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【発明の名称】 温冷装置
【発明者】 【氏名】山田 健

【氏名】野島 健二

【氏名】青木 均史

【氏名】久保田 順一

【氏名】志村 好治

【要約】 【課題】飲料物Bを所定の時間に飲み頃温度にして、食卓等で常に適温で飲めるようにする。

【解決手段】筒体部20に収納載置された飲料物Bと空気との間に所定方向の熱流を発生させて、飲料物Bを冷却又は加温する電子温冷素子31を制御部40により制御する。この制御部40は、飲料物Bの温度、飲料物容器の温度、飲料物容器の材質、飲料物Bの残量のうち少なくとも1を計測する計測器44と、飲料物Bの飲み頃の温度を設定する温度設定器42と、当該飲料物Bを何時の飲むかを設定する時間設定器43と、これらからの信号に基づき電子温冷素子31の駆動条件を演算する制御器とにより構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 断熱部材から形成されて、飲料物が収納される筒体部と、該筒体部に収納載置された前記飲料物を冷却又は加温する電子温冷素子を備えた温冷部と、前記飲料物が所定の時間に所定の温度になるように前記温冷部を制御する制御部とを有することを特徴とする温冷装置。
【請求項2】 制御部が、飲料物の温度又は飲料物容器の温度を検出する計測器と、飲料物の飲み頃の温度を設定する温度設定器と、当該飲料物を何時に飲むかを設定する時間設定器とを有することを特徴とする請求項1記載の温冷装置。
【請求項3】 前記計測器が、飲料物の温度又は飲料物容器の温度を計測すると共に、飲料物容器の材質又は飲料物の残量のうち少なくとも1を計測することを特徴とする請求項2記載の温冷装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、時間をかけて飲料物を飲む際に、当該飲料物が所定の時間に所定の飲み頃温度になり、かつ、その後は常に飲み頃の温度を保持できるように制御可能な温冷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ビール、ワイン、シャンペン、冷酒、ジュースのように冷却して飲む飲料物、又は燗酒、コーヒ、お茶のように暖めて飲む飲料物は、予め所望の温度に冷却又は加温して食卓等で飲まれる。
【0003】一般家庭等においては、これらの飲料物の冷却には、冷蔵庫が用いられるが、冷蔵庫の場合には食品も一緒に保存され、当該食品を保存するのに適した温度は、飲料物の飲み頃温度と異なる等の理由から専用の温冷装置を用いる場合が増えている。
【0004】このような温冷装置としては、例えばワインのような場合には、ワインセラーと称されて市販されている。
【0005】例えば、白ワインは6〜13℃、赤ワインは10〜13℃、シャンペンは4〜8℃、ビールは6〜12℃、冷酒は5〜15℃、ミネラルウォータは15℃、燗酒は30〜45℃といったようにそれぞれに適した飲み頃の温度がある。
【0006】詳細には、例えば白ワインでも辛口の白ワインは6〜10℃、コクのある上級白ワインは10〜13℃、吟醸生酒は5℃、純米吟醸は10℃、大吟醸は15℃といったように同種の飲料物でも飲み頃温度が異なっている。
【0007】一方、飲料物を暖めて飲むような場合には、当該飲料物を加温容器に移し、ガスレンジ等により加温して所望温度にした後、カップ等の専用容器に移し替えて飲まれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ジュースやコーヒなどは比較的短時間で飲干されるものの、ワイン、冷酒、燗酒等は時間をかけて飲まれるのが一般的であり、予め適温に冷却又は加温した場合であっても飲干す時分には室温に近い温度になってしまう不都合がある。
【0009】また、ワインは瓶の底に澱が沈澱しており、グラスに注ぐときは風味等が損われるのを防止するために澱が混じらないようにすることが好ましい。
【0010】ところが、冷蔵庫やワインセラー等は、大型であるため食卓等に載置することができないために、飲料物を飲む場所と異なる場所に設置される。従って、冷蔵庫等から取出す際及び移動する際の振動が、ワインに伝わり澱が攪拌されてしまう場合があった。
【0011】このような観点から、食卓等に温冷装置を載置して飲料物を飲みながら温冷を継続することが考えられる。
【0012】しかし、飲料物容器は、ガラス瓶、カン、ペット瓶、徳利のように多種あり、これらはその材質が異なるために、熱伝導特性が異なっているので、以下のような問題が想定される。
【0013】例えば、ガラス瓶などは温度が上がりにくいが、所定の温度に達すると保温性が優れているので冷めにくい。一方、カンは温度が上がりやすい反面冷めやすい。
【0014】このように、飲料物容器にが異なると、飲料物の種類及び量が同じであっても、温冷条件を変えなければな、飲む時間に飲み頃の温度になっていなかったりする。また、一度飲み頃の温度になっても保温性の違いや飲料物の残量の違いから、その後の温冷条件が異なる場合が生じる。
【0015】そこで、本発明は、かかる不都合が無く、食卓等で飲料物を常に適温で飲めるようにした温冷装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、外筒及び該外筒にスライド可能に挿入されて収納載置された飲料物容器の高さに合わせてスライド量が調整できる内筒により形成された筒体部と、該筒体部に収納載置された飲料物と空気との間に所定方向の熱流を発生させて、飲料物を冷却又は加温する電子温冷素子を備えた温冷部と、飲料物が所定の時間に所定の温度になるように温冷部を制御する制御部とを有して、食卓等で飲料物を常に適温で飲めるようにしたことを特徴とする。
【0017】請求項2にかかる発明は、制御部が、飲料物の温度又は飲料物容器の温度を検出する計測器と、飲料物の飲み頃の温度を設定する温度設定器と、当該飲料物を何時の飲むかを設定する時間設定器とを有することを特徴とする。
【0018】請求項3にかかる発明は、計測器が、飲料物の温度又は飲料物容器の温度を計測すると共に、飲料物容器の材質又は飲料物の残量のうち少なくとも1を計測することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1は、本発明にかかる温冷装置10の断面図であり、図2はその外観斜視図を示したものである。
【0020】温冷装置10は、筒体部20、温冷部30及び制御部40を主要構成としている。筒体部20は、断熱部材から形成されて、飲料物が収納される。
【0021】筒体部20は外筒21、該外筒21に内装されて上下にスライドする内筒22、外筒21に固定された脚25等により構成されている.【0022】また、温冷部30は飲料物を加温又は冷却するペルチェ素子からなる電子温冷素子31、該電子温冷素子31と空気との熱交換を促進させるヒートシンク32等を有して、飲料物を冷却する際には、飲料物の熱を吸収し、その熱を当該ヒートシンクを介して【0023】外筒21及び内筒22は、外側に配設された外層23(21a,22a)及び内側に配設された内層24(21b,22b)の2層構造で形成され、外層23は伝熱特性の低く保温性の高い樹脂等により形成され、また内層24は逆に伝熱特性の高いアルミニュームの金属等により形成されている。
【0024】なお、内筒22をスライドするようにしたのは、内筒22を押込んで温冷装置10をコンパクト化することにより、当該温冷装置10の収納等を容易にすると共に、後述するように内筒22を飲料物容器の高さに合わせて引出すことにより飲料物の略全てを覆って冷却効率又は加温効率を高めるためである。
【0025】筒体部20の底部側には電子温冷素子31が填め込まれて装着され、この電子温冷素子31にヒートシンク32が熱接触して取付けられている。従って、電子温冷素子31が空気と直接熱交換する量は微々たるもので大部分が当該ヒートシンク32を介して空気と熱交換するようになっている。
【0026】このヒートシンク32にはファン33が設けられて、当該ファン33が回転することにより、脚25に設けられている吸気口26から空気が吸引されて、ヒートシンク32と熱交換して吐出口27から吐出されるようになっている。図1等に示す矢印はこのような空気の流れを示している。
【0027】なお、吐出口27から吐出された空気が、そのまま吸気口26から吸気されたり(エアーショート)、吐出口27から吐出される空気が利用者に吹き当ったりしないようにすることが好ましい。
【0028】そこで、本発明では、吸気口26を脚25の側面に設け、吐出口27を食卓等の温冷装置10が載置されている卓面に向けて吹出すように設けている。
【0029】制御部40は、飲料物容器の温度、飲料物の温度、飲料物容器の材質、飲料物の残量等のうち少なくとも1つを検出する計測器44、飲料物の飲み頃温度を設定する温度設定器42、飲料物の飲む時間を設定する時間設定器43、温度設定器42及び時間設定器43で設定された情報を表示する表示器41、計測器44、温度設定器42及び時間設定器43からの信号に基づき電子温冷素子31を駆動制御する図示しない制御器等を有している。
【0030】なお、計測器44の取付位置は後述するように種々考えられるが、図1等においては飲料物容器の底中央部に当る部分に設けた場合を示している。
【0031】飲料物容器や飲料物の温度を検出する際に用いる計測器44としては、これらに接触しないで計測できる赤外線計測器等が利用できる。この場合、計測器44の取付位置は、飲料物容器に赤外線を照射できる位置であれば何処でも良い。
【0032】また、飲料物容器の材質を検出する際には、超音波を飲料物容器に向けて出射し、そのときの振動数を検出することによりガラス瓶、カン、ペット瓶等の識別が可能である。この場合、飲料物容器の側面の方が底面より振動しやすいので計測器44の取付位置は、内筒22又は外筒21の内側面に設けることが好ましい。
【0033】さらに、飲料物の残量を検出するには、飲料物容器が透過性を有する場合には、内筒22の内側面に複数の発光素子及び受光素子を設けて、飲料物を通過することによる受光量の変化から判断することができる。この場合、発光素子からの光が飲料物を横切って、対向する位置に設けられた受光素子に到達するように配置する必要から内筒22又は外筒21の内側面に設けることが好ましい。
【0034】飲料物の残量を検出する他の方法として、飲料物の重さを計測する方法も適用可能である。この場合、計測器44の取付位置は飲料物容器の底中央部に当る部分に設ける方が好ましい。
【0035】次に、上記構成の温冷装置10の利用方法を図3及び図4を参照して説明する。先ず、温冷装置10を食卓等の飲料物Bを飲む場所等に載置し、内筒22を押下げる。そして、飲料物Bを当該内筒22に収納載置して図3に示す状態とする。
【0036】このとき、内筒22を押下げることにより飲料物Bの載置が容易になる利点がある。
【0037】その後、内筒22を引上げて図4に示す状態として飲料物Bを外筒21と内筒22とにより略全て覆うようにする。
【0038】このように飲料物Bの載置が完了すると、温度設定器42により飲料物を温冷する温度を設定し、時間設定器43により飲料物を飲む時間を設定する。
【0039】これにより、制御器は飲料物容器の材質を検出し、温度が上がりにくい材料(例えば、ガラス瓶)であるか、比較的温度が上がりやすい材料(例えば、ガン)であるかを判断する。
【0040】また、飲料物の量を検出すると共に、時間設定器43からの信号により設定した時間までどの程度の時間(この時間を、温冷可能時間と呼称する)があるかを判断する。
【0041】そして、温冷可能時間内で飲料物を温度設定器42で設定した温度にするには、飲料物容器の材質及び飲料物の量を考慮して電子温冷素子31の駆動条件を演算して駆動を開始する。
【0042】ペルチェ素子により構成した電子温冷素子31は、電流が流れる向により吸熱面と放熱面との位置が入れ代わることにより熱流の方向が逆転する特性がある。なお、熱流とは上述したように吸熱面から放熱面に熱が伝導する際の熱の流れを言う。
【0043】例えば、図3で飲料物Bと接する面をA面とし、ヒートシンク32と接する面をB面とすると、一方の向に電流を流すとA面が吸熱面となり、B面が放熱面となる。この場合は、飲料物Bの熱がA面から吸収されB面を介して空気に放熱されて飲料物が冷却される。
【0044】また、電流の向を逆にすると空気の熱がB面から吸収されA面を介して飲料物Bに放熱されるようになって、当該飲料物Bは加温されるようになる。
【0045】このとき、外筒21及び内筒22における内層24は伝熱特性の良い部材で形成されているので、電子温冷素子31からの熱(冷熱又は温熱)により内層24は速やかに均一温度になって、飲料物Bを底面(A面に接している)及び内層24から冷却又は加温することができるようになる。
【0046】従って、電子温冷素子31からの熱(冷熱又は温熱)が逃げにくくなって冷却効率又は加温効率が向上すると共に、飲料物B内の温度分布を均一にすることが可能になる。
【0047】飲料物B内の温度分布が均一な状態で冷却又は加温されることは、特にワイン等のように飲料物Bを攪拌したくないような場合に有効である。
【0048】即ち、ワインの瓶には、底に澱が沈澱しており、この澱を攪拌してしまうと風味等が損われてしまう。
【0049】ところが、例えば瓶の底面からのみ冷却したり、側面のみから冷却したりすると、瓶内には大きな温度分布が生じて対流が発生し、これにより澱が攪拌されてしまう。
【0050】しかし、本発明による温冷装置10では、全体を一緒に冷却又は加温するのでかかる対流の発生が抑えられて澱の攪拌を抑制することが可能になる。
【0051】なお、外筒21及び内筒22の外層23は樹脂等の熱伝導性の低い部材により形成しているので、温冷部30を飲料物Bの冷却又は加温の何れの状態で使用しても、外層23の温度は略室温となり、当該外層23に露が付いたり逆に熱くなったりする心配がない。
【0052】そして、飲料物Bが所定温度に達すると、内筒22を押下げて飲料物Bの側面を露出させて、当該側面を把持する。
【0053】このように内筒22を押下げることにより側面がしっかりと把持できるので、誤って飲料物Bを落したりするようなことが抑制できる利点がある。
【0054】そして、飲料物の残量が変化すると、電子温冷素子31の駆動条件が変化するので計測器44は適宜(常時又は所定時間毎)に残量を検出して、これに基づき制御器が駆動条件を修正することにより常に飲み頃の温度で飲料物を飲めるように温度制御する。
【0055】なお、上記説明では計測器44が飲料物容器の温度、飲料物の温度、飲料物容器の材質、飲料物の残量を検出し、これらに基づき制御器が温度制御を行う場合について述べたが、本発明はこれに限定されるものでは無い。
【0056】例えば、飲料物容器の材質をユーザ選択方式(スイッチ等により切替える方法)により選択できるようにしてもよい。
【0057】また、飲料物容器の温度を飲料物容器の材質により飲料物の温度に所定値を加えた値として、当該飲料物容器の温度検出を省くようにしても良く、又はこの逆にしても良い。
【0058】また、このような温冷装置10が利用される飲料物の量(例えば、ワインであると500ml)、飲干すのに要する時間(例えば、1時間)、温冷可能時間が(例えば、30分)等が、統計的に略一定値とすることが出きる場合は、予め電子温冷素子31の駆動条件をプログラミングしておくことも可能である。
【0059】無論、これらの統計データを記憶し、それに基づき温度制御しても良い。
【0060】さらに、飲料物が所定温度に達した後は、残量を検出しないで、飲料物容器の温度が所定範囲(例えば、設定温度に対して±1℃)になるように電子温冷素子31の駆動条件を修正するようにしても良い。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように請求項1にかかる発明によれば、外筒及び該外筒にスライド可能に挿入されて収納載置された飲料物容器の高さに合わせてスライド量が調整できる内筒により形成された筒体部と、該筒体部に収納載置された飲料物と空気との間に所定方向の熱流を発生させて、飲料物を冷却又は加温する電子温冷素子を備えた温冷部と、飲料物が所定の時間に所定の温度になるように温冷部を制御する制御部とを設けたので、所定時間に飲み頃の飲料物を食卓等飲めるようになる。
【0062】請求項2にかかる発明によれば、制御部を飲料物の温度又は飲料物容器の温度を検出する計測器と、飲料物の飲み頃の温度を設定する温度設定器と、当該飲料物を何時の飲むかを設定する時間設定器とにより構成したので、簡単な構成で所定時間に飲み頃の飲料物を食卓等飲めるようになる。
【0063】請求項3にかかる発明によれば、計測器が、飲料物の温度又は飲料物容器の温度を計測すると共に、飲料物容器の材質又は飲料物の残量のうち少なくとも1を計測するようにしたので、より正確な温度制御がかのうになる。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成11年12月22日(1999.12.22)
【代理人】 【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
【公開番号】 特開2001−174122(P2001−174122A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願平11−363776