| 【発明の名称】 |
プッシャー式トンネル炉用台板 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡部 一夫
【氏名】田中 直
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| 【要約】 |
【課題】台板上に積載される焼成治具(サヤ、セッタ)への伝熱形態が変わり、また、台板上で上下に激しい雰囲気ガスの流れが生じることにより、加熱炉の有効断面における温度分布が改善され、被処理品の歩留りを顕著に向上させることができ、また、重量削減の結果として、従来に比べ、加熱に要する熱量が大幅に節減でき、使用電力の削減が達成されるプッシャー式トンネル炉用台板を提供する。
【解決手段】プッシャー式トンネル炉において被処理品を積載するためにセラミック材を主要材料として構成される台板であって、被処理品が載置される台板の上面の4隅部および中央部を、他の部位より高く形成したことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プッシャー式トンネル炉において被処理品を積載するためにセラミック材を主要材料として構成される台板であって、被処理品が載置される台板の上面の4隅部および中央部を、他の部位より高く形成したことを特徴とするプッシャー式トンネル炉用台板。 【請求項2】 前記4隅部および中央部の他の部位の面に対する高さは、台板の底面から前記4隅部および中央部の頂面までの寸法の10〜50%であることを特徴とする請求項1記載のプッシャー式トンネル炉用台板。 【請求項3】 前記の高く形成された4隅部および中央部以外の部位の面積が、台板の上面の面積の40〜80%であることを特徴とする請求項1または2記載のプッシャー式トンネル炉用台板。 【請求項4】 前記の高く形成された4隅部および中央部以外の部位に、台板の底面に貫通する孔を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプッシャー式トンネル炉用台板。 【請求項5】 プッシャー式トンネル炉内での台板の進行方向の前面および後面の少なくとも一方に切欠き部を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプッシャー式トンネル炉用台板。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、加熱炉内で機能性電子セラミック素子などを焼成または焼結するために、これらの被処理品を積載して加熱炉内に押し込み、搬送するために必要なプッシャー式トンネル炉用台板の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】上記の台板は、スライドプレートとも言われ、通常、その上に10〜50kgの被処理品を積載して、1000〜1500℃の温度に設定された加熱炉内に順次連続的に押し込み、炉内に搬送して使用される。 【0003】台板同士の圧接面には25kg/cm2 以上の圧力が加わるため、高温下での使用中、台板に圧接による変形、搬送中の割れや欠け、熱衝撃による割れが生じないことが必要であり、また、耐摩耗性、滑り性も要求されることから、台板は、アルミナ、ムライト、シャモットなどのAl2 O3 −SiO2 系材料や炭化珪素質材料などのセラミック材料を主要材料として構成されている。 【0004】また、台板の形状は、一般に正方形状または長方形状であり、通常、その4隅部には、欠け防止などの目的で面取りが施されている。また、熱衝撃による割れを防止するためのスリットを設けたもの、台板を貫通する孔が形成されたものもの(実開昭57−46798号公報)も提案されている。 【0005】近年、台板を用いるプッシャー式トンネル炉においては、炉内に特殊雰囲気ガスを導入し、酸化性雰囲気、中性雰囲気、還元性雰囲気などの制御を行って、被処理品を焼成する加熱炉が使用されるようになっており、併せて、加熱炉内の温度分布条件が厳しく問われるようになってきている。特殊ガス雰囲気にすると、大気雰囲気の場合に比べ、炉の温度分布が温度差で約5〜10℃大きくなることが経験されており、温度差の問題を解消するために、炉構造の改善、炉内温度制御方式の改善などが試みられているが、この問題を解決するまでには至っていない。 【0006】さらに、この種の加熱炉においては、被処理品の質量に比べて、処理品を焼成するために使用される焼成治具の質量が大きく、実際には、被処理品のみの焼成に必要なエネルギーの数倍のエネルギーを消費するため、必要エネルギーを削減することも強く要求されている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、台板を使用するプッシャー式トンネル炉における上記従来の問題点を解消するために、台板の構造と、炉内温度分布、消費エネルギーとの関係について種々の観点から実験、検討を重ねた結果としてなされたものであり、その目的は、被処理品に対する伝熱を均一化して温度分布の改善を図り、被処理品に雰囲気ガスが均一に接触するようにして被処理品とガスとの反応を均一化させ、製品歩留りを向上させるとともに、台板を軽量化して消費エネルギー(消費電力)の削減させることを可能とするプッシャー式トンネル炉用台板を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するための本発明の請求項1によるプッシャー式トンネル炉用台板は、プッシャー式トンネル炉において被処理品を積載するためにセラミック材を主要材料として構成される台板であって、被処理品が載置される台板の上面の4隅部および中央部を、他の部位より高く形成したことを特徴とする。 【0009】請求項2によるプッシャー式トンネル炉用台板は、請求項1において、前記4隅部および中央部の他の部位の面に対する高さは、台板の底面から前記4隅部および中央部の頂面までの寸法の10〜50%であることを特徴とする。 【0010】請求項3によるプッシャー式トンネル炉用台板は、請求項1または2において、前記の高く形成された4隅部および中央部以外の部位の面積が、台板の上面の面積の40〜80%であることを特徴とする。 【0011】請求項4によるプッシャー式トンネル炉用台板は、請求項1〜3において、前記の高く形成された4隅部および中央部以外の部位に、台板の底面に貫通する孔を設けたことを特徴とする。 【0012】また、請求項5によるプッシャー式トンネル炉用台板は、請求項1〜4において、プッシャー式トンネル炉内での台板の進行方向の前面および後面の少なくとも一方に切欠き部を設けたことを特徴とする。 【0013】本発明は、図3〜4に示す従来の板状の台板15と同等の被処理品積載能力、強度、耐摩耗性、滑り性を保持しながら、重量を軽減して熱経済性を追求するとともに、炉内雰囲気ガスの移動、流動によりもたらされる炉内熱流が均一化され、炉内温度分布が均一化されるよう、また、同時に台板上の被処理品とガスの接触が均一且つ効率良く行われるよう、台板の形状、構造を改善した結果としてなされたものである。 【0014】図3〜4の示す従来の台板により、本発明と同様の効果を得ようとする目的で、台板の上にサイコロと呼ばれる支柱を複数個載せ、その上にサヤ、セッタを置くなどの方式も試みられていたが、支柱を載せるために積載高さが削減され、有効断面積当たりの焼成効率が低下するなどの問題が生じ、また、サイコロの寸法が僅かでも不揃いの場合は、その上に載せたサヤ、セッタに台板の搬送中に振動によるズレが生じ、振動が激しいと積層品が炉内に崩れて、炉を損傷させることもあった。 【0015】 【発明の実施の形態】本発明において、台板は、従来と同様、アルミナ、ムライト、シャモットなどのAl2 O3 −SiO2 系材料や炭化珪素質材料などのセラミック材料を主要材料として構成される。 【0016】本発明の台板の構成は、その代表例を図1および図2に示すように、被処理品が載置される台板1の上面2の4隅部3および中央部4を、他の部位5より高く形成したことを特徴とする。この構成は、台板1の上面2の4隅部3および中央部4以外の部分(部位5)を、台板1の周縁部8に連通する凹部としたものに相当し、この構成によって、台板の強度を使用上必要な強度に維持することができ、台板1と台板1の上に積載されるサヤあるいはセッターとの間に形成される空間により、雰囲気ガスの流れをより均一化し、炉内温度分布、被処理品の温度分布を均一にすることができる。図1、図2において、10は、台板1の上面2に補足的に設けた凸部である。 【0017】4隅部3および中央部4の他の部位5の面に対する高さ(前記凹部の深さ)hは、台板1の底面6から前記4隅部3および中央部4の頂面までの寸法Hの10〜50%、すなわちh/H=0.1〜0.5であることが好ましい。h/Hが0.5より大きいと台板1の強度が不十分となるおそれがあり、h/Hが0.1未満では、前記雰囲気ガスの流れの均一化、温度分布の均一化が達成し難い。 【0018】また、前記の高く形成された4隅部3および中央部4以外の部位5の面積が、台板1の上面2の面積((注):台板の底面の面積とする)の40〜80%であることが好ましい。40%未満では、前記雰囲気ガスの流れの均一化、温度分布の均一化が達成し難く、80%を越えると、台板1の強度が不十分となるおそれがある。 【0019】炉内の雰囲気ガスの流れを一層均一化するために、台板1には、前記の高く形成された4隅部3および中央部4以外の部位5に、台板1の底面6に貫通する孔7を設けるのが好ましい。孔7の個数は、それを通過するガス流れが効果的に生じるようにするために4±2個程度が好ましく、孔7の直径は、その個数を考慮して台板の強度を損なわず且つ効果的なガス流れが生じるような大きさとする。例えば、台板1の寸法が縦340mm、横340mm、厚さ(高さ)30mmの場合には、4個程度の孔を設けるのが有効である。 【0020】さらに、プッシャー式トンネル炉内での台板1の進行方向(図1の矢印方向)の前面Fおよび後面Rの少なくとも一方に切欠き部9を設けるのが好ましい。台板1は、切欠き部9を設けた前面F、後面Rで相互に圧接されて炉内を搬送される。切欠き部9は、台板1の上下に貫通する形状とするのが望ましく、切欠き部9の形成によって、雰囲気ガスの流れをさらに均一化することが可能となる。熱衝撃による割れを防止するために、台板1にスリット11を形成してもよい。 【0021】本発明の台板1を使用し、図5に示すように、台板1上に、例えば10段積みでサヤ12またはセッタを載置すると、台板1との間に気流が自由に通過し得る空間部13が形成され、サヤ12またはセッタの底面での伝熱の形態が伝導伝熱から対流および放射伝熱に変わり、最下段のサヤへの伝熱は、それより上に積載されているサヤと同じ伝熱形態に変わり温度分布が顕著に改善される。なお、図5において、14は、積載されたサヤ12の蓋である。 【0022】台板1に孔7、切欠き部9を設けることにより、雰囲気ガスの上下方向への対流が激しくなり、サヤ、セッタ上に載置された被処理品と雰囲気ガスとの接触がさらに均一に行われるようになる。 【0023】これに対して、従来の板状の台板15を使用した場合には、台板15と最下段のサヤとの間に、空間13が形成されないため、本発明のように、前記気流を生じることがなく、最下段のサヤへの伝熱は伝導伝熱のみにより行われることとなり、従って、最下段のサヤの温度は炉床の温度に左右され、炉の床面、天井面、側面における伝熱形態はそれぞれ異なるから、炉内に温度差が生じ易くなる。また、台板15の上下方向でのガスの対流も生じ難く、従って、被処理品と雰囲気ガスの接触が不均一となり、被処理品との反応にバラツキが生じる。 【0024】 【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説明するが、これらの実施例は本発明の一実施態様を示すものであり、本発明はこれに限定されるものではない。 【0025】実施例1ムライト80重量%、残部アルミナの組成からなる図1〜2に示す形状の台板(縦340mm、横340mm、底面6から4隅部3および中央部4の頂面までの寸法H=30mm、4隅部3および中央部4の他の部位5の面に対する高さh=10mm、4隅部3および中央部4以外の部位5の面積が、台板1の上面2全体の面積(340mm×340mm)の60%、孔7を図1に示す位置に4個配設し、4個の補足的凸部10を設け、2つスリット11を形成したもの)を作製した。 【0026】この台板を使用してプッシャー式トンネル炉内でセラミック電子部品を焼成した。すなわち、台板上に、図5に示すように、10段積み(台板の被処理品積載面から蓋の上面までの高さ=150mm)でサヤを積載して、各サヤ上にセラミック電子部品を載せ、窒素ガス(97〜95%)と水素ガス(3〜5%)からなる雰囲気中で、保持帯を1350℃に保持した加熱炉内を搬送させ、図6に示すように、サヤの4隅部a、c、d、eの位置おとび中央部bに検温素子をセットして、サヤ上の温度を測定した。 【0027】温度の測定結果を表1に示す。表1にみられるように、本発明の台板を使用した場合、最上段を除き、2段目から9段目までのサヤ上の温度は、各測定位置において、殆ど変わらないことが認められ、温度分布の均一であることが実証された。最上段のサヤ上の温度も僅かに高いだけであった。 【0028】比較例1縦340mm、横340mm、厚さ30mmの図3〜4に示す従来の板状の台板(2つのスリット11を形成したもの)を作製して、この台板を使用して、実施例1と同様の方式でセラミック電子部品を焼成し、実施例1と同様、サヤの4隅部a、c、d、eの位置おとび中央部bに検温素子をセットして、サヤ上の温度を測定した。 【0029】温度の測定結果を表1に示す。表1に示すように、従来の台板を使用した場合、サヤ上の温度には各測定位置でバラツキが生じており、最下段のサヤ上の温度は他の段のサヤ上の温度に比べ3〜5℃高い値を示した。また、比較例1の台板と実施例1の台板の一枚当たりの加熱熱量を比較したところ、実施例1の台板の加熱熱量は、比較例1のものに比べて最大25%の節減が可能であった。 【0030】 【表1】
《表注》最大温度差 実施例1:4℃ 比較例1:8℃【0031】 【発明の効果】本発明のプッシャー式トンネル炉用台板によれば、台板上に積載される焼成治具(サヤ、セッタ)への伝熱形態が変わり、また、台板上で上下に激しい雰囲気ガスの流れが生じることにより、加熱炉の有効断面における温度分布が改善され、被処理品の歩留りを顕著に向上させることができる。台板の重量削減の結果として、従来に比べ、加熱に要する熱量が大幅に節減でき、使用電力の削減が達成される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000219750 【氏名又は名称】東海高熱工業株式会社 【識別番号】000006633 【氏名又は名称】京セラ株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月15日(1999.12.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071663 【弁理士】 【氏名又は名称】福田 保夫 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−174164(P2001−174164A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月29日(2001.6.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−355509 |
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