| 【発明の名称】 |
冷蔵庫 |
| 【発明者】 |
【氏名】大橋 祥記
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| 【要約】 |
【課題】上部に冷蔵室、下部に冷凍室を設けたものにおいて、冷却効率、内容積効率、照明効率が高く、貯蔵品質や使い勝手に優れた冷蔵庫を提供する。
【解決手段】室内の天部及び上方後部に略L字状に設けた第1の冷却室74に第1の蒸発器45、第1の送風機46を設置して冷蔵室37を冷却し、冷凍室38は第2の蒸発器61、第2の送風機62で冷却して冷却効率を高めると同時に簡素な風路で内容積効率を高める。また、第2の蒸発器61が小型化でき断熱区画壁36の位置が下げられ使用頻度の高い収納範囲の使い勝手が向上する。また、冷蔵室37は蒸発温度の高い第1の蒸発器45による冷却で食品の乾燥が抑制され、第1の冷却室74の前面からの冷気吐出で室内前後の温度むらが解消し貯蔵品質が高まる。また、第1の冷却室74に設けた略L字状照明室50の折曲部に備えた一対の照明装置75で冷蔵室37内が立体的に見やすく照明される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷蔵庫本体内を上下に区画する断熱区画壁と、前記断熱区画壁によって、前記冷蔵庫本体上部に区画形成され複数の棚を備えた冷蔵室と、前記冷蔵庫本体下部に区画形成された冷凍室と、前記冷蔵室の上方後部から天部にかけて設けた第1の冷却室と、前記第1の冷却室内において前記冷蔵室の上方後部に垂直方向に設置された第1の蒸発器と、前記第1の蒸発器の上方に設けた第1の送風機と、前記第1の冷却室内の上部に形成され前記冷蔵室内の天部に設けた冷気吐出風路と、前記冷気吐出風路の前面のみに形成した冷気吐出口と、前記冷蔵庫本体の下部後方にあって冷凍サイクルの圧縮機を備えた機械室と、前記機械室の上方で冷凍室の後方に設けた第2の冷却室と、前記第2の冷却室内に垂直方向に設置された第2の蒸発器と、前記第2の蒸発器の上方に設けた第2の送風機とを設けた冷蔵庫。 【請求項2】 冷蔵庫本体内を上下に区画する断熱区画壁と、前記断熱区画壁より上部に区画形成され複数の棚を備えた冷蔵室と、前記断熱区画壁より上部で前記冷蔵室の下部に区画形成された野菜室と、前記断熱壁より下部に区画形成された冷凍室と、前記冷蔵室,野菜室及び冷凍室の前面に独立して設けた扉と、前記冷蔵室の上方後部から天部にかけて設けた第1の冷却室と、前記第1の冷却室内において前記冷蔵室の上方後部に垂直方向に設置された第1の蒸発器と、前記第1の蒸発器の上方に設けた第1の送風機と、前記第1の冷却室内の上部に形成され前記冷蔵室内の天部に設けた冷気吐出風路と、前記冷気吐出風路の前面のみに形成した冷気吐出口と、前記冷蔵庫本体の下部後方にあって冷凍サイクルの圧縮機を備えた機械室と、前記機械室の上方で冷凍室の後方に設けた第2の冷却室と、前記第2の冷却室内に垂直方向に設置された第2の蒸発器と、前記第2の蒸発器の上方に設けた第2の送風機とよりなり、前記第1の蒸発器及び第1の送風機で前記冷蔵室と前記野菜室を冷却し、前記第2の蒸発器及び第2の送風機で前記冷凍室を冷却するよう構成した冷蔵庫。 【請求項3】 冷蔵室内の少なくとも冷蔵庫本体側収納部の温度設定を0〜3℃の低温度帯とした請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。 【請求項4】 第1の蒸発器に冷媒が循環しない時にも、第1の送風機を運転するよう構成した請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。 【請求項5】 圧縮機、凝縮器、第1の減圧器、切換弁、第1の蒸発器、第2の蒸発器を環状に接続した第1の冷媒回路と、前記冷媒回路の前記切換弁と前記第1の減圧器の間より第2の減圧器を介して前記第2の蒸発器にバイパスし、圧縮機、凝縮器、第1の減圧器、切換弁、第2の減圧器、第2の蒸発器を環状に接続した第2の冷媒回路を構成した冷凍サイクルを備えた請求項1または請求項2または請求項4に記載の冷蔵庫。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、上部に冷蔵室、下部に冷凍室を設けた冷蔵庫に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年の冷蔵庫は、収納する食品に応じた複数の温度に管理された貯蔵室を設けている。従来は、上部に冷凍室、中央に冷蔵室、下部に野菜室を配置したものが主流であったが、最近では使い易さを重視して、上部に冷蔵室、中央、下部に冷凍室または野菜室を配置した冷蔵庫が提案されて主流になっている。このうち従来の一例として、特開平5−71850号公報に開示されているものがある。 【0003】以下、図面を参照しながら上記従来の冷蔵庫を説明する。 【0004】図10は従来の冷蔵庫の断面図であり、図11は従来の冷蔵庫の冷凍サイクル図である。 【0005】図10において、1は冷蔵庫本体、2は前記本体1の上部に設けた冷蔵室、3は下部に設けた冷凍室であり、4は前記冷蔵室2の前面開口部に開閉自在に取り付けた扉、5は前記冷凍室3の前面開口部に開閉自在に取り付けた扉、6は前記冷蔵室2と冷凍室3を区画形成する断熱区画壁である。7は前記冷凍室3の後部に設けられた冷却室で、内部に冷凍サイクルの蒸発器8及び強制循環用の送風機9を備えている。 【0006】10は前記冷蔵室2内の下部に設けた野菜室、11は主として肉、魚介類等の生鮮食品を貯蔵する低温室である。12は前記野菜室10及び低温室11の後方に設けた風路制御盤であり、内部に、前記冷蔵室2への冷気供給量を調節して室内温度を所定値(例えば4℃)に維持させるダンパー装置13と、前記低温室11への冷気供給量を調節して室内温度を所定値(例えば0℃)に維持させるダンパー装置14を備えている。 【0007】15は前記冷却室7から冷凍室3への冷気吐出口、16は前記冷凍室3から冷却室7への冷気吸入口である。17は背面板18で覆われて前記冷蔵室2の後部に設けられ、前記冷却室7から前記ダンパー装置13を介して前記冷蔵室2へ連通する冷気吐出風路、19は前記冷気吐出風路17より前記冷蔵室2内に開口する冷気吐出口である。20は前記冷却室7から前記ダンパー装置14を介して前記低温室11に連通する冷気吐出風路、21は前記冷気吐出風路20より前記低温室11に開口する冷気吐出口である。また、22は前記冷蔵室2より前記冷却室7に連通する冷気吸入風路である。23は前記冷蔵室2内に開口した前記冷気吸入風路22の冷気吸入口であり、前記野菜室10の後部に設けられ前記冷蔵室2、野菜室10及び低温室11内を冷却した冷気を吸入するよう構成されている。 【0008】24、25、26はそれぞれ前記冷蔵室2、冷凍室3、低温室11内の温度を検出して温度制御装置(図示せず)を通じて各室の温度を適温に維持させる温度検出器である。27は前記冷蔵室2の背面板18の裏面空間に前記冷気吐出風路17とは断熱区画された空間に設けられた照明装置であり、前記冷蔵室の扉4の開放時に連動して点灯されるよう構成されている。また、28は前記冷蔵庫本体1の下部後方に区画形成した機械室であり、29は前記機械室28内に設けた冷凍サイクルの圧縮機、30は凝縮器である。 【0009】また、図11において31は毛細管などの減圧器であり、前記圧縮機29、凝縮器30、蒸発器8とともに環状に接続されて閉ループの冷凍サイクルを構成している。 【0010】以上のように構成された冷蔵庫について、次にその作用を説明する。 【0011】圧縮機29によって高圧に圧縮された冷媒は凝縮器30で放熱されて液冷媒となり、減圧器31を通過する間に減圧されて蒸発器8内で冷却室7内の熱を吸収して膨張気化する。気化した冷媒は圧縮機29に帰還し、この作用を繰り返して冷蔵庫庫内の冷却が行われる。 【0012】すなわち、蒸発器8の吸熱作用で周囲の空気が冷却されて生じた冷気は、送風機9によって、一部は冷気吐出口15より冷凍室3内に送り込まれ、室内を冷却した後冷気吸入口16より冷却室7に戻される。温度検出器24の温度が設定値に低下するまで圧縮機29、送風機9の運転が続けられ、その後設定値に上昇するまで双方ともに停止し、この作用を断続的に繰り返して室内が所定値(例えば−18℃)に冷却維持される。 【0013】また、一部の冷気は冷気吐出風路17を通じて冷気吐出口19より冷蔵室2内に送り込まれ、室内を冷却した後冷気吸入口23より冷気吸入風路22を通じて冷却室7に戻される。この時、温度検出器24の温度が設定値に低下するまでダンパー装置13が開放され、その後設定値に上昇するまで閉鎖され、この作用を断続的に繰り返して室内が所定値(例えば4℃)に冷却維持される。併せて、野菜室10は外周からの間接冷却で室内の乾燥を防止しながら所定値(例えば6℃)に冷却維持される。 【0014】一方、さらに一部の冷気は冷気吐出風路20を通じて冷気吐出口21より低温室11内に送り込まれ、室内を冷却した後冷気吸入口23より冷気吸入風路22に合流して冷却室7に戻される。この時、温度検出器26の温度が設定値に低下するまでダンパー装置14が開放され、その後設定値に上昇するまで閉鎖され、この作用を断続的に繰り返して室内が所定値(例えば0℃)に冷却維持される。 【0015】また、冷蔵室の扉4が開放されると、照明装置27が点灯され冷蔵室2内を後部より照明する。 【0016】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来の構成では、一つの蒸発器8と送風機9ですべての室を冷却するために、特に冷却負荷の大きい冷蔵室2と冷却室7を連通する冷気吐出風路15及び冷気吸入風路19が長大化し、風路抵抗の増加や熱損失などによって冷却効率が低下するという問題点があった。さらに、冷気吐出風路15は冷蔵室2内との温度差が大きいために相当の断熱構造が必要なことも含めて、風路に費やす容積が増加して食品を収納する有効な内容積が小さくなるという問題点もあった。 【0017】また、一つの蒸発器8で冷却能力を確保するために蒸発器8の寸法を高さ方向に大きくする必要があり、その結果冷蔵室2と冷凍室3間の断熱区画壁6の位置が高くなって冷蔵室2内の使いやすい高さの収納範囲(中央部及び下部)が圧縮され、使い勝手が悪くなるという問題点があった。 【0018】また、一つの蒸発器8で貯蔵温度の異なる複数の室を冷却するため蒸発器8の蒸発温度の設計を最も温度の低い冷凍室3に合わせ低温化する必要があり(例えば−30℃)、冷凍サイクルの効率(冷凍能力/入力)が低下して電力消費が増大するという問題点があった。 【0019】また、冷凍室3よりも貯蔵温度の高い冷蔵室2、野菜室10、低温室11に対しては必要以上に低温の冷気が供給されることになって貯蔵食品の乾燥を促進したり、冷気吐出口16、18の近傍に部分的な過冷却を発生させたりして収納食品の貯蔵品質を低下させるという問題点があった。 【0020】また、冷蔵室2内前部は扉4の開閉や扉4の周囲の吸熱などによる熱影響で貯蔵温度がもともと高くなりやすいが、冷気吐出風路15が冷蔵室2内の後部に設けられているため冷気吐出口16からの吐出冷気が前部に届きにくく、冷蔵室2内の温度むらがさらに拡大して室内前部は温度が高く室内後部は温度が低くなり、収納食品の貯蔵品質が安定化しないという問題点もあった。 【0021】また、照明装置27が冷蔵室2内の背面に設けられているため、室内後方からの照明のみで照度むらが生じ、特に食品の収納量が多いときなどには前方を遮られて照明が室内に行き届かない場合があるという不都合もあった。 【0022】本発明は上記従来の課題を解決するものであり、その第1の目的は、上部に冷蔵室、下部に冷凍室を設けたものにおいて、適切な冷凍サイクル構成と簡素な風路構成で冷却効率の高い省電力型の冷蔵庫を提供することである。 【0023】また、本発明の第2の目的は、簡素な風路構成で内容積を有効に確保することである。 【0024】また、本発明の第3の目的は、使用者の手が届きやすく、使用頻度が高い収納範囲の使い勝手を改善し、また利便性を向上させることである。 【0025】また、本発明の第4の目的は、収納食品の温度上昇、温度むら、乾燥などを抑えて貯蔵品質を高めることである。 【0026】また、本発明の第5の目的は、冷蔵室内に効率のよい照明装置を備えた冷蔵庫を提供することである。 【0027】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するために、本発明の冷蔵庫は断熱区画壁によって、本体上部に冷蔵室を、本体下部に冷凍室を区画形成し、冷蔵室の上方後部と天部に設けた略L字状の第1の冷却室内において冷蔵室の上方に垂直方向に設置された第1の蒸発器及びその上方に設けた第1の送風機と、第1の冷却室内の上部に形成され前面にのみ冷気吐出口を備えた冷気吐出風路と、本体下部後方にあって冷凍サイクルの圧縮機を備えた機械室と、この機械室の上方で冷凍室の後方に設けた第2の冷却室内に垂直方向に設置された第2の蒸発器及びその上方に設けた第2の送風機よりなるものである。 【0028】これにより、適切な冷凍サイクル構成と簡素な風路構成で冷却効率の高い省電力型の冷蔵庫や内容積効率の高い冷蔵庫を提供することができる。また、高さ方向において使用頻度の高い収納範囲の使い勝手を改善し、利便性を向上させることができる。また、収納食品の温度上昇、庫内前後の温度むら、乾燥を抑えて貯蔵品質を高めることができる。 【0029】また、本発明の冷蔵庫は、第1の冷却室の両側部に設けられ第1の蒸発器、冷気吐出風路とは区画して形成された透光板に覆われた略L字状の照明室と、この照明室内に設けた少なくとも一対の照明装置とよりなるものである。 【0030】これにより、冷蔵室内の照明のむらが少なくなり、食品の収納状態に関わらず室内が見やすく照明される。 【0031】 【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、断熱区画壁によって、本体上部に複数の棚を備えた冷蔵室を、本体下部に冷凍室を区画形成し、冷蔵室の上方後部と天部に設けた略L字状の第1の冷却室内において冷蔵室の上方に垂直方向に設置された第1の蒸発器及びその上方に設けた第1の送風機と、第1の冷却室内の上部に形成され前面にのみ冷気吐出口を備えた冷気吐出風路と、本体下部後方にあって冷凍サイクルの圧縮機を備えた機械室と、この機械室の上方で冷凍室の後方に設けた第2の冷却室内に垂直方向に設置された第2の蒸発器及びその上方に設けた第2の送風機よりなるものであり、冷蔵室は第1の蒸発器及び第1の送風機、冷凍室は第2の蒸発器及び第2の送風機でそれぞれの貯蔵温度に見合って冷却されて冷凍サイクルの効率が高まり、さらに冷却風路もそれぞれの室内で簡素化されて冷却効率が高まって電力消費が低減する。 【0032】また、風路が簡素化されて有効な内容積が拡大する。また、冷凍室後部の第2の蒸発器が小型化できて断熱区画壁の位置が下げられ、従来使い勝手の悪かった冷蔵室上方後部に第1の蒸発器を天部に冷気吐出風路を設けたため、使用者の手の届きやすい高さで使用頻度の高い収納範囲の使い勝手が改善される。 【0033】また、冷蔵室は室内温度に合わせて専用の蒸発器で蒸発温度を高くできる分蒸気圧差が縮小され、収納食品の乾燥も抑制される。さらに、冷蔵室温度に見合った冷気温度で、冷蔵室の上部前面のみから冷気が吐出されるため室内前部の温度上昇、室内後部の過冷却も抑制されて貯蔵品質が安定する。また、冷凍室も専用の蒸発器で冷蔵室とは独立して冷却されるため冷蔵室の影響を直接受けず温度上昇の少ない安定した貯蔵品質が得られる。 【0034】請求項2に記載の発明は、断熱区画壁により上部に複数の棚を備えた冷蔵室と、その下に野菜室を、下部に冷凍室を区画形成して各室に独立した扉を設け、冷蔵室の上方後部から天部にかけて設けた第1の冷却室内において冷蔵室の上方の垂直方向に第1の蒸発器と第1の送風機を設け、第1の冷却室内の上部に冷気吐出風路と前面にのみ形成した冷気吐出口を備え、冷蔵庫本体の下部後方の機械室上方で冷凍室の後方に設けた第2の冷却室内の垂直方向に第2の蒸発器と第2の送風機を設け、第1の蒸発器及び第1の送風機で冷蔵室と野菜室を冷却し、第2の蒸発器及び第2の送風機で冷凍室を冷却するよう構成したものであり、冷蔵室と野菜室は第1の蒸発器及び第1の送風機、冷凍室は第2の蒸発器及び第2の送風機でそれぞれの貯蔵温度に見合って冷却されて冷凍サイクルの効率が高まると同時に冷蔵室と野菜室は室内温度に合わせて専用の蒸発器で蒸発温度を高くできる分、蒸気圧差が縮小され、収納食品の乾燥も抑制される。 【0035】また、第1の冷却室が冷蔵室上部に集約,簡素化されて特に野菜室の奥面の無効スペースが排除されて収納容積が拡大するとともに、冷蔵庫の中央部の使いやすい高さで独立した扉を備え野菜室の使い勝手が改善される。 【0036】請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、冷蔵室内の少なくとも本体側収納部の温度設定を0〜3℃の低温度帯としたものであり、温度依存性の高い魚、肉、野菜などの生鮮食品の貯蔵が特別な冷却風路構成やダンパー装置などの温度制御装置を用いずに冷蔵室内で行える。 【0037】請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、第1の蒸発器に冷媒が循環しない時にも、第1の送風機を運転するよう構成したものであり、冷媒循環時に第1の蒸発器についた霜を冷蔵室内の空気で融解し、室内へ還元することによって冷蔵室内の湿度が高められる。 【0038】請求項5に記載の発明は、請求項1または請求項2または請求項4に記載の発明において、圧縮機、凝縮器、第1の減圧器、切換弁、第1の蒸発器、第2の蒸発器を環状に接続した第1の冷媒回路と、前記冷媒回路の前記切換弁と前記第1の減圧器の間より第2の減圧器を介して前記第2の蒸発器にバイパスし、圧縮機、凝縮器、第1の減圧器、切換弁、第2の減圧器、第2の蒸発器を環状に接続した第2の冷媒回路を構成した冷凍サイクルを備えたものであり、冷蔵室と冷凍室の冷却回路の切り換えを切換弁一つで簡便に行え、第1、第2の減圧器の減圧量設定により第1の蒸発器の蒸発温度を高めて冷蔵室の吐出冷気温度と設定室温との差を縮められる。 【0039】 【実施例】以下、本発明による冷蔵庫の実施例について、図面を参照しながら説明する。 【0040】(実施例1)図1は、本発明の実施例1による冷蔵庫の斜視図、図2は同実施例による冷蔵庫の断面図、図3は同実施例による冷蔵庫の冷凍サイクル図である。 【0041】図1、図2において、32は冷蔵庫本体であり、鋼板製の外箱33、樹脂製の内箱34と前記外箱33、内箱34間に充填された断熱材35により構成されている。36は前記冷蔵庫本体32内を上下に区画する断熱区画壁であり、上部に冷蔵室37、下部に冷凍室38を区画形成している。39は前記冷蔵室37の開口面に開閉自在に取付けられた回転式の扉であり、その室内側に本体側収納部40に対向して扉収納部41が設けられている。42は前記冷凍室38内の開口面に開閉自在に取付けられた引き出し式の扉であり、室内側の収納容器43を一体に引き出せるよう構成されている。 【0042】44は前記冷蔵室37内の天部から上方後部にかけて水平部と垂直部で略L字状に形成された第1の冷却室であり、垂直部に設けた第1の蒸発器45と前記第1の蒸発器45の上方に設けた第1の送風機46、前記第1の蒸発器45の下方形成した冷気吸入口47と、水平部に設けられ前面に冷気吐出口48を形成した冷気吐出風路49より構成されている。また、50は前記第1の冷却室44の両側部に隔壁51に隔てられて水平部と垂直部で略L字状に形成された照明室であり、水平部と垂直部にそれぞれ左右一対の照明装置52、53が設けられている。54は前記照明室50の前面を覆い照明装置52、53の光を透過させる略L字状の透光板である。 【0043】また、55は冷蔵室37内の本体側収納部40に適当な間隔をおいて設けられ複数の収納区画56を形成する棚であり、前記第1の冷却室44の下端面は前記棚55の一つと略同一面になるよう設置されている。 【0044】57は冷蔵室37内の本体側収納部40の下部に設けた野菜室であり、室内を高湿に維持するための透湿膜などの調湿手段58を備えている。59は前記野菜室56の上部に設けた貯蔵室である。 【0045】60は前記冷凍室38の後部に垂直方向に設けられた第2の冷却室であり、内部に第2の蒸発器61と前記第2の蒸発器61の上方に設けた第2の送風機62により構成されている。 【0046】63、64は前記冷蔵室37、冷凍室38内の温度を検出して温度制御装置(図示せず)を通じて各室の温度を適温に維持させる温度検出器である。また、65は前記冷蔵庫本体32の下部後方に区画形成した機械室であり、66は前記機械室65内に設けた冷凍サイクルの圧縮機、67は凝縮器である。 【0047】また、図3において68は毛細管などの第1の減圧器、69は前記第1の減圧器68の下流に設けられて冷媒流路を切り換える切換弁、70は前記切換弁69から分岐された下流に設けられた第2の減圧器である。そして、前記圧縮機66、凝縮器67、第1の減圧器68、切換弁69、第1の蒸発器45、第2の蒸発器61の順に環状に接続されて閉ループの第1の冷媒回路71が構成されている。また、前記切換弁69の切り換え作用により前記第2の減圧器70を介して前記第2の蒸発器61にバイパスされ、圧縮機66、凝縮器67、第1の減圧器68、切換弁69、第2の減圧器70、第2の蒸発器61の順に環状に接続される閉ループの第2の冷媒回路72が構成されている。 【0048】以上のように構成された冷蔵庫について、次にその作用について説明する。 【0049】冷凍室38の温度検出器64が設定値より高ければ、圧縮機66が運転され、圧縮機66によって高圧に圧縮された冷媒は凝縮器67で放熱されて液冷媒となり、第1の減圧器68を通過する間に減圧されて切換弁69に達する。このときまず、冷蔵室37内の温度検出器63が設定値より高い温度を検出していれば切換弁69は第1の冷媒回路71側に切り換えられており冷媒は圧縮機66、凝縮器67、第1の減圧器68、切換弁69、第1の蒸発器45、第2の蒸発器61と循環し、第1の蒸発器45で第1の冷却室44内の熱を吸収して一部が膨張気化し、続いて第2の蒸発器で第2の冷却室内の熱を吸収して膨張気化する。気化した冷媒は圧縮機66に帰還し、この作用を繰り返して冷蔵室37及び冷凍室38内の冷却が行われる。 【0050】すなわち、第1の蒸発器45の吸熱作用で周囲の空気が冷却されて生じた冷気は、第1の送風機46の強制通風作用によって第1の冷却室44内の冷気吐出風路49を通過して前面の冷気吐出口48より冷蔵室37の上部前面に吐出される。吐出された冷気は本体側収納部40の各収納区画56や野菜室57、貯蔵室59および扉収納部41を冷却した後、第1の冷却室44の下端に設けた冷気吸入口47より第1の冷却室44内に戻される。 【0051】そして、温度検出器63の温度が設定値に低下するまで第1の送風機46の運転が続けられ、その後設定値に上昇するまで停止し、この作用を断続的に繰り返して冷蔵室37の室内が所定値(例えば4℃)に冷却維持される。 【0052】このように、冷蔵室37内の冷却を、従来のように冷凍室内に設けた一つの蒸発器から長大な風路を介してまたダンパー装置を通過させて行なわず、冷蔵室上方後部及び天部に設けた略L字状の第1の冷却室44内に専用の第1の蒸発器45と冷気吐出風路49を組み込んで冷却するため、風路が簡素化されて有効な内容積が拡大する。また、従来使い勝手の悪かった冷蔵室上方後部及び天部に第1の冷却室44を設けたため実質的な内容積への影響はさらに軽減され、使用者の手の届きやすい使用頻度の高い収納範囲の使い勝手が改善される。 【0053】さらに、第1の冷却室44の下端面は棚55と略同一面上になるよう設けられているため、収納区画56の奧部に中途半端な高さの実質上利用できない無駄なスペースを作ることもなく、外観上の見栄えもよい。 【0054】また、冷蔵室37は専用の第1の蒸発器45を設けているため、第1の減圧器68の減圧量を適当に設定することにより室内温度に合わせて蒸発温度を高くでき、室内と第1の蒸発器45の蒸気圧差が縮小される。そのため、収納食品の乾燥が抑制され貯蔵品質が高まる。 【0055】また、冷蔵室37の上部前面に設けた冷気吐出口48より、従来に比べて室内温度近寄った温度の冷気が吐出されるため室内前部の温度上昇、室内後部の過冷却が抑制され、従来前部が高く、後部が低いという室内の温度むらが縮小されて貯蔵品質が安定する。さらに、冷凍室38とは独立して冷却されるため、第2の蒸発器61の除霜による温度上昇の影響を受けず貯蔵品質が高まる。 【0056】また、冷蔵室37内の乾燥が抑制されることによって、野菜室57、貯蔵室59の周囲の雰囲気も低湿度にならず室内の乾燥が抑制される。このため、野菜室57は調湿手段58の調湿作用とも相まって高湿の条件下で野菜、果物などの貯蔵ができ、貯蔵室59も肉、魚など乾燥を嫌う生鮮食品の区分管理に利用すると便利である。 【0057】一方、第2の蒸発器61の吸熱作用で周囲の空気が冷却されて生じた冷気は、第2の送風機62の強制通風作用によって第2の冷却室60より冷凍室38内に吐出される。吐出された冷気は収納容器43内を冷却した後、第2の冷却室60に戻される。この冷却作用は温度検出器64が設定値に冷却されるまで行われ、設定値に到達すると圧縮機66、第2の送風機62も停止する。そして、温度が設定値まで上昇すると再び圧縮機66、第2の送風機62が運転され、以後この作用を断続的に繰り返して冷凍室38の室内が所定値(例えば−18℃)に冷却維持される。このように冷凍室38も専用の第2の蒸発器61で冷蔵室37とは独立して冷却されるため、貯蔵温度が高く、収納負荷の多い冷蔵室37の影響を直接受けず安定した貯蔵品質が得られる。 【0058】また、冷凍室専用の蒸発器とすることで冷凍室後部の第2の蒸発器が小型化できて冷蔵室37と冷凍室38間の断熱区画壁36の位置が下げられ、その結果、冷蔵室37内の使いやすい高さの収納範囲(中央部及び下部)が拡大して使い勝手が向上する。 【0059】次に、圧縮機66の運転中に冷蔵室38の温度検出器63が設定値より低くなれば切換弁69は第2の冷媒回路72側に切り換えられ、冷媒は圧縮機66、凝縮器67、第1の減圧器68、切換弁69、第2の減圧器70、第2の蒸発器61と循環し、第2の蒸発器61で第2の冷却室60内の熱を吸収して膨張気化する。気化した冷媒は圧縮機66に帰還し、この循環作用を繰り返して第2の蒸発器61のみが冷却作用を発揮する。このため第2の送風機62の運転とともに冷凍室38のみが単独で冷却され、冷凍室の温度検出器64が設定値まで低下して圧縮機66、第2の送風機62が停止するか、冷蔵室の温度検出器63が設定値まで上昇して第1の冷媒回路71側に切り換えられるまで続けられる。 【0060】そして、この作用を断続的に繰り返して冷凍室38の室内が所定値(例えば−18℃)に冷却維持される。このように冷凍室38も第2の減圧器70の減圧量を適当に設定することによって、単独冷却時に第2の蒸発器61の蒸発温度を低めに設定でき、冷気温度を下げて冷却能力を高められる。このため、冷凍室38内の収納食品の温度上昇も抑制できて安定した貯蔵品質が得られる。 【0061】このように、冷蔵室37は第1の蒸発器45及び第1の送風機46、冷凍室38は第2の蒸発器61及び第2の送風機62でそれぞれの貯蔵温度に見合った冷気温度で冷却されるため、特に冷蔵室冷却時の蒸発温度を高くできることによって冷凍サイクルの効率が高まり、さらに冷却風路もそれぞれの室内で簡素化されて冷却効率が高まり電力消費を低減させることができる。 【0062】なお、第1の蒸発器45の蒸発温度をさらに高めるために第1の減圧器68の減圧量を小さく、第2の減圧器70の減圧量大きくする組み合わせにしてもよく、第1の減圧器68の減圧量を小さくした上で、第1の蒸発器45と第2の蒸発器61の間にもう一つ減圧器を追加して第2の蒸発器61の蒸発温度を引き下げてもよい。冷凍サイクルの効率向上と食品の貯蔵品質向上の目標度合いに応じて適当な組み合わせと設定を選択すればよい。また、切換弁69は第1の冷媒回路71と第2の冷媒回路72を択一的に切り換える例えば三方弁でもよく、弁開時は第1の冷媒回路71側に抵抗差でほとんど流れ、弁閉時は第2の冷媒回路72側にのみ流れるよう構成して安価な二方弁を利用してもよい。 【0063】また、冷蔵室37内において、扉39の開放時に合わせて第1の冷却室44の両側部にL字状に設けた照明室50内の照明装置52,53が点灯される。このとき、水平部に備えた左右一対の照明装置52は透光板54を介して冷蔵室37の上部前面より下方に向けて光を照射する。一方、垂直部に備えた左右一対の照明装置53は透光板54を介して冷蔵室37の上部奧面より下方に向けて光を照射する。 【0064】このため、冷蔵室内が立体的に照明されて前面から奧面にかけて照明のむらが少なくなり、従来の室内奧面からのみの照明のように手前に置かれた収納物によって照明が遮られてしまうこともない。そして、第1の冷却室44の構造体を利用してコンパクトに照明を組み込んでいるためスペースが有効活用でき、L字状の照明で外観的な見栄えもよく、また製造工程での組立も簡単に行える。 【0065】(実施例2)図4は、本発明の実施例2による冷蔵庫の斜視図、図5は同実施例による冷蔵庫の断面図である。 【0066】なお、以後の実施例については、実施例1と共通する部分については実施例1の説明をもってこれを省略し、異なる構成についてのみ新しい符号を付して説明する。 【0067】図4において、73は冷蔵庫本体であり、74は冷蔵室37内の上方後部から天部にかけて水平部と垂直部で略L字状に形成された第1の冷却室であり、垂直部に設けた第1の蒸発器45と前記第1の蒸発器45の上方に設けた第1の送風機46、前記第1の蒸発器45の下方形成した冷気吸入口47と、水平部に設けられ前面に冷気吐出口48を形成した冷気吐出風路49より構成されている。また、50は前記第1の冷却室44の両側部に隔壁51に隔てられて水平部と垂直部で略L字状に形成された照明室であり、前記照明室50の折曲部近傍に左右一対の照明装置75が設けられている。54は前記照明室50の前面を覆い照明装置75の光を透過させる略L字状の透光板である。 【0068】以上のような構成において、冷蔵室の扉39の開放時に合わせて第1の冷却室74の両側部にL字状に設けた照明室50内の照明装置75が点灯される。このとき照明室50の折曲部近傍に設けた左右一対の照明装置75は冷蔵室37の上方後部より下方に向けて光を照射するが、透光板54が照明装置75の設置位置より冷蔵室天面と上部奧面にわたってL字状に設けられているため冷蔵室37の上部前面と上部奧面より立体的に照明される。 【0069】このため、照明装置が一対のみであっても冷蔵室内の前面から奧面にかけて照明のむらが少なくなり、従来の室内奧面からのみの照明のように手前に置かれた収納物によって照明が遮られてしまうこともなく効率の高い合理的な照明が可能となる。そして、第1の冷却室44の構造体を利用してコンパクトに照明を組み込んでいるためスペースが有効活用でき、L字状の照明で外観的な見栄えもよく、また製造工程での組立も簡単に行える。 【0070】(実施例3)図1、図2において、冷蔵室37の本体側収納部40の温度設定が0〜3℃の低温度帯になるよう設定されている。 【0071】このような構成において、本体側収納部40に収納される食品のすべてが低温貯蔵されて貯蔵性が高まるほか、貯蔵室59は乾燥が抑制される環境に加えて低温に維持され肉、魚などの区分貯蔵に一層適合して貯蔵期間が延長できる。また、野菜室57も低温に維持されるため大半の野菜、果物は呼吸作用や蒸散作用が抑制されて長期の貯蔵が可能となる。このように、温度依存性の高い肉、魚、野菜などの生鮮食品の貯蔵が特別な冷却風路構成やダンパー装置などの温度制御装置を用いずに冷蔵室内で行うことができる。 【0072】なお、冷気吐出口48の風向を扉向きとして、扉収納部41も同様の低温帯とすることも可能であるが、直接口にする飲料品などの温度を下げすぎない配慮が必要であれば本体側寄りの風向設定で、もともと温度分布的に高い扉収納部41と本体側収納部40の温度区分管理が行える。 【0073】(実施例4)図1、図2、図3において、冷凍サイクルが第2の冷媒回路72を循環し第1の蒸発器45に冷媒が流れていないとき、または圧縮機66が停止して第1の蒸発器45に冷媒が流れていないときに第1の送風機46が所定時間運転されるよう構成されている。 【0074】このような構成において、冷蔵室37の冷却中、すなわち第1の蒸発器45に冷媒が流れている間は冷蔵室37内や冷蔵庫外から空気中の水分が第1の蒸発器45に霜として着霜し、第1の蒸発器45に冷媒が流れていないときに第1の送風機46を運転すれば付着した霜が冷蔵室内の空気によって融解し、空気中に水分として還元される。そして、この湿り空気を冷蔵室37内に循環させることによって冷蔵室37内の湿度が高く保たれる。 【0075】このため、冷蔵室37内や野菜室57、貯蔵室59内に貯蔵される食品の乾燥が一層抑制され、さらなる貯蔵期間の延長や貯蔵品質の向上が可能となる。 【0076】なお、第1の送風機46の運転時間は湿度の必要度合いや電力消費への影響度を考慮して定めればよく、運転時間で規定するのでなく第1の蒸発器45の温度上昇値で規定するなどの方法をとってもよい。 【0077】(実施例5)図6は、本発明の実施例5による冷蔵庫の斜視図、図7は同実施例による冷蔵庫の断面図である。 【0078】図6、図7において、76は冷蔵庫本体であり、77は冷蔵室37の背面で第1の冷却室74の下端に段差部を設けて接続した背面板である。前記背面板77の裏面空間には冷気吸入風路78が上下にわたって形成されており、その上端は第1の冷却室の冷気吸入口47に連通し、下端は貯蔵室59および野菜室57の後部空間に連通している。また、79は収納区画56に対応して前記背面板77に形成した冷気吸入口である。 【0079】このような構成において、冷蔵室37の上部前面の冷気吐出口48より吐出された冷気は下部に行き渡って野菜室57,貯蔵室59を冷却した後冷気吸入風路78に回収され第1の蒸発器45に戻される。また、各収納区画56を冷却した冷気は奧部の冷気吸入口79よりそれぞれ吸入されて同じく後冷気吸入風路78を通って第1の蒸発器45に戻される。 【0080】このため、吐出冷気が冷蔵室37の上部で第1の冷却室74に回収されてしまうことがなく、冷蔵室37の下部まで確実に冷却作用を行ってから帰還するため冷却効率が高い。また、本体側収納部40の各収納区画56もまんべんなく冷気が循環するため冷却むらが生じにくく収納食品の貯蔵品質が安定する。 【0081】さらには、背面板77の裏面空間に形成するのが従来のように吐出風路でなく、冷蔵室内温度と近似した温度の空気が通過する吸入風路であるため背面板77の裏面に断熱材を必要とせず冷気吸入風路78の厚みを薄くできる。このため冷蔵室37内の有効スペースの侵害が少なくて済む。なお、冷気吸入風路は冷蔵室内温度と近似しているため風路内に照明装置を設けることも可能であり、冷蔵室中央部付近から下部にかけての照明を強化したい場合に有効である。 【0082】(実施例6)図8は、本発明の実施例6による冷蔵庫の断面図である。 【0083】図8において、80は冷蔵庫本体であり、断熱区画壁81によって上部に冷蔵室82、下部に冷凍室83を区画形成している。前記冷蔵室82内の天部から上方後部にかけては水平部と垂直部で略L字状に形成された前記第1の冷却室74が設けられている。また、冷凍室83内の後部には垂直方向に前記第2の冷却室60が設けられている。 【0084】84は前記冷蔵室82の底部に設けられ主として肉、魚介類等の生鮮食品を貯蔵する低温室である。85は前記冷蔵室82内において前記低温室84の上部に設けた野菜室であり、86は低温室84の後方に設けた風路制御盤である。そして、前記風路制御盤86の内部には前記低温室84への冷気供給量を調節して室内温度を所定値(例えば0℃)に維持させるダンパー装置87と、前記ダンパー装置87を介在して、前記冷凍室83の第2の冷却室60内において第2の送風機62の吐出側に連通する冷気吐出風路88を備えている。また、89は前記低温室84を冷却した冷気を前記第2の蒸発器61に帰還させる冷気吸入風路である。 【0085】また、90、91、92は前記冷蔵室82、冷凍室83、低温室84内の温度を検出して温度制御装置(図示せず)を通じて各室の温度を適温に維持させる温度検出器である。 【0086】以上のように構成された冷蔵庫について、次にその作用について説明する。 【0087】冷凍室83の温度検出器91が設定値より高ければ、圧縮機66が運転され、このとき、冷蔵室82内の温度検出器90が設定値より高い温度を検出していれば冷媒は第1の蒸発器45、第2の蒸発器61に循環し、第1の送風機46、第2の送風機62の強制通風作用によって冷蔵室82、冷凍室83が冷却される。 【0088】冷蔵室82内の冷却は、第1の冷却室74内の冷気吐出風路49を介して前面の冷気吐出口48より冷蔵室82の上部前面に吐出されることによって行われる。吐出された冷気は冷蔵室内前部より下方に降下し、後部より冷気吸入口47を介して第1の冷却室74内に回収される。このとき、野菜室85も同時に第1の蒸発器45と第1の送風機46の冷却作用によって冷却され、例えば冷蔵室82は4℃に野菜室85は6℃に維持される。 【0089】一方、第2の冷却室60内に設けた第2の蒸発器61で冷却された冷気は冷凍室83内に吐出されて冷凍室83を例えば−18℃に冷却する。そして、冷却された冷気の一部は、第2の送風機62の強制通風作用で冷気吐出風路88に送り込まれる。そして、低温室84内の温度検出器92の温度が設定値より高ければ、ダンパー装置87が開放して冷気が吐出されて低温室84内が冷却され、冷気吸入風路89より第2の蒸発器61に戻される。その後温度検出器92の温度が設定値に低下するとダンパー装置87が閉じ冷却作用を停止する。この作用を断続的に繰り返して低温室37の室内が所定値(例えば0℃)に冷却維持される。 【0090】このように、低温室84内の冷却を冷凍室83内に設けた第2の蒸発器61と第2の送風機62の冷却作用に基づいて行わせるため、冷凍室冷却用の低い蒸発温度で熱交換した低温の冷気を利用することができ、低温室84の温度を所望の低温度帯にたやすく維持できる。このため、肉、魚介類など温度依存性の高い生鮮食品の貯蔵が安定して行え貯蔵品質を一層高められる。また、例えば−3℃のパーシャルフリージングなどより低温の設定にすることもでき、生鮮食品の長期間の貯蔵も可能となって食生活の自由度が広がる。さらに、蒸発温度の高い第1の蒸発器45に低温室84の冷却を依存しないことにより、第1の蒸発器45の冷却時間が長くなって冷蔵室82が必要以上に過冷却されるのを防止できる。 【0091】(実施例7)図9は、本発明の実施例7による冷蔵庫の断面図である。 【0092】図9において、93は冷蔵庫本体であり、断熱区画壁94によって上部に回転式の断熱扉95を備えた冷蔵室96とその下部に引出式の断熱扉97、収納容器98を備えた野菜室99、下部に引き出し式の断熱扉100、収納容器101を備えた冷凍室102とその上部に引き出し式の断熱扉103、収納容器104を備えた低温室105を区画形成している。 【0093】ここで、前記冷蔵室96内の天部から上方後部にかけては水平部と垂直部で略L字状に形成された前記第1の冷却室74が設けられている。また、冷凍室102内の後部には垂直方向に前記第2の冷却室60が設けられている。 【0094】そして、前記低温室105と冷凍室102の間には断熱区画壁106が設けられ、前記低温室105の後方には断熱構成された風路制御盤107が設けられている。前記風路制御盤107の内部には前記低温室105への冷気供給量を調節して室内温度を所定値(例えば0℃)に維持させるダンパー装置108と、前記ダンパー装置108を介在して、前記冷凍室102の第2の冷却室60内において第2の送風機62の吐出側に連通する冷気吐出風路109を備えている。また、110は前記低温室105を冷却した冷気を前記第2の蒸発器61に帰還させる冷気吸入風路である。 【0095】また、111、112、113は前記冷蔵室96、冷凍室102、低温室105内の温度を検出して温度制御装置(図示せず)を通じて各室の温度を適温に維持させる温度検出器である。 【0096】以上のように構成された冷蔵庫について、次にその作用について説明する。 【0097】冷凍室102の温度検出器112が設定値より高ければ、圧縮機66が運転され、このとき、冷蔵室96内の温度検出器111が設定値より高い温度を検出していれば冷媒は第1の蒸発器45、第2の蒸発器61に循環し、第1の送風機46、第2の送風機62の強制通風作用によって冷蔵室96、冷凍室102が冷却される。 【0098】冷蔵室96内の冷却は、第1の冷却室74内の冷気吐出風路49を介して前面の冷気吐出口48より冷蔵室96の上部前面に吐出されることによって行われる。吐出された冷気は冷蔵室内前部より下方に降下し、後部より冷気吸入口47を介して第1の冷却室74内に回収される。このとき、野菜室99も同時に第1の蒸発器45と第1の送風機46の冷却作用によって冷却され、例えば冷蔵室96は4℃に野菜室99は6℃に維持される。 【0099】一方、第2の冷却室60内に設けた第2の蒸発器61で冷却された冷気は冷凍室102内に吐出されて冷凍室102を例えば−18℃に冷却する。そして、第2の蒸発器61で冷却された冷気の一部は、第2の送風機62の強制通風作用で冷気吐出風路109に送り込まれる。そして、低温室105内の温度検出器112の温度が設定値より高ければ、ダンパー装置108が開放して冷気が吐出されて低温室105内が冷却され、冷気吸入風路110より第2の蒸発器61に戻される。その後温度検出器112の温度が設定値に低下するとダンパー装置108が閉じ冷却作用を停止する。この作用を断続的に繰り返して低温室105の室内が所定値(例えば0℃)に冷却維持される。 【0100】このように、低温室105内の冷却を冷凍室102内に設けた第2の蒸発器61と第2の送風機62の冷却作用に基づいて行わせるため、冷凍室冷却用の低い蒸発温度で熱交換した低温の冷気を利用することができ、低温室105の温度を所望の低温度帯にたやすく維持できる。 【0101】また、低温室105は、上下は断熱区画壁94、106に、前部は断熱扉103に、奧部は断熱性を有した風路制御盤107に囲まれているため外部からの熱影響を受けにくく安定した温度管理が行える。このため、肉、魚介類など温度依存性の高い生鮮食品の貯蔵が安定して行え貯蔵品質を一層高められる。また、例えば−3℃のパーシャルフリージングなどより低温の設定にすることもでき、生鮮食品の長期間の貯蔵も可能となって食生活の自由度が広がる。 【0102】さらに、低温室105に独立した専用の扉103を設けて収納容器104を引き出して使う構成としたことで、使い易い高さで独立して食品の出し入れができて使い勝手がよく、風路制御盤107を使いにくい奥部に納めたことで冷蔵室96下部の収納性が高まり、本実施例においては野菜室99の奥行きが十分確保できて収納性が高められる。 【0103】(実施例8)図9の低温室105において、図示しないスイッチなどの温度切換装置でダンパー装置108の開放率を変化させて冷蔵温度帯から冷凍温度帯まで温度切換可能な温度切換室としたものであり、使用者の任意の温度帯選択により温度検出器112の検出温度に基づいてダンパー装置108が開閉動作を繰り返して所望の温度帯に室内を冷却維持する。 【0104】このため、冷凍室102内に設けた第2の蒸発器61と第2の送風機62の冷却作用に基づくため冷凍室冷却用の低い蒸発温度で熱交換した低温の冷気を利用することができ、冷蔵から冷凍まで幅広い温度帯を無理なく切り換えられる冷却能力が得られる。そして、使用者の食生活に合わせて食品貯蔵の自由度が高められる。 【0105】 【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発明は、断熱区画壁によって、本体上部に複数の棚を備えた冷蔵室を、本体下部に冷凍室を区画形成し、冷蔵室の上方後部と天部に設けた略L字状の第1の冷却室内において冷蔵室の上方に垂直方向に設置された第1の蒸発器及びその上方に設けた第1の送風機と、第1の冷却室内の上部に形成され前面に冷気吐出口を備えた冷気吐出風路と、本体下部後方にあって冷凍サイクルの圧縮機を備えた機械室と、この機械室の上方で冷凍室の後方に設けた第2の冷却室内に垂直方向に設置された第2の蒸発器及びその上方に設けた第2の送風機よりなるものであり、冷蔵室は第1の蒸発器及び第1の送風機、冷凍室は第2の蒸発器及び第2の送風機でそれぞれの貯蔵温度に見合って冷却されて冷凍サイクルの効率が高まり、さらに冷却風路もそれぞれの室内で簡素化されて冷却効率が高まって電力消費を低減させることができる。 【0106】また、風路が簡素化されて有効な内容積が拡大する。従来使い勝手の悪かった冷蔵室上方後部及び天部に第1の冷却室を設けたため実質的な内容積への影響はさらに軽減され、使用者の手の届きやすい高さで使用頻度の高い収納範囲の使い勝手が改善される。 【0107】また、冷凍室専用の蒸発器とすることで冷凍室後部の第2の蒸発器が小型化でき、冷蔵室内の使いやすい高さの収納範囲(中央部及び下部)が拡大して使い勝手が向上する。 【0108】また、冷蔵室は専用の第1の蒸発器を設けているため室内温度に合わせて蒸発温度を高くでき、収納食品の乾燥が抑制され貯蔵品質が高まる。 【0109】また、冷蔵室内前部の温度上昇、室内後部の過冷却が抑制され、従来前部が高く、後部が低いという室内の温度むらが縮小されて貯蔵品質が安定する。さらに、冷凍室とは独立して冷却されるため、第2の蒸発器の除霜による温度上昇の影響を受けず貯蔵品質が高まる。 【0110】また、冷凍室も専用の第2の蒸発器で冷蔵室とは独立して冷却されるため、貯蔵温度が高く、収納負荷の多い冷蔵室の影響を直接受けず安定した貯蔵品質が得られる。 【0111】請求項2に記載の発明は、断熱区画壁により上部に複数の棚を備えた冷蔵室と、その下に野菜室を、下部に冷凍室を区画形成して各室に独立した扉を設け、冷蔵室の上方後部から天部にかけて設けた第1の冷却室内において冷蔵室の上方の垂直方向に第1の蒸発器と第1の送風機を設け、第1の冷却室内の上部に冷気吐出風路と前面に形成した冷気吐出口を備え、冷蔵庫本体の下部後方の機械室上方で冷凍室の後方に設けた第2の冷却室内の垂直方向に第2の蒸発器と第2の送風機を設け、第1の蒸発器及び第1の送風機で冷蔵室と野菜室を冷却し、第2の蒸発器及び第2の送風機で冷凍室を冷却するよう構成したものであり、冷蔵室と野菜室は第1の蒸発器及び第1の送風機、冷凍室は第2の蒸発器及び第2の送風機でそれぞれの貯蔵温度に見合って冷却されて冷凍サイクルの効率が高まると同時に冷蔵室と野菜室は室内温度に合わせて専用の蒸発器で蒸発温度を高くできる分、蒸気圧差が縮小され、収納食品の乾燥も抑制される。 【0112】また、第1の冷却室が冷蔵室上部に集約,簡素化されて冷蔵庫の中央部の使いやすい高さの奥行き方向の収納容積が拡大するとともに、特に野菜室の奥面の無効スペースが排除され、独立した扉を備えて野菜室の使い勝手が改善される。 【0113】請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、冷蔵室内の少なくとも本体側収納部の温度設定を0〜3℃の低温度帯としたものであり、温度依存性の高い肉、魚、野菜などの生鮮食品の貯蔵が特別な冷却風路構成やダンパー装置などの温度制御装置を用いずに冷蔵室内で行うことができる。 【0114】請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、第1の蒸発器に冷媒が循環しない時にも、第1の送風機を運転するよう構成したものであり、冷媒循環時に第1の蒸発器についた霜を冷蔵室内の空気で融解し、室内へ還元することによって冷蔵室内の湿度が高められる。そして、冷蔵室内に貯蔵される食品の乾燥が一層抑制され、さらなる貯蔵期間の延長や貯蔵品質の向上が可能となる。 【0115】請求項5に記載の発明は、請求項1または請求項2または請求項4に記載の発明において、圧縮機、凝縮器、第1の減圧器、切換弁、第1の蒸発器、第2の蒸発器を環状に接続した第1の冷媒回路と、前記冷媒回路の前記切換弁と前記第1の減圧器の間より第2の減圧器を介して前記第2の蒸発器にバイパスし、圧縮機、凝縮器、第1の減圧器、切換弁、第2の減圧器、第2の蒸発器を環状に接続した第2の冷媒回路を構成した冷凍サイクルを備えたものであり、冷蔵室と冷凍室の冷却回路の切換を切換弁一つで簡便に行え、冷凍サイクルの効率向上による電力消費の低減や冷蔵室、冷凍室の貯蔵品質の向上が図れる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004488 【氏名又は名称】松下冷機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年1月29日(1999.1.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097445 【弁理士】 【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−174127(P2001−174127A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月29日(2001.6.29) |
| 【出願番号】 |
特願2000−344796(P2000−344796) |
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