| 【発明の名称】 |
ホットプレス炉 |
| 【発明者】 |
【氏名】中務 栄治
【氏名】山内 一平
【氏名】武田 正夫
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| 【要約】 |
【課題】炉の構造を複雑にすることなく、適正なプレス力を導入することのできるホットプレス炉を提供する。
【解決手段】炉内の断熱材2によって包囲される位置にベース6、ダイス3及びパンチ4によって拡縮可能な処理空間Sを閉成し、断熱材2の内側に配置したヒータ5により加熱した状態でパンチ4を移動させることにより、処理空間S内に充填した粉体aをプレスするようにしたものにおいて、ダイス3を、断熱材2を貫通する支柱10により支持するとともに、この支柱10にダイス3の重量を上回るプリロードを加えるスプリング11を断熱材2の外に設置しておくこととした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】炉内の断熱材によって包囲される位置にベース、ダイス及びパンチによって拡縮可能な処理空間を閉成し、断熱材の内側に配置したヒータにより加熱した状態でパンチを移動させることにより、処理空間内に充填した粉体をプレスするようにしたものにおいて、ダイスを、断熱材を貫通する支柱により支持するとともに、この支柱にダイスの重量を上回るプリロードを加えるスプリングを断熱材の外に設置したことを特徴とするホットプレス炉。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ファインセラミックス等の新素材を高い純度で製造する際に特に好適に利用されるバッチ式あるいは連続式のホットプレス炉に関するものである。 【0002】 【従来の技術】ホットプレスは、粉体を高温・高圧下に焼結して高密度・高純度の素材を製造する技術である。従来のホットプレス炉は、一般に、炉内の断熱材によって包囲される位置にダイスとパンチによって拡縮可能な処理空間を閉成し、この処理空間を、断熱材の内側に配置したヒータにより加熱した状態でパンチを移動させることにより、処理空間内に充填した粉体をプレスするように構成される。 【0003】前記処理空間は、実際には固定されたベース上にダイスとパンチによって閉成され、上から降下したパンチとベースの間で粉体をプレスするのが通例であるが、プレス時に粉体がダイスとの間の摩擦の影響を受け、これによりパンチが粉体をプレスしようとする力に抑止力が働く場合には、パンチを上下に配置して上下から同時に内部の粉体をプレスしたり、炉内にスプリングを配置してその自由端にダイスを載置し、摩擦によってダイスの降下を許容し得るようにしている例もある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上下からプレスする方式は、パンチをプレスするためのプレス機構が2倍必要になり、炉構造が複雑化するという欠点がある。一方、スプリングで支持する方法は、耐熱材を用いたスプリングが必要になり、高価になると同時に、スプリングの荷重設定が難しく、またスプリングが邪魔になってダイス、粉体及びパンチからなるワークの設置が妨げられ易いという難点がある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決するために、本発明は、炉内の断熱材によって包囲される位置にベース、ダイス及びパンチによって拡縮可能な処理空間を閉成し、断熱材の内側に配置したヒータにより加熱した状態で、パンチにより処理空間内に充填した粉体をプレスするようにしたものにおいて、ダイスを、断熱材を貫通する支柱により支持するとともに、この支柱にダイスの重量を上回るプリロードを加えるスプリングを断熱材の外に設置したものである。 【0006】このような構成において、パンチを降下させた際に粉体とダイスとの間に摩擦が生じた場合、その摩擦が小さいときはパンチが粉体をプレスしようとする力にダイス側から抑止力が働くことは殆どない。一方、摩擦が大きく、本来ならパンチが粉体をプレスしようとする力にダイス側から抑止力が働くときは、支柱を介してダイスを受けるスプリングにプリロードを越える押し下げ力が作用することによって、スプリングは圧縮されながらダイスの降下を許容し、その結果、粉体とダイスの間の相対移動が回避されて、パンチが粉体をプレスしようとする力にダイス側から抑止力が働くことが防止される。 【0007】このようにして、本発明は、パンチを移動させるためのプレス機構を一対に設けることなく、有効なプレス効果を上げることができる。しかも、スプリングは直接加熱雰囲気に晒されるこがないので、通常のバネ材料を使用して安価に構成することができる。また、スプリングはプリロードを加えられており、自由長に伸長しているものではないため、ベースの上端と同位置に支柱の支持面を配置すればワークの設置が妨げられることもない。さらに、スプリングが処理空間の外に位置するため、ダイスの連続供給も容易に行うことができる。 【0008】 【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して説明する。この実施例におけるホットプレス炉は、粉体aを高温・プレス下に焼結して高密度・高純度の素材を製造するために用いられるもので、炉体1内の断熱材2によって包囲される位置にダイス3とパンチ4によって拡縮可能に処理空間Sを閉成し、この処理空間Sを断熱材2の内側に配置したヒータ5により加熱して、その状態下にパンチ4で処理空間S内に充填した粉体aをプレスするようにしたものである。 【0009】具体的に説明すると、炉内には、炉体1の底部を貫通してベース6が挿入され、このベース6の上端6aが前記処理空間Sに臨む位置に配置してあり、このベース6上にダイス3及びパンチ4によって処理空間Sを閉成するようにしている。ダイス3は、円筒状をなし、その内周に必要に応じてスリーブ7が内装されるもので、このスリーブ7の下端側の内側にスペーサ8を嵌装し、粉体aを充填後に上端側の内側にパンチ4を嵌装するようにしている。これらダイス3、パンチ4及びスペーサ8は、ワークWとして一体的に扱われ、ベース6上に挿脱するときはリフタRが使用される。ワークWを所定位置に配置した際にパンチ4を下方に向けてプレスし得る位置には、プッシャ9が炉体1を貫通して挿入してあり、このプッシャ9によりパンチ4を降下させて、粉体aを圧縮するようにしている。 【0010】このような構成において、本実施例は、前記ダイス3の底面を3等分した位置を支持すべく、炉体1の底部及び断熱材2を貫通して下方から3本の支柱10を挿入し、この支柱10を、所定のプリロードを付与したスプリング11によって支持するようにしている。スプリング11は、炉体1に支持させて炉外に配置したスプリングケース12に収容されているもので、一端をこのスプリングケース12の内壁に弾接させ、他端をスプリングケース12内に移動可能に配置したスプリングリテーナ13に弾接させており、支柱10はスプリングケース12内のスプリングリテーナ13に一体的に固定されている。スプリングケース12には、スプリング11に付勢されたスプリングリテーナ13の突出を規制するストッパ12aが設けてあり、このストッパ12aに当接したオフセット位置で、前記支柱10にダイス3の重量+αのプリロードPを付与しておくようにしている。前記オフセット位置で、支柱10の支持面10aはベース6の上端6aとほぼ同じ高さ位置にあるように設定されている。 【0011】次に、本実施例の取扱いについて説明する。ダイス3及びパンチ4によって閉止される処理空間Sに粉体aを閉じ込めたワークWを、リフタRによって前記ベース6の上端6aに設置する。実際には、ワークWのうちのスペーサ8はベース6上に載置されるが、ダイス3はその周囲に位置する支柱10の支持面10aに載置される。 【0012】支柱10には、スプリング11のプリロードPが作用しているため、プレス力が作用しない間は、パンチ4とダイス3の位置がずれることがなく、ワークWは安定して炉内に設置される。この後、炉を閉止して、内部を図示しない排気系により排気するとともに、ヒータ5に通電して炉内を加熱し、その状態でプッシャ9を降下させると、パンチ4を介して粉体aが圧縮される。パンチ4を降下させた際に粉体aとダイス3との間(ダイス3の内周にスリーブ7が設けてある場合には粉体aとスリーブ7の間)に摩擦がある場合、その摩擦が小さいときはパンチ4が粉体aをプレスしようとする力にダイス3側から抑止力が働くことは殆どない。一方、摩擦がそれよりも大きく、本来ならパンチ4が粉体aをプレスしようとする力にダイス3側から抑止力が働くときは、支柱10を介してダイス3を受けるスプリング11にプリロードPを越える押し下げ力が作用することによって、スプリング11は圧縮されながらダイス3の降下を許容し、その結果、粉体aとダイス3の間の相対移動が回避されて、パンチ4が粉体aをプレスしようとする力にダイス3側から抑止力が働くことが防止される。この実施例では、スプリング11によるプリロードPはプッシャ9のプレス力や上記摩擦力に比して無視し得る程度に小さい値とされ、大抵はダイス3が粉体aと共に降下するように設定されている。 【0013】なお、プリロードPがダイス3の重量とワークWの全重量の間にある場合は、ワークWは少なくとも一部の荷重がベース6上に支持された状態となる。また、プリロードPがワークWの全重量+αのときは、ワークWは実質的にその荷重の全てを支柱10に支持させた状態となる。何れによるかは、ワークWのハンドリングの容易な方を選択すればよい。 【0014】以上のようなものであれば、ダイス3は宙に浮いているのと同じ状態になり、ワークWに作用する摩擦力の影響を最小に押さえることができるので、パンチ4をプレスするためのプッシャ9等のプレス機構が図示のように単一のものであっても、有効なプレス効果を上げることができる。しかも、スプリング11は直接加熱雰囲気に晒されるこがないので、通常のバネ材料を使用して安価に構成することができる。また、スプリング11はプリロードPを加えられており、ベース6の上端6aと同位置に支柱10の支持面10aを配置しているため、伸長した自由端にダイス3を支持させる場合のようにダイス3の設置が妨げられることもない。さらに、スプリング11が処理空間Sの外に位置するため、ダイス3の連続供給も容易に行うことが可能となる。 【0015】なお、各部の具体的な構成は、図示実施例のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。 【0016】 【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載される効果を奏する。すなわち、本発明は、この種のホットプレス炉としての一般的構成を備えているものにおいて、ダイスを、断熱材を貫通する支柱により支持するとともに、この支柱に断熱材の外に設置したスプリングからダイスの重量を上回るプリロードを加えておくようにしたものである。 【0017】このため、粉体とダイスの間に摩擦がある場合には粉体の圧縮につれてダイスの降下を許容して、粉体とダイスの相対移動を回避し、パンチが粉体をプレスしようとする力にダイス側から抑止力が働くことを有効に防止することができる。したがって、本発明によれば、パンチを移動させるためのプレス機構を一対に設けることなく、有効なプレス効果を上げることが可能となる。 【0018】しかも、スプリングは直接加熱雰囲気に晒されるこがないので、通常のバネ材料を使用して安価に構成することができ、またスプリングにプリロードを加えておくことでベース上へのワークの設置も適切に行うことができる。その上、スプリングを処理空間の外に位置づけておくことにより、ダイスの連続供給も容易に行うことが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591159619 【氏名又は名称】島津メクテム株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月21日(1999.12.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085338 【弁理士】 【氏名又は名称】赤澤 一博
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| 【公開番号】 |
特開2001−174162(P2001−174162A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月29日(2001.6.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−363497 |
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