| 【発明の名称】 |
アーク炉用電極昇降装置の制御方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】春日 利明
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| 【要約】 |
【課題】アーク炉において、スクラップの山崩れ現象などが発生して、電極を急速に上昇させて、電極の電流を減流し、通常時の動作に戻るときの制御方法を提供する。
【解決手段】電極昇降装置8に内蔵する制御回路8bに、電極3の電流を検出する電流検出器6の検出値に対応して徐々に速度設定値を減少させる速度設定値演算回路21を設け、電極3の電流が過電流になったときに、この速度設定値に基づいて電極3の上昇させ、電極3の電流が減流して通常動作に入るときのアーク切れや、減流し過ぎを回避する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】電極を昇降させることにより炉内のスクラップを溶解させるアーク炉用電極昇降装置において、前記電極昇降装置は、前記電極とスクラップとの間の電流を監視し、該電流が予め定めた上限電流レベルを超えたときには、急速上昇速度設定値に基づいて前記電極の上昇動作を行い、前記急速上昇速度設定値に基づく前記電極の上昇動作中に、該電極とスクラップとの間の電流が前記上限電流レベル以下になったときには、前記電極とスクラップとの間のその都度の電流値に対応して、前記急速上昇速度設定値から徐々に低減させた上昇速度設定値に基づいて、該電極の上昇動作を行うことを特徴とするアーク炉用電極昇降装置の制御方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、電極を昇降させることにより炉内のスクラップを溶解させるアーク炉用電極昇降装置の制御方法に関する。 【0002】 【従来の技術】図3は、この種のアーク炉として、交流アーク炉の構成を示す回路図である。図3において、1は炉用遮断器、2は負荷時タップ切換器を具備した炉用変圧器、3は人造黒鉛などから構成される電極、4は炉体、5は炉体4内の溶解原料としてのスクラップ、6は電極3に流れるアーク電流を検出する計器用変流器(CT),整流器などからなる電流検出器、7は電極3とスクラップ5との間のアーク電圧を検出する計器用変圧器(PT),整流器などからなる電圧検出器、8は電極3を昇降させるために、ワイヤ,電動機,該電動機の制御回路(参照符号8a又は8b)などからなる電極昇降装置である。 【0003】図4は、図3に示した電極昇降装置8に内蔵する従来の制御回路8aの詳細回路構成図である。このアーク炉が通常運転時には、制御回路8aは炉用変圧器2のタップ切換器によるタップ位置で電極3に印加された電圧を検出する電圧検出器7の検出値と、電極3とスクラップ5との間の間隔、すなわち、アーク長に基づく電流を検出する電流検出器6の検出値との乗算演算を電力演算器11で行い、このアーク炉に投入された電力を求め、求めた電力と電力設定器12で設定された電力設定値との偏差を零にする調節演算を電力調節器13で行い、この調節演算値を電極3の上昇/下降の速度設定値として、切替スイッチ14を介して半導体電力変換回路などで形成される電動機駆動回路15に入力され、電動機駆動回路15により前記電動機を前記速度設定値で正転/逆転させる動作を行って、電極3を上昇又は下降させる。 【0004】このアーク炉において、例えば稼働開始直後の通常運転中には、電極3の周りのスクラップ5が溶け、電極3が穴を掘るようにして下降していく。このとき、いわゆる山崩れと呼ばれる現象が発生し、電極3の周りのスクラップ5が崩れて電極3にぶつかり、電極3の電流が過電流になることがある。 【0005】そこで、電極3の電流が上限電流レベル(通常運転時の定格電流の120%程度)以上になると、電流監視回路16がこれを検知して、切替スイッチ14の接点を図示の上側に閉路させ、速度設定器17で設定される急速上昇速度設定値が電動機駆動回路15へ入力され、電動機駆動回路15により前記電動機を介して電極3を急速に上昇させ、その結果、電極3の電流が下限電流レベル(通常運転時の定格電流の80%程度)以下になると、電流監視回路16がこれを検知して、切替スイッチ14の接点を図示の下側に閉路させ、上述のアーク炉が通常運転時の動作に戻るようにしている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上述の従来のアーク炉用電極昇降装置の制御方法によると、電極3の電流が前記上限電流レベル以上になると急速に電極3を上昇させ、この急速上昇動作に伴い、電極3の電流が前記下限電流レベル以下になると、電極3の急速上昇動作を停止させているが、このときの応答遅れなどに起因して、電極3の引き上げ過ぎによるアーク切れ(アーク電流が零)や、減流し過ぎを起こし、これを回復させるために、このアーク炉の操業時間が長くなるという問題があった。この発明の目的は、上記問題点を解決するアーク炉用電極昇降装置の制御方法を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】この発明は、電極を昇降させることにより炉内のスクラップを溶解させるアーク炉用電極昇降装置の制御方法において、前記電極昇降装置は、前記電極とスクラップとの間の電流を監視し、該電流が予め定めた上限電流レベルを超えたときには、急速上昇速度設定値に基づいて前記電極の上昇動作を行い、前記急速上昇速度設定値に基づく前記電極の上昇動作中に、該電極とスクラップとの間の電流が前記上限電流レベル以下になったときには、前記電極とスクラップとの間のその都度の電流値に対応して、前記急速上昇速度設定値から徐々に低減させた上昇速度設定値に基づいて、該電極の上昇動作を行うことを特徴とし、その結果、前記電極の引き上げ過ぎによるアーク切れや、減流し過ぎを防止することができる。 【0008】 【発明の実施の形態】図1は、この発明の実施例を示す図3に示した電極昇降装置8に内蔵する制御回路8bの詳細回路構成図であり、図4に示した従来例回路と同一機能を有するものには同一符号を付している。すなわち、図1に示した制御回路8bには、図4に示した速度設定器17に換えて、速度設定値演算回路21を備えている。 【0009】この制御回路8bによるアーク炉の通常運転時の動作は先述の制御回路8aと同様である。従って、ここでは速度設定値演算回路21の動作を中心に、図2に示した特性曲線図を参照しつつ、説明をする。 【0010】このアーク炉において、例えば稼働開始直後の通常運転中には、電極3の周りのスクラップ5が溶け、電極3が穴を掘るようにして下降していく。このとき、いわゆる山崩れと呼ばれる現象が発生し、電極3の周りのスクラップ5が崩れて電極3にぶつかり、電極3の電流が過電流になることがある。 【0011】そこで、電極3の電流が上限電流レベル(通常運転時の定格電流の120%程度)以上になると、電流監視回路16がこれを検知して、切替スイッチ14の接点を図示の上側に閉路させ、速度設定値演算回路21で設定される上昇速度設定値(100%=速度設定器17の急速上昇速度設定値)が電動機駆動回路15へ入力され、電動機駆動回路15により前記電動機を介して電極3を急速に上昇させて電極3の電流を減流させ、この減流した電流が前記上限電流レベル以下になると、電流検出器6の検出値に対応して、図2に示す如く、前記上昇速度設定値(100%)から徐々に低減させた上昇速度設定値に基づいて、電極3の上昇動作を行い、その結果、電極3の電流が下限電流レベル(通常運転時の定格電流の80%程度)以下になると、電流監視回路16がこれを検知して、切替スイッチ14の接点を図示の下側に閉路させ、このアーク炉が上述の通常運転時の動作に戻るようにしている。 【0012】このとき、電極3の電流が前記下限電流レベル付近では、図2に示す如く、速度設定値演算回路21が出力する上昇速度設定値は初期値の50%程度となり、応答遅れなどに起因する電極3の引き上げ過ぎによるアーク切れや、減流し過ぎを防止することができる。 【0013】なお、図2に示した速度設定値演算回路21の特性例では下に凸の状態に、電流検出器6の検出値に対応して上昇速度設定値を変化させているが、例えば、ほぼ直線状に変化させてもよい。 【0014】 【発明の効果】この発明によれば、例えば前記山崩れ現象が発生したときには、これを検知して電極を急速に上昇させることにより、該電極の過電流継続期間をより短くして、このアーク炉に備える過電流継電器が動作して溶解動作を停止させるのを回避し、さらに、減流した電極の電流値に対応して電極の上昇速度を徐々に減少させることにより、電極の引き上げ過ぎによるアーク切れや、減流し過ぎを防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005234 【氏名又は名称】富士電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年6月24日(1999.6.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088339 【弁理士】 【氏名又は名称】篠部 正治
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| 【公開番号】 |
特開2001−4281(P2001−4281A) |
| 【公開日】 |
平成13年1月12日(2001.1.12) |
| 【出願番号】 |
特願平11−177570 |
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