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【発明の名称】 除湿乾燥機
【発明者】 【氏名】米吉 通久

【要約】 【課題】衣類のしわ寄れ、傷み、乾燥むらなどをなくし、外気温度が低い場合にも、乾燥性能が低下せず、乾燥効率のよい除湿乾燥機を提供することを目的としている。

【解決手段】除湿乾燥機1は、乾燥室2と空気乾燥装置3から成り、空気乾燥装置3は、ハニカムローター型の構造を有した吸着材10と、吸着した水分を脱着する再生機構12から構成され、しわ寄れ、傷み、乾燥むらがない、乾燥効率のよい除湿乾燥機を得るものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被乾燥物を吊り下げる支持機構と、給気口と、排気口とを備えた乾燥室と、取り入れ口と、取り出し口と、空気中の水分を吸着する吸着材と、前記吸着材に吸着した水分を熱風により脱着する再生機構と、送風装置とを備えた空気乾燥装置と、この空気乾燥装置の取り出し口と、前記乾燥室の給気口とを連通した除湿乾燥機。
【請求項2】 片方が閉塞され、他端が前記空気乾燥装置の取り出し口に連接された筒状の送風ダクトと、この送風ダクトに複数のノズル孔を設けるとともに、前記乾燥室内に配設した請求項1記載の除湿乾燥機。
【請求項3】 前記乾燥室に設けた連通口と、この連通口に設けた第一の電動開閉弁と、この連通口と前記取り入れ口を接続する連通ダクトと、片方がこの連通ダクトに接続され、他方が外部に開放された吸気ダクトと、この吸気ダクトに設けた第二の電動開閉弁と、前記乾燥室の内部に設けた第一の湿度検知手段と、前記乾燥室の外部に設けた第二の湿度検知手段と、この湿度検知手段の検知した湿度に基づいて前記第一の電動開閉弁と、前記第二の電動開閉弁を制御する制御手段を備えた請求項1または2記載の除湿乾燥機。
【請求項4】 前記空気乾燥装置の取り出し口の風上側に加温手段を配設し、前記乾燥室の給気口とを連通した請求項1、2または3記載の除湿乾燥機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣類の乾燥、レインウエア類の乾燥、スキー用の靴や手袋類などの乾燥に使用する除湿乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的な乾燥機として、回転ドラムを用いた乾燥機があり、この回転ドラム内に洗濯後の衣類を投入し、回転させながら電熱ヒーターや燃焼による温風加熱により乾燥を行うものである。これらの乾燥機に関しては、特公平5−49314号公報などによっても示されている。また乾燥用空気の生成装置として、冷凍サイクルを用いたものが特開昭57−131493号公報によって示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の乾燥機では、被乾燥物である衣類自体が回転し、他の衣類と絡み合うために、乾燥後の衣類にしわが多くできるという課題がある。また温風加熱の場合、その温風温度が比較的高いために、被乾燥物を傷めるいう課題もある。さらに被乾燥物を多量に投入すると、乾燥むらが発生したり、乾燥時間にバラツキがでるために、必要以上の長時間運転とそれによる電力消費の増大で乾燥効率が悪いという課題がある。また乾燥用空気の生成装置として、冷凍サイクルを用いたものは、外気温度が低い場合、例えば外気温度が10℃以下で運転されると、冷凍サイクルの能力が低下するために、乾燥性能も低下するという課題がある。
【0004】本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、回転ドラムを用いることで発生する衣類のしわ寄れ、温風加熱による衣類の傷み、多量の乾燥物投入時に発生する乾燥むらなどをなくして乾燥性能を向上させ、加えて外気温度が低い場合にも、乾燥性能が低下しない除湿乾燥機を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明の除湿乾燥機は、乾燥室と空気乾燥装置から成り、乾燥室は、被乾燥物を吊り下げる支持機構と、給気口と、排気口から構成されている。また空気乾燥装置は、取り入れ口と、取り出し口と、空気中の水分を吸着する吸着材と、前記吸着材に吸着した水分を熱風により脱着する再生機構と、送風装置から構成され、さらに前記空気乾燥装置の取り出し口と、前記乾燥室の給気口とを連通した構成としたものである。
【0006】本発明によれば、回転ドラムを用いる必要がなく、衣類を回転させず、形状を保ったまま乾燥させられるため、しわ寄れや乾燥むらがなくなる。また、空気乾燥装置で得られる乾燥空気の温度があまり高温にならず、衣類を傷めることもない。加えて外気温度が低い場合にも、乾燥した空気を安定して前記乾燥室に供給できるため、乾燥性能が低下することのない除湿乾燥機が得られる。
【0007】また他の手段は、片方が閉塞され、他端が前記空気乾燥装置の取り出し口に連接された筒状の送風ダクトと、この送風ダクトに複数のノズル孔を設けるとともに、前記乾燥室内に配設した構成としたものである。
【0008】そして本発明によれば、前記空気乾燥装置によって作られた乾燥空気が、勢いをもって被乾燥物に直接当たるため、乾燥性能が大幅に向上する除湿乾燥機が得られる。
【0009】また他の手段は、前記乾燥室に設けた連通口と、この連通口に設けた第一の電動開閉弁と、この連通口と前記取り入れ口を接続する連通ダクトと、片方がこの連通ダクトに接続され、他方が外部に開放された吸気ダクトと、この吸気ダクトに設けた第二の電動開閉弁と、前記乾燥室の内部に設けた第一の湿度検知手段と、前記乾燥室の外部に設けた第二の湿度検知手段と、この湿度検知手段の検知した湿度に基づいて前記第一の電動開閉弁と、前記第二の電動開閉弁を制御する制御手段を備えた構成としたものである。
【0010】そして本発明によれば、前記乾燥室の内部に設けた第一の湿度検知手段と、前記乾燥室の外部に設けた第二の湿度検知手段の検知した湿度により、前記第一の電動開閉弁と第二の電動開閉弁を制御することで、乾燥効率のよい除湿乾燥機が得られる。
【0011】また他の手段は、前記空気乾燥装置の取り出し口の風上側に加温手段を配設し、前記乾燥室の給気口とを連通した構成としたものである。
【0012】そして本発明によれば、乾燥空気と加温空気が前記乾燥室の給気口より供給されることとなり、よってこの乾燥室2内が乾燥状態にされるので、乾燥効率のよい除湿乾燥機が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、乾燥室と空気乾燥装置から成り、乾燥室は、被乾燥物を吊り下げる支持機構と、給気口と、排気口から構成されている。空気乾燥装置は、送風装置により、取り入れ口より取り入れた外気を、ハニカムローター構造を有した吸着材を通過させることにより、その空気中の水分を吸着し、乾燥した空気を乾燥室の給気口より供給し、乾燥室内を乾燥状態にすることで、前記乾燥室内に吊り下げた被乾燥物を乾燥させるものであり、吸着材に吸着した水分は、熱風を送風する機構を有した再生機構で脱着されて外部に放出され、前記吸着材が回転する工程で、吸着と脱着が順次繰り返されるという作用を有する。
【0014】また、複数のノズル孔を設けた送風ダクトを、前記空気乾燥装置の取り出し口に連接し、乾燥室の内部に配設したものであり、空気乾燥装置によって作られた乾燥空気が、前記送風ダクトに設けたノズル孔から、勢いよく噴出して被乾燥物に当たることができる。
【0015】また、前記乾燥室の内部に設けた第一の湿度検知手段と、前記乾燥室の外部に設けた第二の湿度検知手段の検知した湿度に基づいて、前記第一の電動開閉弁と、前記第二の電動開閉弁を、前記制御手段によって制御することにより、前記空気乾燥装置の取り入れ口と、前記乾燥室の連通口が連通し、前記乾燥室と前記空気乾燥装置とが前記連通ダクトを介して一体に接続したものであり、乾燥室内に供給された乾燥空気は、前記連通口を介して再び前記空気乾燥装置の取り入れ口に導かれ、再び前記吸着材によって水分が吸着され、さらに湿度の低い乾燥した空気が、前記乾燥室内に供給され、空気流の循環サイクルが構成できる。
【0016】また、前記空気乾燥装置の取り出し口の風上側に加温手段を配設し、前記乾燥室の給気口とを連通した構成としたものであり、乾燥空気と加温空気が前記乾燥室の給気口より供給されるので乾燥室内の乾燥状態がより良くなるので、乾燥効率がさらに良くなる。
【0017】以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0018】
【実施例】(実施例1)図1に示すように、本発明の除湿乾燥機1は、乾燥室2と空気乾燥装置3から成り、乾燥室2は、被乾燥物4を吊り下げる支持機構5と、給気口6と、排気口7から構成されている。空気乾燥装置3は、送風装置8と、外気の取り入れ口9と、ハニカムローター型の構造を有した吸着材10と、軸10aと、乾燥した空気の取り出し口11を有し、さらに前記吸着材10に吸着した水分を熱風により脱着する再生機構12と、再生用空気の入口13と、出口14とから構成されている。また前記再生機構12は、送風機15と、ヒーター16から構成されている。また前記空気乾燥装置3の取り出し口11は、前記乾燥室2の給気口6とダクト17により接続されている。また前記乾燥室2および前記空気乾燥装置3の底面には、それぞれ移動用のキャスター18および18aが設けてある。
【0019】上記構成において、空気乾燥装置3は、送風装置8により、取り入れ口9より外気を矢印で示すように取り入れ、ハニカムローター構造を有した吸着材10を通過させる。この時、その空気中の水分が吸着されるため、乾燥した空気が前記乾燥室2の給気口6より供給される。そしてこの乾燥室2内を乾燥状態にすることで、前記乾燥室2内に吊り下げた被乾燥物4を乾燥させる。この工程において、前記被乾燥物4の水分は、時間とともに乾燥して水蒸気となり、前記排気口7から外部に排出される。一方、前記吸着材10に吸着された水分は、前記入口13から取り入れた外気を、再生機構12のヒーター16により熱風として送風することにより、脱着されて、前記出口14から外部に放出される。なおこれら一連の脱着工程を、再生工程とも呼んでいる。なお前記熱風の温度は、前記吸着材10の材質によって異なるが、100℃〜200℃にすることが多い。前記ハニカムローター構造を有した吸着材10は、軸10aを中心にして回転するよう構成されており、この回転する工程で、前記吸着工程と脱着工程が順次繰り返されることになる。したがって、常に乾燥した空気が連続的に前記乾燥室2に供給されることになる。
【0020】(実施例2)実施例1と同一箇所には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0021】図2に示すように、複数のノズル孔20を設けた送風ダクト21を、前記給気口6に連接し、前記乾燥室2内の下部に前記ノズル孔20を上方に向けて配設した構成である。また、この送風ダクト21の先端は閉塞されている。
【0022】上記構成において、前記給気口6から送風された乾燥空気は、前記ノズル孔20から勢いのある風となって前記被乾燥物4に直接当てられる。この作用により前記被乾燥物4の乾燥スピードは飛躍的に向上する。この勢いのある風は、前記送風装置8の送風圧力と、前記ノズル孔20を設けたために生成されるもので、乾燥室2内に新たに送風装置を設ける必要はなく、構造がシンプルである。
【0023】なお、送風ダクト21は、乾燥室2内の下部に1列に配設したが、横または上部に、複数列配設してもよい。
【0024】(実施例3)実施例1と同一箇所には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0025】図3に示すように、前記乾燥室2に設けた連通口30と、この連通口30に設けた第一の電動開閉弁31と、この連通口30と前記取り入れ口9を接続する連通ダクト32と、片方がこの連通ダクト32に接続され、他方が外部に開放された吸気ダクト33と、この吸気ダクト33に設けた第二の電動開閉弁34と、制御手段35を備えている。また、前記乾燥室2の内部に第一の湿度検知手段36、前記乾燥室2の外部には第二の湿度検知手段37を設けている。
【0026】上記構成において、通常は第一の電動開閉弁31は閉じ、第二の電動開閉弁34は開いた状態になっている。この状態は、前記実施例1で説明したものと同じ動作と作用が行われる。すなわち外気は、吸気ダクト33より取り入れられて、前記取り入れ口9から前記空気乾燥装置3に導かれ、ハニカムローター構造を有した吸着材10を通過し、その空気中の水分が吸着された後、乾燥した空気が前記乾燥室2の給気口6より供給されるものである。ここで、前記乾燥室2内の湿度の変化を見てみる。
【0027】図4は、乾燥の工程における乾燥室2の内部と外部の湿度の変化を示す特性図である。横軸Tは時間、縦軸Hは相対湿度である。特性Aは、前記第二の湿度検知手段37で検知した前記乾燥室2の外部の湿度の変化、特性Bは、前記第一の湿度検知手段36の検知した前記乾燥室2の内部の湿度の変化を表している。図4から明らかなように、乾燥工程の初期の段階においては、乾燥室2の内部の湿度は、乾燥室2の外部の湿度よりも高い状態になっているが、乾燥の進展とともに湿度が低下し、Ta時間で乾燥室2の外部の湿度よりも低くなり、Tb時間で一定の湿度状態に落ち着く。このTb時間を乾燥の終了と判断することができる。この湿度の変化は、乾燥工程の初期の段階においては、前記被乾燥物4の水分が多く蒸発し、乾燥の末期になるほど少なくなることと深く関係したものである。ここで、前記制御手段35により、乾燥室2の内部の湿度が、乾燥室2の外部の湿度よりも低くなった時点すなわちTa時間に、前記第一の電動開閉弁31を開き、そして前記第二の電動開閉弁34を閉じると、乾燥室2内の空気は、前記連通ダクト32を介して、前記取り入れ口9から前記空気乾燥装置3に導かれ、さらに乾燥した状態の空気が前記乾燥室2の給気口6より供給されることとなる。この作用により、乾燥室2の内部の湿度は、図4の破線で示した特性Cのように変化し、乾燥の終了時間Tcはさらに早まることとなる。
【0028】なお、第二の湿度検知手段37は、吸気ダクト33の外気取り入れ口近傍に設けてもよい。また、排気口7に開閉用の弁を設け、前記制御手段35により制御すれば、さらに乾燥効果を高めることもできる。
【0029】(実施例4)実施例1と同一箇所には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0030】図5に示すように、前記空気乾燥装置3の取り出し口11の風上側に予め加温温度を設定した加温手段38を配設し、前記乾燥室2の給気口6とダクト17により接続されている。
【0031】上記構成により、空気乾燥装置3は、送風装置8により、取り入れ口9より外気を矢印で示すように取り入れ、ハニカムローター構造を有した吸着材10を通過させ、この時、その空気中の水分が吸着されるため乾燥した空気が供給されると同時に取り出し口11の風上側に設けた加温手段38により、乾燥空気と加温空気が前記乾燥室2の給気口6より供給されることとなり、よってこの乾燥室2内を乾燥状態にされるので、この乾燥室2内に吊り下げた被乾燥物4を乾燥させる。
【0032】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発明によれば、回転ドラムを用いる必要がなく、衣類を回転させず、形状を保ったまま乾燥させられるため、しわ寄れや乾燥むらがなくなる。また、空気乾燥装置で得られる乾燥空気の温度があまり高温にならず、衣類を傷めることもない。加えて外気温度が低い場合にも、乾燥した空気を安定して前記乾燥室に供給できるため、乾燥性能が低下することのない除湿乾燥機を提供できる。
【0033】また、空気乾燥装置によって作られた乾燥空気が、勢いをもって被乾燥物に直接当たるため、乾燥性能が大幅に向上する除湿乾燥機を提供できる。
【0034】また、湿度検知手段の検知した湿度により、電動開閉弁を制御することで、乾燥効率のよい除湿乾燥機を提供できる。
【0035】また、乾燥空気と加温空気により乾燥効率を大幅に向上する除湿乾燥機を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000006242
【氏名又は名称】松下精工株式会社
【出願日】 平成12年1月11日(2000.1.11)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【公開番号】 特開2001−194059(P2001−194059A)
【公開日】 平成13年7月17日(2001.7.17)
【出願番号】 特願2000−2183(P2000−2183)