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【発明の名称】 冷蔵庫
【発明者】 【氏名】青木 均史

【氏名】久保田 順一

【要約】 【課題】冷蔵室、冷凍室、野菜室などの複数の室内に容器を備えた、省エネルギー効果の高い冷蔵庫を提供すること。

【解決手段】前面に扉21、31、32、41を設けた複数の室内に容器34、35、43を配設した冷蔵庫であって、この容器は扉に対面する壁の内面底部70に前記容器の外部へつながる開口部74を設け、この容器内の下方に流れた冷気をこの開口部74から出すようにしたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前面に扉を設けた複数の室内に容器を配設した冷蔵庫であって、この容器は扉に対面する壁の内面底部に前記容器の外部へつながる開口部を設け、この容器内の下方に流れた冷気をこの開口部から出すようにすることを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】 前記容器は冷凍品の収納用に構成された室内に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】 前記容器の少なくとも壁面の内側には、この壁面の上部から底部に向かって複数の凹凸を設けることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は省エネ効果の高い冷蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の冷蔵庫1は、例えば、図8に示すように、冷蔵室2、冷凍室3、野菜室4の順に上から複数の室を設け、それぞれの室の前面に、冷蔵室2には扉21(スイングアウト式扉)、冷凍室3には扉31(引き出し式扉)および扉32(引き出し式扉)、野菜室4には扉41(引き出し式扉)を設けている。冷凍室3内には容器34、35を備え、この容器34内には製氷された氷や冷凍食品が、容器35内には冷凍食品などが入られるようになっている。野菜室4にも容器43が備えられている。
【0003】各扉内面の端部には全周にわたり扉パッキン22、39、33、42がそれぞれ設けられており、各扉パッキンの受面を形成する受部11(冷蔵庫1の箱体の上部端)、受部12(冷蔵室2と冷凍室3を区画する中仕切の端部)、受部13(扉31と扉32の受部)、受部14(冷凍室3と野菜室4を区画する中仕切の端部)、受部15(冷蔵庫1の箱体の底部端)などと、前記扉パッキンを密着させて冷気が外部に漏洩するのを防止し、冷気を例えば、冷凍室3、冷蔵室2、野菜室4などの順に循環して各室をそれぞれ最適の温度に維持するようになっている。51は冷媒を圧縮する圧縮機、52は冷媒を蒸発させて庫内空気と熱交換させて冷却する蒸発器、53は蒸発器52で冷却された冷気を循環させるファンである。
【0004】図9に、冷蔵庫1の冷凍サイクルを示す。圧縮機51で圧縮された冷媒は矢印で示したように、先ずドレン水の蒸発に使用するディップコンデンサ54に流れ、次いで主コンデンサ55に流れた後、上方に流れ冷蔵庫1の外箱外面の露付きを防止するクレストコンデンサ56を経てから外箱開口端の受部11〜16などに設けてある管路60を流れ、そしてキャピラリーチューブ57を経て蒸発器52で蒸発して冷却した後、再び圧縮機51で圧縮されるようになっている。
【0005】このようにして本体間口に埋め込まれている管路60を室温より約5〜7℃程度高くして放熱して受部11〜受部16などの表面の結露発生を防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の冷蔵庫1に備えられた容器34、35の中の冷気の流れは、例えば容器34の場合、矢印で示したようになっており、扉31に対面する容器34の壁38の内面に沿って上方に流れ、加温された受部12に当たり、容器34の上部端に設けた冷気孔36を通り下方に向い、扉31と前記壁38の間を通り、そして加温された受部13と容器34の底部の間を通って流れるので冷気は加温されてしまい、エネルギー効率が低下するという問題があった。容器35も、冷気は容器34の場合と同様に冷気孔37を通って流れるので、やはり冷気は加温され、エネルギー効率が低下するという問題があった。
【0007】本発明の目的は、冷気が扉と容器の間を流れず、しかも、容器内の冷気が加温された受部に実質的に当たらないようにして、省エネルギー効果を向上させた冷蔵庫を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前面に扉を設けた複数の室内に容器を配設した冷蔵庫であって、この容器は扉に対面する壁の内面底部に容器の外部へつながる開口部を設け、この容器内の下方に流れた冷気をこの開口部から出すようにするものである。
【0009】さらに、容器は冷凍品の収納用に構成された室内に設けられているものである。
【0010】さらに、容器の少なくとも壁面の内側には、この壁面の上部から底部に向かって複数の凹凸を設けるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。なお、図1〜図7において前記図8、図9における符号と同一符号で示した部分は、図8、図9で説明した同一符号の部分と同じ機能を持つ部分である。
【0012】図1において、冷蔵庫1は、扉21、31、32、41にそれぞれ設けられた扉パッキン22、39、33、42の受面を形成する受部11〜受部15と前記扉パッキンを密着させて冷気が外部に漏洩するのを防止するとともに、加温された前記受部の室内の箇所に一端を固定し、他端を各扉の内表面の一部に接触させるか、あるいは他端を各扉の内表面の一部と接触させるとともに、容器34、35、43の一端に接触させた第2パッキン23、30、40、45をそれぞれ設けて、室内の冷気が加温された前記受部11〜受部15に当たらないようにしてある。
【0013】なお、第2パッキン23は受部11および受部12の室内の箇所に一端を固定し、他端が扉21の内表面の一部に接触するようにしてあり、そして第2パッキン30は、受部12および受部13の室内の箇所に一端を固定し、他端が扉31の内表面の一部と接触するとともに容器34の一端に接触するようにしてある。第2パッキン40および第2パッキン45は、第2パッキン30と同様にしてある。
【0014】図2は、図1に示した冷蔵庫1の各扉を開けたり、引き出した状態を示す説明図である。第2パッキン23、30、40、45は、各扉開口全周にわたり設けてある。
【0015】図3は、図1のAの要部拡大断面説明図である。
【0016】図4は、図1の容器34の説明図である。
【0017】図3において、第2パッキン30は、先端部が加温された受部12の受面12Aから室内に向かって入った箇所にその一端が固定してあり、そして他端は容器34の上部の一端34Aに接触させるか、あるいは最大でも5mm離して備けられている。このようにして室内の冷気が加温された受部12の先端部に実質的に当たらないようにしてある。
【0018】図4に示したように、この容器34は扉31に対面する壁38の内面が凹凸状に形成されている。そしてこの容器34の凹凸状壁38と連結した底部70は、前記凹凸状壁38以外の壁と連結した底部71より下方に段違いに設けられており、しかも底部70は底部71に平行に必要な長さ(図3中にLで示す)だけオーバーラップさせてある。底部70と底部71との間に開口部74が形成されている。73は底部71の一端に設けた堰であり、72は底部70の一端に設けた堰である。底部70と底部71の間には複数のリブ75が設けられている。
【0019】上記のように構成することにより、凹凸状壁38を設けたので容器34内に品物が入れられても冷気の通路が確保され、冷気は、矢印で示したように扉31に対面する容器34の凹凸状壁38の内面に沿って下方に流れる。
【0020】また冷気は第2パッキン30の作用により加熱された受部12の先端部に当たらないようになっている。凹凸状壁38の内面に沿って下方に流れた冷気は、開口部74から流れ出る。
【0021】そして底部71の一端には堰73があるので、水や汁などの液体が底部71に流れて来ても、この液体が開口部74から下方に流出するのを防ぐことができる。底部70の一端にも堰72があるので、水や汁などの液体が底部70に流れて来ても、この液体が開口部74から下方に流出するのを防ぐことができる。
【0022】図5は、図1のB−B要部拡大断面説明図である。
【0023】図5に示したように、第2パッキン30は、先端部が加温された受部16(冷蔵庫1の側壁の先端部)の受面16Aから室内に入った箇所に一端が固定してあり、そして他端は容器34の側壁34Bの一端に形成したリブ34Cに接触させるか、あるいは最大でも5mm離して備けられている。このようにして室内の冷気が加温された受部16の先端部に実質的に当たらないようにしてある。
【0024】図6(A)、(B)に本発明で使用する他の容器の例を示す。(A)はこの容器の断面説明図であり、(B)はこの容器の要部拡大説明図である。図示しない冷蔵庫の扉31に対面する壁38の内面が凹凸状に形成されると共にこの容器34の凹凸状壁38と連結する上表面に凹凸状のリブ76を備えた底部70と、この容器34の前記凹凸状壁38以外の壁と連結する上表面に凹凸状のリブ77を備えた底部71との間に開口部74を設けてある。リブ76とリブ77の上に品物を載せるためのアルミニウム製皿78が置かれている。この容器34内の冷気は皿78上に多くの品物が載せられても矢印で示したように前記凹凸状壁38の内面に沿って下方に流れることができ、そして下方に流れた後、前記開口部74から流れ出る。
【0025】冷気は底部70と皿78との間の複数のリブ76の間を流れ、その一部は底部71と皿78との間の複数のリブ77の間に入り込むので、皿78上に置かれた品物を効率よく冷却できる。
【0026】図7に本発明で使用する他の容器の例を示す。この容器34の図示しない冷蔵庫の扉31に対面する壁38を、この壁38の内面および外面がともに凹凸状の波型に形成してある。
【0027】この容器34の凹凸状壁38と連結した底部70は、前記凹凸状壁38以外の壁と連結した底部71より下方に段違いに設けてある。底部70と底部71との間に開口部74が形成されている。73は底部71の一端に設けた堰であり、底部70と底部71の間にはリブ79が設けられており、リブ79の下部には堰72が形成されている。矢印は冷気の流れを示す。上記のように構成することにより、品物を効率よく冷却できるとともに、省エネルギー効果を向上させることができる。
【0028】図1〜図5に示した構成を有する家庭用冷蔵庫[三洋電機(株)製、SR−45SK]を用いて試験した結果、約1〜2(kWH/月)の省エネルギー効果があることが認められた。
【0029】なお、本発明は上記実施例に限定されるものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
【0030】
【発明の効果】本発明の冷蔵庫は、前面に扉を設けた複数の室内に容器を配設した冷蔵庫であって、この容器は扉に対面する壁の内面底部に容器の外部へつながる開口部を設け、この容器内の下方に流れた冷気をこの開口部から出すようにすることによって、冷気の循環経路が改善され省エネルギー効果を向上させることができるものである。
【0031】また、容器を冷凍品の収納用に構成された室内に設けることによって冷蔵庫外との温度差が大きい冷気の循環経路が改善され省エネルギー効果をさらに向上させることができるものである。
【0032】さらに、容器の少なくとも壁面の内側には、この壁面の上部から底部に向かって複数の凹凸を設けることによって、この凹に形成された部分が冷気の循環路として確保され省エネルギー効果をさらに向上させることができるものである。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成9年6月19日(1997.6.19)
【代理人】 【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
【公開番号】 特開2001−174143(P2001−174143A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願2000−350502(P2000−350502)