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【発明の名称】 横置き円筒型製錬炉
【発明者】 【氏名】竹林 優

【氏名】村上 真佐逸

【要約】 【課題】炉口のレンガ止め鉄板の熔体による熔損を防止することが可能な非鉄金属用の横置き円筒型製錬炉を提供することを課題とする。

【解決手段】横置き円筒型製錬炉において、熔体が排出される際に、熔体が接する部位の耐火レンガ層面または不定形耐火物層面を炉外側に延長し、かつ当該部位のレンガ止め鉄板を、他の炉口レンガを固定する鉄板に対して角度を付けて突出させることを特徴としたものであり、好ましくは当該角度を10〜45°とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】その本体が水平な中心軸の回りに回動可能な円筒形で、該本体に炉口が設けられた横置き円筒型製錬炉において、熔体が排出される際に、熔体が接する部位の耐火レンガ層面または不定形耐火物層面を炉外側に延長し、かつ当該部位のレンガ止め鉄板を、他の炉口レンガを固定する鉄板に対して角度を付けて突出させることを特徴とした横置き円筒型製錬炉。
【請求項2】熔体が接する部位のレンガ止め鉄板を、他の炉口レンガを固定する鉄板に対して角度を付けて突出させる際の角度を10〜45°とする請求項1記載の横置き円筒型製錬炉。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅、ニッケル等非鉄金属の製錬に用いる横置き円筒型の製錬炉に関する。
【0002】
【従来の技術】銅やニッケル等非鉄金属の製錬において使用される炉の一つとして胴体部が横置き円筒型になった転炉や精製炉がある。これらの横置き円筒型の製錬炉では、熔体や固形の冷剤を炉内に受け入れたり、炉内の熔体を炉外に払いだしたりする際には、炉体に設けられた開口部(以下、「炉口」という。)を介して行っている。
【0003】炉内の熔体を炉口より払いだすためには、炉本体を回転させ、炉口より溢れさせる事により行う。このとき、熔体が胴体部に付着しないようにするために、炉口は胴体部より突出した状態で設けられるのが通常である。そして、外面を鉄製とし、内面に耐火レンガ層や不定形耐火物層を設けている。こうして、熔体払い出し時に炉口や炉本体の損傷を防止している。この鉄板は耐火レンガ層や不定形耐火物層を保持する役割を果たすことからレンガ止め鉄板と称している。
【0004】しかし、炉口から排出される熔体は炉口の耐火物上のみでなく、同時にレンガ止め鉄板の上にも流れるので、レンガ止め鉄板は徐々に熔損していくことになる。レンガ止め鉄板の熔損が進行すると、レンガを固定することができなくなり、炉口のレンガが脱落して、操業を継続することが出来なくなるという問題点がある。このような問題は、炉口からの溶湯の排出が短時間に終了する転炉より、いわゆるドブの排出のように、長時間にわたって少量ずつ熔体を排出する精製炉のほうで重大となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は炉口のレンガ止め鉄板の熔体による熔損を防止することが可能な非鉄金属用の横置き円筒型製錬炉を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本発明は、その本体が水平な中心軸の回りに回動可能な円筒形で、該本体に炉口が設けられた横置き円筒型製錬炉において、熔体が排出される際に、熔体が接する部位の耐火レンガ層面または不定形耐火物層面を炉外側に延長し、かつ当該部位のレンガ止め鉄板を、他の炉口レンガを固定する鉄板に対して角度を付けて突出させることを特徴としたものであり、好ましくは当該角度を10〜45°とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】熔体が排出される際に、熔体が流れ出される炉口の部位を流れ口と称する。本発明では、流れ口のレンガを炉外側に延長し、流れ口側のレンガ止め鉄板を、他の炉口鉄板に対して角度を付けて突出させる。こうすることにより、熔体排出時にレンガ止め鉄板の上を熔体が伝わって流れにくくなる。その結果、流れ口のレンガ止め鉄板の熔損を防止することが出来る。流れ口のレンガ止め鉄板を突出させる角度を、10°未満とすると、レンガ止め鉄板の上を溶湯が伝わって流れやすくなる。また、45°を越えると、流れ口レンガの炉外側先端の厚さが薄くなり、該耐火物の熔損が進行しやすくなる。
【0008】
【実施例】次に実施例を用いて本発明をさらに説明する。
(実施例1)図1に、本発明を用いた銅製錬用の精製炉の炉口を示す。この精製炉は円筒部レンガ内寸でが内径で3.3m、長さ13.3mであり、炉口の寸法は同じくレンガ内寸で長手方向巾1.7m、円周方向巾1.0mである。この精製炉の流れ口のレンガ止め鉄板を、他の炉口のレンガ止め鉄板に対して15°の角度を付けて取り付けた。
【0009】以下に示した操業条件で3ヶ月の操業を行った。その結果、3ヶ月経過後もレンガ止め鉄板の補修をする必要が無かった。
(操業条件)
操業回数 2回/日装入溶湯量酸化物溶体(ドブ) 450t/回排出時間 30〜60分/回酸化物溶体(ドブ)排出量 6〜10t/回なお、同一の操業条件のもとで、従来の炉口では、流れ口のレンガ止め鉄板の補修頻度は1回/月であった。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、炉口の流れ口で熔体がレンガ止め鉄板を伝わって落ちることが少なくなり、その結果流れ口部のレンガ止め鉄板の寿命を延長することが可能となる。その結果、補修費を削減することが可能であるばかりでなく、長期にわたって安定した操業を継続することが出来るようになる。
【出願人】 【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
【出願日】 平成11年11月16日(1999.11.16)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−141369(P2001−141369A)
【公開日】 平成13年5月25日(2001.5.25)
【出願番号】 特願平11−324899