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【発明の名称】 真空加熱装置
【発明者】 【氏名】阿部 泰三

【氏名】阿部 英之

【要約】 【課題】電子部品用基板の加熱装置として、減圧処理、加熱処理および冷却処理の各工程をそれぞれ別個の室で行うことにより全体の処理工程時間の短縮を可能とする真空加熱装置を提供する。

【解決手段】真空加熱室1と、この真空加熱室1とゲートバルブ4を介して真空加熱室1の下方に連通するように設けた冷却室を兼ねる排気室11と、上記真空加熱室1を覆うようにその外周に配置したヒータユニットのような加熱手段7と、上記真空加熱室1および上記冷却室を兼ねる排気室11に配管された排気装置21、25、35、37と、上記冷却室を兼ねる排気室11の内部側壁周囲に配置した冷却手段14と、上記真空加熱室1と上記冷却室を兼ねる排気室11との間で被熱処理物品2を載せたカセット3を移動させる駆動手段24とを備えている真空加熱装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 カセットに収容した被熱処理物品を加熱処理する装置であって、真空加熱室と、この真空加熱室の下方に真空加熱室とゲートバルブを介して連通して設けた冷却室を兼ねる排気室と、上記真空加熱室を覆うようにその外周に配置した加熱手段と、上記真空加熱室および上記冷却室を兼ねる排気室に配管された排気装置と、上記冷却室を兼ねる排気室の内部側壁周囲に配置した冷却手段と、上記真空加熱室と上記冷却室を兼ねる排気室との間で被熱処理物品を収容したカセットを移動させる駆動機構と、を備えていることを特徴とする真空加熱装置。
【請求項2】 カセットに収容した被熱処理物品を加熱処理する装置であって、真空加熱室と、この真空加熱室の下方に真空加熱室とゲートバルブを介して連通して設けた排気室と、この排気室の一方側にゲートバルブを介して連通して設けたカセット導入室と、他方側にゲートバルブを介して連通して設けた冷却室と、上記真空加熱室を覆うようにその外周に配置した加熱手段と、上記各室に配管された排気装置と、上記冷却室の内部側壁周囲に配置した冷却手段と、上記真空加熱室と上記排気室および上記排気室とその両側に設けたカセット導入室と冷却室との間で被熱処理物品を収容したカセットを上下または左右に移動させる駆動機構と、を備えていることを特徴とする真空加熱装置。
【請求項3】 カセットに収容した被熱処理物品を加熱処理する装置であって、真空加熱室と、この真空加熱室の下方に真空加熱室とゲートバルブを介して連通して設けた排気室と、この排気室の両側または三方側面にゲートバルブを介して連通して設けた冷却室と、上記真空加熱室を覆うようにその外周に配置した加熱手段と、上記各室に配管された排気装置と、上記冷却室のそれぞれ内部側壁周囲に配置した冷却手段と、上記真空加熱室と上記排気室および上記排気室とその両側または三方側面に設けた冷却室との間で被熱処理物品を収容したカセットを上下または左右に移動させる駆動機構と、を備えていることを特徴とする真空加熱装置。
【請求項4】 上記真空加熱室が石英製の真空加熱室であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかの項に記載の真空加熱装置。
【請求項5】 上記加熱手段が断熱材内に発熱体を組み込んだヒータユニットであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかの項に記載の真空加熱装置。
【請求項6】 上記冷却室における冷却手段が板体に循環パイプをジグザグに組み込み、この循環パイプ中に冷却水を循環させるようにした冷却板であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかの項に記載の真空加熱装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液晶ディスプレイ素子、プラズマディスプレイ素子、フィールドエミッションディスプレイ(FED)素子やその他種々の電子部品等の被熱処理物品を効率よく真空加熱処理するための真空加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のような被熱処理物品を加熱処理するに当たっては、(1)被熱処理物品をステンレスのような金属製真空槽に入れ、減圧後この金属製真空槽の外周に配置した加熱装置によって上記真空槽内の被熱処理物品を加熱するという外熱式の加熱装置による方法、あるいは(2)ステンレスのような金属製真空槽内に複数の加熱板を入れ、このそれぞれの加熱板上に被熱処理物品を載せて減圧後加熱する内熱式の加熱装置による方法などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した(1)の加熱装置では真空槽内の被熱処理物品を500℃程度に加熱しようとすると、真空槽の温度は600〜700℃になるため、加熱前の室温から600〜700℃となる間でのヒートサイクルによって、真空槽を構成している材料の金属疲労が起こり、真空槽の劣化、溶接部分の割れなどが発生する恐れがある。また、これによって真空槽を加熱する際のエネルギーを無駄に消費するという問題が派生する。
【0004】また、(2)の加熱装置にあっては、真空槽内に配置した加熱板上に被熱処理物品を一枚ずつ載せて加熱するので、被熱処理物品の処理枚数が少なく、従って生産効率が悪いという欠点がある。さらに、上記した両装置とも真空槽内の被熱処理物品加熱部位以外にも熱が逃げるため加熱の効率が悪く、さらに加熱終了後の被熱処理物品を真空槽内で冷却させるので、被熱処理物品だけでなくヒータ及び真空槽をも冷却することになるため、冷却に非常に時間を要して効率が悪いという問題が指摘されている。
【0005】上記に鑑みて、この発明は被熱処理物品の真空加熱室での加熱を外熱式とし、この加熱前の減圧処理工程、加熱後の冷却処理工程を何れも上記真空加熱室とは別個の室で独立して実施するようにしたことによって、従来の加熱装置に比べて加熱処理全体の工程の短縮化と効率化を可能とする被熱処理物品の真空加熱装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に記載の発明は、カセットに収容した被熱処理物品を加熱処理する装置であって、真空加熱室と、この真空加熱室の下方に真空加熱室とゲートバルブを介して連通して設けた冷却室を兼ねる排気室と、上記真空加熱室を覆うようにその外周に配置した加熱手段と、上記真空加熱室および上記冷却室を兼ねる排気室に配管された排気装置と、上記冷却室を兼ねる排気室の内部側壁周囲に配置した冷却手段と、上記真空加熱室と上記冷却室を兼ねる排気室との間で被熱処理物品を収容したカセットを移動させる駆動機構と、を備えている被熱処理物品の真空加熱装置を特徴とするものである。
【0007】請求項2に記載の発明は、カセットに収容した被熱処理物品を加熱処理する装置であって、真空加熱室と、この真空加熱室の下方に真空加熱室とゲートバルブを介して連通して設けた排気室と、この排気室の一方側にゲートバルブを介して連通して設けたカセット導入室と、他方側にゲートバルブを介して連通して設けた冷却室と、上記真空加熱室を覆うようにその外周に配置した加熱手段と、上記各室に配管された排気装置と、上記冷却室の内部側壁周囲に配置した冷却手段と、上記真空加熱室と上記排気室および上記排気室とその両側に設けたカセット導入室と冷却室との間で被熱処理物品を収容したカセットを上下または左右に移動させる駆動機構と、を備えていることを特徴とするものである。
【0008】請求項3に記載の発明は、カセットに収容した被熱処理物品を加熱処理する装置であって、真空加熱室と、この真空加熱室の下方に真空加熱室とゲートバルブを介して連通して設けた排気室と、この排気室の両側または三方側面にゲートバルブを介して連通して設けた冷却室と、上記真空加熱室を覆うようにその外周に配置した加熱手段と、上記各室に配管された排気装置と、上記冷却室のそれぞれ内部側壁周囲に配置した冷却手段と、上記真空加熱室と上記排気室および上記排気室とその両側または三方側面に設けた冷却室との間で被熱処理物品を収容したカセットを上下または左右に移動させる駆動機構と、を備えていることを特徴とするものである。
【0009】請求項4に記載の発明は、上記請求項1乃至3の何れかの項において、上記真空加熱室が石英製の真空加熱室であることを特徴とする。
【0010】請求項5に記載の発明は、上記請求項1乃至4の何れかの項において、上記加熱手段が断熱材内に発熱体を組み込んだヒータユニットであることを特徴とするものである。
【0011】さらに、請求項6に記載の発明は、上記請求項1乃至5の何れかの項において、上記冷却室における冷却手段が板体に循環パイプをジグザグに組み込み、この循環パイプ中に冷却水を循環させるようにした冷却板であることを特徴とするものである。
【0012】上記請求項1に記載の真空加熱装置によれば、被熱処理物品の減圧処理、加熱処理、冷却処理の各工程をそれぞれ別個の室で連続して行うようにしたことで、例えば加熱処理後に真空加熱室の温度を極端に下げる必要がなくなるなどから、上記した加熱処理後に真空槽と被熱処理物品の両方を冷却しなければならない従来の装置に比べて全体の処理時間を著しく短縮することができる。また、真空加熱室での処理を外熱加熱としたことにより、真空加熱室内部にヒータ等の設置物がなくなり、被熱処理物品のみのクリーンな環境下で加熱処理を行うことができるので加熱処理された物品をより高精度のものとして得ることができる。
【0013】請求項2に記載の真空加熱装置によれば、被熱処理物品を真空加熱室下方の排気室で高真空排気する前に、この排気室に連通するカセット導入室にて低真空排気および高真空排気を行うことによって、大気におけるガスの吸着を除去して被熱処理物品の高真空排気を十分に行うことができるので、上記した請求項1による効果をさらに顕著なものとすることができる。
【0014】請求項3に記載の真空加熱装置によれば、真空加熱室下方の排気室の両側または三方側面にゲートバルブを介して排気室に連通する冷却室を設けたので、被熱処理物品の真空加熱室での加熱時間よりも長い時間を要する冷却工程を二または三室とした冷却室を交互に用いて実施することができ、上記した請求項1および2による効果をさらに大きく向上させることができる。
【0015】請求項4によれば、請求項1乃至3における真空加熱室を石英製の真空加熱室としたことにより、石英が赤外線を透過する性質から輻射熱の透過によって十分に被熱処理物品を加熱処理することができるので、金属製の真空容器に比べて外熱加熱の際の加熱温度を低く設定することができ、上記した請求項1乃至3による効果のほかにエネルギー消費量を抑えることができるのである。
【0016】請求項5によれば、真空加熱室内のカセットに収容されている被熱処理物品を外熱加熱する際の加熱手段として、断熱材内に発熱体を組み込んだヒータユニットを用いることで、ヒータからの熱を真空加熱室の壁面に集中させることができ、真空加熱室の昇温時間を短縮でき、生産性の向上、コストの低減を実現することができる。
【0017】請求項6によれば、冷却室での冷却手段として、冷却板にジグザグ状に組み込んだ循環パイプ中に冷却水を送水するようにしたので、最も時間を要する冷却工程を著しく短縮することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の真空加熱装置をその一実施形態を示す図に基づいて詳細に説明する。図1の加熱装置Aは、円筒形状の真空加熱室1、この真空加熱室1を覆うようにその外周に配置した加熱手段7および上記真空加熱室1に連通して設置されている排気室11とから構成されている。
【0019】上記真空加熱室1の材質としては、特に限定されず、従来のステンレス製でも差し支えないが、真空加熱室1の外周近くに真空加熱室1を覆うように配置される加熱手段7からの加熱時に輻射熱を十分に透過させることができ、真空加熱室1内での熱分布が均一となってステンレス製よりも被熱処理物品の加熱効率のよい石英製とすることがより好ましい。
【0020】また、真空加熱室1を覆うようにその外周に配置される加熱手段7としては、例えばセラミックファイバーのような断熱材よりなるブロック状または半円形状の成形体9にニッケル−クロム線、鉄−クロム−アルミニウム線、二珪化モリブデン線のような発熱体8を埋め込んだ図2(a)、(b)に示すような形状のヒータユニットが使用される。なお、10はこのヒータユニット7に電源リード線を接続する際の端子部である。
【0021】上記排気室11には真空排気のための真空ポンプ21およびターボ分子ポンプ25がそれぞれバルブ22、26を介して接続されている。さらに不活性ガス導入用リークバルブ18、排気用バルブ19が接続されている。また、真空加熱室1内を排気する排気装置としては、該真空加熱室1下方の中空のスルースリング5にバルブ36を介して真空ポンプ35、バルブ38を介してターボ分子ポンプ37が接続され、さらにリークバルブ39、排気用バルブ40が接続されている。そしてこれらによって、真空加熱室1と排気室11は同じ雰囲気とすることができるようになっている。なお、12は上記排気室11と大気との間を仕切るゲートバルブであり、加熱処理前後の被熱処理物品2を載せたカセット3の搬入、搬出はこのゲートバルブ12の開閉により行われる。
【0022】また、上記排気室11の下方には、モータのような駆動機構24が配置されており、排気室内で減圧処理された被熱処理物品2を載せたカセットの真空加熱室への移送、さらに真空加熱室で加熱処理された被熱処理物品2の排気室への移送を行うものである。
【0023】さらに、上記排気室11は、真空加熱室1内で加熱処理された被熱処理物品の冷却室11としても使用されるため、その内部外周に冷却手段14が配置されている。この冷却手段14は図3に示すように、冷却水循環パイプ15をジグザグ状に内部に埋め込んだ冷却板14であり、該排気室11の各側壁に配置されていて、冷却水は矢印16のように下方からパイプ中を流れるようになっている。
【0024】以下、上記した構成よりなる図1の真空加熱装置Aの動作を被熱処理物品としてガラス基板を用いて説明する。まず、カセット3の両側面の溝部3a、3aに嵌め込むようにして複数枚のガラス基板2、2・・・をセットしたカセット3を真空加熱室1の下方にゲートバルブ4を介して連通して設けた排気室11内にゲートバルブ12を開けて装入する。
【0025】次に、上記排気室11内に接続している配管のバルブ22を開け、真空ポンプ21を作動し真空計23にて測定しつつ排気室11内を10-3Torr程度まで真空排気する。その後、バルブ22を閉め、バルブ26を開けてターボ分子ポンプ25によりさらに真空排気し、真空計28で測定しながら10-6〜10-7Torr程度の減圧にするとともに、排気室11内のガラス基板2、2・・・を清浄にする。同時に真空加熱室1内もバルブ36を開けて真空ポンプ35により、さらにバルブ38を開けてターボ分子ポンプ37により上記排気室11と同程度まで真空排気する。
【0026】真空排気後バルブ26、38を開けたまま、排気室11の下方に設置されているモータのような駆動機構24の先端を排気室11内のカセット3に接触させ、駆動機構24の作動によりカセット3を押し上げ、ゲートバルブ4を開け、その上の中空スルースリング5を通って真空加熱室1内に装着する。かくして、カセット3を真空加熱室1内に装着後、真空加熱室1の外側周囲に近接した位置に配置されている加熱手段(ヒータユニット)7に通電して真空加熱室1内のガラス基板2、2・・・を500℃で約3時間加熱する。
【0027】一方、上記の加熱時間が終わりに近づいてきたら、真空加熱室1下方の真空雰囲気の排気室11内の側壁周囲に配置されている冷却手段、即ち冷却板14内にジグザグに埋め込まれている循環パイプ15に冷却水を循環させて排気室11を冷却室11とする作業を行う。
【0028】上記真空加熱室1内での上記の加熱時間が経過したら、ヒータユニット7の通電を止め、そのまま真空雰囲気の真空加熱室1内にて加熱処理されたガラス基板2、2・・・を300〜400℃程度まで放冷させる。
【0029】これは、500℃近辺で約3時間の加熱処理をしたガラス基板2、2・・・を直ちに冷却水を循環させている冷却室に移した時に生ずる恐れのある急激な熱ショックによるガラス基板2の変質を避けるためである。
【0030】次いで、真空加熱室1内で300〜400℃程度まで放冷させたガラス基板2、2・・・を載せたカセット3を、ゲートバルブ4を開けて駆動機構24により真空雰囲気の冷却室11内に移送する。その後、ゲートバルブ4を閉めて冷却水を循環させている冷却室11内で冷却を続ける。ガラス基板2、2・・・の温度が100〜200℃程度にまで下がったら、冷却室11に配管されているターボ分子ポンプ37のバルブ38を閉め、リークバルブ18を開いて冷却室11内にアルゴン、窒素などの不活性ガスを導入して冷却室11内を大気圧に戻したうえ室温程度まで冷却する。この冷却終了後、ゲートバルブ12を開けてカセット3をこの装置系外へ搬出することによりガラス基板2、2・・・の加熱処理は終了する。なお、上記の冷却に要する時間は約3〜4時間である。
【0031】図4はこの発明の真空加熱装置の他の実施形態を示す構成図である。上述の図1の装置Aと異なるのは排気室と冷却室の構成である。図1の装置Aでは真空加熱室1とゲートバルブ4を介して連通して設けた排気室11が冷却室を兼ねる構成であったが、図4の装置Bでは真空加熱室1とゲートバルブ4を介して連通して設ける排気室に対し、カセット導入室と冷却室を排気室とは区分して別個に配置したものである。なお、図4において図1の装置Aと同じ部分には同じ符号を付してその説明は省略する。
【0032】図4の加熱装置Bは、真空加熱室1の下方にゲートバルブ4を介して排気室11aが連通するように設けられ、この排気室11aの一方側(図においては右側)にカセット導入室11bがゲートバルブ31を介して接続されている。また、上記排気室11aの他方側には冷却室13がゲートバルブ32を介して接続されている。そして、33はカセット導入室11bと大気との間を仕切り、加熱処理される被熱処理物品2を載せたカセット3の搬入が行われるゲートバルブであり、34は冷却室13と大気との間を仕切り、加熱処理を終わった被熱処理物品2を載せたカセット3を搬出するゲートバルブである。
【0033】上記のように真空加熱室1、排気室11a、カセット導入室11b、冷却室13および加熱手段7より構成される図4の装置Bにおいては、排気装置は上記の各室に配管されている。即ち、真空加熱室1にはその下方の排気室11aとの間を仕切るゲートバルブ4の上に位置する中空のスルースリング5にバルブ36を介して真空ポンプ35、バルブ38を介してターボ分子ポンプ37が接続され、さらにリークバルブ39および排気用バルブ40が接続されている。排気室11aには、バルブ22を介して真空ポンプ21、バルブ26を介してターボ分子ポンプ25が、さらにリークバルブ18および排気用バルブ19が接続されている。また、カセット導入室11bにはバルブ42を介して真空ポンプ41、バルブ44を介してターボ分子ポンプ43、リークバルブ45および排気用バルブ46が接続され、冷却室13にはバルブ48を介して真空ポンプ47、バルブ52を介してターボ分子ポンプ51、そしてリークバルブ53および排気用バルブ54が接続されている。
【0034】なお、24は真空加熱室1と排気室11aとの間でカセット3の上下動作を行う駆動機構であり、49および50は排気室11aとカセット導入室11bおよび冷却室13との間でカセット3の搬入、搬出動作を行う駆動機構である。
【0035】この装置Bの基本的な動作は上述した図1の装置Aとほぼ同じである。その動作を説明すると、まず、複数枚のガラス基板2、2・・・をセットしたカセット3をゲートバルブ33を開けてカセット導入室11b内に装入する。そして、このカセット導入室11bに接続している配管のバルブ42を開け、真空ポンプ41により該室11b内を10-3Torr程度まで真空排気する。次いで、バルブ42を閉め、バルブ44を開けてターボ分子ポンプ43によって10-4〜10-5Torr程度まで高真空排気してガラス基板を清浄にする。それと同時に、排気室11aはバルブ22を開け、真空ポンプ21により、さらにバルブ26を開けてターボ分子ポンプ25により高真空排気し、また真空加熱室1はバルブ36を開け、真空ポンプ35により、さらにバルブ38を開けてターボ分子ポンプ37により、それぞれ同程度まで高真空排気しておく。
【0036】その後、バルブ38を開けたまま、ゲートバルブ31を開けて高真空排気されたカセット3をカセット導入室11bから排気室11a内に駆動機構49によって移送し、さらに、排気室11aから該排気室11の下方に設置されているモータのような駆動機構24の作動によりカセット3を押し上げ、ゲートバルブ4を開け、その上の中空スルースリング5内を通って高真空排気されている真空加熱室1内にカセット3を装着する。その後、上述した図1の装置におけると同様にして真空加熱室1の外周に近接して配置されているヒータユニット7に通電して真空加熱室1内のガラス基板2、2・・・を加熱する。
【0037】上記の加熱が終わったら、ヒータユニット7の通電を止め、そのまま高真空雰囲気の真空加熱室1内にて加熱処理されたガラス基板2、2・・・を300〜400℃程度まで放冷する。この放冷の間に冷却室13はバルブ48を開けて真空ポンプ47により、さらにバルブ52を開けてターボ分子ポンプ51により高真空排気をしておくとともに、該室内の側壁周囲に配置されている冷却手段、即ち冷却板14内の循環パイプ15に冷却水を循環させておく。
【0038】次に、上記真空加熱室1内で300〜400℃程度まで放冷させたガラス基板2、2・・・を載せたカセット3を、ゲートバルブ4の開閉と駆動機構24の作動により高真空雰囲気に調整されている排気室11aに移送し、さらに排気室11aからゲートバルブ32を開けて、既に冷却水を循環させている高真空雰囲気の冷却室13内に駆動機構50により移送する。そして、高真空雰囲気の冷却室13内で100〜200℃程度まで冷却したのち、該冷却室13に配管されているターボ分子ポンプ51のバルブ52を閉め、リークバルブ53により不活性ガスを導入して大気圧雰囲気に戻して室温程度まで冷却する。その後、ゲートバルブ34を開けてカセット3を系外へ搬出する。
【0039】上記した図4の装置Bによれば、ガラス基板2、2・・・の排気工程、加熱工程、冷却工程をそれぞれ別々の室にて実施できるようにしたので、それぞれの工程で違いのある処理時間を調節することで、この一連の加熱処理工程を連続作業として実施することができるのである。
【0040】図5は、この発明のさらに他の実施形態を示す加熱装置Cの構成図である。上述した図4の装置Bと異なるのは排気室と冷却室の構成である。図4の装置Bでは排気室11aにゲートバルブ31を介してカセット導入室11bおよびゲートバルブ32を介して冷却室13を設けた構成で、被熱処理物品の特性、寸法、用途その他の性質によって加熱前の被熱処理物品の高真空清浄度合いを特に要求される場合に対応した構成であったが、図5の装置Cでは排気室11aの両側にゲートバルブ32、32aを介して二室の冷却室13、13aを配置したものである。なお、図5において図4の装置Bと同じ部分には同じ符号を付してその説明は省略する。
【0041】図5の加熱装置Cは、真空加熱室1の下方にゲートバルブ4を介して連通するように設けた排気室11aの両側にゲートバルブ32、32aを介して冷却室13、13aが設けられている。そして、加熱処理される被熱処理物品2を載せたカセット3は、排気室11aの下方に大気との間を仕切るために設けられているゲートバルブで12によって排気室11aに搬入される。34、34aはそれぞれ冷却室13、13aと大気とを仕切り、加熱処理を終わった被熱処理物品2を載せたカセット3を搬出するゲートバルブである。
【0042】上記のように真空加熱室1、排気室11a、冷却室13、13aおよび加熱手段7より構成される図5の装置Cにおいては、排気装置は図4の装置Bにおけると同様に上記の各室に配管されている。即ち、真空加熱室1にはその下方の排気室11aとの間を仕切るゲートバルブ4の上に位置する中空のスルースリング5にバルブ36を介して真空ポンプ35、バルブ38を介してターボ分子ポンプ37が接続され、さらにリークバルブ39および排気用バルブ40が接続されている。排気室11aには、バルブ22を介して真空ポンプ21、バルブ26を介してターボ分子ポンプ25が、さらにリークバルブ18および排気用バルブ19が接続されている。また、冷却室13と13aにはバルブ48、48aを介して真空ポンプ47、47aが、バルブ52、52aを介してターボ分子ポンプ51、51aが接続され、さらに、それぞれにリークバルブ53、53aおよび排気用バルブ54、54aが接続されている。
【0043】なお、24は真空加熱室1と排気室11aとの間でカセット3の上下作動を行う駆動機構であり、50および50aは冷却室13、13aで冷却処理の終わったカセット3の搬出動作を行う駆動機構である。
【0044】この装置Cの基本的な動作は上述した図1および図4の装置Bとほぼ同じである。その動作を説明すると、まず、上述の図1の場合と同じようにして複数枚のガラス基板2、2・・・をセットしたカセット3をゲートバルブ12を開けて排気室11a内に装入する。そして、この排気室11aに接続している配管のバルブ22を開け、真空ポンプ21により該室11a内を10-3Torr程度まで真空排気したのち、バルブ26を開け、ターボ分子ポンプ25によって10-6〜10-7Torr程度の高真空排気をして清浄にするとともに該室11a内のガラス基板2、2・・・を清浄にする。この排気室11a内の真空排気と同時に、真空加熱室1も配管されている真空ポンプ35およびターボ分子ポンプ37によって同程度の高真空排気をしておく。
【0045】その後、排気室11aの下方に設置されている駆動機構24によりカセット3を押し上げ、ゲートバルブ4を開け、その上の中空スルースリング5内を通って高真空排気されている真空加熱室1内にカセット3を装着する。その後、上述した図1および図4の装置におけると同様にして真空加熱室1の外周に近接して配置されているヒータユニット7に通電して真空加熱室1内のガラス基板2、2・・・を加熱する。
【0046】上記の加熱が終わったら、上記と同様にしてヒータユニット7の通電を止めた高真空下の真空加熱室1内にて加熱処理されたガラス基板2、2・・・を300〜400℃程度まで放冷する。この放冷の間に冷却室13、13aのうち一方の冷却室、例えば冷却室13を、配管されているバルブ48を開けて真空ポンプ47により、さらにバルブ52を開けてターボ分子ポンプ51により排気したのち、該室内の側壁周囲に配置されている冷却手段、即ち冷却板14内の循環パイプ15に冷却水を循環させておく。
【0047】次に、真空加熱室1内で300〜400℃程度まで放冷させたガラス基板2、2・・・を載せたカセット3を、ゲートバルブ4を開き駆動機構24の作動により高真空雰囲気の排気室11aに移送し、さらに排気室11aからゲートバルブ32を開けて、既に冷却水を循環させている高真空下の冷却室13内に駆動機構50により移送する。そして、この冷却室13内で冷却を続け、ガラス基板2、2・・・の温度が100〜200℃程度にまで下がったところで冷却室13に配管されているターボ分子ポンプ51のバルブ52を閉め、リークバルブ53から冷却室13内に不活性ガスを導入して該室内を大気圧に戻し、室温程度まで冷却させる。その後、ゲートバルブ34を開けてカセット3を系外へ搬出する。また、他方の冷却室13aは、続いて排気、加熱を行ったガラス基板2、2・・・を載せたカセット3の冷却時に上記と同様にして使用される。
【0048】上記した図5の装置Cによれば、ガラス基板2、2・・・の排気工程、加熱工程、冷却工程をそれぞれ別々の室にて実施できるようにするとともに、冷却室を13、13aと二室有する構成としたので、これらの加熱処理工程のなかでも最も時間を要する冷却工程を上記二室の冷却室を交互に用いて実施できることとなり、この一連の加熱処理工程を連続作業として実施することができるのである。
【0049】図6は、この発明のさらに他の実施形態を示す加熱装置Dの概略構成図である。上述した図5の装置Cと異なるのは、図5の装置Cにおける二室の冷却室13、13aに、さらに13bの冷却室を設けて冷却室を三室構成としたことである。これにより、一連の加熱処理工程を繰り返し実施する場合において、最も時間を要する冷却工程を図5の装置Cにおけるよりもさらにスムースに進めることができ、より迅速な連続作業が可能である。なお、その動作は図5の装置Cの場合と同様であるから説明を省略する。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の真空加熱装置は、請求項1に記載の装置によれば、被熱処理物品の減圧処理、加熱処理、冷却処理の各工程をそれぞれ別個の室で行いながら、それらを連続して行うようにしたことで、加熱処理後に真空加熱室の温度を極端に下げる必要がなく、全体の処理時間を短縮することが可能である。また、真空加熱室での加熱処理を外熱加熱としたことで、真空加熱室内に被熱処理物品を載せたカセット以外には設置物がないので、クリーンな環境のもとで加熱処理が行え、高精度の加熱処理物品を得ることができる。
【0051】請求項2に記載の装置によれば、被熱処理物品の真空加熱室での加熱処理に先立つ排気処理をカセット導入室、排気室によって十分に行うことで、真空加熱室での外熱加熱処理の際の加熱を均一に行うことができ、また冷却工程を独立した冷却室で行うことで、上記した請求項1による効果をさらに高精度なものとすることができる。
【0052】請求項3に記載の装置によれば、排気室にゲートバルブを介して連通するように設けられる冷却室を二室または三室の構成としたことで、被熱処理物品の真空加熱室での加熱処理時間よりも長い時間を要する冷却工程を上記複数の冷却室を交互に用いて行うことができ、一連の加熱処理工程を繰り返し連続して、しかも高精度な加熱処理品を得ることができる。
【0053】請求項4に記載の装置によれば、真空加熱室を赤外線を透過する性質を有する石英製としたことで、従来の金属製真空加熱室に比べて外部加熱温度を低く設定しながらも十分な加熱処理が可能であり、上記請求項1〜3における効果に加えて省エネルギー化に寄与するものである。
【0054】また、請求項5の発明によれば、真空加熱室内での被熱処理物品の外熱処理を、その加熱手段として断熱材内に発熱体を組み込んだヒータユニットを用いることで真空加熱室の壁面を集中して加熱することができ、真空加熱室内の加熱時間の短縮により生産性の向上、コストの低減を図ることができる。
【0055】さらに、請求項6の発明によれば、冷却室での冷却手段として、循環パイプをジグザグ状に組み込んだ冷却板を用い、該循環パイプ中に冷却水を循環させて冷却室に移送した被熱処理物品を冷却するようにしたので、最も時間を要する冷却工程の所要時間を著しく短縮することができる。
【出願人】 【識別番号】392012951
【氏名又は名称】アユミ工業株式会社
【出願日】 平成11年6月23日(1999.6.23)
【代理人】 【識別番号】100062993
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 浩 (外2名)
【公開番号】 特開2001−4282(P2001−4282A)
【公開日】 平成13年1月12日(2001.1.12)
【出願番号】 特願平11−176702