トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F27 炉,キルン,窯;レトルト




【発明の名称】 熱処理炉内の漂遊放射光線の量を決定するための装置および方法
【発明者】 【氏名】アジ シャジ

【氏名】ジェフレイ ポール ヘッブ

【要約】 【課題】熱処理炉内の漂遊放射光線の量を決定するための装置および方法を提供すること。

【解決手段】熱処理装置(22)の加熱室(74)内の漂遊放射光線(迷光)を測定するための装置およびその方法で、漂遊放射光線は、加熱されていないウエハを加熱室内の複数の縦方向位置に移動し、検出器(36)を用いて、縦方向の各ウエハ位置でウエハから反射した放射光線の量を測定することによって決定される。測定された全放射光線は、全体の放射光線の中の漂遊放射光線成分に関連付けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】熱処理炉(22)の加熱室(74)内に存在する漂遊放射光線の量を決定する装置であって、加熱室(74)を形成する熱処理炉ハウジング(70)と、前記加熱室(74)内に存在する放射光線を検出するために、前記加熱室に光学的に結合された検出器(36)と、この検出器によって検出した前記放射光線を、前記加熱室(74)内の漂遊放射光線の量と相関させるための制御ステージ(50)と、を有することを特徴とする装置。
【請求項2】前記加熱室(74)を加熱するために、この加熱室に熱を伝達するように結合された加熱源と、前記加熱室にウエハを移送するための手段をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】前記加熱室(74)内の複数の縦方向位置にウエハを移動するための手段(82、84)をさらに含み、前記検出器(36)が前記複数の縦方向位置の各々において、前記ウエハから反射した放射光線を検出することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項4】前記検出器(36)が入射する放射光線の量に比例する出力信号を発生し、この入射した前記放射光線が、前記加熱室内にあってウエハから反射した放射光線の全量に相当しており、前記放射光線の全量は、前記ウエハから放出した放射光線と前記加熱室内の漂遊放射光線とを合わせた量に相当することを特徴とする請求項3記載の装置。
【請求項5】前記ウエハから反射した前記放射光線は、前記加熱室(74)内のウエハの縦方向位置の関数として変化し、前記制御ステージ(50)は、前記検出した放射光線の全量とウエハの縦方向位置とを関連付け、前記ウエハから反射した前記放射光線の全量を前記漂遊放射光線に関連付けることを特徴する請求項4記載の装置。
【請求項6】前記検出器(3 6)は、前記ウエハによって放出された放射光線に比例し、かつ前記加熱室内の漂遊放射光線の量に比例する出力信号を発生し、前記漂遊放射光線は、ウエハが低い温度で前記加熱室内に配置されるとき、前記加熱室内の放射光線の全量を構成することを特徴とする請求項3記載の装置。
【請求項7】前記複数の縦方向位置にウエハが移動されるとき、前記ウエハが前記加熱室内で加熱されないように前記ウエハを低温度に維持する手段をさらに含むことを特徴とする請求項3記載の装置。
【請求項8】前記制御ステージ(50)は、前記加熱室内に配置された前記ウエハによって放出された放射光線を、前記全放射光線に対して基準となるように特徴付けることによって前記加熱室(74)内における全放射光線の漂遊放射光線成分を決定する測定手段を含み、前記制御ステージが、前記加熱室内の全放射光線をこの放射光線中の漂遊放射光線成分と関連付けることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項9】前記制御ステージ(50)は、前記加熱室内に存在する漂遊放射光線を前記検出器によって検出した放射光線と関係付けるための手段を含むことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項10】処理中、実時間で、加熱室内の漂遊放射光線を補正するための手段をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項11】前記検出器(90)は、前記加熱室内でかつこの室内に配置されたウエハから反射した全放射光線の強さに比例する出力信号を発生し、前記全放射光線は、前記ウエハによって放出された放射光線と、漂遊放射光線成分を含み、本装置は、さらに、前記制御ステージが前記全放射光線と前記漂遊放射光線成分とを関連付けるように、1つまたはそれ以上の縦方向のウエハ位置で前記検出器によって発生した出力信号を記憶する手段を含むことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項12】前記加熱室(74)に光線を導くための放射源(31)と、前記検出器(36)が前記加熱室内の全放射光線の強さに比例する出力信号を発生し、前記全放射光線が、ウエハによって放出された放射光線と漂遊放射光線を含み、この漂遊放射光線が、放射源によって発生して前記加熱室に導かれた放射光線と、前記ウエハによって放出されかつ前記放射源によって発生した放射光線以外の光源からの放射光線を含んでおり、さらに、前記加熱室内における複数の縦方向位置の間で縦方向にウエハを移動するための手段と、ウエハ処理の間、全放射光線の漂遊放射光線成分を補正するための補正手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項13】前記検出器(96)は、約0.95μmに中心付けされた周波数帯域を有するパイロメータからなることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項14】前記加熱源は、ほぼ一定の温度の加熱源であることを特徴とする請求項2記載の装置。
【請求項15】処理中、ウエハの放射率を実時間で決定するための手段をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項16】加熱室の外側に置かれ、加熱室内で順次処理されるウエハの反射率を決定するための反射率測定手段(18、30、40、42、50)と、前記加熱室(74)内にウエハが配置されたとき、このウエハから反射した光線の強さを測定するための光線強度測定手段(84、86、90、96)と、前記加熱室内の反射率を決定するために、前記加熱室の外側で測定されるウエハの反射を、前記加熱室内で決定されるウエハの反射光線の強さと関連付けるための関係手段(50)と、前記加熱室内に存在する漂遊放射光線を補正するための補正手段(50)と、処理中、熱処理装置内の漂遊放射光線のために補正された、関連付けされたウエハの反射率から、実時間におけるウエハの放射率を決定するための放射率測定手段(50)と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項17】ウエハを均一かつ半球状に照射するために加熱室の外側に配置された放射光線アセンブリをさらに含み、この放射光線アセンブリは、積分球(62)と、この積分球に光学的に結合され、前記積分球がウエハの一部分を均一にかつ半球状に照射する放射源(30)と、前記ウエハから反射した放射光線を検出するために積分球に光学的に結合され、前記反射した放射光線の強さに比例した出力信号を発生する検出器(42)とを含むことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項18】前記検出器(42)によって検出された前記放射光線からウエハの半球方向の反射率を決定するための反射率測定手段(18、30、40、42、50)をさらに含むことを特徴とする請求項17記載の装置。
【請求項19】前記反射率測定手段は、放射源の放射光線の強さを測定するための放射源測定手段(40)を含み、かつウエハから反射した前記放射光線と前記放射源の測定された放射光線からのウエハの反射率を決定することを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】前記反射率測定手段は、前記ウエハの一部分から反射した放射光線の強さと前記放射源によって放出した放射光線の強さの比率を決定するための比率測定手段と、前記比率測定手段によって決定された比率を用いて、前記ウエハの反射率を補正する校正曲線を発生する手段とを備え、前記反射率測定手段は、前記校正曲線からウエハの反射率を決定することを特徴とする請求項18記載の装置。
【請求項21】ウエハによって反射した放射光線の強さを測定するための第1強度測定手段(42)と、前記光源から放出された放射光線の強さを測定するための第2強度測定手段(40)と、前記反射した放射光線の測定強度と放射源からの放射光線との選択された数学的関係を決定するための手段(50)と、前記数学的関係を用いて前記ウエハの反射率と相関する校正曲線を発生するための発生手段(50)と、前記校正曲線からウエハの反射率を決定するための手段(50)と、を含むことを特徴とする請求項18記載の装置。
【請求項22】前記強度測定手段は、さらに、ウエハが加熱室内に配置されたとき、ウエハを照射するための放射源(31)と、前記加熱室内のウエハから反射した放射光線の強さを測定するために、前記放射源と接続し、かつ前記反射した放射光線の強さに比例した出力信号を発生する検出器(36)とを含むことを特徴とする請求項16記載の装置。
【請求項23】前記検出器の出力信号に応答して前記ウエハから反射した放射光線の強さに比例した第1出力信号を発生するための手段をさらに含むことを特徴とする請求項22記載の装置。
【請求項24】前記加熱室内のウエハの反射率を、前記加熱室内のウエハの測定された反射光線の強さに関連付けるための相関手段をさらに含むことを特徴とする請求項22記載の装置。
【請求項25】前記反射率測定手段は、以下の式R=KΔVw(ここで、Rは、加熱室(74)内のウエハ(W)の反射率であり、Kは、比例定数であり、ΔVwは、加熱室内でウエハから反射した放射光線の強さである。)によって、加熱室内のウエハの反射率を決定することを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項26】比例定数Kを決定するための決定手段 (50) をさらに含み、この決定手段 (50)は、熱処理装置(22)の加熱室(74)中でウエハをスイープするための手段を含み、前記比例定数Kは、スイープ中、ウエハから反射される放射光線と、前記反射率測定手段により加熱室の外側で決定されるウエハの反射率とから決定されることを特徴とする請求項25記載の装置。
【請求項27】少なくとも比例定数Kから処理中のウエハの反射率を決定するための手段と、処理中、ウエハから反射される放射光線の強さを測定するための放射光線強度測定手段(84,86,90,96)と、反射した測定放射光線と比例定数とから、実時間のウエハ反射率を決定するための第2反射率測定手段(50)とをさらに含むことを特徴とする請求項26記載の装置。
【請求項28】前記放射率測定手段は、処理中、前記第2反射率測定手段(50)の実時間のウエハ反射率からウエハの反射率を決定することを特徴とする請求項27記載の装置。
【請求項29】半導体ウエハの熱処理中、熱処理装置の加熱室内で全放射光線の漂遊放射光線成分を決定する方法であって、熱処理炉の前記加熱室内にウエハを配置し、ウエハの位置に関連して、前記加熱室内の全放射光線を測定し、この測定された全放射光線をウエハの位置の関数として漂遊放射光線成分に関係付ける、各ステップを有することを特徴とする方法。
【請求項30】前記加熱室内の複数の縦方向位置へ前記ウエハを移動し、かつ前記複数の縦方向位置の各々に前記ウエハから反射した放射光線を測定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項31】前記加熱室内の放射光線とウエハからの反射光線との全体の放射光線量を、ウエハから放出した放射光線と前記加熱室内の漂遊放射光線に一致させるステップをさらに含むことを特徴とする請求項30記載の方法。
【請求項32】ウエハから反射した前記反射光線は、加熱室内のウエハの縦方向位置の関数として変化し、さらに、前記検出された全放射光線をウエハの縦方向位置に関連付け、前記漂遊放射光線となるウエハから反射した前記全放射光線を決定するステップを含むことを特徴とする請求項31記載の方法。
【請求項33】前記加熱室内で測定された前記全放射光線は、ウエハによって放出された放射光線に比例し、かつ前記加熱室内の漂遊放射光線の量に比例し、前記漂遊放射光線は、ウエハが低温度に配置されるとき、前記加熱室内の放射光線の全量を構成していることを特徴とする請求項30記載の方法。
【請求項34】前記ウエハが前記複数の縦方向位置に移動するとき、前記ウエハが前記加熱室内で加熱されないように、低温度にウエハを維持するステップをさらに含むことを特徴とする請求項30記載の方法。
【請求項35】前記加熱室内に配置されたウエハによって放出された放射光線を、全放射光線に対して基準となるように特徴づけることによって、前記加熱室内における全放射光線の中の漂遊放射光線成分を決定し、前記加熱室内の全放射光線を前記全放射光線の漂遊放射光線成分と関係づける各ステップをさらに含むことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項36】前記ウエハの熱処理の前に、加熱室内でウエハをスイープするステップをさらに含むことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項37】前記加熱室内のウエハを照射するステップをさらに含むことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項38】前記加熱室内で前記ウエハから放出された放射光線の量を検出するステップをさらに含むことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項39】漂遊放射光線になる測定された全放射光線を決定するステップさらに含むことを特徴とする請求項30記載の方法。
【請求項40】加熱室内に配置されたウエハによって放出された放射光線を、全放射光線に対して基準となるように特徴付けることによって前記加熱室内における全放射光線の中の前記漂遊放射光線成分を決定するステップをさらに含み、前記加熱室内の前記全放射光線は、前記漂遊放射光線成分に直接一致することを特徴とする請求項30記載の方法。
【請求項41】処理中、実時間で加熱室内の漂遊放射光線に対して補正するステップをさらに含むことを特徴とする請求項30記載の方法。
【請求項42】加熱室に放射光線を導くための放射源を設け、前記検出器は、前記加熱室内の全放射光線の強さに比例する出力信号を発生し、前記全放射光線は、ウエハによって放出した放射光線と漂遊放射光線を含み、前記漂遊放射光線は、放射源によって発生しかつ前記加熱室内に導かれる放射光線と、前記ウエハによって放出されかつ前記放射源によって発生した放射光線以外の光源からの放射光線とを含んでおり、前記加熱室内の複数の縦方向位置間で縦方向にウエハを移動し、ウエハの処理中、全放射光線の中の漂遊放射光線の部分に対して補正する、各ステップを有することを特徴とする請求項30記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハのようなワークピースあるいは固体物体のパラメータを決定する装置及び方法、または熱処理システムに関し、特に、このシステムにおける迷光(stray light)成分を、実時間で決定するための装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱処理炉は何年間も、アニーリング、拡散、酸化、化学蒸着法を含む各種の半導体製造工程を実施するために、広く知られ、用いられてきた。結果として、これらの処理は、特に処理製品の品質および均一性に関するプロセス変数の影響に関して、よく理解されている。熱処理炉は、一般的に水平型炉あるいは垂直型炉のいずれかが使用される。ある応用では、垂直型炉は、使用中に生じる粒子が少ないので好まれ、その結果、ウエハの汚染の範囲を減少させる。また、それらは自動化が容易であり、比較的、小さな場所のために、より少ない床面積でよい。
【0003】両タイプの従来の炉は、知られているように、1ミクロン以下の線幅を維持して所望の深さまでドーパントを注入するため、あるいはウエハへの化学蒸着層の被着あるいはウエハへの酸化層への適用のような、他の従来の処理技術を実行するために、半導体ウエハを所望の温度に加熱するように設計されている。処理中でのウエハの加熱条件は、公知であり、よく理解されており、そのため、厳重に監視されている。
【0004】管炉のような、従来の垂直型熱処理炉は、垂直部分に炉内の処理管(チューブ)を支持するように設計されている。この熱処理炉は、一般的にウエハボート組立体を用い、それは処理管の内部から外部へウエハボートを移動させるために、適当な移動機構に取り付けられている。ウエハハンドリング組立体は、半導体ウエハをウエハカセットからウエハボート組立体へ移動させるために、ウエハボートに隣接し、平行に配置されている。ウエハは、それから石英あるいはシリコンの加熱管中に引き上げられる。前記パイプは所望の温度にまでゆっくり上げられ、予め決められた時間の間、その温度で維持される。その後、パイプはゆっくり冷却され、そしてウエハは処理を実行するためにパイプから取り出される。この処理技術の欠点は、ウエハが必要とする時間だけ、所定温度に置かれた状態になることである。これら及び他の型の従来の垂直炉は、ヒューズ(Fuse)他の米国特許第5217501号、カキザキ他の米国特許第5387265号に開示され、記載されている。
【0005】シリコン集積回路の臨界寸法は、連続的にサブミクロンの範囲まで縮小されるので、ウエハ温度の一様性及びウエハ対ウエハ(wafer-to-wafer)の温度の繰り返しの要求が、より厳重になる。例えば、0.18μmの技術において、要求されるウエハ対ウエハの繰り返し温度は、±3℃である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】高温測定法(パイロメトリー)は、熱処理炉での処理中、シリコンウエハの非接触温度測定の一方法であったが、しかし、それには知られている欠点がある。
【0007】1つの欠点は、正確な温度測定を達成するために、ウエハ裏側の放射率を知る必要があるということである。一般的には、シリコンウエハの裏面層は、干渉作用によってウエハのスペクトル放射率を激変させ、それが処理中の温度測定誤差を導く。さらに、ウエハの放射率は、裏面表面粗さ及びウエハ温度による。これらの全ての欠点によれば、ウエハ放射率の決定あるいは予測は、難しい作業とされている。
【0008】従来技術は、処理中のウエハの温度を測定するために、炉内あるいは加熱室内で、本来のウエハ放射率を測定することを試みていた。ウエハ放射率を決定するための従来技術における一つの方法は、交流リップル技術を使用することであり、例えば、米国特許第5310260号に開示されている。光源は熱処理装置の加熱室内でウエハの裏側を照らすために使用される。ウエハから反射した光線及び光源の強さが測定され、光源の交流成分の大きさが得られる。ウエハ放射率は、そのとき、リップル方程式を用いて計算される。この方法の欠点は、全く熱処理炉の加熱室あるいは処理室内で行われることであり、そのため、前記ウエハを一様にかつ半球状に照射することは、不可能でないとしても困難である。したがって、処理中、ウエハ放射率を、特に実時間で、正確に測定することは困難である。
【0009】従来装置の他の欠点は、室及びウエハを加熱するための加熱ランプが、ウエハを照らすために、また使用されることである。さらに、加熱ランプの方向及び配置は、装置内で固定されている。この固定されたランプの位置では、加熱室内に配置されるとき、ウエハを半球状に且つ一様に照らすことが困難である。さらに、加熱ランプによって発生する交流リップルは、ウエハに反射して決定される。固定されたランプ配置と交流リップルの組み合わせは、不正確なウエハ反射率測定をしばしばもたらす。
【0010】ウエハ放射率、そしてそれによる処理中の温度の決定に関係する他の困難さは、処理中の室内の放射フラックスを正確に決定することである。この問題は、室内での放射フラックスが測定されるとき、迷光(漂遊放射光線)、即ちウエハ以外の他の物からの放射光線が、パイロメータ上に反射するからである。この測定された放射光線の値は、ウエハによって放出される放射光線と総計され、ウエハ温度を決定するために用いられる。ウエハエミッタンスだけが必要であるので、パイロメータの信号は、ウエハから正しく放出される放射光線を正確に測定していない。従来の装置は、この迷光成分を正確にかつ完全に補償することができないので、今の製造技術によって要求される温度の正確さを達成するのは困難である。
【0011】従来技術の熱処理炉の、前記及び他の欠点のために、本発明の目的は、実時間で、ウエハ放射率を正確に決定するための装置及び方法を提供することである。本発明の他の目的は、熱処理炉内の漂遊放射光線の量を決定するための装置および方法を提供することである。他の一般的、そしてより特別な目的は、以下の図面及び記述から明瞭であり、明らかであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱処理炉の加熱室内に存在する迷光(漂遊放射光線)の量を決定する装置を用いて、上記目的を達成する。この装置は、加熱室を形成する熱処理炉ハウジングと、加熱室内に存在しかつこの室内に配置されたウエハから反射した全放射光線を検出するために前記加熱室に光学的に結合された検出器と、前記検出器によって検出した前記放射光線を、加熱室内の漂遊放射光線の量と関連付けるための制御ステージとを含んでいる。
【0013】本発明の別の構成によれば、ウエハは、加熱室内の複数の縦方向位置に移動され、ウエハから反射した放射光線が、パイロメータ等の検出器によって各縦方向位置で測定または検出される。検出器は、検出器に入射する放射光線の量に比例した出力信号を発生する。この検出器によって発生した出力信号が適当な記憶装置に記憶される。検出された放射光線は、加熱室内の放射光線の全量に相当する。本発明の1つの実施形態では、加熱室内の全放射光線は、ウエハから放出した放射光線と加熱室内に存在する漂遊放射光線を合わせたものにほぼ一致する。
【0014】本発明の他の構成によれば、ウエハから反射した放射光線は、加熱室内のウエハの縦方向位置の関数に従って変化する。制御ステージは、検出した放射光線をウエハの縦方向位置に関連付け、ウエハから反射した全放射光線を漂遊放射光線に関連させる。本発明の1つの実施形態では、制御ステージは、ウエハが低い温度、例えば、極限のウエハ処理温度以下の温度に配置されているとき、ウエハに直交して放出された放射光線を決定し、さらに、その全放射光線を漂遊放射光線に等しくさせる。加熱室内の漂遊放射光線の量が一度決定されると、装置は、ウエハの熱処理中、この放射光線を修正または補正することができる。
【0015】本発明の別の構成によれば、検出器は、ウエハによって放出された放射光線に比例し、かつ加熱室内の漂遊放射光線の量に比例する出力信号を発生する。その結果、漂遊放射光線は、ウエハが低い温度に配置されるとき、加熱室内の放射光線の全量となる。
【0016】本発明の別の構成によれば、ウエハが縦方向位置に移動するとき、加熱室内で加熱されないように、ウエハは、低い温度に維持される。また、別の構成によれば、本装置は、処理中、実時間で、加熱室内の漂遊放射光線に対して補正する。更なる構成によれば、本装置は、実時間で、処理中のウエハの反射率を決定する。この装置は、例えば、加熱室内の迷光の量を最初に補正することにより、ウエハの反射率を達成する。
【0017】さらに,本発明の別の構成によれば、本装置は、加熱室内で順次処理されるウエハの反射率を加熱室の外側から決定するための反射率測定手段と、ウエハが加熱室内に配置されるときこのウエハから反射した放射光線の強さを決定するための強度測定手段と、前記加熱室内のウエハの反射率を決定するために、加熱室内の外側で決定されたウエハの反射率を加熱室内で決定されたウエハの反射した放射光線の強さと関連付ける相関手段と、加熱室内に存在する漂遊放射光線に対して補正するための補正手段とを含む。本装置は、さらに、熱処理炉内の漂遊放射光線に対して修正されたウエハの修正反射率から、処理中、実時間でウエハの反射率を決定する反射率測定手段を含んでいる。
【0018】本発明は、熱処理装置の加熱室内での処理中のウエハの放射率を決定するための装置及び方法を提供する。この装置及び方法は、熱処理装置の加熱室の外でウエハの反射率を決定するための装置を提供し、また、加熱室内にウエハが置かれるとき、ウエハから反射した放射光線の強さを決定するための装置を提供する。熱処理装置の外側で決定されるウエハの反射率は、加熱室内で決定されるウエハの反射した放射光線の強さと相互に関係付けられて、加熱室内(本来の位置)でのウエハの反射率を決定する。この装置は、本来の位置でのウエハ反射率から、実時間で、処理中に、ウエハの放射率を決定する。
【0019】本発明の装置は、熱処理装置の加熱室内でウエハを熱処理する前に、ウエハの半球方向の反射率を決定することによって、離れている位置でのウエハ反射率を決定する。特に、本発明の装置は一般的にウエハの部分を放射源から放射して、一様に、例えば、半球状に照射することができ、その時、ウエハの部分から反射される放射光線の強さを測定する。選択的には、本発明の装置は、放射源の放射光線の強さを測定することができ、その時、ウエハ及び放射源の測定された放射光線の強さからウエハの反射率を決定する。
【0020】他の構成によれば、本発明の装置は、ウエハの部分から反射した放射光線の強さと、放射源によって放たれた放射光線の強さの比を測定することができ、前記比でウエハの反射率と相互に関係する校正曲線を生成し、及び/または選択的に、校正曲線からウエハの反射率を決定する。
【0021】他の構成によれば、本発明の装置と方法は、外れた位置でのウエハの反射率の測定中のウエハの温度と同じ温度に、本来の位置での反射率の測定中の加熱室内におけるウエハの温度を維持する。
【0022】他の構成によれば、本発明の装置は、ウエハの部分を積分球(integrati ng sphere)を用いて放射源からの放射光線(または放射エネルギー)よって照射し、ウエハから反射した放射光線を集め、ウエハによって反射され、かつ放射源によって放射された各放射光線の強さを測定し、反射した放射光線と放射源からの放射光線の測定された各放射光線の強さにおける選択された数学的関係を決定し、そしてこの数学的関係を用いて、ウエハの反射率と関連する校正曲線を生成する。それから、本発明の装置は、校正曲線からウエハの反射率を決定する。放射源によって放たれた放射光線は、チョッパのような適当な構成によって調整される。
【0023】さらに他の構成によれば、本発明の装置と方法は、放射源を備える加熱室内でウエハを照射することによって、また、検出器を備える加熱室内でウエハから反射される放射光線の強さを測定することによって、加熱室内のウエハの反射した放射光線の強さを決定する。検出器は反射した放射光線の強さに比例する出力信号を発生する。また、本発明の装置は、加熱室内のウエハの反射率を、加熱室内で測定されるウエハの反射した放射光線の強さと関係付け、そしてR=K△Vw(ここで、Rは加熱室内のウエハの反射率、Kは比例定数、△Vw=加熱室内のウエハから反射した放射光線の強さ)によって加熱室内のウエハの反射率を決定する。
【0024】さらに他の構成によれば、本発明の装置と方法は、熱処理装置の加熱室中のウエハをスイープ(sweep)することによって比例定数Kを決定し、また、走査中のウエハから反射した放射及び加熱室の外側で決定される反射率から比例定数Kを決定する。
【0025】選択的な構成によれば、本発明の装置と方法は、比例定数Kから処理中のウエハの反射率を計算し、処理中のウエハから反射した放射光線の強さを測定し、そして、反射した放射光線の測定値と比例定数から、実時間のウエハ反射率を決定する。本発明の装置は、処理中のウエハ反射率からウエハの放射率を決定する。
【0026】他の構成によれば、本発明の装置と方法は、加熱室内のウエハの位置に独立して、測定した反射した放射光線の強さの関数として、ウエハの反射率を決定する。さらに他の構成によれば、本発明の装置は、加熱室中でウエハをスイープし、あるいは移動させ、また、選択的にはウエハのスイープ中、実質的にウエハを加熱せず、同時に、加熱室内の1つまたはそれ以上のウエハの位置で、ウエハから反射した放射光線の強さを測定する。本発明の装置は、測定中、放射光線の強さ及び関連するウエハの位置を記憶する。本発明の装置は、また、加熱室内の1つまたはそれ以上のウエハの位置で、ウエハから反射した放射光線の強さを測定し、処理中のウエハの反射率の決定を容易にするために、比例定数Kを計算する。
【0027】他の構成によれば、本発明の装置と方法は、加熱室内にウエハが配置される時、ウエハを照射するための放射源を提供し、ウエハがそこを通って移動するように検出器を備えた加熱室内のウエハからの全放射光線を検知し、あるいは測定する。本発明の装置は、ウエハからの測定された全放射光線を、ウエハ以外の他の放射源から生じる放射光線と関係付け、測定された全放射光線から前記ウエハ以外の他の放射源から生じる放射光線を差し引くことによって、ウエハからの放射量を決定する。本発明の装置は、処理中、ウエハの放射率、及びウエハの放射光線から、ウエハの温度を決定する。
【0028】他の構成によれば、本発明の装置と方法は、熱処理装置の加熱室の外側からワークピースの反射率を直接的に決定することによって、また、熱処理装置の加熱室内で、処理中、ワークピースの反射率を決定することによって、熱処理装置の加熱室内で処理中、ワークピースの反射率を決定する。
【0029】他の一般的そしてより特別な目的は、以下の図面及び記載から、明瞭であり、明らかであろう。本発明の前記及び他の目的、特徴及び利点は、以下に付された図面(異なる図でも同一部分は同一符号が付されている)及び記載から明らかであろう。図面は本発明の原理を説明するが、大きさを示すものではなく、相対的な大きさを示している。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明は、処理中の半導体、あるいはシリコンウエハのようなワークピースの放射率および温度を決定するための装置および方法に関する。本発明は、熱処理装置の加熱室の外側で、ウエハの反射率を最初に決定し、それから熱処理装置の加熱室内で処理中にワークピースの反射率を決定することを提供する。本発明は、高処理量の熱処理炉において正確な放射率の測定を、実時間で達成する。本発明は、熱処理中に固体物の特殊なパラメータを決定するのに、広く適している。明瞭とするために、固体物は以下では半導体ウエハとして記載され、そして、所望のパラメータは、反射率、放射率、及び温度である。ここで教示される点を考慮して述べられる以外のパラメータを決定するための装置は、当業者であれば、上記説明した装置に容易に適用できるであろう。
【0031】図1は、本発明の教示に従う温度測定装置10を説明するものである。図示された装置10は、ウエハを載置し、そこから反対に取り外し、そして、公知技術に従って照射ステージ18へ移動するのに適しているウエハハンドラ12を含む。照射ステージ18は、放射源あるいは光源30からの放射光線で、ウエハを一様に照射するために、使いやすく、容易に操作しうる載置台を与える。明瞭にするために、「光源」という用語は、以下に記載される波長のような使いやすい、かつ適当な波長を発生する源として定義されて、ここでは使用される。光源30は光線ビーム24を発生し、それは照射ステージ18に導かれる。この光線ビーム24は、ウエハの後方部分のような、部分を照射するために使用される。照射ステージ18は、ウエハの実質的に一様な、半球状の照射を達成するように構成されている。記載されているような光源30は、何らかの特殊な波長の範囲の放射光線を生じるが、好ましくは、可視波、赤外線、マイクロウエーブの波長である。よって、図示の装置10で用いられる光源30は、本発明に従うウエハの1つまたはそれ以上のパラメータの正確な測定を達成することとができる何らかの放射源を広く含むことを意図している。
【0032】照射ステージ18内でウエハによって反射した光線は、光ファイバーケーブル組立体のような、いずれかの適当な光学路によって捕らえられ、検出器42に導かれる。検出器42は、光信号を適当な電気信号に変換し、この電気信号は制御ステージ50に接続される。光源30は、また、光学路28に沿って検出器40へ送られる基準ビームを発生する。検出器40は、次々と制御ステージ50へ送られる電気信号を発生する。制御ステージ50は適当な操作を行い、検出器40、42から受け取った信号から、照射ステージ18内でウエハの半球方向の反射率を決定するために、受け取った信号と記憶されたデータを処理する。
【0033】更に図1を参照して、照射ステージ18でのウエハはウエハハンドラ12のような適当な方法によって、処理ステージ22へ移送される。処理ステージ22は、適当な熱処理炉であり、特に本発明の教示に合致するウエハの急速加熱、ウエハの高処理量を達成するために適した急速熱処理炉である。処理ステージ22は、アニーリング、拡散、酸化、及び化学蒸着法のような、ウエハへの種々の半導体製造処理を行う。処理中に、ウエハは光源31からの、放射路あるいは光学路32に沿って進行する光線で照射される。処理中、ウエハから反射した光線は、適当な光ファイバー組立体によって捕らえられ、検出ステージ36へ光学路34Bに沿って送られ、光学路34Aに沿って制御ステージ50へ向けられる。図示の検出ステージ36は、光信号を制御ステージ50によって処理するのに適した電気信号に変換する。
【0034】本来の位置あるいは加熱室内でのウエハの照射は、装置の残りの物とともに、処理中、いつでも半球方向の反射率Rを決定するために設計されている。また、この測定された反射率は、以下に記述される公知の計算式にしたがって、処理中に放射率を決定するために用いられる。明瞭にするために、ここで「反射率」という用語は、反射率及び反射度が、互いにとりかえ可能な用語として用いられる。また、図示の制御ステージ50は、フィードバック結合52を経由してウエハハンドラ12と、また、フィードバック結合54を経由して処理ステージ22と、それぞれフィードバック接続されている。よって、制御ステージ50は、図示の装置の動きを所望のように、制御あるいは調整するために、処理ステージ22及びウエハハンドラ12を制御可能である。
【0035】制御ステージ50は、好ましくはメモリモジュール、プロセッサ、およびAD変換器のような変換器を含み、反射率、放射率およびウエハ温度を決定するために受け取る信号を処理するばかりでなく、検出器40,42からのような他の装置の要素から、アナログおよびデジタル信号を受け取ることを容易にする。
【0036】再び図1を参照すると、検出ステージ36は処理ステージ22内で放射あるいは放射性フラックスを測定するように適合される。検出ステージ36は、処理ステージ22から光学信号を受け取り、受け取った光学情報に比例する信号を出力する。制御ステージ50は、ウエハから放射された放射性フラックスを決定するために、検出器40、42からの信号ばかりでなく、光学路34Aに沿って受け取った信号と検出ステージ36から受け取った信号を用いる。よって、装置10のこの部分は、検出ステージ36及びあるいは検出器40,42によって受け取られる迷光あるいは漂遊放射光線(例えば、ウエハ以外の物からの放射光線)の量を決定するために用いられる。
【0037】図2及び図3は、ウエハの本来の位置での放射率を決定するために用いられる図示の装置10の要素を図示している。 特に、図は、まず加熱室の外れた位置でウエハ反射率を決定し、次に本来の反射率を外れた位置での反射率と関係付けるあるいは相関させる装置10によって用いられるサブシステムを説明している。放射フラックスから温度を正確に推定するために、ウエハ放射率を知らねばならないということを、当業者であれば、容易に認識されるであろう。半導体の処理のために、ウエハの裏面の放射率は、表面仕上げ、裏面フィルム及びウエハ温度の複合関数で表される。この装置において、処理中、特に急速な熱処理装置においてウエハ裏面の実時間の放射率を測定可能とすることが望ましい。
【0038】図示装置10の目的 は、ウエハ処理中、ウエハ裏面の放射率εを測定することである。これは、ウエハ裏面のスペクトルの半球方向反射率を決定することによって、以下の式を適用することにより達成される。
ε(Tw)=1−R(Tw) (1)
半球方向反射率は、ウエハを一様に、そして半球状に照射することによって、同時に、放射率が測定されることが望ましい方向に反射したエネルギを集めることに伴って、このステージで測定することができる。代わりに、ウエハは、選択角θを有する特別の方向に照射されることもでき、そして、全半球上で反射したエネルギのすべてを集める。前記式は、ターゲットがパイロメータ波長において不明瞭であることを要求する。式1は、ターゲットがパイロメータ波長において不明瞭であるときのみ、有効である。
【0039】図1及び図2の装置10は、最初に半球方向における反射率の外れた位置での測定を行う。特に、図2は、熱処理装置の加熱室の外側で、ウエハの反射率を決定するための照射装置18を示している。明瞭にするために、この熱処理装置における加熱室の外側で起こるものとして外れた位置での反射率測定を記述しており、これは当業者であれば、容易にわかることであるが、熱処理装置は、何らかの選択された多くの付加的な室を、反射率測定を行なうために設けた構造とされている。もちろん、このような装置における実際的な制約として、極端に複雑な設計や大きさの炉を設けることになり、半導体製造設備のクリーンルーム内でこのような装置を配置することは禁止されるであろう。
【0040】図2に示されるように、光源30は選択された周波数で光を調整するための、光学チョッパ58のような変調器を通過する放射光線を発生する。光源は、安定なタングステンハロゲン光源であってもよい。チョッパ58を通過する放射光線は、光ファイバーケーブル24のような、何らかの適当な光学路に沿って、積分球62へ導かれる。積分球62はウエハWの裏面の部分を、一様に、半球状に、かつほぼ完全に照射する。図示装置において、積分球62は光源30及びチョッパ58から変調光を受けるため、ケーブル24の範囲内に配置される選択された表面に沿って開口を有する。積分球62は、その内表面に沿って高い反射性と拡散性を有しており、それゆえ、積分球内に放射光線を反射してウエハの部分を一様にかつ半球状に照射する。図示のウエハWは、積分球62によって発生した一様な照射を受けるための、選択された開口上にある。ウエハによって反射した光は、適当な開口を経由して積分球62の内部室と通じる光ファイバー26によって集められる。この離れた位置での測定ステージの間、ウエハWは適当な低温に置かれるか、あるいは維持される。
【0041】ここで使用される「低温」とは、好ましくは、ウエハが熱処理装置の加熱室内で基本的に処理される温度より低いことを含み、約−200℃と約1100℃との間、好ましくは、約10℃と約100℃との間、最も好ましくは、約20℃と約30℃との間である温度を含む。ウエハは、好ましくは約150℃と約1200℃の間の範囲の温度で処理される。
【0042】光ファイバケーブルは、反射したウエハの放射光線を集めるのを助けるための何らかの適当な光学要素を含むことができ、その光ファイバケーブルによって集められた放射光線は、Vwとして示される電気的な出力信号64を作るために、検出器42に導びかれる。チョッパ66を通過する光源の光線の強さは、光ファイバケーブル28を使用して測定され、Vref として示される適当な電気的な出力信号66を作るために、第2の光検出器40に導かれる。電気的信号VwとVrefは装置内で異なる電圧に相当する電圧信号である。特に、Vwは、ウエハ裏面から反射した放射光線に相当する電圧波形を明らかにするものである。電圧信号Vrefは、光源30によって発生し、放射された光線に相当するものである。チョッパ58は、このステージで変調された、あるいは細切れの光を産み出すために使用され、この光線は光検出器40,42あるいは装置10内の固有のノイズ、あるいは直流オフセットを調整することを助けるものである。適当な光検出器は、標準的な光検出器を使用できること、好ましくは、アメリカ合衆国カリフォルニア、ニューフォーカスのシリコンフォトダイオードであることは、当業者であれば容易に理解できる。
【0043】好ましい実施形態によれば、光検出器40,42は、図3のパイロメータとして同じスペクトル帯でのみ放射光線を通す、所定のフィルタを備える光学円柱を有する。出力電圧信号VwとVref は、アナログデジタル(A/D)変換器68へ導かれ、アナログ電圧信号64,66を適当なデジタル信号に変換される。図示のアナログデジタル変換器68は、制御ステージ50の部分を形成し、あるいは制御ステージ50から分離した要素である。アナログデジタル変換を果たすために使用され、同時にここに記述された目的のための出力情報を使用する要素の多くの配置は、通常の技術で容易に認識されるであろう。
【0044】積分球62に供給される放射光線は、チョッパ58によって変調され、それから検出器40,42へ移されるということは、当業者であれば理解できるであろう。検出器は一般的には、積分球62からそこに伝搬される光のない状態で、残余の裏側放射光線に相当する出力信号を発生する。この検出器の出力信号の部分は、検出器出力の電圧最小値を決める。放射光線が光源30から積分球に導かれる時、検出器は裏側放射光線、及び積分球からそこに導かれた放射光線の双方に相当する最大出力信号を発生する。検出器40,42は、積分球からの放射光線と同時に裏側放射光線の双方に相当する最大出力電圧信号を発生し、また、ほぼ裏側放射光線のみで発生する最小出力電圧信号を発生する。最大電圧信号と最小電圧信号の差は、ほぼ積分球内の光に相当する。チョッパは、検出器出力信号のノイズ(例えば、最小出力電圧信号)として明白である裏側放射光線を取り除くのを助けるために使用される。本発明の教示によるウエハ電圧Vwは、選択された期間にわたって、検出器出力信号の最大値と最小値の成分の差を、平均することによって決定される。
【0045】制御ステージ50は、以下の式にしたがって、電圧信号64,66の電圧出力の信号比を決定する。
【数1】

前記比がハードウエアあるいはソフトウエアのどちらかで決定されることは、当業者であれば容易に理解できるであろう。
【0046】離れた位置でウエハ反射率を測定する前に、前記電圧比に半球方向の反射率を関係付ける校正曲線が、従来知られている多くの標準的な反射率の比率を測定し、そして、電圧の数学的関数を発展させて校正点に最も適合する曲線を合わせることによって達成される。校正曲線は、制御ステージ50内のメモリに記憶され、あるいは予め記憶されている1つあるいはそれ以上のサンプル測定値の集合である。校正曲線は、それから、選択された低温度でウエハの半球方向の反射率を決定するために使用される。特に、半球方向のウエハ反射率は、以下の方程式を使用することによって決定される。
【0047】
【数2】

本発明の放射率測定装置における重要な特徴は、熱処理炉の加熱室の外側でウエハを一様に照射する照射ステージ18を備えることである。このステージは、ウエハの熱処理より前に加熱室ハウジングの外側のウエハ反射率を容易に決定するようにする。放射率測定装置は情報を記録し、それから、ウエハが加熱室内に置かれた時、この情報をウエハから反射した反射線の強さと関係付ける。これは、以下に詳細に記述されている。
【0048】図1から図3を参照すると、ウエハハンドラ12が、本来の位置で放射光線測定をするために、ウエハWを照射ステージ18から処理ステージ22へ通す。処理ステージ22は、選択された温度でシリコンウエハの熱処理のために適用される、何らかの適当な熱処理炉である。好ましい実施形態によれば、処理ステージ22は、アメリカ合衆国、イートン熱処理システムズによって、サミット(Summit)あるいはリライアンス(Reliance)の名で販売されている急速熱処理炉である。サミットデザインシステムは、高い繰り返し能力と、比較的メンテナンスの必要性が低く、一様な結果を達成する単一ウエハの炉であるので、特に有利である。
【0049】この熱処理炉は、複数のランプバンクの代わりに、単一ウエハ処理のための「ホットウオール(hot wall)」垂直処理室を使用することによって、温度勾配を引き出している。このホットウォールシステムは、図示されない炉の頂部に、3つのゾーンの抵抗ヒータモジュール、及び図示されない室の底部に冷却システムを使用しており、それによって、処理室の頂部から底部への温度勾配を生成している。加熱室あるいは固定された炉の温度プロファイルで、所望の温度は処理室内でウエハの位置を単に調整するのみで達成される。装置の温度ランプのアップ/ダウン率は、ウエハが加熱室内の温度勾配中で垂直に移動される速度によって制御される。離れた位置での反射率測定後、ウエハを良い状態にするために、炉22に加えて、1つまたはそれ以上の加熱あるいは冷却ステージが提供されることも、当業者であれば理解できるであろう。
【0050】図3の処理炉22において、シリコンカーバイドあるいは石英ベルジャー70は処理室あるいは加熱室74を形成し、それは一定あるいは連続加熱源として使用される。ここで「連続」の用語は、温度及び加熱表面エリアの双方においての連続を含んでいることを意図している。ベルジャー(bell jar)の頂部は、図示されない抵抗ヒータモジュール内に密閉されており、ベルジャーの底部は、図示されない冷却水移動室と接触することによって冷却される。処理室74の頂部から底部への円滑な温度勾配は、実質的に黒体(black body)ラジェータに近いベルジャーの頂部で、形成される。急速な温度ランピング(ramping)操作は、何らかの適当なウエハエレベータによって加熱室内で垂直(縦方向)にウエハを移動させることによって、また、ウエハを移動室から処理室74内の所望の処理温度に相当する位置まで、急速に引き上げることによって達成される。ウエハは処理室内で冷却水移動室の後部に垂直に下げられ、冷却される。処理室内でウエハを上下する割合の選択は、ウエハの加熱と冷却の割合を決定する。
【0051】下記に説明するように、パイロメータ96はウエハ温度を測定するために使用される。ウエハを急速に加熱するために、意図されるウエハの温度よりも高い温度を有する加熱源を使用することが必要である。この設計において、加熱されるベルジャーは、ウエハの所望の最高処理温度以上の温度、約200℃に維持される。加熱源の比較的広い面積は、処理中のシリコンウエハを急速に加熱することを可能にする。好ましい実施形態において、加熱源の安定した状態条件と、加熱源とワークピースの間のより小さな温度差は、一様な処理結果を達成し、同時にスリップラインの発生を避けることに寄与する。
【0052】図3を参照すると、ウエハWは熱処理装置22の加熱室74内に配置されている。ライトパイプ78は、放射源あるいは光源31によって発生され、そして光ファイバーケーブル32によって運ばれる放射光線を、ウエハWの裏面に照射するために使用される。さらに加えて、光源31と変調器(モジュレータ)58は、光源30の周波数とは、好ましくは異なった、選択された周波数fで細切れにされた光で、光ファイバ束を照射するために使用される。もし、出力された放射光線が、その使用上の周波数とは異なった周波数で細切れにされるなら、単一の光源が2個の光源30,31の代わりに用いることが可能であることが、当業者であれば理解できるであろう。
【0053】ライトパイプ(light pipe)78は、処理室内かつウエハの裏面の方で上方に向けられる。ウエハの裏面から反射される全ての放射光線あるいは放射フラックスは、ベルジャー70の処理室74と協働する光学組立体を使用して集められる。光学組立体は、エレベータ管84の頂部のような処理室内に配置される、サファイアレンズのようなレンズ82と、エレベータ管84の底部に配置された石英レンズ86とを含む。管とレンズ組立体は、ウエハWから反射され、光ファイバーケーブル34Bによって受けられる放射光線を集めて、集光する。エレベータ管84及び関連する構造は、処理室74を通して垂直にウエハを移動し、あるいは運ぶことに役立つ。光パイプ78はウエハが処理室74内にあるとき、ウエハの裏面に放射光線を向けて照射する。しかし、処理室の環境において、エレベータ管組立体と他の装置は同調し、ライトパイプ78は、ウエハ裏面に一様に、完全に、かつ半球状に照射する。
【0054】図7A、7Bは、本発明の教示にしたがって図3のライトパイプ78の構造を示すものである。ライトパイプ78は光ファイバーケーブル32の一端末部に結合される固体石英パイプである。ライトパイプの末端部は、選択された角度θでカットされている角をそいだ端部78Aを有する。好ましい実施例によれば、θは約45度に等しい。光パイプ78は適当なファスナ171によって光ファイバーケーブル32に取付けられる。ライトパイプ78は、ライトパイプ内を進行し、上方向にはねる散乱放射波に適した、光学的に粗い表面を形成する、底表面162にそって形成された平らな表面部160を有する。平らな表面部160の底面図は、図7Bに示されている。特に、底面162は、ライトパイプ78に形成された平らな表面をはっきりと描いており、使用中、上方に光を散乱するように配置されている。
【0055】図示の光パイプは、好ましくは選択された部分173で曲げられており、選択された曲率半径Rを有している。この曲率半径は、ライトパイプの曲がった部分で光の損失量を最低にするために、光パイプの半径Dに関連して選択されるということは、従来の技術から理解されるであろう。一般的な、幾何学的な関係は、ライトパイプの径より約4倍大きい径とされることを含み、数学的には【0056】
【数3】

として表される。活動中、光源31によって発生された放射光線170は、ライトパイプ78を進行し、曲がった部分173を通り、末端部に達する。光学的に粗いあるいは平らな表面163で跳ね返る放射光線170の選択された部分162は、ライトパイプ中、上方に散乱する。光学的に粗い表面によって散乱されない光線170の他の部分は、パイプ78の角がそがれた端部78A上で跳ね、そしてライトパイプを通って、上方に反射される。
【0057】光学組立体によって集められた全放射光線は、ウエハから放たれた放射光線、ウエハから反射したベルジャーから放たれる放射光線、及び光源31から光パイプ78を通って処理室74に導かれる放射光線を含む。図示のケーブル34Bは、光検出器90へケーブル34Bに沿って進行する光学的情報の一部、及びパイロメータ96へ残りの光学的情報を運ぶ二股に分かれた光ファイバーケーブルである。光検出器90及びパイロメータ96は、好ましくは、同じ光学円柱を含み、図2の光検出器40,42として同じ光学的フィルタを含む。図示された装置の検出器として、パイロメータ96の使用は、比較的、早いレスポンス、そして広い温度範囲で、非接触の測定をする利点がある。しかし、パイロメータは低温の感度が不足することを示すばかりでなく、ウエハWの放射率及び移動に依存することが知られている。図示のパイロメータ96は、好ましくは約0.95μmを中心とするスペクトル帯で動作する。これは、シリコンウエハが、この波長で非透過あるいは不透明であるためである。この波長範囲でのパイロメータの動作の利点は、ベルジャーからの真の放射光線がウエハを通り、そしてパイロメータで跳ね返るということである。他の利点は、ウエハが動作波長で不透明であるとき、式1は信頼しうるということである。
【0058】図示の光検出器90は、ケーブル34Bに沿って進行する光学的情報の一部を受け、光学組立体によって反射される及びウエハによって反射される放射フラックスの強さに比例する、時間によって変化する電圧信号を発生する。光検出器90は、放出された放射光線、迷光放射光線、及び変調放射光線を含むウエハからの全放射フラックスに比例する電圧信号を出力する。その出力信号は、チョッパ周波数を含まないフィルタおよび電圧信号であり、ロックイン増幅器98によって受け取られる。ロックイン増幅器98は、かわるがわるウエハから反射した変調放射光線の強さに比例する信号ΔVwを出力する。電圧出力信号は、制御ステージ50のコンバータ68によって受け取られる。
【0059】図3をさらに参照すると、光学路34Bに沿って進行する光学的情報の一部は、パイロメータ96に運ばれ、それはRS232シリアルリンクによるような、何らかの適当な通信路を経由して制御ステージ50に伝えられる。エレベータの位置zに相当する装置の情報は、コンバータ68に直接、ケーブル34Aに沿って運ばれる。ウエハ裏面で跳ね返る放射光線の強さおよび角度分布は、処理室74内で垂直方向のウエハの位置を変更するということに、注意することが重要である。よって、パイロメータは各垂直位置で異なる信号を出力する。さらに、ウエハは炉内で支持されるので、室内でウエハを一様に照射することができる光学組立体を取り付けることは、概して困難である。よって、室内74でなされる放射光線測定は、ウエハ反射、したがって放射率を適当に決定するために必要な、概して、半球状及び一様な照射特性を満足しない。
【0060】上述した本来の位置での照射技術を含む図示の装置10は、ウエハの反射率および放射率を正確に決定するために、一様で、かつ半球状の照射の要求に近づくことはできない。よって、装置は本来の測定から、室74内でのウエハの反射率を直接、決定することはない。むしろ、図示装置10は以下の式に従って、本来の位置での反射率RがΔVwに比例するという仮定によって、処理中、いつでもウエハの半球方向の反射率を決定する。
R=KΔVw (4)制御ステージ50は、それ故、本来の位置での反射率Rを、比例定数Kによってウエハ放射フラックスΔVwと関係付ける。
【0061】図示の放射率測定装置10は、処理室74内のウエハを置き換えることによって、比例定数K、よってウエハの反射率を決定する。ウエハWは、照射装置18内にあって、離れた位置での半球方向の反射率を決定するとき、概して、低温のままである。好ましい実施例によれば、ウエハは、離れた位置で測定処理中、室温であり、処理室(加熱室)74内に置かれるときも、また、室温である。ウエハに有限の熱量を与えるために、熱処理装置がウエハを加熱するのに有限の時間がかかる。ここに図示した装置10は、急速に処理室内でウエハを垂直に移動し、あるいは「スイープ(sweep)」する。同時に、スイープ中、実時間でΔVw,Itot 及び垂直位置Zを測定し、記録する。そして、装置10は、電圧値と垂直位置の表を作成する。
【0062】一実施形態によれば、スイープ中、装置10はウエハを十分に加熱する必要はなく、それゆえ、ウエハは、照射ステージ18内であるときとほぼ同一温度で配置されている。一実施形態によれば、ウエハは、スイープ中ただ名目上、加熱され、好ましくは、30℃から150℃の間で加熱される。しかし、処理室74にウエハが導入されるより前に、ウエハの離れた位置での半球方向の反射率後、ウエハの温度が上下され得ることは、当業者であれば理解できるであろう。さらに、装置は、ウエハが室内74内に配置されるとき、ウエハを加熱するように作動させることができる。ウエハ温度は、スイープ時、室温から十分に離れないので、離れた位置でのウエハ反射率は、本来の位置でのウエハ反射率と等しくされ、R=Ro(Roは積分球62を使用して測定された半球方向の反射率である)であることが知られる。比例定数Kは、以下の式によって決定される。
【0063】
【数4】

一度、比例定数Kが決定されると、装置10は残りの処理の間中、ウエハ反射率を決定することができる。よって、装置10は、式4及び式5に従って、処理室74内あるいは本来の位置で測定された反射率と、照射ステージ18内で測定された半球方向の反射率とを関係付ける。特に、半球方向の反射率、よってウエハの放射率は、以下の式によって処理中、いつでも決定できる。
【0064】
【数5】

基本的な仮定は、半球方向の反射率は、ΔVwに一次的に比例するということである。比例定数Kは、ウエハのスイープ中、決定されるので、ウエハ反射率を決定するために、処理中に使用することができる。本発明の重要な利点は、本来の位置での反射率測定のために、一様な半球状照射の条件を満足しなくても、室74内の半球方向の反射率の決定が可能であるということである。図示装置50は、以下に詳述するように反射光あるいは迷光を補正し、そして、ウエハ温度を決定するあるいは推定するために測定されたウエハ放射率とを結合して、パイロメータ出力信号Itotを得る制御ステージ50内での処理によってウエハ温度を決定することができる。パイロメータの出力信号及び放射率からウエハ温度を決定するための方法は、公知の技術であるということは、当業者であれば容易に理解できるであろう。
【0065】図4及び図5は、本発明の放射率測定装置の概略フローチャート図である。操作において、制御ステージ50は、ステップ102で、照射ステージ18内にウエハを置くようにウエハハンドラ12に指令する。光源30は、もし、望まれるならば変調し、ウエハ18の裏面で跳ね返る放射出力を発生する。特に、光源30は、ステップ104で、ウエハの部分を一様に、且つ半球状に照射するために積分球62へ変調された放射光線を導入する。ウエハから反射した放射光線は、ステップ106で、光ファイバーケーブル26によるような、適当な光学構造によって集められる。光源30によって発生され、放出された放射光線は、ステップ108で、検出器40によって測定される。検出器42は移動ライン64に沿って出力信号Vwを発生し、検出器40は移動ライン66に沿って電圧信号Vrefを出力し、両ラインは制御ステージ50へ出力信号を伝える。制御ステージ50は、それから、ステップ110で、比Vw/Vrefを決定する。ステップ112のように、装置10は予め決められた校正曲線を使用して、ウエハの半球状方向の反射率を決定する。この校正曲線は、ウエハが選択された低温で、室内に置かれる前に決められている。図示装置10は、第1の選択された温度で配置される間、ウエハの離れた位置での半球方向の反射率を決定する。
【0066】図5を参照すると、制御ステージ50は、ウエハWを照射ステージ15から処理ステージ22へ運ぶ。ウエハは、適当な垂直支持組立体に載せられ、そして処理室74内へ配置される。ステップ116で光源31は、光パイプ78および光ファイバーケーブル32を通して、ウエハWを照射する。処理室74内の放射フラックスは、検出ステージ36、特に、パイロメータ96,および光検出器90によって測定される。光検出器によって発生する信号は、出力信号ΔVwを発生するために、ロックイン増幅器98に通される。これはステップ118,120に述べられている。同時に、装置10はステップ122で、処理室74内でウエハWの位置を決定する。さらに、装置10はステップ124で、処理室74内でパイロメータ96により放射フラックスを決定する。装置10は、ステップ126で、処理室74を通してウエハWを垂直方向にスイープし、ウエハの放射フラックスおよび垂直位置を測定する。ステップ128で、装置10は、ウエハのスイープが完了しているかどうかを決定し、完了していなければ、ステップ116へもどり、もう一度、処理を開始する。もし、ウエハのスイープが完了していれば、制御ステージ50は比例定数Kを決定するために関数K(z)を発生し、そして、ステップ130,132にしたがって、加熱処理中、実時間で、ウエハの垂直位置Zおよび検出器出力ΔVwを測定する。装置は、ステップ134で、ウエハから反射した放射光線の強さΔVw(例えば、本来の位置でのウエハ反射率)を、式4に従う照射ステージ18内で測定された外部反射率とを関係付ける。ステップ136から140で、装置10は迷光成分を決定し、以下に詳述するように、パイロメータ96の出力信号96を使用して、前記成分を校正あるいは補償する。装置10は式1に従って、ウエハ放射率を決定し、この情報から熱処理中の実時間でのウエハ温度を決定する。
【0067】パイロメトリーにおける通常の問題は、パイロメータへ漂遊放射光線あるいは迷光が入り込むことである。ここで、「迷光(漂遊放射光線)」の用語は、ウエハから反射される放射光線を含み、また、ターゲットウエハのような、ワークピース以外の他のものから生じる放射光線を含むことを意図している。従来の装置は、この光放射成分を測定しようとしたけれども、現在の熱処理装置の放射率測定に合うような、満足な正確度ではなされなかった。本発明の重要な利点は、正確に、実時間でパイロメータによって迷光成分を決定することであり、それによってウエハ放射率を正確に測定するための装置を可能にする。
【0068】図1から図3で説明したように、ウエハは熱処理炉の処理室74内に置かれる。ウエハは、最初に処理室74に導入されるとき、室温のような選択された低温で配置され、ウエハから放たれる放射光線の強さは無視しうるものとみなされる。それ故、パイロメータによって集められる全放射光線(Itot)は、全放射光線の迷光成分であるとみなされて、これが測定され、装置10によって記録される。特に、パイロメータ96によって測定される処理室74内の全放射フラックスは、ウエハから放たれた放射フラックスと付随しかつウエハから反射した他の物から放たれた放射フラックスの和からなる。パイロメータ96の出力信号あるいは光検出器電流は、受け取る放射フラックスに線形的に比例し、それによって、放射フラックスは以下の式により、パイロメータの出力電流信号に関係付けられる。
tot = Iw+ ISL (7)
ここでIwはウエハによって放たれた放射光線に関するパイロメータの出力信号の部分に相当し、ISLはウエハ以外の物から放たれた放射光線及びウエハから反射した放射光線に相当するパイロメータの出力信号である。信号のこの部分は、ウエハによって放たれたのではないが、室74内にある放射光線、他の物からの放射光線や、光源30からの放射光線を含む。よって、一度、信号の全部の反射した放射光線部分が決定されると(ウエハが放った放射光線ではない)、それは全放射フラックスから差し引かれて、放たれた放射フラックスの正確な測定をもたらす。
【0069】図3を参照すると、光ファイバーケーブル34Dは、光検出器90及びパイロメータ96に放射光線を伝搬している。パイロメータ96は、選択された放射フラックスおよび受け取られた放射フラックスに一次的に比例する出力信号Itotを測定する。パイロメータは実時間で放射フラックスを測定し、出力信号を選択されるリンク上で制御ステージ50に伝える。ウエハが処理室74内におかれるとき、装置10は、前述したように、装置が室内放射光線(例えば、パイロメータの出力電流信号)およびウエハの垂直位置を測定している間、室内でウエハをスイープする。もし、ウエハが室温のような選択された低温であると、放射光は全室内放射光線に関して意味がなくなり、よって、パイロメータに付随する放射光線は、ウエハから反射した放射光線のみからなり、そして、ウエハから放たれた放射光線を含まない。この光学的情報は、制御ステージ50で記憶され、次に処理中、全フラックスΔVwの迷光成分に対して補償し、あるいは補正するために用いられる。
【0070】ウエハから反射し、パイロメータの出力信号で明示された放射光線の強さは、付随する放射光線の強さとウエハ裏面の一般的な反射率に比例する。本発明は、特別なウエハ部分での付随する放射光線の強さが、処理中に大いに変化しないということを仮定している。本発明によって使用される熱処理炉は、本発明に従って迷光成分を決定するために要求される一定の加熱源として機能するので、処理室74内での熱勾配は、この要求を満足させる。処理ステージ22内でウエハの加熱処理中、反射した放射光線の大きさは、以下のように説明される。
【0071】
【数6】

ここでISL、oはスイープ中に測定された漂遊放射光線の強さである。ウエハによって放たれた放射光線の強さは、式7,8に従って決定される。ウエハによって放出された放射光線の強さは、【数7】

によって表される。ここで、SLは迷光あるいは漂遊放射光線を意味する。式8,9から装置10は、ウエハの放った放射光線の強さおよびウエハの反射率を決定する。検出ステージ36によって受け取られた放射光線は、その迷光成分に関して補償され、測定された半球方向の反射率は、従来技術にしたがってウエハ温度にかわるがわる関係付ける式1に従って、制御ステージによってウエハ放射率に関係づけられる。
【0072】図6を参照すると、ステップ140で、装置10は、熱処理装置内のウエハを照射することによって、処理室74内の放射フラックスの迷光成分を決定するために操作される。装置10は室内の放射フラックスをパイロメータに送り、そこで受け取られた放射フラックスを示す出力信号(例えば、フォトダイオード電流信号)を発生する。この情報は、制御ステージ50へ送られ、記録される。装置10は、室74内でウエハの垂直位置を記録し、パイロメータによって、その位置で測定される放射フラックスをこの位置と関係付ける。その位置でウエハから反射される放射量が室内のウエハの垂直位置に従って変化するということは、当業者であれば理解できるであろう。これは、ステップ142から146に説明されている。
【0073】装置10は、ウエハスイープが完了しているかどうかを決定し、もし完了していなければ、ステップ140に戻り、再び室内での放射フラックスおよびウエハ位置を測定する。もしウエハスイープが完了していれば、シリコンウエハは選択された低温で放射エミッタンスがほとんどないかあるいはないと仮定されるので、装置はパイロメータによって受け取られた全放射フラックスをウエハ反射光線と関係付ける。ステップ152から154で、装置は次にISL、o(z)を決定し、ウエハ垂直位置zおよびパイロメータ出力信号Itotを測定し、記録する。全放射フラックスと前記値の測定から、装置10は処理室74内の放射の全放射光線の強さを決定する。これはウエハの熱処理中、装置によってなされる。装置は、次に反射率及び放射率の測定に合わせて、処理中、実時間でウエハ温度を決定するために、この情報を使用する。これは、ステップ156から158に説明されている。
【0074】本発明の重要な利点は、選択された室温でウエハの放射エミッタンスが無視できるという仮定によって、装置10内の迷光成分を正確に決定し、次に補償することである。よって、パイロメータの出力信号は、装置の迷光成分に等しい。本発明は石英窓を使用せず、望まれない化学蒸着法を受入れた要素を設けることもない。さらに上述した装置は、ウエハ放射率を正確に測定するために、特別に設計された石英管あるいはシリコン管の使用を必要としない。
【0075】本発明の他の重要な利点は、室74内でウエハの均一な半球状照射が達成されないように、離れた位置での反射率を本来の位置での反射率と関係付ける相関方式を使用していることである。これは、非常に正確に、実時間で、現在の熱処理装置の放射率測定の要求を満足させる放射率測定装置を提供し、特に約±0.005の放射率測定の正確さを満足させることが可能である。
【0076】本発明は、また、ウエハ以外の源によって発生される放射を、室74内で測定された放射フラックスに関係付ける、単純で洗練された設計を提供する。これは、説明された装置の要素でもって、処理室74内で放射光線を測定することにより達成される。
【0077】図8は、本発明の熱処理装置における処理室内のウエハの位置に独立、すなわち、無関係である放射率測定装置の他の実施形態である。同様な部分には、ダッシュがついた同じ符号が付されている。処理ステージ160は選択された取付装置上にウエハWを載せる処理室162を形成する。室の壁が一定温度で加熱されると、前述の放射率及び迷光の測定の全てが、この実施形態に関連して使用される。動作上、光源31’からの放射は、ウエハの裏面への放射光線を伝搬するために、適当な放射導入開口163を介して、熱処理炉の室162へ向けられる。ウエハから反射した放射光線および/または室内162にある放射光線は、光ファイバーケーブル34B´によって捕らえられ、パイロメータ96’あるいは光検出器90のいずれかに向けられる。熱処理装置は水平方向に配置されているので、ウエハ上の反射率及び温度の測定は、室内74’の垂直位置に独立である。よって、従前の教示に従って、ウエハは室74’に導入され、放射フラックスは前述の技術に従って室内で測定される。もし、室が一定温度に維持されないならば、例えば、加熱ランプはオン、オフが繰り返され、前述の放射率測定技術がこの実施形態に関連して使用される。
【0078】この位置に独立した設計による重要な利点は、測定やウエハ加熱処理中、図3に示すウエハの垂直位置のような、選択された位置の監視や記録を必要としないことである。
【0079】さらに、他の実施形態によれば、図8の装置は、頂部と底部のホットプレートが室を形成するため、また適当な熱処理装置でウエハを加熱することができるように変形可能である。この実施形態において、ホットプレートは、一定温度の加熱源として動作し、よって前述の全ての放射率及び迷光測定技術が使用される。前述の実施形態は、本発明の範囲の一部を含むものとみなされる。
【0080】本発明は今までの記述から明らかにされる中で、目的を効率的に達成できることが理解されるであろう。本発明の範囲から逸脱しないで構成上の変更が可能であり、前記説明あるいは付随する図面に示されるものに含まれる全ての事項は、例示的なものとして解釈されるもので、その意味を制限するものではない。
【0081】本発明の特許請求の範囲は、ここに記載した本発明の包括的及び特別の特徴をカバーするものであり、言語上の問題として抜け落ちるかもしれない本発明の範囲の全記述を全て含むものである。
【出願人】 【識別番号】500266634
【氏名又は名称】アクセリス テクノロジーズ インコーポレーテッド
【出願日】 平成12年10月6日(2000.10.6)
【代理人】 【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫 (外3名)
【公開番号】 特開2001−194075(P2001−194075A)
【公開日】 平成13年7月17日(2001.7.17)
【出願番号】 特願2000−307572(P2000−307572)