って細溝の開放側を閉じて管状とする形状寸法の蓋板を形成する工程と、前記積層体の上下両面に、それぞれ前記蓋板を接着接合する工程とからなるようにして、より効果的な冷却、熱交換を行うようにすることもできる。
【0059】溝付き板の両面に形成する細溝のパターンを互いに同一のパターンとせずに、一部の領域でのみ重複するようにレイアウトしたものを形成する工程とすることによって、部分的、重点的に、より効率的な冷却や熱交換ができるヒートパイプを容易に製造することができる。
【0060】細溝の底面に、突条片を突出形成する工程を付加すれば、さらに効率的な冷却や熱交換ができるヒートパイプを容易に製造することができる。
【出願人】 【識別番号】599147643
【氏名又は名称】野上 正輝
【出願日】 平成11年9月13日(1999.9.13)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−82887(P2001−82887A)
【公開日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願番号】 特願平11−298694