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【発明の名称】 循環型乾燥機
【発明者】 【氏名】小條 ▲れい▼二

【氏名】弓立 正史

【氏名】宮崎 啓市

【氏名】上原 崇

【氏名】能丸 憲樹

【氏名】河野 克典

【氏名】西野 栄治

【氏名】向山 直樹

【要約】 【課題】穀粒の張込量と水分値に応じて加温部と乾燥部の温度をそれぞれ最適な温度に制御して効率的な乾燥制御を行うことができる循環型乾燥機を提供する。

【解決手段】穀粒の温度を上昇させる加温部7と穀粒の水分を蒸発させる乾燥部8とを上下方向に配置し、加温部7と乾燥部8はそれぞれ別個の燃焼バーナ9、10を備えるとともに、加温部7の温度と乾燥部8の温度とをそれぞれ独立して温度制御を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 穀粒の温度を上昇させる加温部と穀粒の水分を蒸発させる乾燥部とを上下方向に配置する循環型乾燥機において、前記加温部と前記乾燥部はそれぞれ別個の温風発生装置を備えるとともに、前記加温部の温度と前記乾燥部の温度とをそれぞれ独立して温度制御を行うことを特徴とする循環型乾燥機。
【請求項2】 所定の張込量までは前記加温部を運転せず、所定の張込量を超える張込量になると前記加温部を運転するとともに、その張込量に応じて前記加温部の燃焼量が大きくなるように制御することを特徴とする請求項1記載の循環型乾燥機。
【請求項3】 乾燥機に備えた自動水分計により検出した水分値によって前記加温部の燃焼量を変更することを特徴とする請求項1又は2記載の循環型乾燥機。
【請求項4】 前記加温部を機体本体より着脱自在に構成したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の循環型乾燥機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、穀粒の張込量と水分値に応じて効率的な乾燥制御を行うことができる循環型乾燥機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、バーナによって発生した熱風を先ず加温部(予熱部)に導いて加温部での穀温の昇温に使用し、その後外気と混合して穀粒乾燥用の熱風として使用するタイプの循環型乾燥機はよく知られている。
【0003】しかしながら、この従来タイプの乾燥機は、張込量に応じて乾燥部の熱風温度を制御することによりバーナ燃焼量の制御を行っているため、加温部の温度を適正に制御することが困難である。要するに、張込量が多いときは加温部の温度も高くなり穀温が上昇しやすいが、張込量が少ないと加温部の温度も低くなり予熱の効果が減少してしまう。また、張込量が少ないと加温部が露出した状態で熱が拡散してしまうのでエネルギーのロスが大きい。さらに、十分穀温が上昇した低水分域においても更に余分な熱を与えることになり穀温が上がり過ぎて品質が悪くなってしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、穀粒の張込量と水分値に応じて加温部と乾燥部の温度をそれぞれ最適な温度に制御して効率的な乾燥制御を行うことができる循環型乾燥機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1の発明は、穀粒の温度を上昇させる加温部と穀粒の水分を蒸発させる乾燥部とを上下方向に配置する循環型乾燥機において、前記加温部と前記乾燥部はそれぞれ別個の温風発生装置を備えるとともに、前記加温部の温度と前記乾燥部の温度とをそれぞれ独立して温度制御を行うことを特徴とする。
【0006】また、請求項2の発明は、請求項1において、所定の張込量までは前記加温部を運転せず、所定の張込量を超える張込量になると前記加温部を運転するとともに、その張込量に応じて前記加温部の燃焼量が大きくなるように制御することを特徴とする。
【0007】また、請求項3の発明は、請求項1又は2において、乾燥機に備えた自動水分計により検出した水分値によって前記加温部の燃焼量を変更することを特徴とする。さらに、請求項4の発明は、請求項1、2又は3において、前記加温部を機体本体より着脱自在に構成したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明に係わる循環型乾燥機の一部断面せる全体断面図、図2はその側面図、図3はコントローラパネルの平面図、図4はコントローラの制御ブロック図である。
【0009】穀粒を乾燥する循環型の穀粒乾燥機1は、穀粒の水分を検出する水分計13、熱風を発生するバーナ9、10等を装着している。この乾燥機1は、前後方向に長い長方形状で機壁2上部には移送樋4、天井板3を設け、この天井板3の下側には、穀粒を貯留する穀粒貯留室6を形成している。この貯留室6の下側において、穀粒の温度を上昇させる加温部7と穀粒の水分を蒸発させる乾燥部8とを上下方向に配置している。そして、加温部7と乾燥部8はそれぞれ専用の燃焼バーナ(温風発生装置)9、10を備えている。
【0010】排風機14は、後側機壁2で排風室の近傍に設け、また拡散盤5は、移送樋4底板の中央部で移送穀粒を貯留室6へ供給する供給口の下側に設け、貯留室6へ穀粒を均等に拡散還元させている。昇降機11は、前側機壁2の外側部に設けられ、内部にバケットコンベア12を配設して穀粒を下から上部に搬送している。前記水分計13は昇降機11の上下方向ほぼ中央部に設けている。
【0011】本発明に係る循環型乾燥機1は、上述したように、加温部7と乾燥部8はそれぞれ別個の燃焼バーナ9、10を備えるとともに、加温部7の温度と乾燥部8の温度とをそれぞれ独立して温度制御を行うことを特徴としている。つまり、乾燥部8の上段に独立構成の加温部7を設け、加温部7独自の燃焼バーナ9を備えるとともに、乾燥部8とは独立して温度制御を行えるように構成している。このように、加温部7と乾燥部8とを独立して温度制御を行うため、図4の制御ブロック図にも示すように、電磁ポンプ、カップモータ及びイグナイタを作動する出力回路と、電磁バルブを作動するオンタイム出力回路と、予熱バーナモータを作動する回転指令出力回路をそれぞれ2組ずつ設けている。
【0012】本発明の循環型乾燥機1を用いることにより、加温部7と乾燥部8の双方を用いて穀粒を乾燥することで、より早く乾燥させることが可能となる。また、加温部7と乾燥部8の温度を穀粒の張込量や水分値に応じてそれぞれ最適な温度に制御することができ、効率的な温度制御が可能になる。たとえば、張込量が少ない場合は、加温部7を休止し乾燥部8のみを稼動させることや、高水分の場合は加温部7を稼動させ、低水分の場合は加温部7を休止するといった使い分けが可能になるため、効率的な高速乾燥を行うことができる。
【0013】次に、所定の張込量までは上記加温部7を運転せず、所定の張込量を超える張込量になると加温部7を運転するとともに、その張込量に応じて加温部7の燃焼量が大きくなるように制御する乾燥機について説明する。これは、所定の張込量、例えば最低張込量(図1のラインA)から加温部7が埋まる程度の張込量(図1のラインB)までは加温部7を休止して乾燥部8のみを稼動し、所定の張込量を超えたら加温部7を稼動し、あとは張込量に比例して加温部7の燃焼量が大きくなるように制御を行うものである。
【0014】図5は張込量と燃焼量との関係を示したもので、同図より明らかなように、最低張込量から加温部7が埋まる張込量までは加温部7は駆動せず、それを超える張込量になったら加温部7を駆動するとともに張込量に比例して加温部7の燃焼量を大きくしていく様子を示している。このように、張込量が少ないときには加温部7を運転しないことでエネルギーロスをなくし、張込量が多いときは張込量に応じて加温部7の燃焼量を増やすことにより効率的な乾燥制御が可能となる。
【0015】なお、上述の張込量が多いときに張込量に応じて加温部7の燃焼量を大きくするように制御する際に、前記水分計13により検出される水分値によって加温部7の燃焼量を変更することができる。図6は加温部7の燃焼量を水分値が高いほど増やすように制御する場合を示している。このように、穀粒水分値によって加温部7の燃焼量を変更することにより、特に低水分域における穀温が上昇し過ぎて品質が低下するのを防止できる。
【0016】次に、穀粒水分値によって加温部7の燃焼量を変更するような制御を行う場合について説明する。図7は穀粒水分値と燃焼量との関係を示したもので、乾燥部8の燃焼量は穀粒水分値に拘わらず一定とし、加温部7は、穀粒水分値が高い場合は燃焼量を高めに設定し、穀粒水分値が低い場合は燃焼量を低めに設定する場合を示している。このように、穀粒水分値によって加温部7の燃焼量を変更することにより、特に低水分域では燃焼量を低めにして穀温が上昇し過ぎるのを防止でき、全体として高品質の仕上がりが可能となる。
【0017】ところで、低水分域で加温部7の加温を休止すると外気が機内に吸引され乾燥速度の低下を招く恐れがあるため、加温を必要とする高水分域では積極的に加温を行う一方、低水分域では加温部7を通過する際に穀温が低下しない程度に加温を継続して行うことにより、乾燥速度の低下を防止することができる。
【0018】また、別の実施形態として、図8に示すように、加温部7の外気取入口15にシャッタ16等の遮蔽機構を設け、加温部7の休止中(バーナ停止)はこのシャッタ16を閉じて外気の導入を遮断する。加温部7休止中には外気の導入を遮断して加温部7での穀温の低下が起こらないようにすることにより、低水分域での乾燥速度の低下を防止することができる。
【0019】次に、上記加温部7を着脱自在に構成した乾燥機について説明する。前述の図1にも示したように、加温部7の燃焼バーナ9を機枠に固定して加温部7全体をユニット化し、このユニットごと既製の乾燥機に組み付け、加温部7を乾燥機本体より着脱自在に構成する。要するに、加温部7の段を入れると加温部付の乾燥機に、加温部7の段を外すと通常の従来型乾燥機に変更できる。このように、加温部7を着脱自在に構成することにより、加温部7を従来型乾燥機に加えるだけで加温部付乾燥機になり前述のごとき高速乾燥を実現でき、従来型乾燥機との共用化が図れる。
【0020】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係る循環型乾燥機は、穀粒の温度を上昇させる加温部と穀粒の水分を蒸発させる乾燥部とを上下方向に配置し、加温部と乾燥部とはそれぞれ別個の温風発生装置を備えるとともに、加温部の温度と乾燥部の温度とをそれぞれ独立して温度制御を行うようにしたので、加温部と乾燥部の双方を用いて穀粒をより早く乾燥させることができる。また、加温部と乾燥部の温度を穀粒の張込量や水分値に応じてそれぞれ最適な温度に制御することができ、あるいは乾燥部のみを稼動させるといった使い分けが可能になるため、効率的な高速乾燥を行うことができる。
【0021】また、所定の張込量までは加温部を運転せず、所定の張込量を超える張込量になると加温部を運転し、その張込量に応じて加温部の燃焼量が大きくなるように制御することにより、張込量が少ない場合は加温部を運転しないことでエネルギーロスをなくし、張込量が多い場合は張込量に比例して加温部の燃焼量を増やすことで効率的な乾燥制御が可能となる。
【0022】また、乾燥機に備えた自動水分計により検出した水分値によって加温部の燃焼量を変更することにより、たとえば低水分域では加温部の燃焼量を低めに設定し、穀温が上昇し過ぎるのを防止できる。
【0023】また、加温部を機体本体より着脱自在に構成することにより、加温部を入れると加温部付の乾燥機に、加温部を外すと通常の従来型乾燥機に変更できるので、従来型乾燥機との共用化が図れる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成12年1月7日(2000.1.7)
【代理人】 【識別番号】100077779
【弁理士】
【氏名又は名称】牧 哲郎 (外3名)
【公開番号】 特開2001−194062(P2001−194062A)
【公開日】 平成13年7月17日(2001.7.17)
【出願番号】 特願2000−1772(P2000−1772)