| 【発明の名称】 |
マイクロ波乾燥装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】宮坂 隆美
【氏名】沼澤 建一
|
| 【要約】 |
【課題】複数枚のプレートに載置した乾燥対象物を可及的に一様に乾燥し得るマイクロ波乾燥装置を提供する。
【解決手段】真空ポンプ12によって減圧されていると共に、加熱ヒータ14等によって加熱されている乾燥槽10内に載置された乾燥対象物にマイクロ波を照射して脱水処理を施すマイクロ波発信器18、18・・が設けられて成るマイクロ波乾燥装置において、該乾燥対象物を載置する複数枚のプレート24、24・・が上下方向に所定の間隔を介して段状に積層された積層体22の両側からマイクロ波が照射されるように、乾燥槽10内に挿入された積層体22を挟んで複数個のマイクロ波発信器18、18・・が設置され、且つプレート24の各々がマイクロ発信器18からのマイクロ波の照射方向に対して上下動するようにプレートを往復動する往復動装置40が設けられていることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 減圧手段によって減圧されていると共に、加熱手段によって加熱されている乾燥槽内に載置された乾燥対象物にマイクロ波を照射して脱水処理を施すマイクロ波発信器が設けられて成るマイクロ波乾燥装置において、該乾燥対象物を載置する複数枚のプレートが上下方向に所定の間隔を介して段状に積層された積層体にマイクロ波が照射されるように、前記積層体に沿って複数個のマイクロ波発信器が設置され、且つ前記プレートの各々がマイクロ発信器からのマイクロ波の照射方向に対して上下動するようにプレートを移動する移動手段が設けられていることを特徴とするマイクロ波乾燥装置。 【請求項2】 移動手段が、積層体の全体を上下方向に往復動させる往復動手段である請求項1記載のマイクロ波乾燥装置。 【請求項3】 プレートの積層体が、ループ状に積層されたループ状積層体であり、且つ移動手段が、前記プレートの各々がループ状軌道に沿って移動するループ状移動手段である請求項1記載のマイクロ波乾燥装置。 【請求項4】 マイクロ波を反射する反射板が、マイクロ波発信器の各々から照射されたマイクロ波を積層体の方向に反射する位置に設けられている請求項1〜3のいずれか一項記載のマイクロ波乾燥装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はマイクロ波乾燥装置に関し、更に詳細には減圧手段によって減圧されていると共に、加熱手段によって加熱されている乾燥槽内に載置された乾燥対象物にマイクロ波を照射して脱水処理を施すマイクロ波発信器が設けられて成るマイクロ波乾燥装置に関する。 【0002】 【従来の技術】乾燥装置として、マイクロ波(波長;1〜100cm、周波数;300MHz〜30GHz)を使用したマイクロ波乾燥装置が研究されている。かかるマイクロ波乾燥装置の一例を図4に示す。図4に示すマイクロ波乾燥装置には、乾燥槽100内を減圧状態とする減圧手段としての真空ポンプ(図示せず)と、乾燥槽100内を加熱する加熱手段としての加熱ヒータ102及び加熱ジャケット104と、真空ポンプによって減圧されていると共に、加熱ヒータ102等によって加熱されている乾燥槽100内に載置された乾燥対象物にマイクロ波を照射して脱水処理を施す複数個のマイクロ波発信器106、106・・と、加熱ヒータ102等によって加熱された乾燥槽100内の温度及びマイクロ波の分布を一様とするスターラ108とが設けられている。 【0003】この乾燥槽100内に挿入された積層体110は、乾燥対象物が載置された複数枚のプレート112、112・・が上下方向に所定の間隔を介して段状に積層されて形成されており、積層体110の両側からマイクロ波が照射されるように、複数個のマイクロ波発信器106、106・・が積層体110を挟んで設けられている。この様に、マイクロ波発信器106、106・・が設けられた乾燥槽100は、減圧配管120によって真空ポンプと連結されており、減圧状態の乾燥槽100の内圧を大気圧に復圧する復圧配管160とも接続されている。尚、復圧配管160には、復圧弁(図示せず)が設けられており、真空ポンプを駆動して乾燥槽100を減圧状態とする場合には閉じられている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】図4に示すマイクロ波乾燥装置によれば、減圧・加熱状態下で、プレート112、112・・の各々に載置された乾燥対象物の両側よりマイクロ波発信器106、106・・からマイクロ波を照射できる。しかも、加熱ヒータ102等による加熱は、減圧下で水分が蒸発する程度の加熱でよく、比較的低温で脱水処理できるため、乾燥対象物の味、香り、色等を保持した状態で乾燥できる。しかしながら、プレート112、112・・の各々で脱水処理されて得られた乾燥品の乾燥状態にはバラツキが見られ、図5に示す如く、プレート112の内壁近傍Aの乾燥品が焦げる乾燥焼けが発生するプレートも存在する。そこで、本発明の課題は、複数枚のプレートに載置した乾燥対象物を可及的に一様に乾燥し得るマイクロ波乾燥装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題を解決すべく、先ず、乾燥焼け等の乾燥斑が発生する原因について検討したところ、乾燥斑は、乾燥槽100内に発信されたマイクロ波が特定の乾燥対象物に集中して発生すること、つまり、均等に乾燥対象物に照射されていない点にある。このマイクロ波の集中は、各種構造物によるマイクロ波の反射や干渉等によって惹起されるものと考えられる。かかるマイクロ波の集中は、マイクロ波発信器106を移動させつつマイクロ波を発信することによって解消できるものと考えられる。しかし、マイクロ波発信器106を移動可能に設けることは、マイクロ波の漏洩等が発生し易くなり、漏洩したマイクロ波が人体に危害、或いは無線通信の妨害等の原因となることがある。このため、マイクロ波の漏洩等を容易に防止し得るように、マイクロ波発信器106は固定せざる得ない。一方、本発明者等は、乾燥対象物が載置されたプレート112を移動することによって、マイクロ波発信器106を固定しても、乾燥対象物の乾燥斑の解消には有効ではないかと考え検討した結果、本発明に到達した。 【0006】すなわち、本発明は、減圧手段によって減圧されていると共に、加熱手段によって加熱されている乾燥槽内に載置された乾燥対象物にマイクロ波を照射して脱水処理を施すマイクロ波発信器が設けられて成るマイクロ波乾燥装置において、該乾燥対象物を載置する複数枚のプレートが上下方向に所定の間隔を介して段状に積層された積層体にマイクロ波が照射されるように、前記積層体に沿って複数個のマイクロ波発信器が設置され、且つ前記プレートの各々がマイクロ発信器からのマイクロ波の照射方向に対して上下動するようにプレートを移動する移動手段が設けられていることを特徴とするマイクロ波乾燥装置にある。かかる本発明において、移動手段として、積層体の全体を上下方向に往復動させる往復動手段、或いはプレートの積層体を、ループ状に積層されたループ状積層体であり、且つ移動手段として、前記プレートの各々がループ状軌道に沿って移動するループ状移動手段を採用することによって、乾燥対象物の乾燥斑を更に一層効果的に解消できる。また、マイクロ波を反射する反射板を、マイクロ波発信器の各々から照射されたマイクロ波を積層体の方向に反射する位置に設けることによって、プレートに載置された乾燥対象物にマイクロ波を均一に照射できる。 【0007】本発明に係るマイクロ波乾燥装置によれば、乾燥槽内に照射されたマイクロ波に照射分布が存在しても、プレートをマイクロ波の照射方向に対して上下動させるため、プレートに載置された乾燥対象物に対し、所定時間内では平均したマイクロ波を照射できる。その結果、乾燥対象物の乾燥焼け等の乾燥斑を可及的に解消できる。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明に係るマイクロ波乾燥装置の一例を図1によって説明する。図1に示すマイクロ波乾燥装置には、乾燥槽10内を減圧状態とする減圧手段としての真空ポンプ12と、乾燥槽10内を加熱する加熱手段としての遠赤外線を放出する遠赤外線加熱ヒータ14(以下、単に加熱ヒータ14と称する)及び加熱ジャケット16と、真空ポンプ12によって減圧されていると共に、加熱ヒータ14等によって加熱されている乾燥槽10内に載置された乾燥対象物にマイクロ波を照射して脱水処理を施す複数個のマイクロ波発信器18、18・・と、加熱ヒータ14等によって加熱された乾燥槽10内を攪拌して温度及びマイクロ波の分布を一様とするスターラ20とが設けられている。この乾燥槽10内に挿入された積層体22は、乾燥対象物が載置された複数枚のプレート24、24・・が上下方向に所定の間隔を介して段状に積層されて形成されており、積層体22の両側からマイクロ波が照射されるように、複数個のマイクロ波発信器18、18・・が積層体22を挟んで設けられている。 【0009】かかる乾燥槽10は、真空ポンプ12と減圧配管26によって連結されており、減圧配管26の途中には、減圧弁28が設けられている。更に、乾燥槽10には、減圧状態にある乾燥槽10の内圧を大気圧に復圧させる復圧配管30が設けられており、この復圧配管30の途中に復圧弁32が設けられている。この真空ポンプ12を駆動し減圧弁28を開とすることによって乾燥槽10の内圧を減圧状態とすることができる。かかる乾燥槽10の減圧状態は、減圧弁28と真空ポンプ12との間の減圧配管26に接続された調圧配管34に設けられた自動調整弁36によって調整できる。つまり、自動調整弁36の開度を調整して大気の吸気量を調整することにより、減圧弁28から吸引される吸引量を調整することによって、乾燥槽10の減圧状態を調整できる。尚、調圧配管34には、調整手動弁38及びストップ弁41が設けられており、手動でも乾燥槽10内の減圧状態を調整できる。 【0010】図1に示すマイクロ波乾燥装置において、乾燥対象物が載置された複数枚のプレート24、24・・が上下方向に所定の間隔を介して段状に積層されて成る積層体22の全体を、マイクロ発信器18、18・・からのマイクロ波の照射方向に対して上下方向に往復動させる往復動装置40が設けられている。かかる往復動装置40としては、油圧又は空気圧駆動のシリンダ装置を使用でき、シリンダ装置のロッドの一端を積層体22に接続することによって、積層体22を往復動させることができる。この往復動装置40によって積層体22の往復動幅は、照射するマイクロ波の波長によって異なるが、60〜120mm程度とすることが好ましい。また、往復動数は、2回/分程度で充分である。 【0011】この様な、図1に示すマイクロ波乾燥装置では、乾燥対象物が載置された複数枚のプレート24、24・・が上下方向に所定の間隔を介して段状に積層された積層体22を乾燥槽10内に挿入した後、スターラ20によって攪拌されている乾燥槽10内を加熱ヒータ14及び必要に応じて加熱ジャケット16により加熱しつつ、真空ポンプ12を駆動して所定の真空度に減圧し、マイクロ発信器18、18・・からマイクロ波を照射する。このため、積層体22のプレート24に載置された乾燥対象物には、プレート24の両側からマイクロ波が照射される。尚、この際、復圧弁32は閉じられていると共に、減圧弁28は開かれており、乾燥槽10の真空度の調整は、自動調整弁36によって自動的に行われる。 【0012】また、マイクロ発信器18、18・・からマイクロ波を照射すると共に、往復動装置40を駆動して積層体22の全体を所定幅で上下方向に往復動する。このため、積層体22のプレート24の各々に載置された乾燥対象物に対するマイクロ波の照射量は、所定時間経過後には、プレート24内及びプレート24間において略均一とすることができる。その結果、乾燥対象物のプレート24内及びプレート24間の乾燥斑を可及的に解消できる。マイクロ波の照射は、乾燥対象物が充分に脱水されるまで続行する。乾燥対象物の脱水が充分であるか否かは、乾燥槽10の真空度を測定することによって判断できる。つまり、乾燥対象物の脱水が充分に行われたとき、真空ポンプ12によって吸引される蒸気等の気体がなくなるため、乾燥槽10の真空度は急激に高まることから容易に判断できる。 【0013】乾燥対象物が充分に乾燥されたとき、マイクロ発信器18、18・・からのマイクロ波の照射を停止した後、減圧弁28を閉じると共に、真空ポンプ12を停止し、その後、復圧弁32を開いて乾燥槽10を大気圧とし、プレート24、24・・に載置された乾燥品を取り出すことができる。図1に示すマイクロ波乾燥装置によれば、加熱ヒータ14等による加熱は、減圧下で水分が蒸発する程度の加熱でよく、比較的低温で乾燥対象物の脱水処理を施すことができるため、得られた乾燥品は、乾燥前の乾燥対象物の味、香り、色等を保持した状態で乾燥できる。しかも、乾燥品の乾燥斑を可及的に解消できるため、図1に示すマイクロ波乾燥装置は、お茶やインスタント麺等の食品分野の乾燥に好適である。尚、プレート24を、図2に示す様に、上方に山形とすることによって、プレート24に載置された乾燥対象物に対して矢印方向から照射されるマイクロ波を充分に照射できる。 【0014】図1に示すマイクロ波乾燥装置では、積層体22の全体を上下方向に往復動したが、図3に示す様に、ゴンドラ状のプレート52をループ状に積層してループ状積層体50を形成し、且つプレート52の各々をループ状軌道54に沿って移動するようにしてもよい。かかるプレート52は、乾燥槽10の外側に設けられたモータ(図示せず)によって、乾燥槽10内に設けられた歯車等を駆動して移動することができる。この図3に示すマイクロ波乾燥装置のプレート52の各々は、ループ状軌道54に沿って移動する間に、マイクロ発信器18、18・・からのマイクロ波の照射方向に対して上下方向に移動し、プレート52に載置された乾燥対象物に対するマイクロ波の照射量を、所定時間経過後に、プレート52内及びプレート52間において略均一とすることができる。 【0015】図3に示すマイクロ波乾燥装置には、積層体50に対して左右方向に設けられたマイクロ波発信器18、18・・の中間に、マイクロ波発信器18、18・・から照射されたマイクロ波を反射する反射板56が設けられている。かかる反射板56によって、積層体50の一方側に設けられたマイクロ波発信器18、18から照射されたマイクロ波は、直接プレート52に載置された乾燥対象物に照射されると共に、反射板56によって反射されたマイクロ波も照射される。更に、かかるプレート52が、積層体50の他方側に設けられたマイクロ波発信器18、18から照射されたマイクロ波が照射される位置に移動すると、同様に、マイクロ波発信器18、18から照射されたマイクロ波によって、プレート52に載置された乾燥対象物に直接照射されると共に、反射板56によって反射されたマイクロ波も照射される。この様に、プレート52に載置された乾燥対象物が、反射板56により反射されたマイクロ波を利用して万遍なくマイクロ波によって照射されるため、乾燥対象物を短時間で且つ乾燥斑を可及的に防止しつつ乾燥することができる。以上、説明したマイクロ波乾燥装置では、積層体20,50の両側からマイクロ波が照射されるように、積層体22,50を挟んで複数個のマイクロ波発信器18,18・・を設置しているが、積層体22,50の片側に積層体20,50に沿って複数個のマイクロ波発信器18,18・・を設置してもよい。 【0016】 【発明の効果】本発明によれば、複数枚のプレートが上下方向に所定の間隔を介して段状に積層された積層体に対し、その両側からマイクロ波を照射すると共に、積層体を構成するプレートを上下方向に移動することによって、プレートに載置された乾燥対象物に対しマイクロ波を均一に照射できる。その結果、得られた乾燥品のプレート内及びプレート間に発生する乾燥斑を可及的に解消できる。このため、本発明に係るマイクロ波乾燥装置によれば、乾燥対象物を比較的低温で脱水処理でき、乾燥対象物の味、香り、色等を保持した状態で乾燥できるため、食品用の乾燥装置として好適に用いることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000148025 【氏名又は名称】株式会社千代田製作所
|
| 【出願日】 |
平成12年1月12日(2000.1.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077621 【弁理士】 【氏名又は名称】綿貫 隆夫 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−194066(P2001−194066A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月17日(2001.7.17) |
| 【出願番号】 |
特願2000−3099(P2000−3099) |
|