| 【発明の名称】 |
直接精練容器 |
| 【発明者】 |
【氏名】セシル ピーター ベイツ
【氏名】ピーター ダミアン バーク
【氏名】ロドニイ ジェームズ ドライ
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| 【要約】 |
【課題】直接精練容器で使用される、排ガスにより同伴される溶融物質と固形物の損失を最小限に抑えることができる排ガスダクトを提供する。
【解決手段】溶融金属層とその上の溶融スラグ層とを含む精練容器は、炉床;炉床側部から上方に延在している円筒状側壁;屋根;側壁を貫通して下方、内側にスラグ層へと延在している、鉄鉱石、石炭およびN2キャリアーガス中の同伴融剤を金属層に注入するための2つの注入ランス/羽口;容器中央に配置され、垂直、下方に延在している酸素含有ガス注入ランス;容器上部から延在している円筒状の排ガスダクト;溶融金属排出用前床;および溶融スラグ排出用湯出し口を備えている。排ガスダクトは、温度が流入排ガス中の同伴溶融物質の凝固温度より高くなっている、上向きに僅かに傾斜している第一区画;および長さに沿った温度降下で流入排ガス中の溶融物質が凝固するようになっている、第一区画の端から垂直、上方に延在している第二区画から成る。この排ガスダクト構成によって、排ガスからの同伴溶融物質/固形物の十分な分離が可能となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属およびスラグの溶融浴を含むように適合せしめられている直接精練容器にして、炉床;該炉床から上方に延在している側壁;屋根;および該容器の上部区画から延在している、該容器中で実行される直接精練プロセス中に生成せしめられる排ガスを該容器から排出するための排ガスダクトであって、次の:(a)第一区画にして、その入口端から、水平に対して相対的に僅かな上向き傾斜を有する該第一区画;および(b)該第一区画の上端から、水平に対して相対的に急勾配の傾斜で上方に延在している第二区画を含んでいる該排ガスダクトを含んでいる、上記の直接精練容器。 【請求項2】 前記第一区画の相対的に僅かな上向き傾斜が水平に対して30゜未満である、請求項1に記載の容器。 【請求項3】 前記第一区画の相対的に僅かな上向き傾斜が水平に対して20゜未満である、請求項2に記載の容器。 【請求項4】 前記第一区画の傾斜角が水平に対して10゜未満である、請求項3に記載の容器。 【請求項5】 前記第二区画の相対的に急勾配の傾斜が水平に対して80〜90゜である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の容器。 【請求項6】 前記第一区画の長さの、該第一区画の最小幅寸法に対する比が少なくとも2:1であり、ここで該第一区画の長さは該第一および第二区画の両中心線の交点と、該第一区画の中心線と該第一区画の入口端を通る垂直線との交点との間で測定される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器。 【請求項7】 前記の第一区画と第二区画とを接続するデッドエンド曲がり管を含んでいる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の容器。 【請求項8】 前記デッドエンド曲がり管がそのデッドエンドにアクセスポートを含んでいる、請求項6に記載の容器。 【請求項9】 前記屋根から上方に延在している排ガスチャンバーを含み、そして該排ガスチャンバーから前記排ガスダクトの第一区画が延在している、請求項1〜8のいずれか1項に記載の容器。 【請求項10】 前記容器の側壁の最小幅寸法と前記排ガスチャンバーの最小幅寸法との比が少なくとも1.5:1である、請求項9に記載の容器。 【請求項11】 前記排ガスダクトの第一区画が前記排ガスチャンバーの側壁から延在している、請求項9または10に記載の容器。 【請求項12】 前記第一区画の長さの、該第一区画の最小幅寸法に対する比が少なくとも2:1であり、ここで該第一区画の長さは該第一および第二区画の両中心線の交点と、該第一区画の中心線と前記排ガスチャンバーの垂直中心線との交点との間で測定される、請求項11に記載の容器。 【請求項13】 前記排ガスチャンバーの上端がデッドエンド曲がり管を画成している、請求項9〜12のいずれか1項に記載の容器。 【請求項14】 前記排ガスチャンバーが中央に位置している、請求項9〜13のいずれか1項に記載の容器。 【請求項15】 前記容器に酸素含有ガスを注入するための、前記排ガスチャンバーを通って該容器に下方に延在している少なくとも1本のランスを含んでいる、請求項9〜14のいずれか1項に記載の容器。 【請求項16】 前記屋根が前記側壁から水平軸に対して30〜50゜の角度(即ち、該側壁と該屋根との間で測定して120〜130゜の夾角)で上方に傾斜している、請求項1〜15のいずれか1項に記載の容器。 【請求項17】 傾斜角が水平軸に対して40゜である、請求項16に記載の容器。 【請求項18】 前記側壁が円筒状になっており、そして前記屋根が切頭円錐状であって、該側壁の上端から延在し、そして前記排ガスチャンバーにおいて終わっている、請求項16または17に記載の容器。 【請求項19】 前記容器の側壁の最小幅寸法が8メートルである、請求項1〜18のいずれか1項に記載の容器。 【請求項20】 金属およびスラグの溶融浴を含んでいる直接精練容器にして、炉床;該炉床から上方に延在している側壁;屋根;および該容器の上部区画から延在している、該容器中で実行している直接精練プロセスで生成せしめられる排ガスを排出する排ガスダクトであって、次の:(a)第一区画にして、その入口端から、水平に対して相対的に僅かな上向き傾斜を有する該第一区画;および(b)該第一区画の上端から、水平に対して相対的に急勾配の傾斜で上方に延在している第二区画を含んでいる該排ガスダクトを含んでいる、上記の直接精練容器。 【請求項21】 前記第一区画の相対的に僅かな上向き傾斜が水平に対して30゜未満である、請求項20に記載の容器。 【請求項22】 前記第一区画の傾斜角が水平に対して10゜未満である、請求項21に記載の容器。 【請求項23】 前記第二区画の相対的に急勾配の傾斜が水平に対して80〜90゜である、請求項20〜22のいずれか1項に記載の容器。 【請求項24】 前記第一区画に排ガスと共に入る溶融物質の少なくとも実質的な部分が該第一区画の端で溶融される、請求項20〜23のいずれか1項に記載の容器。 【請求項25】 前記第一区画の長さに沿った温度降下が100℃未満であり、そして該第一区画内の全体の温度が前記溶融物質の融点より高く保たれ、それによって該第一区画に排ガスと共に入る該溶融物質の少なくとも実質的な部分が該第一区画の端で溶融される、請求項20〜24のいずれか1項に記載の容器。 【請求項26】 前記排ガスダクトの第二区画から排出される排ガスが、排ガス1Nm3当たり15g/Nm3未満の、固形物と溶融物質より成る同伴物質を含んでいる、請求項20〜25のいずれか1項に記載の容器。 【請求項27】 前記第一区画の長さの、該第一区画の最小幅寸法に対する比が少なくとも2:1であり、ここで該第一区画の長さは該第一および第二区画の両中心線の交点と、該第一区画の中心線と該第一区画の入口端を通る垂直線との交点との間で測定される請求項20〜26のいずれか1項に記載の容器。 【請求項28】 前記の第一区画と第二区画とを接続するデッドエンド曲がり管を含んでいる、請求項20〜27のいずれか1項に記載の容器。 【請求項29】 前記デッドエンド曲がり管がそのデッドエンドにアクセスポートを含んでいる、請求項27に記載の容器。 【請求項30】 前記屋根から上方に延在している排ガスチャンバーを含み、そして該排ガスチャンバーから前記排ガスダクトの第一区画が延在している、請求項20〜29のいずれか1項に記載の容器。 【請求項31】 前記容器の側壁の最小寸法と前記排ガスチャンバーの最小寸法との比が、1.5:1〜2:1の範囲内にある、請求項30に記載の容器。 【請求項32】 前記排ガスダクトの第一区画が前記排ガスチャンバーの側壁から延在している、請求項30または31に記載の容器。 【請求項33】 前記第一区画の長さの、該第一区画の最小幅寸法に対する比が少なくとも2:1であり、ここで該第一区画の長さは該第一および第二区画の両中心線の交点と、該第一区画の中心線と前記排ガスチャンバーの垂直中心線との交点との間で測定される、請求項32に記載の容器。 【請求項34】 前記排ガスチャンバーの上端がデッドエンド曲がり管を画成している、請求項30〜33のいずれか1項に記載の容器。 【請求項35】 前記排ガスチャンバーが中央に位置している、請求項30〜34のいずれか1項に記載の容器。 【請求項36】 前記容器に酸素含有ガスを注入するための、前記排ガスチャンバーを通って該容器に下方に延在している少なくとも1本のランスを含んでいる、請求項30〜35のいずれか1項に記載の容器。 【請求項37】 前記屋根が、前記側壁から、水平軸に対して30〜50゜の範囲内の角度で上向きに傾斜している、請求項20〜35のいずれか1項に記載の容器。 【請求項38】 傾斜角が水平軸に対して40゜である、請求項37に記載の容器。 【請求項39】 前記側壁が円筒状になっており、そして前記屋根が切頭円錐状であって、該側壁の上端から延在し、そして前記排ガスチャンバーにおいて終わっている、請求項37または38に記載の容器。 【請求項40】 前記容器の側壁の最小幅寸法が8メートルである、請求項20〜39のいずれか1項に記載の容器。
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【発明の詳細な説明】【発明の属する技術分野】 【0001】本発明は、鉱石および一部還元された鉱石のような金属を含む供給材料(metalliferous feed material)から溶融金属(この用語は金属合金を包含する)を製造するための直接精練容器に関する。 【0002】本発明は、特に、溶融浴をベースとする直接精練プロセスに使用することができる容器に関する。 【0003】「精練」なる用語は、本発明では、金属酸化物を還元する化学反応が起きて液状金属が生成せしめられる熱加工処理を意味すると解されるものである。 【0004】「直接精練プロセス」なる用語は、本発明では、鉄鉱石および一部還元された鉄鉱石のような金属を含む供給材料から溶融金属を直接製造するプロセスを意味すると解されるものである。 【0005】本発明は、特に、直接精練容器のための排ガスダクトに関する。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の1つの目的は、排ガスにより同伴される(entrained)溶融物質と固形物の損失を最小限に抑える排ガスダクトを提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、金属およびスラグの溶融浴を含むように適合せしめられている直接精練容器にして、炉床;その炉床から上方に延在している側壁;屋根;およびその容器の上部区画(upper section)から延在している(extending)、その容器中で実行される(operated)直接精練プロセス中に生成せしめられる排ガスをその容器から排出するための排ガスダクトであって、次の:【0008】(a)第一区画にして、その入口端から、水平に対して相対的に僅かな上向き傾斜を有するそのような第一区画;および【0009】(b)上記第一区画の上端から、水平に対して相対的に急勾配の傾斜で上方に延在している第二区画【0010】を含んでいるそのような排ガスダクトを含んでいる、上記の直接精練容器が提供される。 【0011】使用されているとき、排ガスは、このガスが上記第一区画に入るために、その方向が実質的に変化するように強制される。その結果、排ガス中に同伴される溶融物質と固形物とが、(i)上記入口端の所またはその入口端の領域中における精練容器の壁、および(ii)上記入口端の所またはその入口端の領域中における上記第一区画の壁(特に、上部の壁)と接触してその壁面上に付着し、それによってそれらは排ガスから分離すると考えられる。これらの壁に付着した溶融物質と固形物は上記精練容器へと下方に移動する。 【0012】加えて、使用されているとき、上記第一区画に沿って流れている排ガスは、このガスが第二区画に流入するために、その第一区画の端において、その方向が実質的に変化するように強制される。従って、排ガス中に同伴される溶融物質と固形物とは、その第一区画の端において上方に延在している壁と接触し、その壁面上に付着してその排ガスから分離する。排ガスダクトのこの領域においては、溶融物質は壁面上で溶融状態のままになっているか、または凝固するかのいずれかであると考えられる。溶融状態のままになっている溶融物質は上記第一区画へと、次いでその第一区画に沿って精練容器へと下方に流れる。凝固する溶融物質は壁面上に堆積し、そして最終的には、付着した固形物と共に砕けて第一区画中に落下する。その第一区画における温度条件は相対的に高くなっているために、その凝固した物質は溶融、流動して精練容器に戻るか、さもなければ溶融物質により担われて精練容器に戻る。 【0013】前記の僅かに傾斜した第一区画によれば、容器内で直接精練プロセスが実行されている間に、または運転停止後に、固体合体物が落下して精練容器に戻り、そしてランス/羽口のような装置を傷つけると言う潜在的に重大な問題が回避される。このような落下戻りは、また、運転停止中にこの精練容器中で整備作業を行っている作業員にとって潜在的に重大な安全問題でもある。 【0014】前記第一区画は、精練容器中の運転条件と関係があるが、その第一区画に排ガスと共に入る溶融物質の少なくとも実質的な部分が、その僅かに傾斜した第一区画の端で溶融されるように形成されるのが好ましい。この特長が、第一区画中に存在する固体合体物の堆積が最小限となることを保証する。 【0015】この点に関し、その第一区画は、その長さに沿った温度降下が100℃未満で、その全体の温度が溶融物質の融点より高い温度に保たれるように形成されるのがさらに好ましい。 【0016】前記第二区画から排出される排ガス中の同伴物質(溶融物質と固形物)の量は排ガス1Nm3当たり15g未満であるのが好ましく、10g未満であるのがさらに好ましい。 【0017】前記第一区画の相対的に僅かな上向き傾斜は水平に対して30゜未満であるのが好ましく、20゜未満であるのがさらに好ましい。 【0018】その傾斜角は10゜未満であるのが特に好ましい。 【0019】上記第二区画の相対的に急勾配の傾斜は水平に対して80〜90゜であるのが好ましい。 【0020】前記精練容器は、前記の第一区画と第二区画とを接続するデッドエンド曲がり管(dead end bend)を含んでいるのが好ましい。 【0021】上記デッドエンド曲がり管は、そのデッドエンドにアクセスポート(access port)を含んでいるのが好ましい。 【0022】前記精練容器はその屋根から上方に延在している排ガスチャンバーを含み、そしてその排ガスチャンバーから排ガスダクトの第一区画が延在しているのが好ましい。 【0023】上記排ガスダクトの第一区画は上記排ガスチャンバーの側壁から延在しているのが好ましい。 【0024】前記第一区画の長さの、その第一区画の最小幅寸法に対する比は少なくとも2:1であるのが好ましく、この場合その第一区画の長さはそれら第一および第二区画の両中心線の交点と、その第一区画の中心線とその第一区画の入口端を通る垂直線との交点との間で測定される。排ガスチャンバーがあり、そして第一区画がそのチャンバーの側壁から延在している場合、その第一区画の中心線とその排ガスチャンバーの垂直中心線との交点は、その第一区画の入口端における測定点である。 【0025】典型的には、前記の第一および第二区画は円筒状であり、そして前節で言及された第一区画の最小幅寸法はその第一区画の直径である。 【0026】前記第二区画は、その長さに沿った温度降下が、その第二区画を流通している排ガス中に存在する全ての溶融物質の少なくとも実質的な部分を、その排ガスが第二区画の端に到達する前に凝固させるのに十分なものとなるように形成されることが好ましい。このことが、温度の高いサイクロンやスクラバーのような、排ガス中の溶融物質によって悪影響を受ける可能性がある下流の排ガス処理装置への溶融物質の持ち込みを、それがあっても最小限に抑えるのを保証する。 【0027】前記排ガスチャンバーは中央に配置されるのが好ましい。 【0028】前記精練容器は、その容器に酸素含有ガスを注入するための、前記排ガスチャンバーを通ってその容器に下方に延在している少なくとも1本のランスを含んでいることが好ましい。 【0029】前記精練容器の側壁の最小幅寸法と前記排ガスチャンバーの最小幅寸法との比は、少なくとも1.5:1であるのが好ましい。1本または複数本の酸素含有ガス注入ランスがその排ガスチャンバーを通って下方に延在している場合、その比は1.5:1〜2:1であるのが好ましい。1本または複数本のランスがその排ガスチャンバーを通って延在するようには配置されていない場合、上記最小幅寸法比は4:1までの範囲であることができる。 【0030】前記屋根は、前記側壁から、水平軸に対して30〜50゜の範囲内の角度(即ち、その側壁とその屋根との間で測定して120〜130゜の夾角)で上向きに傾斜しているのが好ましい。 【0031】その傾斜角は水平軸に対して40゜であるのが好ましい。 【0032】前記側壁は円筒状であり、そして前記の屋根が切頭円錐状であって、それら側壁の上端から延在し、そして前記の排ガスチャンバーにおいて終わっているのが好ましい。 【0033】前記精練容器の側壁の最小幅寸法は8メートルであるのが好ましい。 【0034】本発明によれば、上記の精練容器中で実行される直接精練プロセスも提供される。 【0035】本発明を、例として、添付図面を参照してさらに説明する。 【0036】次の説明は、HIスメルト(HIsmelt:登録商標)法の1つの態様に従って溶融鉄を製造するために、鉄鉱石を直接精練する関係においてなされているものである。了解されるように、本発明は鉄鉱石の直接精練に限定されるものではなく、任意、適当な金属鉱石とその濃厚物、および金属を含む他の供給材料―部分的に還元された金属鉱石を含む―にも適用可能である。また、了解されるように、本発明はHIスメルト法に限定されない。 【0037】図1に示される精練容器は、耐火煉瓦から造られている底部3と側部56を含む炉床;その炉床の側部56から上方に延在している、上部バレル区画51と下部バレル区画53とを含むほぼ円筒状のバレルを形成している側壁5;屋根7;この容器の上部区画から延在している排ガスダクト9;溶融金属を連続的に排出するための前床57;および溶融スラグを排出するための湯出し口61を備えている。 【0038】排ガスダクト9は、入口端63から水平に対して7゜の角度αで延在している、上向きに僅かに傾斜している第一区画31、および第一区画31の他端から垂直に延在している急勾配の第二区画33を含む。両区画31、33は円筒状である。 【0039】第一区画31は、精練容器中の運転条件、その他の関連因子と関係があるが、その第一区画に入る溶融物質がこの第一区画の長さに沿って溶融状態のままになっているように形成されている。言い換えると、この第一区画は、その中の温度、特にその壁の領域中の温度が、その溶融物質が凝固する温度より高くなっているように形成されている。 【0040】第二区画33は、その長さに沿った温度降下が、第二区画33を流通している排ガス中に存在する全ての溶融物質の少なくとも実質的な部分を、その溶融物質がこの第二区画33の端に到達する時間までに凝固させるのに十分な降下となるように形成されている。 【0041】図示精練容器は、それが使用されているとき、溶融金属の層15とその金属層15の上にある溶融スラグの層16とを含む鉄およびスラグの溶融浴を含んでいる。数字17で印される矢印は溶融層15の静止表面の位置を示し、また数字19で印される矢印はスラグ層16の静止表面の位置を示している。ここで、「静止表面」なる用語は、精練容器へのガスおよび固形物の注入がないときの表面を意味すると解されるものである。 【0042】上記精練容器は、また、垂直に対して30〜60゜の角度で、下方、内側方向に、側壁5を貫通してスラグ層16へと延在している、2つの固形物注入ランス/羽口11を含んでいる。これらのランス/羽口11の位置は、それらの下端が金属層15の静止表面17より上に来るように選ばれている。 【0043】使用されているとき、鉄鉱石(典型的には、細粒)、固体の炭素質材料(典型的には、石炭)、およびキャリアーガス(典型的には、N2)中に同伴されている融剤(典型的には、石灰およびマグネシア)が、ランス/羽口11を経由して金属層15に注入される。この固体材料/キャリアーガスの運動量が、その固体材料およびキャリアーガスをして金属層15に侵入させる。石炭は脱蔵作用を奏し(devolatilise)、それによって金属層15中にガスが生成せしめられる。炭素はその金属中に一部溶出し、一部は固体炭素として残る。鉄鉱石は精練されて金属となるが、その精練反応で一酸化炭素ガスが生成する。金属層15中へと輸送され、そして脱蔵と精練に因り生成せしめられたガス類は、金属層15から溶融金属、固体炭素および(固体/ガス/注入の結果として金属層15に引き込まれた)スラグに有意の浮力・浮揚力(buoyancy uplift)をもたらし、その浮力・浮揚力が溶融金属およびスラグの飛沫、液滴および流れに上向き運動を生じさせ、またこれらの飛沫、液滴および流れがスラグ層16を通して移動するとき、それにつれてそれらはスラグを同伴する。 【0044】溶融金属、固体炭素およびスラグの浮力・浮揚力は、金属層15とスラグ層16に実質的な攪拌作用を引き起こし、その結果スラグ層16は容積が大きくなって、矢印30で示される表面を有するようになる。攪拌の程度は、それら金属およびスラグの領域中の温度が適度に均一になる―典型的には、30℃のオーダーの温度変動を伴うが、1450〜1550℃の温度―そのような程度である。 【0045】加えて、溶融金属およびスラグの飛沫、液滴および流れの上向き運動―これは溶融金属、固体炭素およびスラグの浮力・浮揚力によって引き起こされる―は、精練容器中の溶融物質より上の空間71(「頂部空間」)へと広がって転移ゾーン23を形成させる。 【0046】一般的に言えば、スラグ層16は液体の連続物(liquid continuous volume)であって、その中に気泡を含み、また転移ゾーン23は溶融金属およびスラグの飛沫、液滴および流れを伴っている気体の連続物である。 【0047】前記精練容器は、さらに、中央に配置され、その容器に垂直、下方に延在している、酸素含有ガス(典型的には、予熱された酸素富化空気)を注入するためのランス13を含んでいる。ランス13の位置とそのランス13を通るガスの流量は、酸素含有ガスが転移ゾーン23の中央領域に侵入し、そして本質的に金属/スラグを含まない金属/スラグフリー空間(essentially metal/slag free space)25をランス13の端の周囲に維持するように選ばれている。 【0048】ランス13による酸素含有ガスの注入は、反応ガスであるCOとH2を転移ゾーン中およびランス13の端を囲むフリー空間25中で後燃焼させて、そのガス空間中に2000℃以上のオーダーの高温を発生させる。この熱は、ガス注入領域中で上行、下行している溶融物質の飛沫、液滴および流れに移行せしめられ、そしてその熱は、次に、金属/スラグが金属層15に戻るとき、その金属層15に一部移行せしめられる。 【0049】上記のプロセスは、温度が1550〜1650℃の範囲内にある、同伴溶融物質および同固形物が含まれる排ガスを実質的な量で生成させる。同伴物質中の固形物は、一般的には、ダストの形をしている。 【0050】排ガスは、頂部空間71から、入口端63を経由して、排ガスダクト9の僅かに傾斜した第一区画31に、その長さに沿って、この区画の端におけるアールのきつい角を回って流入し、次いで第二区画33を通って上方に流れる。この排ガスは、第一区画31の入口端63で、およびそれら第一区画と第二区画とをつないでいるアールのきつい角で方向の急激な変化を受ける。前記で議論したように、これらの急激な方向変化は、排ガス中に同伴されている溶融物質と固形物とを、円で囲まれた領域Aの、ダクトの上部壁、および円で囲まれた領域Bの、ダクトの端壁と接触してそれらの壁面上に付着する。領域Aの場合、付着した溶融物質は溶融状態のままであって、それは精練容器の中へと下方に流れ、また付着した固形物はその溶融物質により担われて精練容器に戻ると考えられる。領域Bの場合は、溶融物質の一部は溶融状態のままであるが、その残りは凝固すると考えられる。溶融状態のままの溶融物質はその端壁を第一区画31へと流下し、次いでその第一区画31に沿って精練容器へと流下して行く。徐々に凝固して行く溶融物質はその壁面上に堆積するが、最終的には砕けて第一区画31へと落下する。第一区画31を、その長さに沿った温度が溶融物質の凝固温度より高くなるように形成することによって、その凝固した物質の少なくとも実質的な部分が溶融し、僅かな傾斜部分に流れ落ち、そして精練容器へと流下することが保証される。固体状態のままの固形物は溶融物質により担われて精練容器へと戻る。 【0051】上記の排ガスダクト9は、排ガスから実質的な量の同伴溶融物質および同固形物を除去するのを可能にし、その結果第二区画33から排出される同伴物質(即ち、溶融物質と固形物)の総量は、排ガス1Nm3当たり15gを下回る量に保たれる。さらに、僅かに傾斜した第一区画31によれば、精練容器中で直接精練プロセスが実行されている間に、または運転停止後に、固体合体物が落下して精練容器に戻り、そしてランス/羽口のような装置を傷つけると言う潜在的に重大な問題が回避される。さらに、この僅かに傾斜した第一区画31は精練容器の頂部をきれいにしておくのを可能にし、それによって、再ライニング操作中に必要となるであろうように、酸素含有ガスの注入ランス13を取り外し、そして再配置するのにクレーンを利用することができるようになる外、精練容器の頂部を経由してその容器内部にクレーンで接近することが可能になる。 【0052】図2に示される精練容器の基本的な構成要素、即ち炉床、側壁、屋根と排ガスダクト、固形物類注入ランス類および酸素含有ガス注入ランスは、図1に示される精練容器と同じである。加えて、図2に示される精練容器で実行される塩基性溶融浴をベースとする精練プロセスも、図1に関して説明されたものと同じである。従って、図2とこの図面についての次の説明では、本発明のそれら2態様間の相違に焦点が当てられている。 【0053】図2を参照して説明すると、その精練容器は屋根7から上方に延在している円筒状の排ガスチャンバー79を含み、そしてその排ガスチャンバー79の側壁93から排ガスダクト9が延在している。排ガスチャンバー79の頂部の壁91は、その精練容器に接近できるようにする着脱自在のアクセスポートとして形成されている。 【0054】排ガスチャンバー79は中央に配置され、従って屋根7は切頭円錐形状になっており、その精練容器の側壁5の上部バレル区画51と130゜の夾角をなしている。上部バレル区画51と排ガスチャンバー79との直径比は1.8:1である。 【0055】図示されないが、酸素含有ガス注入ランス13は排ガスチャンバー79の頂部壁91を通って下方に延在するように位置決め、配置されている。 【0056】排ガスダクト9の第一区画31は水平に対して7゜の角度αで延在しており、また第二区画33はその第一区画31から垂直に延在している。 【0057】排ガスダクト9の第一区画31の寸法は、第一区画31の(第一および第二区画31、33の両中心線の交点と、第一区画の中心線と排ガスチャンバー79の垂直中心線との交点との間で測定される)長さLと第一区画31の直径Dとの比が3.7:1となるように選ばれている。 【0058】使用されているとき、排ガスは、それが排ガスチャンバー79から第一区画31に入るために、またその第一区画から第二区画33に入るために、著しい方向変化を受ける。図1の態様に関して前記したように、これらの著しい方向変化により、同伴溶融物質および同固形物の、円で囲まれた領域AおよびBの露出表面上に付着せしめられて、その同伴物質(溶融物質と固形物)の排ガスからの除去が容易になる。 【0059】排ガスダクト9の第二区画33は、第一区画31の端壁87がデッドエンド曲がり管を形成し、そして、使用されているとき、同伴物質(溶融物質および固形物)が堆積し―図中で陰影が付けられた部分で示される―、その堆積が端壁を保護するように、排ガスダクト9の第一区画31の頂部壁中に配置されている。 【0060】さらに、排ガスダクト9の第一区画31の端壁87は、そのダクトにアクセス可能とする着脱自在のアクセスポートとして形成されている。 【0061】以上述べた本発明の好ましい態様には、本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、多くの修正を加えることが可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】500134311 【氏名又は名称】テクノロジカル リソーシズ プロプライエタリー リミテッド
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| 【出願日】 |
平成12年6月8日(2000.6.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066692 【弁理士】 【氏名又は名称】浅村 皓 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−4279(P2001−4279A) |
| 【公開日】 |
平成13年1月12日(2001.1.12) |
| 【出願番号】 |
特願2000−172315(P2000−172315) |
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