| 【発明の名称】 |
熱交換器 |
| 【発明者】 |
【氏名】中村 陽一郎
【氏名】高橋 修二
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| 【要約】 |
【課題】熱交換を行う組立体の組立て後においても、金属ろうなどの接合材の塗布が容易な熱交換器を提供する。
【解決手段】枠体2a・2b・・と平板3a・3b・・とが積層されて、第1流体を流すための第1流路11と、第2流体を流すための第2流路21とが形成され、第1領域10では第2流路21を閉塞し第2領域20では第1流路11を閉塞する閉塞部Wを備える熱交換組立体1において、前記各閉塞部Wに、外部から金属ろうなどの接合材を注入するためのスリットSを形成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 枠体と平板とを交互に積層して該平板間に第1流路及び第2流路を形成した組立体と、該組立体の前記第1流路及び第2流路への接続部を第1領域と第2領域とに分け該第1領域で前記第2流路を閉塞しかつ該第2領域で前記第1流路を閉塞するように前記枠体に形成される閉塞部とを備え、熱交換する2つの流体の一方が前記第1領域を介して前記第1流路を流れ、前記流体の他方が前記第2領域を介して前記第2流路を流れる熱交換器において、前記枠体に、前記組立体の外部に開口しかつ前記閉塞部と前記平板との間を前記組立体の内部側から接合材により気密接合するためのスリットが形成されていることを特徴とする熱交換器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は熱交換器に係り、特に、枠体と平板とが積層されて流路が形成される熱交換器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図6は、枠体と平板とが交互に積層され流路が形成された組立体を有する従来の熱交換器の一例を、概念的に示す斜視図である。ここでは、4つの枠体102a・102b・102c・102dと5枚の平板103a・103b・103c・103d・103eとで、4層の流路111・121・111・121を有する組立体101が形成されている。右端の平板103eは、枠体102dの側面が見えるように、組立体101から離して示している。また、マニフォールド104も、組立体101に取付け前の状態で示している。 【0003】枠体102a〜102dと平板103a〜103eとは、互いにろう付けされている。組立体101の組立て作業におけるろう付けの方法は、まず、枠体102a〜102dにペースト状の金属ろうを塗布しながら、枠体102a〜102dと平板103a〜103eとを積層して組立体101の形状を形成し、その後、この組立体101全体を加熱して塗布された金属ろうを溶融させ、枠体102a〜102dと平板103a〜103eとの各当接面を接合する。この際、枠体と平板との隙間から、内部の流体が漏れ出さないよう、気密性を確保しなければならないが、1回のろう付け作業では、金属ろうの凝固後にピンホールが残る場合が多く、その対策として通常は、仕上げにもう1度ろうを塗布して再加熱する方法が用いられている。この仕上げろう付けは、組立体101において流路111・121・111・121が開口していない部分(図6では、組立体101の上面と下面)については、容易に行うことができる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、流路111・121・111・121が開口している部分(マニフォールド104が取付けられる部分)については、例えば、枠体101aと平板103bとの境界部分を覆うように金属ろうを塗布しようとすると、流路121にまで金属ろうが入って、流路121を狭くしたり、詰まらせたりするおそれがある。また、マニフォールドの形状によっては、刷毛などで塗布することが困難な場合もある。このように困難な作業は、製造上のネックとなり、製造コスト上昇の原因にもなっていた。また、手間をかけてもなお、ろう付けが完全にできない場合もあり、そうすると、熱交換する高温側・低温側流体の混合が起きてしまうという問題が起こる。特に、高温側・低温側の流体が互いに異物質の場合には、こうした混合は防止しなければならない。 【0005】本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、仕上げろう付け時の困難な作業を排除して製造性を向上させるとともに、気密信頼性をも高めた熱交換器を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、枠体と平板とを交互に積層して該平板間に第1流路及び第2流路を形成した組立体と、該組立体の前記第1流路及び第2流路への接続部を第1領域と第2領域とに分け該第1領域で前記第2流路を閉塞しかつ該第2領域で前記第1流路を閉塞するように前記枠体に形成される閉塞部とを備え、熱交換する2つの流体の一方が前記第1領域を介して前記第1流路を流れ、前記流体の他方が前記第2領域を介して前記第2流路を流れる熱交換器において、前記枠体に、前記組立体の外部に開口しかつ前記閉塞部と前記平板との間を前記組立体の内部側から接合材により気密接合するためのスリットが形成されていることを特徴とする。 【0007】この構成によれば、枠体に設けられたスリットに、組立体の外部から、金属ろうなどの接合材を注入することができ、一方の流体の流路と、他方の流体の流通口との間の気密性確保を、組立体形成後においても容易に行うことができる。また、使用開始後の同部位の補修作業も、同様に容易である。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、図1に基づいて、本発明に係る熱交換器の第1実施形態の構成、及びスリットSの作用・効果について説明する。 【0009】まず、熱交換を行うための組立体1は、枠体2a〜2dと平板3a〜3eとが交互に積層されて形成されている。ここでは、説明の便宜上、異符号を付しているが、4つの枠体2a〜2dは全て同一形状部材であり、5枚の平板3a〜3eも全て同一形状部材である。 【0010】枠体2aと平板3a・3bとで囲まれた空間、及び枠体2cと平板3c・3dとで囲まれた空間は、第1流体を流すための第1流路11・11となっている。同様に、枠体2bと平板3b・3cとで囲まれた空間、及び枠体2dと平板3d・3eとで囲まれた空間は、第2流体を通すための第2流路21・21となっている。 【0011】組立体1において、流体が出入りする面は、接続部30となっている。接続部は、図示しない反対面にも同様に形成されていて、一方が流体の流入部、他方が流体の流出部となる。接続部30は、図1において上側の第1領域10と、同下側の第2領域20とに区分される。第1領域10において第2流路21は、閉塞部Wによって閉塞され、第2領域20において第1流路11は閉塞部Wによって閉塞されている。 【0012】接続部30には、マニフォールド4が取付けられる。マニフォールド4は、第1流通口12と第2流通口22とを備えており、第1流通口12は、組立体1の接続部30における第1領域10に、第2流通口22は、同第2領域20に接続される。マニフォールド4が流入側であるとすれば、第1流体は、第1流通口12から、第1領域10において閉塞されていない第1流路11・11へのみ流入し、同様に、第2流体は、第2流通口22から、第2領域20において閉塞されていない第2流路21・21へのみ流入する。こうして、第1流体と第2流体とは、平板3b・3c・3dを間に介して隣接しながら流通し、流体間の熱交換が行われる。 【0013】組立体1を形成するためには、枠体2a〜2dと平板3a〜3eとを積層する際に、枠体2a〜2dの平板3a〜3eに当接する面に金属ろうを塗布し、組立体1の形状を形造ったのち、組立体1全体を加熱して金属ろうを溶融させて各部材を接合する。こうしてろう付けされた枠体−平板間接合部は、気密性を確保しなければならないが、金属ろうの凝固・収縮によりピンホールが残る場合がある。ピンホールは、流体漏出の原因となるため、通常、1回目のろう付け完了後に、2回目のろう付け(仕上げろう付け)が行われる。 【0014】仕上げろう付けの際には、枠体−平板間の当接面に金属ろうを再塗布することはできないので、平板の周縁部に金属ろうを塗布することになる。この際、接続部30においては、流路11・21・11・21が開口しているため、これら流路に金属ろうが入らないようにすることが難しい場合や、マニフォールド4が既に取付けられて、形状的に刷毛等で塗布することが困難な場合がある。 【0015】そこで、本実施形態では、接続部30における気密性確保のためのろう付けを、マニフォールド4側からではなく、組立体1の外部から行えるように、枠体2a〜2dの各閉塞部Wに、スリットSが形成されている。枠体2dの閉塞部Wに形成されているスリットSに関して説明すると、スリットSは、マニフォールド4が取付けられても、組立体1の外部に開口しており、かつ、枠体2dの厚さ方向に貫通している。スリットSの外部に開口した部分から金属ろうを注入すると、金属ろうは平板3d・3eにも到達し、枠体2dと平板3d・3e間の隙間を閉塞する。以上の作用は、他のスリットSについても全く同様である。このように、スリットSを設けたことにより、特に仕上げろう付けが容易になり、組立体1の気密信頼性が向上する。 【0016】次に、本発明に係る熱交換器の第2実施形態について、図2から5を参照して説明する。第2実施形態の熱交換器では、枠体と平板とが交互に積層されると、流路が形成されるとともに、マニフォールド部分が一体に形成される。流路は、「コの字」形状に折り返されていて、流体の流入と流出とが、近接した位置で行われる。また、枠体内部の流路部分には、波板状・金属製のフィン部材を収納して、熱伝導性を向上させている。 【0017】図2は、第2実施形態の熱交換器の主要部分である組立体51の一部を拡大して示した斜視図である。図3は、組立体51を構成する一部の枠体と平板とを、組立て前の状態で並べて示した正面図である。また図4は、組立体51を、枠体と平板との境界で切断して示した正面断面図であり、図5は、図4におけるA−A線視断面図である。 【0018】まず、組立体51は、図2に示すように、枠体52a・52b・52cと平板53a・53bとが交互に積層され、枠体−平板各当接面がろう付けされて形成される(図示されない他の部分も同様)。なお、ここでは説明の便宜上、異符号を付しているが、枠体52a〜52cは同一形状部材であり、枠体52bは、枠体52aを裏返して配置したものである。また、平板53aと53bとは、同一形状部材である。 【0019】次に、各部材の詳細を図3に基づいて説明する。枠体52aは、外枠で囲まれた内部に窓部56・56 と、第2流路55と、第2開口部55a・55aとを有する。窓部56・56と第2流路55とは、閉塞部W2・W2で仕切られており、閉塞部W2それぞれには、枠体52aの厚さ方向(紙面垂直方向)に貫通し、一端が開口したスリットS2が設けられている。第2流路55には、断面が矩形波状の金属製フィン部材60a・60b・60c・60b・60aが収納されている。枠体52cの形状・構成は、枠体52aと全く同様である。 【0020】枠体52bは、枠体52aと同一形状の外枠を有し、外枠で囲まれた内部には、第1流路54を有する。また、枠体52aの窓部56・56に相当する位置には第1開口部54a・54aを有し、枠体52aの第2開口部55a・55aに相当する位置には、窓部57・57を有する。窓部57・57と第1流路54とは、閉塞部W2・W2で仕切られており、閉塞部W2それぞれには、スリットS2が設けられている。第1流路54内にフィン部材60a・60b・60c・60b・60aが収納されている。 【0021】平板53a・53bは、金属製の薄板である。その外輪郭は、枠体52a・52b・52cと同一になっている。平板53a・53bには、枠体52aの窓部56・56に相当する位置に、それらと同一形状の窓部58・58が設けられている。また、枠体52aの第2開口部55a・55aに相当する位置には、それらと同一形状の窓部59・59が設けられている。 【0022】以上の構成部材を、図3に示すように順次積層すると、枠体52aの窓部56・56、平板53aの窓部58・58、枠体52bの第1開口部54a・54a、平板53bの窓部58・58、枠体52cの窓部56・56が重なり合って、四角柱状の空間である第1流通口61・61が形成される(図2参照)。2つある第1流通口61・61の一方は、第1流体の流入口、他方は、第1流体の流出口となる。同様に、枠体52aの第2開口部55a・55a、平板53aの窓部59・59、枠体52bの窓部57・57、平板53bの窓部59・59、枠体52cの第2開口部55a・55aが重なり合って、四角柱状の空間である第2流通口62・62が形成される。2つある第2流通口62・62の一方は、第2流体の流入口、他方は、第2流体の流出口となる。こうして、図2に示すように、第1流通口61においては、閉塞部W2と第1流路54の開口部分とが、交互に現れる。また、第2流通口62においては、閉塞部W2と第2流路55の開口部分とが交互に現れる。 【0023】組立体51では、流路が折り返されて、2つの第1流通口61・61と2つの第2流通口62・62とがそれぞれ近接して配置されているが、その状態を、枠体と平板との境界で切断して図4に示している。また図5は、図4におけるA−A線視断面図である。図5では、第1流路54及び第2流路55への接続部90が、第1領域70と第2領域80とに分けられ、第1領域70では閉塞部W2によって第2流路55が閉塞され、第2領域80では閉塞部W2によって第1流路54が閉塞されている状態を示している。 【0024】ここで、組立体51内の流体の流れと熱交換作用について説明する。まず、第1流体は、一方の第1流通口61から第1流路54へ流入し、フィン部材60a・60b・60c・60b・60aの存在領域を通って、他方の第1流通口61へ流出する。同様に、第2流体は、一方の第2流通口62から第2流路55へ流入し、フィン部材60a・60b・60c・60b・60aの存在領域を通って、他方の第2流通口62へ流出する。第1流路54と第2流路55とは、平板53a・53b・・・を挟んで隣接して配置されているので、ここで第1流体と第2流体との間の熱交換が行われる。さらに、組立体51では、第1流路54、第2流路55それぞれの内部に金属製のフィン部材60a・60b・60c・60b・60aが収納されているので、流体→フィン部材→平板→フィン部材→流体という経路でも熱伝導がなされる。 【0025】組立体51の組立作業は、各枠体52a・52b・52c・・・の平板53a・53b・・・との当接面に金属ろうを塗布し、組立体51の形を形成後、組立体51全体を加熱して、金属ろうを溶融させ、各部材間の接合を行う。こうして、加熱・冷却が完了して組立体51が形成された後、各部において流体の漏れが起きないようにすることが重要である。そこで、本実施形態の組立体51では、2回目の仕上げろう付けが容易に行えるよう、各閉塞部W2に、スリットS2が設けられている。 【0026】スリットS2が設けられていない場合、閉塞部W2と平板53a・53b・・・間の接合部に、再度、ろうを塗布しようとすると、第1流通口61側から行わざるを得ず、作業性が悪いだけでなく、開口しているフィン部材60a・60aに金属ろうが入り込んで流路を閉塞したり、狭くしてしまうおそれがある。しかし、本実施形態では、各閉塞部W2にスリットS2が設けられており、外部に開口している一端から金属ろうを注入することができる。スリットS2は、各枠体の厚さ方向に貫通しているため、注入された金属ろうは、平板にも到達することになり、こうして閉塞部と平板との間の気密接合を完成させることができる。 【0027】なお、上記第1・第2実施形態いずれの説明においても、各部材の接合を、金属ろうを用いたろう付けにより行い、気密性確保のためにも仕上げろう付けを行うとしているが、接合に使用される材料は、金属ろうに限定されるわけではなく、流される流体の温度範囲に従って、樹脂系接着剤等、適宜選択してもよい。そのような場合でも、上記スリットの作用・効果は何ら変わらない。また、組立体に積層形成される流路の数も、図示されたものに限定されるわけではない。 【0028】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、一方の流体の流路と、他方の流体の流通口との間の気密性確保を、熱交換を行う組立体の形成後においても、容易に行うことができるので、熱交換器の製造性が向上する。また、気密構造の信頼性も向上する。さらに、使用期間中に補修が必要になった場合でも、組立体の外部から補修することも容易である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000099 【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年7月1日(1999.7.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−21280(P2001−21280A) |
| 【公開日】 |
平成13年1月26日(2001.1.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−188267 |
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