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【発明の名称】 黒鉛製回転式管状炉
【発明者】 【氏名】カール・ヴァンダー・ワイド

【要約】 【課題】高温での連続運転に適し、簡単に交換できる構成部品を使用した高性能超高温回転式管状炉を提供する。

【解決手段】1500℃から2800℃の温度範囲で、制御された雰囲気内での運転に適した回転式管状炉であって、この回転式管状炉は、水冷分割リング型黒鉛製軸受けにスライド可能に支持された、ほぼ水平の回転可能な黒鉛製管を備えている。黒鉛製管は、ステンレス鋼製駆動板によって回転されるとともに、該管の周囲及び内部に選択された雰囲気を封じ込めるために可撓性雰囲気シール組立体及びエンクロージャ内に入れられ、且つ、運転中、ガスを並流又は逆流させることができる。黒鉛製管の内部の放射バッフルは、該管の端部の放散熱損失を抑制する。黒鉛製管は、取付け及び保全目的の取外しや交換を容易にするために、ねじ切り端部を持つ2つ又はそれ以上の部品で構成することができる。該管の加熱域は、断熱された加熱室内に収容された複数の黒鉛製の電気的加熱体によって加熱される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 原材料導入区域と、加熱区域と、処理品排出区域とを有するほぼ水平方向に延びる回転可能な黒鉛製管、及び前記回転可能な黒鉛製管をスライド可能に支持する複数の黒鉛製軸受けを備え、前記黒鉛製軸受けの少なくとも1つは、水冷ジャケットによって冷却される分割リング型黒鉛製軸受けであり、更に前記黒鉛製管に回転トルクを伝達するために前記黒鉛製管に取付けられた駆動板、及び前記黒鉛製管の周囲及び内部に選択された雰囲気を維持するようにする前記黒鉛製管周囲のエンクロージャを備え、前記エンクロージャは、2つの黒鉛製リングを有し、前記2つの黒鉛製リングの各々は、前記黒鉛製リングと前記駆動板との間のスライド可能なシール関係を維持する可撓性雰囲気シール組立体によって、前記駆動板の対向する側面に対し押圧され、且つ1つ又はそれ以上の加熱体を収容する前記加熱区域の周囲の断熱された加熱室、及び前記エンクロージャに選択された雰囲気を供給するためにガスを導入したり抜出したりするガス入口出口手段を備えたことを特徴とする回転式管状炉。
【請求項2】 前記黒鉛製管は、前記原材料導入区域及び前記処理品排出区域における放散熱損失を抑制するための、前記黒鉛製管の内側表面に取付けられた複数の放射バッフルを有することを特徴とする請求項1に記載の回転式管状炉。
【請求項3】 前記黒鉛製管は、2つ又はそれ以上の部品を含むことを特徴とする請求項1に記載の回転式管状炉。
【請求項4】 前記管部品は、取付け及び取外しのためのねじ切り端部を備えることを特徴とする請求項3に記載の回転式管状炉。
【請求項5】 前記黒鉛製管は、3つの取外し可能で交換可能な部品を含むことを特徴とする請求項3に記載の回転式管状炉。
【請求項6】 前記管部品は、取付け及び取外しのためのねじ切り端部を備えることを特徴とする請求項5に記載の回転式管状炉。
【請求項7】 前記放射バッフルは、黒鉛で作られていることを特徴とする請求項2に記載の回転式管状炉。
【請求項8】 前記可撓性雰囲気シール組立体は、前記黒鉛製管の周囲に同心的に配置されるとともに、前記黒鉛製リングと前記駆動板との間にスライド可能なシール関係を維持するように前記黒鉛製リングの1つに対してスプリングのような力を与える少なくとも1つのベローズを有することを特徴とする請求項1に記載の回転式管状炉。
【請求項9】 前記雰囲気シール組立体は、前記ベローズを2つ備え、前記2つのベローズの各々は、前記黒鉛製リングと前記駆動板との間にスライド可能なシール関係を維持するように前記駆動板の対向する側面上の前記黒鉛製リングの1つに対し押圧されることを特徴とする請求項8に記載の回転式管状炉。
【請求項10】 前記黒鉛製管周囲の前記エンクロージャは、前記黒鉛製管の前記導入区域の端部に設けられた第1フード、前記黒鉛製管の前記処理品排出区域の端部に設けられた第2フード、1つ又はそれ以上の水冷ジャケット、前記加熱区域周囲の断熱加熱室、前記2つの黒鉛製リング、及び前記駆動板を含む構成部品から成る集合体を有し、前記構成部品は、前記可撓性雰囲気シール組立体からのスプリングのような力によってシール関係が維持されることを特徴とする請求項9に記載の回転式管状炉。
【請求項11】 前記断熱加熱室は、前記加熱室内の前記黒鉛製管の周囲に選択された雰囲気を維持するために、ガスを導入したり抜出したりすることができるガス入口及びガス出口を有することを特徴とする請求項10に記載の回転式管状炉。
【請求項12】 前記加熱室は、前記加熱区域内に多数の温度領域を設定することが可能な多数の加熱体を収容していることを特徴とする請求項11に記載の回転式管状炉。
【請求項13】 前記第1フード及び前記第2フードは、前記黒鉛製管を通してガスを並流又は逆流させるためにガスを導入したり抜出したりするガスポートを各々備えていることを特徴とする請求項10に記載の回転式管状炉。
【請求項14】 前記黒鉛製リングは、前記駆動板に対して正圧のガスを送るとともにそれを維持するためのガス通路を有することを特徴とする請求項3に記載の回転式管状炉。
【請求項15】 前記処理品排出区域は、冷却手段を有することを特徴とする請求項1に記載の回転式管状炉。
【請求項16】 前記黒鉛製軸受けは、分割リング型黒鉛製軸受けであることを特徴とする請求項1に記載の回転式管状炉。
【請求項17】 前記分割リング型軸受けの各々は、分割リング用水冷ジャケットによって囲まれていることを特徴とする請求項16に記載の回転式管状炉。
【請求項18】 取外し可能で交換可能な2つ又はそれ以上の管部品を有するとともに、原材料導入区域、加熱区域、及び処理品排出区域を有する、ほぼ水平方向に延びる回転可能な黒鉛製管、放散熱損失を抑制するために、前記黒鉛製管の内面に取付けられた多数の黒鉛製放射バッフル、及び前記回転可能な黒鉛製管をスライド可能に支持する複数の分割リング型黒鉛製軸受けを備え、前記分割リング型軸受けの少なくとも1つは、前記導入区域内にあるとともに、前記分割リング型軸受けの少なくとも1つは、前記処理品排出区域内にあり、前記原材料導入区域内及び前記処理品排出区域内の前記分割リング型黒鉛製軸受けの各々は、水冷ジャケットで囲まれており、また前記黒鉛製管に回転トルクを伝達するために、前記黒鉛製管に取付けられたステンレス鋼製駆動板を備え、前記駆動板は、熱膨脹又は収縮の差を許容するために、キー溝又はスプライン結合によって前記黒鉛製管に取付けられており、更に前記黒鉛製管の周囲及び内部に選択した雰囲気を維持するようにする前記黒鉛製管周囲のエンクロージャを備え、前記エンクロージャは、前記黒鉛製リングと前記駆動板との間のスライド可能なシール関係を維持する可撓性雰囲気シール組立体によって、前記駆動板の対向する側面に対し各々押圧される2つの黒鉛製リング、前記黒鉛製管の前記導入区域の端部に設けられた第1フード、前記黒鉛製管の前記処理品排出区域に設けられた第2フード、1つ又はそれ以上の水冷ジャケット、前記加熱区域周囲の断熱加熱室、前記2つの黒鉛製リング、及び前記駆動板を含み、前記エンクロージャの構成部品は、前記可撓性雰囲気シール組立体からのスプリングのような力によって、シール関係を維持されており、且つ前記加熱室の内を選択された雰囲気とするために、ガスを導入したり抜出したりする前記断熱加熱室のガス入口出口手段、前記黒鉛製管を通してガスを並流又は逆流させるためにガスを導入したり抜出したりする、前記第1フードの第1ガスポート及び前記第2フードの第2ガスポート、及び前記駆動板に対して正圧のガスを送るとともにそれを維持するための、前記黒鉛製リングの各々の内部に設けられたガス通路を備えたことを特徴とする回転式管状炉。
【請求項19】 前記黒鉛製管は、3つの取外し可能で交換可能な管部品を含むことを特徴とする請求項18に記載の回転式管状炉。
【請求項20】 前記可撓性シール組立体は、2つの金属製ベローズを備え、前記2つの金属製ベローズの各々は、前記黒鉛製リングと前記駆動板との間にスライド可能なシール関係を維持するように前記駆動板の対向する側面上の前記黒鉛製リングの1つを一方向に押圧するスプリングのような伸長力を有するとともに、前記エンクロージャの他の構成部品を反対方向に押圧するスプリングのような伸長力を有することを特徴とする請求項18に記載の回転式管状炉。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不活性雰囲気において各種材料を高温処理するための黒鉛製回転式管状炉に関する。
【0002】
【従来の技術】超高温、例えば、約1500℃から3000℃又はそれ以上の温度での諸材料の処理に関しては、それに使用される処理設備の設計において克服しなければならない数多くの問題がある。第一は、構成材料の選択が限定される点である。黒鉛は、温度限界で使用される場合によく選択される材料である。このような高められた温度においては、処理される材料との好ましくない反応を避けるため、不活性雰囲気、例えば、非酸化雰囲気で処理を行うことが必要とされる場合が多い。更に、設備が黒鉛で構成されている場合、極高温度においては、構成材料自体が空気中の酸素と反応してしまう可能性もある。従って、処理される材料は勿論のこと、黒鉛製の設備も不活性雰囲気で包み込む必要がある、或いはそうする方が好ましい場合がある。本発明の黒鉛製回転式管状炉のような可動設備の場合には、運転中に、黒鉛製の管の内側だけでなくこの黒鉛製の管を取囲むように不活性雰囲気を維持することは特に難しい。
【0003】管状反応炉に黒鉛を使用することは、文献で知られている。ファーメントに付与された米国特許第3,656,910号には、炭素質繊維材料を製造するための黒鉛製管状炉が開示されている。
【0004】パッサロットに付与された米国特許第5,144,108号には、管を通しての材料の移送を補助するための内部回転パドルを有する回転式管状炉が開示されている。
【0005】カウチャーに付与された米国特許第4,988,289号には、加熱したシェルの内部に回転コアーを設けた反応炉が開示されている。管を通しての材料の移動を促進するように、管の内側にブレード片が螺旋状に配列されている。
【0006】クロウカー他に付与された米国特許第5,251,231号には、冷却流体(水)によって炉を全体的に囲むようにした炉が開示されている。
【0007】フライバーガー他に付与された米国特許第5,393,225号には、交換式の回転管を備えた、回転式管状キルンが開示されており、このキルンは、管状ジャケットに囲まれるとともに、隙間を空けてこのジャケットから分離されている。
【0008】制御された雰囲気における、超高温での粒子状材料の処理に相応しい改善された炉又はキルンに対するニーズは依然として存在している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、3000℃まで又はそれ以上の温度での連続運転に適した黒鉛製回転式管状炉を提供することを目的としている。
【0010】また、本発明は、簡単に交換できる構成部品を使用した高性能超高温回転式管状炉を提供することを目的としている。
【0011】更に、本発明は、機械的に駆動される黒鉛製回転式管状炉であって、炉が回転している間、処理品及び炉の構成部品の両者を、高温で、制御された雰囲気内に置くことができる黒鉛製回転式管状炉を提供することを目的としている。
【0012】他の目的は、優れた熱効率を持ち、1つ又は複数の温度制御領域を設定できる黒鉛製回転式管状炉を提供することにある。
【0013】更に他の目的は、高温で運転可能な回転式管状炉であって、管の端部での放散熱損失を最小限とする回転式管状炉を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記した目的及びその他の目的は、高温で、制御された雰囲気内においての運転に適した回転式管状炉を提供する本発明により達成され、本発明によるこの回転式管状炉は、冷却手段を付設することが可能な複数の黒鉛製軸受けに支持され、原材料導入区域と加熱区域と処理品排出区域とを有する、ほぼ水平方向に延びる回転可能な黒鉛製管、回転運動を該黒鉛製管に伝達するために、該黒鉛製管に間接的に取付けられた駆動板、回転中に該黒鉛製管の周囲及び内部に選択された雰囲気を封じ込めるための可撓性雰囲気シール組立体、加熱域を囲む断熱された加熱室、及び該加熱室内の少なくとも1つの加熱体を備えている。
【0015】本発明の黒鉛製回転式管状炉は、3000℃又はそれ以上の高温で、好ましくは、約1500℃から約2800℃の温度範囲で微粒子状の材料を処理するのに適している。
【0016】黒鉛製管が載置される黒鉛製軸受けは、半リングの形式とすることができ、該管のための支持部を提供するとともに管がスライド可能に回転できる表面を提供するように、管の円周下部の周囲に取付けられる。黒鉛製軸受けは、全体を黒鉛製としたリングの形式として該管の周囲に取付けるのが好ましく、また、取付けを容易にするために分割リングとするのが好ましい。好ましい実施形態では、回転可能な黒鉛製管は、分割リング用水冷ジャケットの支持構造内に取付けられた分割リング型黒鉛製軸受け上に支持される。更に、水冷ジャケットを、水平方向に延長し、例えば処理品を排出する端部において処理品を冷却することもできる。
【0017】黒鉛製管は、所望の長さの単一ユニットとすることができるが、好ましくは、多数の相互に連結可能な部品から成る黒鉛製管として、組立てを容易にするとともに、保守等のために必要に応じて取外し交換できるようにすることも可能である。黒鉛製管は、好ましくは2つ又はそれ以上、より好ましくは3つの部品から構成し、各端部に取外し可能に取付けできるねじ切り部を設けるか又は他の方法により、各部品を連結できるようにするのが好ましい。
【0018】好ましい実施形態では、黒鉛製管は、内周部の周囲に、多数の半円放射バッフルを備え、炉の加熱域からの直接放射を遮断し、これにより、原材料導入区域の端部及び処理品排出区域の端部はより冷温状態に保たれ、両端部における放散熱損失は最小限とされる。該放射バッフルは、タンタル、ジルコニウム、又は、好ましくは黒鉛のような好適な耐熱性材料で作ることができる。
【0019】上記加熱区域には、1つ又はそれ以上の黒鉛製管部品を収容することができるが、この加熱区域は、多数の加熱体により加熱することができる。これら加熱体としては、黒鉛製の電気的加熱体とするのが好ましく、一般的には、1つ又は複数の電源に接続され、加熱室内部の該管の外側において水平方向に又は垂直方向に或いは水平方向にも垂直方向にも取付けられた棒状形又は板状形の設計とされる。加熱体の構成・配置は、熱分布及び諸性能向上を考慮して、加熱室内における単一又は複数の温度領域に対する自由度を持たせるように設定することができる。例えば、加熱室の端部近傍の熱損失を補償する必要がある所に、多数の加熱体を配置してより大きな電力を入力することにより、加熱室全体を一定の温度に維持することができる。また、微粒子状材料が加熱区域を通過する際、電力入力を変化させて、温度を徐々に上昇させたり、或いは徐々に低下させたりすることもできる。加熱室は、必要に応じ、複数の温度領域に分割することができ、この複数の温度領域を断熱障壁によって分離すれば、熱分布させるための温度設定をより明確にすることができる。黒鉛製管の各端部は、雰囲気や埃等を閉じ込めるために、フード内に入れられる、即ちフードで包囲される。加熱室、可撓性雰囲気シール組立体、各端部のフード、及び分割リング周囲の水冷ジャケットは、全体としてエンクロージャを形成し、黒鉛製管の周囲及び内部に選択された雰囲気を維持する。
【0020】上記駆動板は、耐熱性材料、好ましくは、炉の運転許容温度である高温に耐え得るステンレス鋼で作られる。駆動板は、金属製の駆動板と黒鉛製の管との間の膨脹及び収縮の差を許容するキー溝又はスプライン結合によって、間接的に黒鉛製管に連結するのが好ましい。運転の際、駆動板は、それに連結されたスプロケット、歯車、又は他の駆動装置によって加えられた回転トルクを黒鉛製管に伝導する役割を果たす。回転中、単一の黒鉛製リング又は複数の黒鉛製リングによって雰囲気シールが達成され維持されるが、この黒鉛製リングは、駆動板の片側又は両側に設けられるとともに、単一又は複数の黒鉛製リングに対してスプリングのような力を与えることが可能な1つ又はそれ以上の可撓性ベローズ又は他の手段によって、駆動板に押圧されている。更に、この可撓性シール組立体は、上記エンクロージャの他の構成部品に対して水平方向への力を加える役割を果たし、運転中、黒鉛製管周囲の雰囲気のシールを維持し、熱膨脹・収縮及びある程度の回転の偏心を補償する。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明及び実施可能な形態について、添付図面を参照してより詳細に説明する。
【0022】第1図は、本発明の黒鉛製回転式管状炉1の側面断面図であり、そこに示された黒鉛製管2は、導入区域3、加熱区域4、及び処理品排出区域5を備えている。本発明の黒鉛製回転式管状炉は、ほぼ水平のものとして言及され図示されているが、実際には、材料がその中を通して移動するのを促進するために、水平位置から傾けることもあり得ることは当業者の認識する所であろう。図示された実施形態では、黒鉛製管2は、ねじ込み継手6によって接合される3つの部品を組合せて作られている。しかし、他の実施形態では、必要とされる全長や、その長さによって変化する処理品に対する処理方法のような、保守目的の交換計画を変えてしまう様々な要件に応じて、黒鉛製管2を、単一ユニットとして構成することも、多数の部品から成るものとすることも可能である。
【0023】処理される材料、例えば微粒子状材料は、導入区域3でフード10内の材料入口7を通して導入し、処理品排出区域5でフード8を通して排出し、フード8に取付けられた容器(図示せず)に収集することができる。加熱区域4には、断熱エンクロージャ9の中に加熱室11が設けられ、断熱エンクロージャ9は、ステンレス鋼のような好適な耐熱性材料から作ることができる金属シェル31で囲むことが可能である。加熱室11は、1つ又はそれ以上の電気加熱体12を収容することができる(第3図)。断熱エンクロージャ9は、黒鉛又は好適な繊維断熱材、例えば炭素(又は黒鉛)繊維断熱材のような高温断熱材である。好ましい実施形態では、黒鉛製断熱材9を、更にステンレス鋼のような耐熱性材料で作り水冷された外側シェル13で包み込むこともできる。
【0024】黒鉛製管2は、好ましくはステンレス鋼製の駆動板14によって回転される。駆動板14は、熱膨脹差を許容しながら、モーター動力源(図示せず)から駆動板を介して黒鉛製管に回転トルクを伝達するために、キー、スプライン、又は類似の連結部15を介して、間接的に黒鉛製管2に取付けることができる。
【0025】黒鉛製管2は、その長さ方向に沿って黒鉛製分割リング軸受け16によって2ヵ所又はそれ以上の箇所で支持されている。好ましい実施形態にあっては、図示の通り、黒鉛製軸受けは、分割リング用水冷ジャケット17に取付けられることにより、該軸受けはより低い温度に維持される。黒鉛製軸受けを冷温にすることに加えて、水冷ジャケットは、炉の様々な部分に冷却区域を提供するように、延長することができる。例えば、図1に示された実施形態において、分割リング用水冷ジャケット17を水平方向に延ばすことにより、処理品排出区域は更に冷却され、処理品が処理品出口28から炉を出る時に、処理品は所望のより低い温度とされる。更に、図示の実施形態では、ガス入口21及びガス出口27が設けられており、各黒鉛製軸受け間にガス入口21及びガス出口27通る冷却ガスの通路を形成することによって、処理品が処理品出口28から炉を出る前に処理品排出区域5を通過している時、処理品の冷却をより促進することができる。
【0026】ある実施形態においては、一部の黒鉛製軸受けについて、水冷ジャケットを省くことが好ましい場合もある。例えば、黒鉛製管がより長い状況において、加熱室11内に黒鉛製軸受けを更に設置して支持部を増やす必要があるような場合には、加熱室内のこれら軸受け周囲の水冷ジャケット17を省くことが望ましいことがある。また、より高い処理品排出時の温度が要求される場合、処理品排出端部5における黒鉛製軸受け16周囲の水冷ジャケット17は、より小さくするか又は省略することができる。
【0027】運転中、高温では、黒鉛製管2の内部及び外部において黒鉛の酸化を防止するために、窒素やアルゴン等のような非酸化雰囲気を維持するのが好ましい。逆流方向に、つまり、排出区域5におけるフード8の入口ポート25より入り、導入区域3におけるフード10の出口ポート26から出るように、窒素のような非酸化ガスを通すことによって内部の雰囲気を制御することができる。並流のガス流が要求される場合には、ガスの流れが反対になるように、入口ポート25と出口ポート26との機能を逆にすることができる。更に、入口ポート25及び出口ポート26は、通過する材料に対する特定の処理用の選択された反応性ガスを通すために使用することもできる。
【0028】黒鉛製管を包み込む空間、特に高温が上記問題を深刻化する傾向のある加熱区域4を、例えば窒素、アルゴン等の雰囲気のような非酸化雰囲気に維持することによって、酸化或いは他の望ましくない黒鉛の化学反応から黒鉛製管2の外側表面を保護することができる。ガス入口/出口通路32及び33を用いて、加熱室11全体を通してガスを正圧状態に維持することができる。黒鉛製管2の回転中、何らかの偏心動作が発生した場合においても、雰囲気は、可撓性ガス密封シールによって密閉状態に維持される。可撓性ガス密封シールは、黒鉛製シールリング18を備え、この黒鉛製シールリングは、それに対し正圧のシールスプリング力を加えるための、1つ又はそれ以上の可撓性ベローズ19又は他の負荷スプリング形シール組立体によって駆動板14の片側又は両側に対してスライド可能に押圧される。該ベローズ19又は他のシール組立体手段、及び駆動板14は、炉の運転条件に耐えるために、ステンレス鋼製であることが好ましい。炉の処理品導入端部3の区域内における駆動板14の周囲及び前記黒鉛製管2の外側の不活性ガスを正圧の状態に維持するために、黒鉛製シールリング18の内部にガス入口29を設け、窒素やアルゴン等の不活性ガスを送るようにするのが好ましい。
【0029】加熱室11内に取付けられた加熱体12は、電気的加熱体とすることが好ましく、黒鉛製加熱体とすることが更に好ましい。これら加熱体は、垂直方向又は水平方向、或いは垂直及び水平の両方向に取付けることができる。これら加熱体は、必要に応じ、加熱域4の全体を単一の一定温度とするように、又は、熱分布させて複数の温度区域を作り出すように、電力供給したり位置決めしたりすることができる。
【0030】黒鉛製管2の端部における、過度の放散熱損失を防ぐために、例えばタンタル、ジルコニウム等又は、好ましくは黒鉛のような好適な耐熱性材料で作った多数の半円放射バッフル24を設けることもできる。該バッフルは、加熱域4からの該管の端部を通しての直接的放散熱損失を遮断するために、例えば、黒鉛製管の内周に沿ってセメント接合によって取付けることができる。
【0031】本発明は、特定の好ましい実施形態を参照して説明してきたが、特許請求の範囲により定義された本発明の精神と範囲を離脱することなく、変更や変形を成し得ることは、当業者の認識するところであろう。
【出願人】 【識別番号】500361135
【氏名又は名称】ハーパー インターナショナル コーポレーション
【出願日】 平成12年8月2日(2000.8.2)
【代理人】 【識別番号】100082164
【弁理士】
【氏名又は名称】小堀 益 (外1名)
【公開番号】 特開2001−82880(P2001−82880A)
【公開日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願番号】 特願2000−234852(P2000−234852)