| 【発明の名称】 |
凝縮器 |
| 【発明者】 |
【氏名】高橋 勤
【氏名】高本 敏夫
【氏名】谷口 弘芳
【氏名】宇田 誠
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| 【要約】 |
【課題】凝縮器内に,気相状態の非凝縮性成分の循環を発生させて,冷却部における前記成分の滞留を抑制し,これにより,その成分による冷却作用妨害を減少させる。
【解決手段】凝縮器4は,気相状態の作動媒体を液相状態に変換する冷却部33と,液相状態の作動媒体を,その作動媒体から気相状態の非凝縮性成分を分離して,受容する回収部36と,前記気相状態の非凝縮性成分を冷却部33の入口側に戻す戻し部49とを備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 気相状態の作動媒体を液相状態に変換する冷却部(33)と,前記液相状態の作動媒体を,その作動媒体から気相状態の非凝縮性成分を分離して,受容する回収部(36)と,前記気相状態の非凝縮性成分を前記冷却部(33)の入口側に戻す戻し部(49)とを備えていることを特徴とする凝縮器。 【請求項2】 前記戻し部(49)は,前記気相状態の非凝縮性成分を吸引する第1の吸引手段(50)を有する,請求項1記載の凝縮器。 【請求項3】 気相状態の作動媒体を液相状態に変換する冷却部(33)と,前記液相状態の作動媒体を,その作動媒体から気相状態の非凝縮性成分を分離して,受容する回収部(36)と,前記気相状態の非凝縮性成分を排出する排出部(64)とを備えていることを特徴とする凝縮器。 【請求項4】 前記排出部(64)は,前記非凝縮性成分を吸引する第2の吸引手段(65)を有する,請求項3記載の凝縮器。 【請求項5】 ランキンサイクルシステム(R)の一構成要素であって,気相状態の作動媒体を液相状態に変換する冷却部(33)と,その冷却部(33)に対する前記気相状態の作動媒体の作用で生じた気相状態の非凝縮性成分を前記ランキンサイクルシステム(R)外に排出する排出部(64)とを備えていることを特徴とする凝縮器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は,気相状態の作動媒体を液相状態に変換する凝縮器に関する。 【0002】 【従来の技術】従来,この種の凝縮器として,多数の空気通路および多数の蒸気通路を交互に配列した冷却部を備えたものが知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】冷却部の熱伝導性,表面処理性,軽量化,リサイクル性等を考慮すると,その冷却部を,Al系材料(純AlおよびAl合金を含む)より構成するのが望ましい。しかしながら気相状態の作動媒体が水蒸気である場合には,その水蒸気とAl系材料との化学反応によって非凝縮性成分である水素が発生し,この水素の大部分は水によって蒸気通路外に排出されるが,その一部は,狭い蒸気通路内における水蒸気の流動が小さいこともあって,蒸気通路内に滞留し,その結果,水蒸気に対する冷却作用が滞留水素によって妨げられて凝縮性能が低下する,といった不具合を招来するおそれがある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は,冷却部における非凝縮性成分の滞留を抑制し得るようにした前記凝縮器を提供することを目的とする。 【0005】前記目的を達成するため本発明によれば,気相状態の作動媒体を液相状態に変換する冷却部と,前記液相状態の作動媒体を,その作動媒体から気相状態の非凝縮性成分を分離して,受容する回収部と,前記気相状態の非凝縮性成分を前記冷却部の入口側に戻す戻し部とを備えている凝縮器が提供される。 【0006】前記のように構成すると,気相状態の非凝縮性成分の循環を発生させて,冷却部における前記成分の滞留を抑制し,これにより,その成分による冷却作用妨害を減少させて凝縮性能を向上させることができる。 【0007】また本発明は非凝縮性成分を排出し得るようにした前記凝縮器を提供することを目的とする。 【0008】前記目的を達成するため本発明によれば,気相状態の作動媒体を液相状態に変換する冷却部と,前記液相状態の作動媒体を,その作動媒体から気相状態の非凝縮性成分を分離して,受容する回収部と,前記気相状態の非凝縮性成分を排出する排出部とを備えている凝縮器が提供される。 【0009】前記のように構成すると,凝縮器内における非凝縮性成分の濃度上昇を阻止し得るので,継続的な非凝縮性成分の濃度上昇を考慮した場合に必要な冷却部の冷却能増進のための伝熱面積の増加といったことを不要にして,冷却部の拡大化を抑制することが可能である。 【0010】 【発明の実施の形態】図1に示すランキンサイクルシステムRは,車両に搭載され,且つ内燃機関1が発生する排気ガスを熱源として利用するものである。そのランキンサイクルシステムRは,排気ガスを用いて,気相状態の作動媒体である,温度および圧力の上昇を図られた水蒸気,つまり昇温昇圧蒸気を発生する蒸発器2と,その昇温昇圧蒸気の膨脹によって出力を発生する膨脹器3と,その膨脹器3から排出される,前記膨脹により温度および圧力が降下した蒸気,つまり降温降圧蒸気を液化して液相状態の作動媒体である水を生じる凝縮器4と,その凝縮器4からの水を蒸発器2に供給する供給ポンプ5とを備えている。 【0011】図2に具体的に示すように,内燃機関1は,車両Vの機関室Er内に,クランク軸7のクランクジャーナル軸線を車幅方向と平行にし,且つシリンダヘッドカバー8が車両Vの前側に,またオイルパン9が車両Vの後側にそれぞれ位置するように傾斜して配設されている。蒸発器2は,その排気ガス導入側を内燃機関1の下向きの排気ポート10に連通させてシリンダヘッド11に取付けられ,その排気ガス導出側は排気管12に接続される。蒸発器2は,内燃機関1が多気筒の場合,例えば各気筒に設けられる。膨脹器3は,蒸発器2の下方に,且つそれに近接するように配置され,シリンダブロック13およびクランクケース14に一連に延びるブラケット15に取付けられている。凝縮器4および供給ポンプ5は,機関室Erにおいて内燃機関1の前方に配設され,また内燃機関用変速機16は膨脹器3およびオイルパン9に近接させて機関室Er内に配設されている。 【0012】蒸発器2の昇温昇圧蒸気供給側は膨脹器3の昇温昇圧蒸気受入側に細く,且つ短い導管17を介して接続され,また膨脹器3の降温降圧蒸気排出側は,凝縮器4の上部に存する降温降圧蒸気受入側に太く,且つ長い導管18を介して接続されている。供給ポンプ5および水タンク19は凝縮器4の下側に配置されており,その水タンク19は凝縮器4の出口側に導管20を介して接続される。供給ポンプ5の吸込み側は水タンク19に,一方,吐出側は蒸発器2の水入口側に導管21を介してそれぞれ接続される。図2において,22は吸気ポート,23は吸気管,24はピストン,25はコンロッド,26は吸気弁,27は排気弁,28は車輪である。 【0013】図3,4において,凝縮器4は略直方体形をなすハウジング29を有し,そのハウジング29は,その冷却風導入面30を車両前方に,一方,冷却風導出面31を車両後方にそれぞれ向け,また,後述する理由から,車両右側の下縁部が車両左側の下縁部よりも上位に在るように傾けられ,さらに,機関室Erのグリルとの関係で,冷却風導入面30の上縁部が,その下縁部よりも車両前方に位置するように傾けられて,機関室Er内に設置される。 【0014】ハウジング29内の上部領域に,膨脹器3からの降温降圧蒸気を導入する蒸気導入室32が形成され,また中間領域に降温降圧蒸気を水に変換する冷却部33が配設され,さらに下部領域に,水と気相状態の介在物とを分離する気液分離室34およびその下方に在って水を受容する器体35を持つ回収部36が設けられている。 【0015】冷却部33は,車幅方向に並ぶ複数の純Al製パネル37の集合体であって,各パネル37はその両面に断面が略等脚台形状をなす複数の凸条38を有すると共に相対向する両凸条38の頂部の一部分が相互に接合されている。これにより冷却部33は,交互に配列された複数の幅の狭い蒸気通路41と,複数の幅の狭い空気通路44とを備える。各蒸気通路41は上向きの入口39および下向きの出口40を有し,また各空気通路44は車両前方に向かう入口42および車両後方に向かう出口43を有する。ハウジング29の冷却風導出側には吸引ファン45が設けられている。 【0016】傾斜した蒸気導入室32の最低位置に在る入口46に,膨脹器3の降温降圧蒸気排出側から延出する導管18が接続される。また傾斜した気液分離室34の最低位置に在る出口47に管継手48が取付けられ,その管継手48は,出口47よりも下方に在る水タンク19に至る前記導管20を一体に有する。 【0017】また凝縮器4は,気液分離室34で分離された気相状態の介在物,即ち,未凝縮蒸気および非凝縮性成分,この場合は水素を冷却部33の入口側,つまり蒸気導入室32に戻す戻し部49を有する。その戻し部49は,ハウジング29の上面に取付けられた第1の吸引手段50と,その第1の吸引手段50および出口47側の管継手48間を接続する吸引管51と,第1の吸引手段50および膨脹器3から延出する導管18の入口46近傍部間を接続する排出管52とを有する。第1の吸引手段50は,略直方体形をなすハウジング53と,その内部を上部室54と下部室55とに区画するダイヤフラム56とを有する。そのダイヤフラム56は,外周部をハウジング53の合せ面間に挟まれた,断面波形の環状ゴム膜57と,その中央の孔部58を埋めるように環状ゴム膜57に気密に保持された,板状のゴム製共振重り59とよりなる。 【0018】上部室54は圧力導入管60を介して内燃機関1の吸気管23に接続される。また下部室55の入口管61に前記吸引管51が接続されており,その下部室55内壁には,入口管61の開口を開閉して未凝縮蒸気等の下部室55内への流入のみを許容すべく,上部を枢支された揺動自在の第1の逆止弁621が設けられている。さらに下部室55の出口管63に前記排出管52が接続されており,その排出管52の接続部内には,出口管63の開口を開閉して未凝縮蒸気等の排出管52への流出のみを許容すべく,上部を枢支された揺動自在の第2の逆止弁622が設けられている。 【0019】さらに凝縮器4は,未凝縮蒸気および水素から,その水素を分離して排出する排出部64を備えている。その排出部64は,第2の吸引手段65と,その第2の吸引手段65および傾斜した気液分離室34の最高位置間を接続する吸引分離管66とを有する。第2の吸引手段65は,第1の吸引手段50の上部室54,内燃機関1の吸気管23およびそれら54,23間を接続する前記圧力導入管60とを有する。前記吸引分離管66の上端部は上部室54に接続されている。 【0020】吸引分離管66の大径中間部67内には分離部材68が収納され,その部材68は水素の透過は許容するが未凝縮蒸気の透過は阻止するパラジウム合金膜,酸素,炭酸ガス,一酸化炭素等を吸着する触媒,吸着材等よりなる。また大径中間部67内の上端域に第3の逆止弁623が配設され,その逆止弁623は,大径中間部67内を区切る弁座70と,その弁座70の上側に在る弁体71と,その弁体71を弁座70側に付勢する弁ばね72とよりなり,したがって第3の逆止弁623は水素の上部室54側への流れのみを許容する。 【0021】吸引分離管66における気液分離室34との接続管部73はその室34と同様の角度を以て傾斜しており,その接続管部73の下面側は連通管74を介して水タンク19に接続される。 【0022】前記構成において,膨脹器3から排出された降温降圧蒸気は導管18を経て凝縮器4の蒸気導入室32に導入され,次いで複数の蒸気通路41内をそれらの入口39から出口40に向って下降し,その間に複数の空気通路44を流通する冷却風により冷却されて水となる。この過程で,一部の蒸気は凝縮されない場合があり,また水と純Al製パネル37との化学反応によって水素が生じる場合がある。 【0023】水,未凝縮蒸気および水素は気液分離室34に排出され,その室34内で,水は未凝縮蒸気および水素から分離されて器体35内に滴下して溜まり,その貯水量が一定量を越えると過剰分は導管20を経て水タンク19に流入する。 【0024】また内燃機関1における吸気管23内の吸気脈動によって,ダイヤフラム56が上方へ移動すると,下部室55の容積が拡張され,これにより第1の逆止弁621が開くと共に第2の逆止弁622が閉じて気液分離室34内および複数の蒸気通路41の出口40から所定の範囲内に存する未凝縮蒸気および水素が吸引管51を経て下部室55内に吸引される。次いでダイヤフラム56が下方へ移動すると,下部室55の容積が縮小され,これにより第2の逆止弁622が開くと共に第1の逆止弁621が閉じてその下部室55内の未凝縮蒸気および水素が排出管52を経て膨脹器3からの導管18内に排出され,それらは降温降圧蒸気と共に蒸気導入室32内に導入される。 【0025】以後,これまでの過程が繰返されるものであり,したがって未凝縮蒸気および水素の循環が発生し,これにより冷却部33における水素の滞留を抑制してその水素による冷却作用妨害を減少させ,また未凝縮蒸気を液化して凝縮性能を向上させることができる。 【0026】またダイヤフラム56は共振重り59を有するので,吸気脈動だけでなく,車両V,内燃機関1等の振動にも敏感に応答して前記吸引排出作用を発揮する。 【0027】傾斜した気液分離室34内において,その最高位置には比重の軽い水素が溜まり易い。このような状況下において,エンジンブレーキ等によって吸気管23内の負圧が−79.8kPa程度になると,第3の逆止弁623が開いて気液分離室34の最高位置に溜っている水素が分離部材68を透過して上部室54および圧力導入管60を経て吸気管23内に吸引され,その後燃焼室75内にて燃焼される。 【0028】このように構成すると,凝縮器4内における水素の濃度上昇を阻止し得るので,継続的な水素濃度上昇を考慮した場合に必要な冷却部33の冷却能増進のための伝熱面積の増加といったことを不要にして,冷却部33の拡大化を抑制することが可能である。 【0029】分離部材68によって透過を阻止された未凝縮蒸気の冷却によって生じた水は吸引分離管66から連通管74を経て水タンク19に導入されるのでその接続管部73内に溜まることがなく,したがって貯留水により貯留水素の吸引分離が妨げられることはない。 【0030】また吸気管23の内圧よりも凝縮器4の内圧が低い場合には,第3の逆止弁623が閉じるので凝縮器4内への空気等の流入は生じない。さらに,前記分離が不完全であって,水素と共に未凝縮蒸気が吸気管23内に吸引されると,作動媒体の減少が発生するが,このような状況が懸念される場合には,水タンク19内に予測される量の水を過剰に貯留させておく。 【0031】第1の吸引手段50におけるダイヤフラム56がゴム製である場合,小分子である水素はそのダイヤフラム56を透過して上部室54側へ移行することがあり,したがってゴム製ダイヤフラム56も水素排出効果を持つ。 【0032】前記のように水との化学反応によって水素を発生する金属としては,前記Al系材料の外にFe系材料,例えばステンレス鋼を上げることができ,前記構成によれば,蒸気通路41等をステンレス鋼製パネルを用いて形成しても何等問題を生じることはない。したがってパネル構成材料に対する選択自由度が高くなる。 【0033】なお,第2の逆止弁622を省くことは可能であるが,このように構成すると,未凝縮蒸気等の吸引時に膨脹器3からの降温降圧蒸気を排出管52を介して下部室55内に吸引することになるので,その分,未凝縮蒸気等の吸引量が減少することになる。実施例のごとく,第2の逆止弁622を用いれば,このような不具合は生じない。 【0034】 【発明の効果】請求項1記載の発明によれば,前記のように構成することによって,気相状態の非凝縮性成分の循環を発生させて,冷却部における前記成分の滞留を抑制し,これにより,その成分による冷却作用妨害を減少させて凝縮性能を向上させることが可能な凝縮器を提供することができる。 【0035】請求項3記載の発明によれば,前記のように構成することにより,非凝縮性成分を凝縮器外に排出して,その成分による不具合の発生を十分に回避することが可能な凝縮器を提供することができる。 【0036】請求項5記載の発明によれば,前記のように構成することによって,ランキンサイクルシステムを効率良く,且つ円滑に作動させることが可能な凝縮器を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月13日(1999.12.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071870 【弁理士】 【氏名又は名称】落合 健 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−174166(P2001−174166A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月29日(2001.6.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−352886 |
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