| 【発明の名称】 |
アルミニウム溶解炉の内張り構造およびその内張り施工方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡田 民雄
【氏名】白石 邦彦
【氏名】大橋 秀明
【氏名】鈴木 裕之
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| 【要約】 |
【課題】アルミニウム溶解炉の内張り壁において、不定形耐火物が多量の水を加えているのでその乾燥に時間がかかり、施工期間が長期になるなどの問題がある。さらに、目地がない一体成形であることから、使用後の解体時一枚岩のようになって解体が極めて困難になるという問題がある。
【解決手段】本発明は、アルミニウム溶解炉の内張り施工部1の容量の少なくとも25%以上を耐火性煉瓦ブロック2が占め、残部を不定形耐火物3で該煉瓦煉瓦ブロックを埋設するように充填した後、乾燥硬化させた内張り構造に関するものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】アルミニウム溶解用及び保持用のアルミニウム溶解炉において、アルミニウム溶湯と接触する内張り施工部が、不定形耐火物と該耐火物内に分散状態に埋入された耐火性煉瓦ブロック及び/又は該煉瓦ブロックのスクラップから構成され、且つ上記耐火性煉瓦ブロックは内張り施工部の容積の少なくとも25%を占め、残部を不定形耐火物が占めていることを特徴とするアルミニウム溶解炉の内張り構造。 【請求項2】不定形耐火物がキャスタブル耐火物及び/又はプラスチック耐火物であり、煉瓦ブロックがアルミナ質或いは炭化珪素質の煉瓦ブロック及び/又は不定形耐火物のスクラップブロックであることを特徴とする請求項1に記載の内張り構造。 【請求項3】アルミニウム溶解炉の内張り施工部に、耐火性煉瓦ブロックと不定形耐火物とを、不定形耐火物中に煉瓦ブロック及び/又は煉瓦ブロックのスクラップが少なくとも25%を占めるように充填し、不定形耐火物を乾燥硬化させることを特徴とする、内張り構造の施工方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム溶解炉の内張り構造およびその施工方法に関する。 【0002】 【従来の技術】アルミニウム溶解炉には、耐熱性、耐熱衝撃性及び溶融金属に対する耐食性に優れたアルミナ質または炭化珪素質耐火物が内張り用として使用されている。とりわけ溶湯圧が大きくなる貯湯部の内張り材として、溶融アルミニウムに対する浸透性が少なく気孔率の小さな緻密組織の煉瓦が使用されている。このような緻密質煉瓦は、原料と結合材からなる杯土を高圧成形し、高温焼成して製造される。高圧成形によって充填密度を大きくでき、高温焼成によって十分に焼き固めることができる。 【0003】煉瓦による内張りでは、煉瓦目地からの溶湯の浸透を少なくする為に、煉瓦は大型のブロックで内張りするのが望ましい。しかしながら、高圧成形をするには大規模な設備が必要になる関係で、大型煉瓦ブロックの製造が困難である。これに対して、近年大型煉瓦ブロックを容易に製造可能にする為および省エネ化という観点から成形圧や焼成温度を下げた煉瓦の開発が行われ、実用化されてきている。 【0004】本出願人においても、高圧成形或いは高温焼成の製造工程をとらないで緻密なアルミナ煉瓦を製造できる発明をし、特公平3−43224号公報(特許登録第1679359号)で公開した。この煉瓦は、アルミナ原料に耐火粘土及び燐酸アルミニウムを混合した杯土を低圧成形し数百度の低音で加熱焼成して製造できるもので、耐火粘土及び燐酸アルミニウムの結合成分の作用効果によって、圧縮強さが170MPa、気孔率が16.5%で平均気孔径が0.48μmの高強度低気孔率を特徴としたアルミナ煉瓦に関するものである。溶湯の浸透が極めて少ない大型の煉瓦ブロックが容易に製造可能になった。この結果、大型化によって目地を減らすことができるので、アルミニウム溶解炉の炉底や炉壁などに使用できるようになった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、煉瓦による内張りは、煉瓦およびその隙間をモルタルで充填するので、長時間使用すると、煉瓦と目地モルタルとのわずかな隙間を通して溶湯が浸透し炉の外殻鉄皮に達する。また、溶湯が煉瓦組織の気孔またはヘアラックを通して溶湯が浸透したりする。浸透した煉瓦組織は煉瓦素地と異質なものとなり、熱膨張差によって煉瓦の亀裂が進行する。したがって、これら溶湯の浸透が大きくなると内張り壁に大きな亀裂が生じるとともに、炉壁からの拡散熱が大きく、熱損失が大きくなる為、内張り壁は解体修理をしなければならなくなる。内張り壁の解体によって生じた廃煉瓦は、地金の混入、破損状態を選別して再利用するのであるが、再利用にあたっては廃煉瓦を粉砕し、整粒し、混合しなければならず、製造コストが高くなる。したがって、廃煉瓦の再利用率は低いのが実情である。 【0006】築炉施工作業の省力化の進捗によって各種の炉の築炉に不定形耐火物の使用が広く行われている。アルミニウム溶解炉においても、不定形耐火物による一体成形した内張り壁の施工が行われている。しかしながら、施工後の強度が十分でないか、昇温作業が容易でなく、不定形耐火物は多量の水を加えているのでその乾燥に時間がかかり、施工期間が長期になるなどの問題がある。さらに、目地がない完全一体成形であることから、使用後の解体時一枚岩のようになって解体が極めて困難になるという問題がある。 【0007】本発明は上記従来の問題点を一掃し、内張り施工工期の短縮及び内張り解体作業労力の軽減更には廃煉瓦のリサイクルを可能にしたアルミニウム溶解炉の内張りの構造を提供することを目的として成されたものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明はアルミニウム溶湯と接触する内張りが、不定形耐火物層と該耐火物内に分散状態に埋入された耐火性煉瓦ブロック及び/又は該煉瓦ブロックのスクラップから構成され、耐火性煉瓦ブロックは内張りの容積の少なくとも25%を占め、残部を不定形耐火物が占めていることを特徴とするアルミニウム溶解炉の内張り構造に係る。 【0009】本発明によれば、不定形耐火物が、アルミナ質或いは炭化珪素質のキャスタブル耐火物又はプラスチック耐火物であり、上記煉瓦ブロックが、アルミナ質又は炭化珪素質煉瓦ブロックであることが好ましい。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。 【0011】図1は本発明に係るアルミニウム溶解炉の内張り構造を示し、該内張り構造は、内張り施工部1に耐火性煉瓦ブロック2と不定形耐火物3とを、該不定形耐火物3中に上記煉瓦ブロック2が分散状に埋入されるように充填し、しかる後不定形耐火物3を乾燥硬化させることにより得られる。 【0012】耐火性煉瓦ブロック2としては、例えば高圧成形品、高強度低気孔品、不定形耐火物のプレキャスト成形未使用品、或いは使用後、解体して回収された煉瓦ブロック或いは不定形耐火物のスクラップのいずれも単独で使用できる。また、これらを混合させても使用できる。上記煉瓦ブロックの材質は、高強度低気孔アルミナ質あるいは炭化珪素質である。望ましくは、上記煉瓦ブロック及びスクラップ煉瓦ブロックの大きさは少なくとも半枡(JISの並型の1/2で115×114×65mm)以上である。 【0013】また、上記煉瓦ブロックは形状あるいは寸法が一様である必要が無い為、廃煉瓦(即ち耐火性煉瓦ブロックのスクラップ)でもリサイクル可能である。 【0014】不定形耐火物3としては、キャスタブル耐火物及び/またはプラスチック耐火物を使用することができる。 【0015】好ましくは、煉瓦ブロック2と不定形耐火物3の材質は同一のものを用い、熱膨張差などによる亀裂を防ぐことが望ましい。 【0016】内張り部に占める煉瓦ブロック2の容積の割合は、少なくとも25%が必要であり、通常は25%〜60%程度の範囲内から適宜選択される。内張りの残部を不定形耐火物3が占める。 【0017】また煉瓦ブロックは不定形耐火物を介して結合するので、両者は完全一体成形物にはならず、解体時両者の分離を容易に行うことができる。 【0018】煉瓦ブロックの占める割合が25%に達しない場合は、不定形耐火物の占める割合が高くなり、乾燥時間および施工工期の短縮、或いは解体作業が困難になるという理由で好ましくない。また、上記割合が60%を超える場合は不定形耐火物の占める割合が非常に少なくなり、ブロック同士の結合強度が不十分となる傾向となり、好ましくない。また、内張り施工部1のアルミニウム溶湯に接触する側は、少なくとも約50mm以上不定形耐火物で覆われることが好ましい。 【0019】内張り施工部1のアルミニウム溶湯接触面を不定形耐火物で覆うことにより、煉瓦とモルタルとの隙間からの溶湯の差込み浸透がなくなり、耐久性が著しく向上する。 【0020】以下に、実施例をあげ本発明を更に詳しく説明する。 【0021】アルミナ原料90重量%、耐火粘土10重量%を十分に混合した粉体に対し外掛けで濃度50重量%の燐酸アルミニウム溶液4重量%、水3.5重量%をミキサーで混練し耐火煉瓦製造用(市販品)のフリクションプレスを用いてJIS並型煉瓦形状(230×114×65mm)に成形し、乾燥後、1000℃で加熱した。この煉瓦ブロックの物理的性質は、圧縮強さ170MPa、気孔率16.5%、平均気孔径0.48μmであった。この高強度低気孔率アルミナ煉瓦ブロックをアルミニウム溶解炉の内張り材に3年間使用した。 【0022】使用後、解体した廃煉瓦を回収し、アルミニウム溶解炉の内張りの埋設ブロックに使用した。該ブロックをアルミニウム溶解炉の厚さ300mmの炉底部に敷き周囲を、アルミナ原料90重量%、及び平均粒径0.1μmのシリカ超微粉5重量%、及びアルミナセメント5重量%を混合してなるキャスタブル耐火物で充填した。キャスタブルは800℃焼成後の物理的性質が、圧縮強さ105MPa、気孔率15.1%、平均気孔径0.8μmの緻密な耐火物であった。内張りの上側はキャスタブル耐火物で50mm厚さに覆った。廃煉瓦ブロックの施工厚さ300mmの内張り耐火物に占める割合は、50容量%であった。内張りを二日間乾燥して使用した。三年間使用しているが、浸透或いは差込みなどの支障はなく使用されている。 【0023】上記実施例と、従来技術による施工方法との比較を、表1に示す。 【0024】 【表1】
【0025】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、以下の効果が得られる。 (1)内張りへの溶湯浸透がなくなり耐久性が著しく向上する。 (2)内張りの施工工期を短縮できる。 (3)内張りの解体作業が容易になる。 (4)廃煉瓦のリサイクルができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】592134871 【氏名又は名称】日本坩堝株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年6月21日(1999.6.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100065215 【弁理士】 【氏名又は名称】三枝 英二 (外8名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−4280(P2001−4280A) |
| 【公開日】 |
平成13年1月12日(2001.1.12) |
| 【出願番号】 |
特願平11−174360 |
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