| 【発明の名称】 |
多管式外熱キルン |
| 【発明者】 |
【氏名】真瀬 克己
【氏名】川端 保宏
【氏名】佐藤 英雄
【氏名】柳原 敏朗
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| 【要約】 |
【課題】エネルギー損失が小さく、分解生成ガスに同伴する処理灰量を著しく低減することができる、多管式外熱キルンを提供すること。
【解決手段】筒状の加熱炉1と、該加熱炉1の軸心部を通って貫通する複数の加熱管2と、加熱管2の始端側および終端側の単筒部3および4と、始端側単筒部3に設けられた原料投入手段5と、加熱管2を公転させる回転手段とを有し、原料投入手段5から投入された被処理物を、公転する加熱管2に導入して加熱処理したのち加熱管2の終端部を、終端側単筒部4の終端部まで延設し、必要に応じ延設部分内部にスクリュ羽根16を設け、かつ加熱管終端開口部面積のうち公転軸に近接する直角方向の部分1/3〜5/6を遮蔽する切頭円形蓋材15を設けたこと。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 筒状の加熱炉と、該加熱炉の軸心部を通って貫通する複数の加熱管と、該加熱管の始端側および終端側にそれぞれ設けられた単筒部と、前記始端側単筒部に設けられた原料投入手段と、前記加熱管を公転させる回転手段とを有し、前記原料投入手段から投入された被処理物を、公転する前記加熱管に導入して加熱処理したのち該加熱管の終端部および前記終端側単筒部を経て排出する多管式外熱キルンにおいて、前記加熱管の終端開口部に、該開口部のうち加熱管の公転軸に近接する直径方向の部分1/3ないし5/6を遮蔽する切頭円形蓋材を設けたことを特徴とする多管式外熱キルン。 【請求項2】 前記開口面積の前記遮蔽部分が1/2ないし4/5である請求項1に記載の多管式外熱キルン。 【請求項3】 前記加熱管の終端部が前記終端側単筒部の終端部まで延設され、かつ該延設部分内部に被処理物の移送手段が設けられている請求項1または2に記載の多管式外熱キルン。 【請求項4】 前記被処理物の移送手段がスクリュー羽根であることを特徴とする請求項3に記載の多管式外熱キルン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、多管式外熱キルンに係り、特に、エネルギーロスを低減し、出口排ガス中の粉塵濃度を低減することができる多管式外熱キルンに関するものである。 【0002】 【従来の技術】人体にとって有害な有機塩素化合物、特に芳香族系化合物、例えばPCDD(ポリ塩素化ジベンゾダイオキシン)、PCDF(ポリ塩素化ジベンゾフラン)等のような高毒性の芳香族系塩素化合物は、農薬の副生物またはごみ焼却の際の二次生成物として生成され、環境を汚染することが知られている(K.Olieet al,Chemosphere,6,455(1977)、およびT.Wakimoto et al,Environmental Health Perspectives,59,159(1985))。 【0003】本発明者は、ごみ焼却処理施設から排出される有機塩素化合物を低減するため、種々の研究を重ねた結果、ごみ焼却処理施設に付設されている電気集塵器(EP)およびその他の煤塵除去装置から排出される焼却灰中に、前記PCDDやPCDF等の有機塩素化合物が混入するおそれがあることが分かった。焼却灰にPCDDやPCDF等が含有していると、これを、例えば埋立等に用いた場合、浸出水等を経て人体や動植物に還流し、悪影響を及ぼすことが考えられる。 【0004】図4は、このような焼却灰の加熱脱塩素化処理装置のフローを示す説明図である。図において、この装置は、例えばごみ焼却施設で発生する集じん灰等40を貯留する原灰バンカ33と、該原灰バンカ33の後流に原灰定量フィーダ34およびスクリューコンベア35を介して連結された加熱脱塩素化処理機36と、該加熱脱塩素化処理機36の出口に連結された灰冷却機37と、加熱脱塩素化処理機36から排出される分解生成ガス中のダストを捕集するダストコレクタ31から主として構成されている。32は、ダストコレクタ31で捕集したダストを原灰バンカ33に送るダストコンベア、38は、処理灰コンベアである。 【0005】ごみ焼却処理施設の焼却炉から排出される集じん灰等40は、原灰バンカ33に投入され、ダストコレクタ31で捕集されてダストコンベア32を介して送られてくるダストと混合して貯留されたのち、原灰定量フィーダ34およびスクリューコンベア35を経て加熱脱塩素化処理機36に送られ、ここで所定温度で加熱、脱塩素化処理されたのち後流の灰冷却機37に送られて所定温度に冷却され、その後、処理灰コンべア38を経て図示省略した、例えば処理灰バンカに供給して貯留される。加熱脱塩素化処理機36としては、例えば薄層移動外部加熱方式の加熱処理装置、バドル攪拌外部加熱方式の加熱処理装置、直接または外部加熱式のロータリーキルン等が知られており、近年多管式外熱キルンが好適に使用されている。 【0006】図5は、従来の多管式外熱キルンの説明図、図6は、図5における加熱管の終端開口部を示す説明図である。図5および6において、この装置は加熱炉1と、該加熱炉1の軸心部を下り勾配を以て貫通する複数の加熱管(内筒)2と、該加熱管2の始端側の単筒部(入口側単筒部)3および終端側の単筒部(出口側単筒部)4と、前記始端側単筒部3に設けられた被処理物の投入部5および終端側単筒部4に設けられた、処理物出口7を有する出口フード6と、該出口フード6に設けられた排ガス出口10とから主として構成されている。8は、加熱管2を公転させる駆動モータ、9は、架台、12は、加熱管2の長軸に平行に内壁面から直立して設けられたリフターである。なお、入口側および出口側単筒部はそれぞれキルンの回転駆動部分に当接し、回転するようになっている。 【0007】被処理物である、例えば集じん灰等は、被処理物の投入部5から始端側単筒部3に投入され、公転する加熱管2に流入し、リフター(掻き上げ板)12の掻き上げ作用および加熱管2の下り勾配によって、加熱炉1が配設された加熱部11を出口フード6方向に移動し、この間に前記加熱炉1で、例えば500℃に加熱され、焼却灰に含まれる有害有機塩素化合物が分解される。ダイオキシン等の有害有機塩素化合物が分解除去された焼却灰は加熱管2の終端部から流出し、終端側単筒部4を経て、出口フード6に流入し、該出口フード6の処理物出口7から処理灰として排出され、図示省略した冷却機で、例えば100℃以下に急冷される。一方、出口フード6で処理灰と分離された分解生成ガス(以下、排ガスともいう)は、出口フード6の排ガス出口10から系外に排出され、別途処理される。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来技術では、加熱部11を通過した処理灰が、加熱炉1が設けられていない終端側単筒部4を経て出口フード6に流入し、該出口フード6の処理物出口7に落下して排出されるために、前記終端側単筒部4の出口における処理灰温度が加熱管2の出口処理灰温度に較べて著しく低くなる。 【0009】一般に、焼却灰の加熱脱塩素化処理装置においては、加熱装置出口処理灰温度として終端側単筒部出口処理灰温度を用い、該終端側単筒部出口処理灰温度が所定温度、例えば450℃になるように運転、制御される。上記従来技術において、終端側単筒部4の出口処理灰温度を、例えば450℃に設定するためには、前記単筒部4での温度低下を加味して加熱部11の温度を450+50〜150℃に設定しなければならず、エネルギー損失が大きく、かつ加熱管2が熱的に損耗し易いという問題があった。 【0010】また、多管式外熱キルンにおいては、前記複数の加熱管2は、公転軸13を中心として公転するので、処理灰14は、図5に示した加熱管2の終端開口部の、円形軌跡上の各所から排出されることになり、最上部に移動した加熱管2から排出される処理灰の、処理物出口7に至るまでの落差が大きいので粉塵として舞い上がり易くなり、排ガスに同伴される割合が大きくなって排ガス処理系統における集塵装置の負荷が増大するという問題があった。本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決し、エネルギー損失が小さく、しかも処理灰の回収率を高めて排ガスに同伴する処理灰量を著しく低減することができる、多管式外熱キルンを提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本願で特許請求する発明は以下のとおりである。 (1)筒状の加熱炉と、該加熱炉の軸心部を通って貫通する複数の加熱管と、該加熱管の始端側および終端側にそれぞれ設けられた単筒部と、前記始端側単筒部に設けられた原料投入手段と、前記加熱管を公転させる回転手段とを有し、前記原料投入手段から投入された被処理物を、公転する前記加熱管に導入して加熱処理したのち該加熱管の終端部および前記終端側単筒部を経て排出する多管式外熱キルンにおいて、前記加熱管の終端開口部に、該開口部のうち加熱管の公転軸に近接する直径方向の部分1/3ないし5/6を遮蔽する切頭円形蓋材を設けたことを特徴とする多管式外熱キルン。 (2)前記開口面積の前記遮蔽部分が1/2ないし4/5である(1)に記載の多管式外熱キルン。 (3)前記加熱管の終端部が前記終端側単筒部の終端部まで延設され、かつ該延設部分内部に被処理物の移送手段が設けられている(1)または(2)に記載の多管式外熱キルン。 (4)前記被処理物の移送手段がスクリュー羽根であることを特徴とする(3)に記載の多管式外熱キルン。 【0012】本発明においては、加熱管の終端部を遮蔽する切頭円形蓋材15の大きさを、加熱管の終端開口部のうち加熱管の公転軸に近接する直径方向の部分1/3以上、5/6以下、好ましくは1/2以上、4/5以下を覆うものとするが、これによって、処理灰14が、公転する加熱管2の円形の軌跡の下側部分のみから排出されるようになり、処理物出口7に至るまでの落差が小さくなるので、排ガス中に同伴されるダスト量の増大を防止することができる。すなわち図2における最上位置の加熱管2からの処理灰の流出が阻止され、処理灰は、最下部の加熱管の開口部および左右両側の加熱管の開口部の下側部分からのみ排出されるので、処理物出口7までの落差が小さくなり、その飛散が防止され、排ガス中に同伴されるダスト量をより低減することができ、またそれに伴うエネルギ損失を防止することができる。なお、上記遮蔽部分が1/3未満では蓋材としての効果が充分でなく、処理灰の排ガス中への飛散が避けられず、また5/6を越えると、処理灰の排出が過度に制限され、処理能力が低下する。 【0013】 【発明の実施の形態】次に、本発明を図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例を示す多管式外熱キルンの説明図、図2は、図1の加熱管の終端開口部を示す説明図である。図1および図2において、この装置が図4および図5に示した従来装置と異なるところは、加熱管2の終端部を終端側単筒部4の終端部まで延ばし、その終端開口部に、該開口部面積の加熱管2の公転軸13に近接する直径方向の部分約2/3を遮蔽する切頭円形蓋材15を設けた点である。すなわちこの装置は、筒状の加熱炉1と、該加熱炉1の軸心部を通って貫通する複数の加熱管(内筒)2と、該加熱管2の始端側および終端側にそれぞれ設けられた単筒部3および4と、前記始端側単筒部3に設けられた原料投入手段としての被処理物の投入部5と、前記加熱管2を公転させる回転手段としての駆動モータ8とを有する多管式外熱キルンにおいて、前記加熱管2の終端部を前記終端側単筒部4の終端部まで延設し、かつ加熱管2の終端開口部に、該開口部面積のうち加熱管2の公転軸13に近接する直径方向の部分2/3を遮蔽する切頭円形蓋材15を設けたものである。 【0014】このような構成において、被処理物である、例えば集じん灰等は、被処理物投入部5からキルン内に投入され、公転する加熱管2に流入し、出口方向への下り勾配と加熱管の公転作用により、リフター12(図6)による撹拌作用を受けながら加熱部11を出口フード6方向に移動し、この移動の間に加熱管2内で、例えば500℃に均一に加熱され、焼却灰に含まれる有害有機塩素化合物が分解される。ダイオキシン等の有害有機塩素化合物が分解除去された焼却灰は、加熱管2の終端開口部から排出されて直接出口フード6に流入し、該出口フード6の処理物出口7から系外へ排出される。このとき、加熱管2の終端開口部には蓋材15が設けられているので、図2に示すように処理灰14は公転する加熱管2の終端開口部の円形の軌跡のうち主に下側部分から排出されるようになり、処理灰の落差が従来装置に較べて小さくなるので、その飛散が防止され、排ガス(分解生成ガス)中に混入することなく、大部分が処理物出口7から系外に排出される。一方、分解生成ガスは、同伴されるダストが非常に少ない排ガスとして出口フード6の排ガス出口10から系外に排出され、別途処理される。 【0015】本実施例によれば、加熱管2の終端開口部に、公転軸13に近接する部分を覆う蓋材15を設けたことにより、図2に示したように、処理灰14が、公転する加熱管2の円形の軌跡の下側部分のみから排出されるようになり、処理物出口7に至るまでの落差が小さくなるので、舞い上がりによる排ガス中に同伴されるダスト量の増大を防止することができる。従って、排ガス処理系統における集塵装置の負荷を低減することができる。 【0016】また加熱管2の終端部を、終端側単筒部4の終端部まで延設したことにより、加熱部11の後流の終端側単筒部4と加熱処理灰との接触がなくなり、前記終端側単筒部4、すなわち加熱管2の終端部の出口処理灰温度と加熱部11の処理灰温度をほぼ同一温度とすることができるので、加熱部温度を従来技術のように極端に高く設定する必要がなくなるので、エネルギ損失が低減する。また図3は、本発明の他の実施例を示す多管式外熱キルンの説明図であるが、図1の装置と異なる点は、延設した加熱管2内に被処理物の移送手段としてスクリュー羽根を設けたことである。この実施例によれば、延設した加熱管2内に移動手段としてスクリュー羽根16を設けたことにより、加熱管の公転に従って処理灰がスクリュー羽根に沿って出口終端まで迅速に移動し、加熱管2内の処理灰の滞留時間を短くし、温度低下を防止することができる。 【0017】なお、上記加熱管の延設は、既設の装置を改善する場合について述べたものであるが、装置を新設する場合は、最初から終端側単筒部に加熱管を設けた設計とすることもできる。また延設する加熱管やリフターは、装置本体から着脱自在にしておけば、加熱管内の清掃などに便利である。 【0018】 【実施例】次に本発明の具体的実施例を説明する。 実施例1図3の装置を用い、終端側単筒部4出口温度を450℃に設定して、都市ごみ焼却炉の集じん灰を加熱脱塩素化処理したところ、加熱部11の実測温度は550℃であった。また、出口フード6から流出する排ガス中のダスト濃度は5g/Nm3 であった。 【0019】比較例1図5の従来装置を用いて実施例1と同様の焼却灰について同様の加熱脱塩素化処理をしたところ、加熱部11の実測温度は590℃であり、排ガス中のダスト濃度は15g/Nm3 であった。実施例1と比較例1の結果をまとめてめて表1に示す【0020】 【表1】
表1において、加熱管2の終端部を、終端側単筒部4の終端部まで延設し、加熱管2の終端開口部に蓋材15を設けた実施例1の方が、比較例1に較べて排ガス中のダスト濃度が著しく少なくなっており、また加熱部11の加熱温度を低くすることができるので、エネルギ効率が改善されたことが分かる。これは、単筒部4内に加熱管を延設したことにより、外気と接触している単筒部4と加熱処理灰の接触が断たれたことと、加熱管終端部に蓋材15を設けたことによる処理灰の落差低減効果によって飛灰が低減したことによるものと思われる。 【0021】 【発明の効果】本願の請求項1および2に記載の発明によれば、処理灰の温度低下が生じる終端側単筒部と加熱処理灰との接触がなくなるので、エネルギ効率が向上する。また処理灰の排出を、加熱管終端部開口部の公転する円形の軌跡の下側位置で主に行うことができるので、処理灰が落下する際の落差が小さくなってその飛散が防止されるので、排ガスに同伴されるダスト量を低減して排ガス処理系統における集塵装置の負荷を軽減し、またエネルギ損失を低減することができる。 【0022】本願の請求項3および4に記載の発明によれば、上記の効果に加え、終端側単筒部の加熱管内の処理灰の移動を迅速に行なうことができるので、エネルギ効率がさらに改善される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】592141927 【氏名又は名称】三造環境エンジニアリング株式会社 【識別番号】000005902 【氏名又は名称】三井造船株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年4月4日(2000.4.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076587 【弁理士】 【氏名又は名称】川北 武長
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| 【公開番号】 |
特開2001−91159(P2001−91159A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月6日(2001.4.6) |
| 【出願番号】 |
特願2000−101967(P2000−101967) |
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