| 【発明の名称】 |
真空乾燥機 |
| 【発明者】 |
【氏名】山崎 博喜
|
| 【要約】 |
【課題】真空乾燥機に用いる真空ポンプのオイルに乾燥槽に入れた被乾燥体に残存した洗浄剤が溶け込んでオイルを劣化させてしまう。このオイルの交換を不要とし、コストアップの低減、乾燥機の可動率の向上を図る。
【解決手段】乾燥槽1内を真空ポンプ14で真空に引きながら乾燥させる真空乾燥機であって、乾燥槽1に通じる排気通路3中で真空ポンプ14の乾燥槽1側に被乾燥体に残存して排気中に含まれる洗浄剤を液化して回収するコールドトラップ18を設けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 乾燥槽内を真空に引きながら内部に入れた被乾燥体を乾燥させる真空乾燥機において、前記乾燥槽に通じる給気通路と排気通路とを有し、前記排気通路の途中に被乾燥体に残存した洗浄剤を液化して回収する手段を設けたことを特徴とする真空乾燥機。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は乾燥槽の内部に入れた物体を乾燥させるための真空乾燥機の改良に関するものである。 【0002】 【従来の技術】光学繊維束を製造する工程では最初に光学繊維素線を作るために、例えば三重素線の紡糸を行ってとぐろ状に収容し、その後に所定の長さに切断している。この光学繊維素線を洗浄して繊維の外側に付着したごみ、汚れ、ガラス屑を取り除き、真空乾燥機により乾燥させている。この洗浄は従来フロンを使用して行っていたが、フロンの全廃に伴って別の洗浄剤、例えばジメチルシロキサン類溶剤に変更した。しかし、フロンによる洗浄後の乾燥時間に対して別の洗浄剤であるジメチルシロキサン類溶剤では8倍もの時間を要するようになった。そこで、乾燥時間の短縮のために真空乾燥機によって乾燥させることで乾燥時間の短縮を図ることとした。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、真空乾燥機では乾燥槽の内部を真空ポンプで排気しており、この洗浄剤であるジメチルシロキサン類溶剤は排気の中に含まれ、真空ポンプのオイルに溶け込んでオイルを劣化させてしまうという問題が発生した。この解決手段としては所定時間使用したところでオイルを抜き取って全てのオイルを交換しなければならず、余分な工数、コストアップにつながってしまうという不具合が発生していた。 【0004】本発明は、上述した不具合に着目して成されたもので、オイル交換を不要としてコストアップの低減を図るとともに、稼働率の向上を図ることのできる真空乾燥機を提供することを目的とするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明真空乾燥機は、乾燥槽内を真空に引きながら内部に入れた被乾燥体を乾燥させる真空乾燥機において、前記乾燥槽に通じる給気通路と排気通路とを有し、前記排気通路の真空ポンプの乾燥槽側に被乾燥体に残存した洗浄剤を液化して回収する手段を設けた。 【0006】本発明真空乾燥機は、乾燥槽内を真空に引くときに被乾燥体に残存する洗浄剤を真空ポンプの手前側の排気通路内で回収することで、洗浄剤が真空ポンプの中に入らないようにして真空ポンプの劣化を防止する。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明による真空乾燥機を示しており、内部に乾燥させる物体、例えば光学繊維素線を入れて乾燥させるための乾燥槽1は内部を密封することができる構造になっている。乾燥槽1には給気通路2と排気通路3と乾燥槽1内の真空度を確認するための真空計4が接続されている。給気通路2は、1μ程度までの大きめのごみを捕獲するための第1のフィルター5、給気量を調節するための給気バルブ6、給気量を微調節するためのニードルバルブ7、給気動作に切換えるための電磁弁8、0.1μ程度までのごみを捕獲するための第2のフィルター9を大気側から順次に配置してある。 【0008】排気通路3は、乾燥槽1の排気口10から順次に排気量を調節するための排気バルブ11、排気量を微調節するためのニードルバルブ12、排気動作に切換えるための電磁弁13が配置されている。更に、乾燥槽1の内部を排気して真空とする油回転ポンプ14、オイルミストトラップ15、排気ダクト16、オイルミストトラップ15の下方に設けた液だれ受け17が配置されている。そして、電磁弁13と油回転ポンプ14との間の排気通路に乾燥槽1から排気される気体を冷却して液化し、気体に含まれる洗浄剤を回収するためのコールドトラップ18を設け、そのコールドトラップ18の下方には回収した洗浄剤の排出バルブ19、排出バルブ19の排出口に受け20を配置してある。 【0009】コールドトラップ18には能力を増すために専用の不凍液を入れてあり、ハンディクーラー21からの管路をコールドトラップ18の不凍液中に挿入して不凍液を−20℃まで冷却している。なお、このハンディクーラー21はタイマー22によりON,OFFを行って損失を少なくしている。また、電磁弁13とコールドトラップ18との間には逆流防止バルブ23が配設されている。この逆流防止バルブ23は、乾燥槽1内を大気圧に戻す際に給気側電磁弁8を開き、排気側電磁弁13を同時に閉じて高真空である油回転ポンプ14を停止するときに、乾燥槽1側に油回転ポンプ14のオイルやそれらと混ざった洗浄剤が戻ろうとするのを排気側電磁弁13から油回転ポンプ14までの配管内を瞬時に大気圧とすることで防止するものである。 【0010】次に本発明の真空乾燥機による作用を説明する。乾燥槽1の蓋(図示せず)を開いて洗浄剤で洗浄した光学繊維素線を乾燥槽1の内部に配置して蓋を閉じ、給気通路2の電磁弁8が閉鎖された事を確認してから電磁弁13を開くと共に真空乾燥機の運転を行い油回転ポンプ14を作動させる。このとき排気バルブ11、ニードルバルブ12を調節して排気量を調節する。光学繊維素線に残存して蒸発した洗浄剤は乾燥槽1内部の空気とともに排気通路3内をコールドトラップ18まで送られる。コールドトラップ18内では洗浄剤を含んだ空気は不凍液により冷却され、洗浄剤は液化してコールドトラップ18の下部の排出バルブ19の部分に溜まる。洗浄剤の除去された空気は油回転ポンプ14により排気ダクト16まで送られて外部の大気中に排気される。乾燥が終了したならば、給気通路の各バルブを開いて乾燥槽1内に大気を入れ、乾燥槽1の蓋を開いて光学繊維素線を取り出す。 【0011】以上説明してきた技術内容によれば、以下に示すような各種の構成が得られる。 【0012】1.乾燥槽内を真空に引きながら内部に入れた被乾燥体を乾燥させる真空乾燥機において、前記乾燥槽に通じる給気通路と排気通路とを有し、前記排気通路の途中に被乾燥体に残存した洗浄剤を液化して回収する手段を設けたことを特徴とする真空乾燥機。 【0013】2.第1項に記載の真空乾燥機において、前記乾燥槽内を排気して真空にするための真空ポンプが前記回収手段の大気側の前記排気通路中に設けられていることを特徴とする真空乾燥機。 【0014】3.第2項に記載の真空乾燥機において、前記真空ポンプは油回転ポンプであることを特徴とする真空乾燥機。 【0015】4.第1項乃至第3項のうちの1項に記載の真空乾燥機において、前記回収手段はコールドトラップであることを特徴とする真空乾燥機。 【0016】5.第4項に記載の真空乾燥機において、前記コールドトラップは不凍液を入れて前記排気通路を冷却するとともに前記不凍液中には前記不凍液を冷却するための手段が設けられていることを特徴とする真空乾燥機。 【0017】6.第5項に記載の真空乾燥機において、前記不凍液を冷却する手段はハンディクーラーであることを特徴とする真空乾燥機。 【0018】7.第1項乃至第6項のうちの1項に記載の真空乾燥機において、回収手段は−20℃まで冷却されていることを特徴とする真空乾燥機。 【0019】8.第1項乃至第7項のうちの1項に記載の真空乾燥機において、前記給気通路と排気通路には給排気を切換えるための電磁弁が設けられていることを特徴とする真空乾燥機。 【0020】9.第1項乃至第8項のうちの1項に記載の真空乾燥機において、前記給気通路と排気通路には給排気量を調整するためのバルブが設けられていることを特徴とする真空乾燥機。 【0021】10.第8項に記載の真空乾燥機において、前記排気通路中の前記電磁弁と前記コールドトラップとの間には逆流防止バルブが配設されていることを特徴とする真空乾燥機。 【0022】 【発明の効果】本発明によれば、真空乾燥機の乾燥槽内を真空に引く排気通路の真空ポンプの乾燥槽側に被乾燥体に残存した洗浄剤を回収する手段を設け、被乾燥体に残存する洗浄剤を真空ポンプの手前側の排気通路内で回収するので、洗浄剤が真空ポンプの中に入らないようにでき、真空ポンプ内のオイルに洗浄剤が溶け込むことがなくなり、オイル交換を不要としてオイル交換に伴うコストアップの低減を図るとともに、稼働率の向上を図ることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000376 【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社 【識別番号】000004008 【氏名又は名称】日本板硝子株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年11月11日(1999.11.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094031 【弁理士】 【氏名又は名称】摺澤 章
|
| 【公開番号】 |
特開2001−141360(P2001−141360A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月25日(2001.5.25) |
| 【出願番号】 |
特願平11−320695 |
|