| 【発明の名称】 |
薄膜の加熱装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】美崎 栄一郎
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| 【要約】 |
【課題】簡便に薄膜を効率よく加熱又は冷却できる装置を提供する。
【解決手段】薄膜の供給手段と、薄膜を走行させる、加熱手段を備えた円筒体と、該円筒体上の薄膜と当接する補助ロールとを有し、前記円筒体と前記補助ロールにより形成される間隙の大きさが薄膜の厚さの変動に応じて変動する、薄膜の加熱装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 薄膜の供給手段と、薄膜を走行させる、加熱手段を備えた円筒体と、該円筒体上の薄膜と当接する補助ロールとを有し、前記円筒体と前記補助ロールにより形成される間隙の大きさが薄膜の厚さの変動に応じて変動する、薄膜の加熱装置。 【請求項2】 薄膜の供給手段と、薄膜を走行させる、冷却手段を備えた円筒体と、該円筒体上の薄膜と当接する補助ロールとを有し、前記円筒体と前記補助ロールにより形成される間隙の大きさが薄膜の厚さの変動に応じて変動する、薄膜の冷却装置。 【請求項3】 前記補助ロール表面が、前記薄膜に対する接着性の低い物質により構成されている請求項1又は2記載の装置。 【請求項4】 加熱された円筒体の表面に薄膜を走行させ、該薄膜の厚さの変動に応じて円筒体との間隙の大きさが変動する補助ロールにより、前記薄膜を前記円筒体表面に圧着させて該薄膜を加熱する方法。 【請求項5】 冷却された円筒体の表面に薄膜を走行させ、該薄膜の厚さの変動に応じて円筒体との間隙の大きさが変動する補助ロールにより、前記薄膜を前記円筒体表面に圧着させて該薄膜を冷却する方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は薄膜の加熱装置及び冷却装置に関する。 【0002】 【従来の技術】円筒体(ドラム)を用いる加熱又は冷却方法は従来から知られており、これに用いられる装置が、ドラムドライヤーあるいはドラムクーラーとして市販されており、樹脂等の溶融流体の薄膜を形成するのに使用されている。樹脂の溶融流体から形成された薄膜のうち、粘着性の高いものは、これら市販の装置での加熱又は冷却が比較的容易であるが、粘着性の低いものは、円筒体にうまく巻き付かず、熱効率が著しく低下するために加熱又は冷却が困難となる問題がある。 【0003】これを解決するために、特公平2-9273号には、円筒体の外周にエンドレスベルトを設け、該エンドレスベルトにより被処理物(薄膜)を円筒体に押圧したまま移送する装置が開示されている。この装置は加熱又は冷却効率が高いとされているが、エンドレスベルトの追従機構が必要となり、装置の複雑化、大型化をもたらしコストアップが顕著となる。また、エンドレスベルトの蛇行等の問題から、高速での運転は困難であった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、複雑な設計変更を必要とせずに、薄膜を効率よく加熱又は冷却できる装置を提供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、薄膜の供給手段と、薄膜を走行させる、加熱手段を備えた円筒体と、該円筒体上の薄膜と当接する補助ロールとを有し、前記円筒体と前記補助ロールにより形成される間隙の大きさが薄膜の厚さの変動に応じて変動する、薄膜の加熱装置に関する。 【0006】また、本発明は、薄膜の供給手段と、薄膜を走行させる、冷却手段を備えた円筒体と、該円筒体上の薄膜と当接する補助ロールとを有し、前記円筒体と前記補助ロールにより形成される間隙の大きさが薄膜の厚さの変動に応じて変動する、薄膜の冷却装置に関する。 【0007】また、本発明は、加熱された円筒体の表面に薄膜を走行させ、該薄膜の厚さの変動に応じて円筒体との間隙の大きさが変動する補助ロールにより、前記薄膜を前記円筒体表面に圧着させて該薄膜を加熱する方法に関する。 【0008】更に本発明は、冷却された円筒体の表面に薄膜を走行させ、該薄膜の厚さの変動に応じて円筒体との間隙の大きさが変動する補助ロールにより、前記薄膜を前記円筒体表面に圧着させて該薄膜を冷却する方法に関する。 【0009】なお、本発明の装置は、円筒体に対する相対的な粘着性を持ち、そのままでは円筒体に密着しないが、圧力をかけると円筒体と密着する薄膜に好適に使用される。また、本発明の方法は、円筒体に対する相対的な粘着性を持ち、そのままでは円筒体に密着しないが、圧力をかけると円筒体と密着する薄膜に好適に使用される。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明の装置の要部を図面に基づいて説明する。 【0011】図1(a)の装置は、薄膜を走行させる、加熱手段又は冷却手段(図示せず)を備えた回転可能な円筒体1と、該円筒体1の表面を走行する薄膜に当接する補助ロール2とを有する。この補助ロール2は、円筒体1と支持手段3との間に設置される。該補助ロール2は、円筒体1の回転に伴い薄膜4との摩擦により回転する。この時、補助ロール2は、固定軸を持たずに、円筒体1と支持手段3の2点で支えられているだけなので、薄膜の厚さの変動に応じて移動でき、円筒体1との間隙の大きさを変動することができる。また、支持手段3は、補助ロール2と線や複数の点で接する形状のものが好ましく、棒等のように補助ロール2との摩擦が少ないものが好ましく、更にそれ自体は固定されている方が好ましい。このような補助ロール2の移動により、その重さがより効果的に薄膜4へ伝達され、薄膜の円筒体1表面への密着性も高まる。補助ロール2からの圧力は、その重量、径、設置位置等により、薄膜の物性に応じ適宜変更すればよい。補助ロール2のロール径とロール位置で、円筒体1との接触面積及び円筒体1へのベクトル成分の力が計算できる。また、円筒体1と補助ロール2の大きさや材質も、薄膜に応じて適宜選定すればよい。 【0012】図1(b)の装置では、支持手段3’は、補助ロール2を貫通する軸受けと、その端部から延伸する支持棒とからなる。この装置はローラー状に補助ロール2を円筒体1上の薄膜に当接させたものである。この装置では、補助ロール2は、軸受けを通すための貫通孔を有するが、その径は、軸受けの周囲に遊びが生じるよう、軸受けの径よりも大きく形成される。この構成と支持棒の弾性により、図1(a)の装置と同様、該補助ロール2は薄膜4の厚さの変動に応じて移動することができる。 【0013】図1(c)の装置では、軸受け5と補助ロール2との間に弾性部材6(好ましくはバネ)が設けられている。この装置では、円筒体1に薄膜が供給されると、弾性部材6の力により薄膜の厚さの変動に応じて補助ロール2が移動し、円筒体1との間隙の大きさが変動し、適切に弱粘着性薄膜4を円筒体1に圧着させる。この装置は、円筒体1に対して何れの位置にも補助ロール2を設置することができるので、装置設計の自由度が高まり、また圧着効果を向上させる点で好ましい。なお、本発明の装置では、補助ロールは2個以上設置し多段圧着することもできる。この場合には各々の補助ロールは図1(a)〜(c)等で示される何れの方法も利用できる。 【0014】本発明の装置の補助ロールは、円筒体と補助ロールにより形成される間隙の大きさを薄膜の厚さの変動に応じて変動できるものであれば、上記した以外にも、例えば上方から吊す等の形態で設置されるものであってよい。 【0015】従来の装置では、補助ロールは円筒体との間隙の大きさが一定となるような固定軸により支持されており、薄膜の厚さの変化に対応できなかった。そのため、薄膜の厚さが間隙の大きさ以上になると詰まったり、薄膜が圧延されたりする問題が生じ、一方、薄膜の厚さが間隙の大きさ以下になると薄膜を十分に圧着できず円筒体への密着性が低下して熱効率が低下するという問題が生じる。これに対して、本発明の装置は、円筒体と補助ロールにより形成される間隙の大きさが薄膜の厚さの変動に応じて変動するため、薄膜の厚さが変化しても補助ロールにより適切に薄膜が円筒体へ圧着され、熱効率が変動しない。 【0016】本発明の装置において、補助ロールの表面は、弱粘着性薄膜が付着しないもしくは付着しにくい材質により形成されるか、または付着を低減し得る構造を有するか、あるいはこの両者を具備することが、熱効率の面から好ましい。例えば、表面をフッ素樹脂加工する、梨地加工する等が挙げられる。 【0017】なお、薄膜は、公知の伝導加熱型乾燥機、例えば、ドラムドライヤー〔カツラギ工業(株)、楠木機械製作所(株)、玉川マシナリー(株)等から入手可〕により製造でき、スクレーパー等の適当な剥離手段により薄膜が得られ、それを本発明の装置の円筒体に供給すればよい。その際の薄膜の供給手段としては、単一又は複数の送りロール等が挙げられる。なお、例えば公知のフレーカ装置のように、溶融状態の薄膜原料を円筒体に供給して薄膜の形成を行い、そのまま薄膜の冷却を行うような構造であってもよい。 【0018】本発明の装置は、加熱又は冷却した薄膜の剥離手段、剥離した薄膜の粉砕手段、剥離した薄膜もしくはその粉砕物の輸送手段等、公知のドラムドライヤーあるいはドラムクーラーに用いられる要素を備えていても良い。 【0019】薄膜にされる化合物の例としては、軟化点を有する高分子化合物、例えばポリスルホン酸共重合体、ポリカルボン酸系共重合体等の粘着性のある化合物が挙げられる。ポリカルボン酸系共重合体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、無水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン酸、無水シトラコン酸、シトラコン酸、フマル酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸又はこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩からなる群から選ばれる1種以上の単量体■と、該単量体■にアルキレンオキサイドを平均2〜2000モル重合させたポリアルキレンオキサイド又はその末端エステル化合物からなる群から選ばれる1種以上の単量体■との共重合物が挙げられる。単量体■のアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドで、平均付加モル数が2〜300、好ましくは100〜300であるものが挙げられる。なお、薄膜の製造にあたっては、液状の薄膜原料を使用でき、例えば液状のポリカルボン酸系共重合体としては、ポリカルボン酸系共重合体の水溶液や有機溶剤溶液等の溶液、分散液、ポリカルボン酸系共重合体の溶融物等が挙げられる。 【0020】薄膜の出発原料としては、原料物質を化学的或いは物理的な方法で1種以上配合したものを使用でき、例えば、特開昭59-162163号、特公平2-11542号、特公平2-7901号、特公平2-7897号、特開平7-223852号等の溶媒重合法等の方法で製造することができる。本発明に用いられるポリカルボン酸系共重合体の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法/ポリスチレンスルホン酸換算)は、3,000〜1,000,000、特に5,000〜100,000であることが、セメント分散剤として使用する場合の分散性及び分散保持性から好ましい。 【0021】 【実施例】実施例1ポリカルボン酸系共重合体(平均分子量50,000、モノマー比:メタノール(エチレンオキサイド平均付加モル数120)付加物・メタクリル酸エステル/メタクリル酸ナトリウム=10/90)の40%水溶液を、シングルドラムドライヤー(径400mm、長さ500mm、伝熱面積0.75m2、表面はハードクロムメッキ処理されたもの)に供給し、ドラム表面に薄膜状に付着させ130℃の加熱蒸気により乾燥し、連続的に弱粘着性の薄膜を作製した。薄膜を剥離し同じ型のシングルドラムドライヤー(円筒体の回転速度10r/min)に供給し、20℃の冷水により冷却した。その際、以下のような装置を用い、冷却効果等を評価した。なお、薄膜の供給開始時点の温度は60℃であった。 【0022】■装置A図1(a)のように補助ロール(径50mm、長さ500mm、表面はテフロンで被覆処理されたもの)を設置した。その結果、薄膜は厚さを維持したままトラブル無く25℃まで冷却された。 【0023】■装置B図1(b)のように補助ロール(径50mm、長さ500mm、表面はテフロンで被覆処理されたもの)を設置した。その結果、薄膜は厚さを維持したままトラブル無く25℃まで冷却された。 【0024】■装置C図1(c)のように補助ロール(径100mm、長さ500mm、表面はテフロンで被覆処理されたもの)を設置した。その結果、薄膜は厚さを維持したままトラブル無く25℃まで冷却された。 【0025】■装置D図1(c)のような補助ロール(径50mm、長さ500mm、表面はテフロンで被覆処理されたもの)を2基設置した。その結果、薄膜は厚さを維持したままトラブル無く23℃まで冷却された。 【0026】■装置E図1(a)のように補助ロール(径50mm、長さ500mm、表面はテフロンで被覆処理されたもの)を設置し、更に円筒体の回転方向の下流に図1(c)のような補助ロール(径50mm、長さ500mm、表面はテフロンで被覆処理されたもの)を基設置した。その結果、薄膜は厚さを維持したままトラブル無く23℃まで冷却された。 【0027】■装置F図1(a)において補助ロールを設置しなかった。その結果、薄膜は円筒体にうまく圧着せず冷却されなかった。 【0028】■装置G図1(a)において補助ロールを固定軸により、クリアランスが薄膜の厚さよりも小さくなるように設置した。その結果、薄膜は圧延され当初の厚さが維持されず、冷却も35℃までしかできなかった。 【0029】■装置H図1(a)において補助ロールを固定軸により、クリアランスが薄膜の厚さよりも大きくなるように設置した。その結果、薄膜は円筒体に圧着せず、冷却も40℃までしかできなかった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000918 【氏名又は名称】花王株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月13日(2000.1.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100063897 【弁理士】 【氏名又は名称】古谷 馨 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−194068(P2001−194068A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月17日(2001.7.17) |
| 【出願番号】 |
特願2000−4388(P2000−4388) |
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