| 【発明の名称】 |
乾燥設備および磁気テープ製造装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐々木 徹
【氏名】児玉 清幸
【氏名】沼倉 新一
【氏名】加藤 悟
【氏名】佐藤 敬二
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| 【要約】 |
【課題】広幅シートのシフトやノズル接触を防止できる乾燥設備を提供することを目的とする。
【解決手段】広幅シート3は磁気テープである。上ノズル6は走行する広幅シート3の上面3aに熱風を吹き付ける。下ノズル7は広幅シート3の下面3bに熱風を吹き付ける。上ノズル6の下にガイドロール8を設ける。このガイドロール8は広幅シート3の下面3bと接する。また、ガイドロール8の両端に羽車を設ける。上ノズル6の吹き出す熱風をこの羽車に当てることにより、ガイドロール8を回転駆動する。また、ガイドロール8は導電性を有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】(A)以下の上ノズルと下ノズルを有する乾燥設備において、(A−1)上ノズルは、走行する広幅シートに、この広幅シートの上面から熱風を吹き付ける。 (A−2)下ノズルは、上記広幅シートに、上記広幅シートの下面から熱風を吹き付ける。 (B)以下のことを特徴とする乾燥設備。 (B−1)上記上ノズルのうち、少なくとも1つの上ノズルの下にガイドロールを設ける。 (B−2)上記ガイドロールは、上記広幅シートの下面と接する。 【請求項2】以下のことを特徴とする請求項1記載の乾燥設備。 (A)ガイドロールの両端に羽車を設ける。 (B)上ノズルの吹き出す熱風を上記羽車に当てることにより、上記ガイドロールを回転駆動する。 【請求項3】以下のことを特徴とする請求項2記載の乾燥設備。 (A)以下の整流板を設ける。 (A−1)整流板は、上ノズルの下に位置する。 (A−2)整流板は、上記上ノズルの吹き出す熱風が、ガイドロールの羽車にあたるようにする。 【請求項4】以下のことを特徴とする請求項2記載の乾燥設備。 (A)ガイドロールは、その両端に以下の第1の羽車と第2の羽車を有する。 (A−1)第1の羽車と第2の羽車は、同一のピッチで羽を取り付ける。 (A−2)第1の羽車の羽と第2の羽車の羽は、互いに半ピッチずらして取り付ける。 【請求項5】以下のことを特徴とする請求項1記載の乾燥設備。 (A)ガイドロールは、導電性を有する。 【請求項6】以下のことを特徴とする磁気テープ製造装置。 (A)請求項1、2、3、4、または5記載の乾燥設備を含む。 (B)広幅シートは、磁気テープである。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、乾燥設備およびこれを用いる磁気テープ製造装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、磁気テープ製造行程において塗布機の乾燥設備にはガイドロールドライヤーとフローティングドライヤーがあり、それぞれ次のような特徴がある。 【0003】ガイドロールドライヤーの特徴としては、磁気テープを乾燥させるために必要な熱風を磁気テープ上面から吹きつけるため、ガイドロールと磁気テープの密着性がよく走行安定化が図られる。しかし、ガイドロールと磁気テープの密着性が良いことからガイドロールをモーターで回転させないとテープにキズが付くためガイドロールを回転させる必要があった。 【0004】一方、ガイドロールドライヤーは、熱風が磁気テープ上面からのみ吹き付けられるので乾燥能力が低い。したがって、残留溶剤の問題から、全長が40mのガイドロールドライヤーでは、約200m/min以上のスピードでの生産は不可能だった。すなわち、乾燥時間を約12秒以下にすることができなかった。 【0005】このため、最近高速度生産が進む中、残留溶剤の問題からフローティングドライヤーが主流となってきている。フローティングドライヤーは、磁気テープを乾燥させるために必要な熱風を磁気テープの上面、下面から吹きつけるため乾燥能力が高く、高速度生産に適した乾燥設備である。 【0006】しかし、熱風を磁気テープの上下から吹き付けるため、上下の熱風バランスが磁気テープ走行に大きく影響を与える。また、品種により磁気テープのフィルム厚み、塗布厚みが違うため、品種毎に熱風量と上下バランスの設定変更をすることが必要とされていた。すなわち、磁気テープのフィルム厚み、塗布厚みが違うと磁気テープの単位あたりの重量が変化する。したがって、磁気テープを充分に浮上させ、かつ上ノズルと下ノズルの間をスムーズに走行させるために、品種毎に熱風量と上下バランスの設定変更をすることが必要となる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】フローティングドライヤー内での磁気テープ走行においては、磁気テープ上面、下面から吹き出す熱風量と上下のバランスに安定性がないため、特に薄物磁気テープにおいてはテープシフトや未乾燥磁気テープが熱風を吹出すノズルへ接触し、稼働率、歩留りを低下させていた。 【0008】湾曲の大きい薄物フィルムを走行させるとフィルムはフローティングドライヤー内のセンターを走行せずに曲がりながら走行する。その時フィルム長手方向に張力がかかっておりフィルムは幅方向に折れ重なりながら走行するためテープシフトが起こりやすい。また、湾曲フィルムの反対向き同士を生産速度で連続するとこの時もテープシフトが発生しやすいため速度を下げて連続している。すなわち、幅方向の一方側に湾曲したフィルムを走行させて、次に幅方向の他方側に湾曲したフィルムを連続継ぎをすると、走行位置が急に変わるためスピードが速いと磁気テープが切れる原因となる。そのため、速度を下げて連続している。これにより、長さ歩留りが低下することになる。 【0009】また、未乾燥磁気テープにおいては上下ノズルの熱風量のバランスが悪いため、磁気テープは上下ノズルのセンターを走行せずにノズルに近づいて走行している。そして、ノズルから吹出す熱風の幅方向のバランスが悪いためテープの幅方向にうねりが入り、そのうねりの山がノズルに接触することがある。 【0010】本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、磁気テープなどの広幅シートのシフトやノズル接触を防止できる乾燥設備およびこれを用いる磁気テープ製造装置を提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明の乾燥設備は、(A)以下の上ノズルと下ノズルを有する。(A−1)上ノズルは、走行する広幅シートに、この広幅シートの上面から熱風を吹き付ける。(A−2)下ノズルは、上記広幅シートに、上記広幅シートの下面から熱風を吹き付ける。また、(B)以下の乾燥設備である。(B−1)上記上ノズルのうち、少なくとも1つの上ノズルの下にガイドロールを設ける。(B−2)上記ガイドロールは、上記広幅シートの下面と接する。 【0012】また、本発明の乾燥設備は、以下のことを特徴とする上述構成の乾燥設備である。(A)ガイドロールの両端に羽車を設ける。(B)上ノズルの吹き出す熱風を上記羽車に当てることにより、上記ガイドロールを回転駆動する。 【0013】また、本発明の乾燥設備は、以下のことを特徴とする上述構成の乾燥設備である。(A)以下の整流板を設ける。(A−1)整流板は、上ノズルの下に位置する。(A−2)整流板は、上記上ノズルの吹き出す熱風が、ガイドロールの羽車にあたるようにする。 【0014】また、本発明の乾燥設備は、以下のことを特徴とする上述構成の乾燥設備である。(A)ガイドロールは、その両端に以下の第1の羽車と第2の羽車を有する。(A−1)第1の羽車と第2の羽車は、同一のピッチで羽を取り付ける。(A−2)第1の羽車の羽と第2の羽車の羽は、互いに半ピッチずらして取り付ける。 【0015】また、本発明の乾燥設備は、以下のことを特徴とする上述構成の乾燥設備である。(A)ガイドロールは、導電性を有する。 【0016】また、本発明の磁気テープ製造装置は、以下の磁気テープ製造装置である。(A)上述構成の乾燥設備を含む。(B)広幅シートは、磁気テープである。 【0017】本発明の乾燥設備および磁気テープ製造装置によれば、上ノズルの下にガイドロールを設け、このガイドロールを広幅シートの下面と接触させることにより、広幅シートはガイドロールに支持されて走行する。 【0018】 【発明の実施の形態】以下、乾燥設備およびこれを用いる磁気テープ製造装置に係る発明の実施の形態について、図1〜6および表1〜2を参照しながら説明する。 【0019】図5は、従来の磁気テープ塗布機をモデル的に示す図である。図5の磁気テープ塗布機は、巻出し部1より繰り出された基材2に磁性塗料が塗布され、塗布された広幅シート3を乾燥設備4で乾燥し、乾燥された広幅シート3を巻取り部5で巻取る装置である。 【0020】図6は、従来の磁気テープ塗布機の乾燥設備の内部をモデル的に示す図である。ここでの乾燥設備は、全長約40mのフローティングドライヤーと言われるもので、広幅シート3の上面、下面より吹き出す熱風で広幅シート3を奇麗なサインカーブ状に浮上させて乾燥、走行させるものである。フローティングドライヤーの走行に影響を与える条件としては、熱風の吹き出す上ノズル6と下ノズル7のギャップ、上ノズル6と下ノズル7からの熱風量、バランス、広幅シート3の形状(広幅シート3の厚みむら、しわ、湾曲など)、裁断位置、ドライヤー内の広幅シート3の張力等がある。 【0021】生産する品種によって上記条件を設定変更し対応して来たが、精度良く再現が取れない時とフィルム形状が悪目の時が重なった場合に時々テープシフトが発生したり、未乾燥の広幅シート3が上ノズル6に接触し、稼働率、品質歩留りを低下させていた。ここで、品質歩留まりとは、上ノズルに接触したために半生乾きの広幅シート3にキズ、跡を付けたため不良になるものである。 【0022】そこで条件の精度良い再現やフィルム形状に左右されないように、フローティングドライヤーの上ノズル6の真下にガイドロールを入れることで、広幅シート3の走行安定を図った。 【0023】ここでまず、本発明に係る乾燥設備について説明する。図1は、乾燥設備に係る発明の実施の形態を示す図である。広幅シート3は、例えば磁気テープなどの柔軟性を有するシート状のものである。図面上で、広幅シート3は、左側から右側へと走行している。 【0024】上ノズル6は、走行する広幅シート3に、この広幅シート3の上面3aから熱風を吹き付けるものである。また、下ノズル7は、広幅シート3に、広幅シート3の下面3bから熱風を吹き付けるものである。 【0025】つぎに、ガイドロール8について、図2を参照して詳細に説明する。図2は、本発明の乾燥設備に用いるガイドロールを示す図である。ガイドロール8の外形は、80mmとした。なお、ガイドロール8の外形は、60〜100mmの範囲にあることが望ましい。外形が、60mmより小さいと、ガイドロールの自重のためロールが撓んでしまい、広幅シート全体をガイドロールで支持できないという欠点が生じる。また、外形が100mmより大きいと、ノズルスパンに収まらず、ドライヤーの長さが長くなることと、ガイドロール交換時に重くて作業しずらいという欠点がある。 【0026】また、ガイドロール8の軽量化を考えるとアルミニウムの材質が望ましく、表面処理は超硬質アルマイト、または硬質クロムメッキで対応する。また、ガイドロール8は導電性を有する。導電性を保有するために、ガイドロール8の表面に、耐摩耗性の表面処理をしており、アルミニウムの材質には導電性(カ−ボン)超硬質アルマイト及び硬質クロムメッキの処理をしている。ここで、ガイドロール8に導電性を付与させる理由は、ドライヤ内は、有機溶剤の雰囲気の中で使用しており、広幅シートの静電気の発生を防ぐためである。 【0027】図1に示すように、上ノズル6のうち、少なくとも1つの上ノズル6の下にガイドロールを8設ける。また、ガイドロール8は、広幅シート3の下面3bと接する。ガイドロール8の設置本数は、例えば厚さが14〜20μmの厚物ベースは1本置きでも走行可能ではあるが、例えば7.2〜9μmの薄物ベースは走行不可能なため全ての場所にガイドロールを入れる必要がある。 【0028】図1に示すように、ガイドロール8の取付位置は、下ノズル7の上面を基準とし、ガイドロール8の上面を下ノズル7の上面より2mm高くする。また、ガイドロールの上面と上ノズルの下面とのギャップは6mmとした。この6mmのギャップは、従来においての上ノズルの下面と下ノズルの上面とのギャップ6mmと同じである。このようにギャップは従来と変わらないが、ガイドロールが入り磁気テープが接触することで磁気テープのサインカーブの山が小さくなるため、上ノズル6に接触しにくくなる。 【0029】なお、下ノズル上面とガイドロール上面の間隔は、2mmに限定されるわけではなく、1〜4mmの範囲にあることが望ましい。また、上ノズル下面とガイドロール上面の間隔は6〜10mmにすることが望ましい。この間隔が6mmより小さくなると、広幅シート走行において、上ノズルに広幅シートが近くなり接触してしまうという欠点が生じる。また、この間隔が10mmより大きくなると、広幅シートをガイドロールに押しつける力が弱くなり、しわが発生しやすくなるという欠点か生じる。 【0030】また、乾燥設備にガイドロール8を入れることで広幅シート3にスリキズを与える懸念があるため、ガイドロール8を駆動することにした。駆動方法としてはモーターを使用する方法、エアーを使用する方法が考えられるが、ここではノズルから吹き出す熱風を駆動源にすることとした。 【0031】そのため、図2に示すように、ガイドロール8の両端に羽車12を設けた。すなわち、ガイドロール8は、その両端に第1の羽車と第2の羽車を有する。羽車の羽の枚数は少なすぎては熱風のあたる回数が少なく、多すぎては熱風を取り込む量が少ないためテストをした結果、適度な羽枚数を8枚とした。なお、羽の枚数はこの8枚に限定されるわけでない。羽の枚数は6〜10枚の範囲にあることが望ましい。羽の枚数が6枚より少ないと熱風を受ける間隔が大きすぎて起動時に回りにくいという欠点がある。また、枚数が10枚より多いと、羽に熱風を充分に受けることができず効率が悪くなるという欠点がある。 【0032】第1の羽車と第2の羽車は、同一のピッチで羽を取り付ける。また、第1の羽車の羽と第2の羽車の羽は、互いに半ピッチずらして取り付ける。すなわち、ガイドロールの羽車に熱風があたりやすい様に両端に取付いている羽車の取付けピッチを半ピッチずらして取付ける。図3に示すように、羽車の羽に常に熱風があたるようにガイドロール8左右の羽車の羽が半ピッチ(22.5°)ずれるように取付けた。図3からわかるように、奥側の羽車12と手前の羽車12が上ノズル6からの風を交互に受けるようになっており、羽車の羽に常に熱風が当たるようになる。 【0033】また、ガイドロールが出来るだけ回転しやすくするために、ガイドロールの静バランスを5g以下とした。ここで、静バランスが5gとは、ガイドロール外周に、5gの重りを下げたときにどこの位置でも回転することである。静バランスを5g以下とした理由は、軽く回転するようにするためで、3g以下では製作費が高価になるので、20gcmのトルクになるようにしたものである。 【0034】また、ベアリングメカロスを小さくするために、ガイドロールと軸を一体化し小径ベアリングの隙間の大きいものを使用した。なお、ガイドロールと軸を一体化すると、構造的に小さなベアリングを使用するこことなるので、ベアリングメカロスを小さくすることができる。また、ベアリングの隙間の大きいものを使用すると、高温で使用するドライヤーで、熱膨張してもベアリングのメカロスを小さくすることができる。 【0035】また、ドライヤー温度約100℃の中で使用するベアリングのグリス選定も重要であり、耐高温、耐高速、および防錆に優れたポリアルファオレフィン系のフレア系耐熱グリス(商品名:U−4、日本石油株製)を用いた場合、少なくとも1000時間使用することができる。 【0036】図3は、上ノズルからの熱風により、ガイドロールの羽車を回転駆動する様子を示す図である。図3に示すように、整流板9は上ノズル6の下の位置に設けられている。この整流板9の材質はステンレスからなっている。整流板9の材質はステンレスに限定されるわけではなく、このほか鉄、アルミニウム、またはプラスチックなどを使用することができる。 【0037】乾燥装置の熱風を利用してガイドロールを駆動する際、上ノズル6の吹き出す熱風がガイドロールの羽車12にあたるようにするために整流板9を取付けている。図3に示すように、ガイドロールの真上にある上ノズル6の吹き出す熱風を整流板9にあてガイドロール両側に取りつている羽車12に熱風を集めることで回転駆動を与えることが出来る。このように、上ノズルの吹き出す熱風を羽車に当てることにより、ガイドロールを回転駆動することができる。 【0038】また、生産速度とガイドロール周速が一致していないため広幅シートにスリキズを与えることが懸念されたが、品質的に問題ないことを確認し、上記問題を解決することを見出した。 【0039】実測の結果、生産速度は350〜600m/minの範囲にあり、ガイドロール周速は100〜30m/minの範囲にあった。その結果、ガイドロール周速/生産速度の値は1/3.5〜1/20の範囲にあることがわかる。このように生産速度とガイドロール周速の間に差があっても広幅シートにスリキズが発生しない理由は、広幅シートを高速で走行させると、テープと一緒にエアーも運ばれ、ガイドロールと広幅シートの間に、エアー層ができるからであると考えられる。 【0040】なお、ガイドロール周速/生産速度の範囲は、1/5〜1/30の範囲にあることが望ましい。ただし、この場合、生産速度が300m/min以上であることが望ましい。300m/min以上の生産速度では、エアーフィルムが発生するため、広幅シートにスリキズが付きにくくなるからである。 【0041】つぎに、上述した乾燥設備を適用した磁気テープ製造装置について、具体的な例を挙げて説明する。ここでは、全長約40mの乾燥設備を持つ塗布機において下記の条件で走行確認を行った。そして、その時の磁気テープ走行位置、状態を測定した。 【0042】本発明に係る乾燥設備における実施条件は、以下に示す通りとした。広幅シートとしては、磁気テープを採用する。磁気テープの幅は1240mmであり、磁気テープの長さは16000mである。生産速度は、350m/minとした。乾燥設備内での磁気テープ張力は、15kg,12kg,または10kgとした。磁気テープの厚さは、20μm、14μm、12μm、11μm、9μm、7.5μm、7.2μmのものを用いた。乾燥設備内の温度は、100℃とした。ノズル圧力は、上ノズルが36mmAqであり、下ノズルが26mmAqである。 【0043】なお、比較のために従来のフローティングドライヤーについても、磁気テープの走行確認を行った。ここで、ノズル圧力は、上ノズルが36mmAqであり、下ノズルが33mmAqである。他の実施条件は上述した実施条件と同様とした。 【0044】測定内容は、稼働率、長さ歩留り、平均速度、走行位置、スレ、スレキズ、テープシフト、曲がり量である。稼働率とは、実稼働時間/可能稼働時間である。長さ歩留りとは、製品長/投入長である。平均速度とは、生産速度とロール連続速度を平均したものである。走行位置とは、上ノズルと下ノズルの間を、磁気テープがどこの位置を走行しているかのことである。スレ、スレキズとは、ガイドロールの回転不良で磁気テープにスレ、スレキズを与えていないかのことである。テープシフトとは、磁気テープが走行中に、テープ幅方向にシフトして、テープ切れが発生したかのことである。曲がり量とは、湾曲フィルムを走行させると、フィルムはフィルム自身の曲がりたい方向に移動しながら走行するが、この場合の移動距離である。なお図4は、湾曲した広幅シートの曲がり量の概念を示す図である。 【0045】以上の測定内容について、試験した結果は、表1に示すとおりである。 【0046】 【表1】
【0047】ここで、実施例とは、厚さ11μmの磁気テープについて、本発明に係る乾燥設備を使用した試験結果である。また、比較例とは、同じく厚さ11μmの磁気テープについて、従来のフローティングドライヤーを使用した試験結果である。 【0048】表1について稼働率を見てみると、比較例が81.7%であるのに対して、実施例は89.4%である。ここで、稼働率は90%以上あることが望ましい。したがって、比較例はこの条件を満たしていないが、実施例はこの条件をほぼ満たしている。 【0049】長さ歩留りを見てみると、比較例が91.57%であるのに対して、実施例は97.95%である。長さ歩留りは、95%以上であることが望ましい。したがって、比較例はこの条件を満たしていないが、実施例はこの条件を満たしている。 【0050】平均速度を見てみると、比較例が335.1m/minであるのに対して、実施例は347.4m/minである。平均速度は、350m/min以上であることが望ましい。したがって、比較例はこの条件を満たしていないが、実施例はこの条件をほぼ満たしている。 【0051】走行位置を見ると、比較例および実施例双方とも「OK」である。走行位置で「OK」とは、上下ノズルに接触する心配のない状態で走行していることである。 【0052】スレ、スレキズを見てみると、比較例および実施例双方とも「OK」である。スレ、スレキズで「OK」とは、スレ、スレキズが磁気テープに付いていない状態をいう。 【0053】テープシフトを見てみると、比較例が「NG」であるのに対して、実施例は「OK」である。テープシフトで「NG」とは、磁気テープが走行中にシフトしてテープ切れが発生したときの場合である。また「OK」とは、磁気テープがシフトすることなく走行したときの場合である。したがって、従来のフローティングドライヤーではテープシフトによるテープ切れが発生したのに対して、本発明に係る乾燥設備においては、テープシフトによるテープ切れが発生せず安定した走行が確認できた。 【0054】曲がり量をを見ると、比較例では+52.5〜−52.5mmの範囲であるが、実施例では図4に示すように、+9.5〜−7.5mmの範囲である。曲がり量の値は、+10〜−10mmの範囲にあることが望ましい。したがって、比較例はこの条件を満たしていないが、実施例はこの条件を満たしている。 【0055】つぎに、磁気テープの厚さが、20μm、14μm、12μm、9μm、7.5μm、7.2μmのものについても、上述したと同様の試験を行った。そして、この試験結果および上述した試験結果に基づいて、各厚さの磁気テープについて走行可能か否かの評価を行ったのが表2である。 【0056】 【表2】
【0057】表2の走行可能評価において、「○」は、100%走行可能な磁気テープである。「△」は、ときどきテープシフトによりテープ切れが発生するものである。「×」は、まったく走行できないものである。 【0058】表2からわかるように、磁気テープの厚さが11μm、9μm、および7.5μmのものについては、従来のフローティングドライヤーではときどきテープシフトによりテープ切れが発生するが、本発明に係る乾燥設備では100%走行可能である。また、磁気テープの厚さが7.2μmのものについては、従来のフローティングドライヤーではまったく走行できないが、本発明に係る乾燥設備では100%走行可能である。 【0059】以上のことから、本発明の実施の形態によれば、上ノズルの下にガイドロールを設け、このガイドロールを磁気テープの下面と接触させることにより、磁気テープはガイドロールに支持されて走行する。これにより、磁気テープのシフトやノズル接触を防止できる。すなわち、フローティングドライヤーにガイドロールを入れることにより、従来は困難とされてきたテープシフト、未乾燥磁気テープのノズル接触の問題が解決される。すなわち、従来はテープ幅方向に波のようにうねっていた磁気テープがガイドロールで押さえられ安定走行させることができる。これにより、停止時間の削減、長さ歩留りの向上を図ることができる。 【0060】また、今まで走行不可能とされてきた薄いフィルムも走行可能となるほか、湾曲フィルムでも生産速度での連続が可能となり平均速度を上げることができる。また、従来行われてきた品種切替え時の暑いところでのノズル汚れチェックも行う必要がなくなるため、作業者の負担、工数が削減できる。また、ガイドロールを上ノズルの熱風を利用し駆動することで省エネルギーを図ることができる。 【0061】なお、上述の実施の形態においては、広幅シートの例として磁気テープについて説明したが、広幅シートはこの磁気テープに限定されるわけではない。このほか、紙などシート状の材料であれば、本発明に係る乾燥装置を適用することができる。また、本発明は上述の実施の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。 【0062】 【発明の効果】本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。上ノズルの下にガイドロールを設け、このガイドロールを広幅シートの下面と接触させることにより、広幅シートのシフトやノズル接触を防止できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002185 【氏名又は名称】ソニー株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月21日(1999.9.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080883 【弁理士】 【氏名又は名称】松隈 秀盛
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| 【公開番号】 |
特開2001−91155(P2001−91155A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月6日(2001.4.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−267300 |
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