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【発明の名称】 車載用冷蔵庫
【発明者】 【氏名】小方 秀夫

【氏名】▲とく▼永 成臣

【氏名】荒川 敏和

【氏名】北川 宏昭

【氏名】岡本 泰幸

【要約】 【課題】負荷電流が変化しても、車種毎に配線長が異なっても適正なバッテリ電圧で過放電検知し、バッテリ上がりが防止できる車載用冷蔵庫を提供する。

【解決手段】庫内温度に応じて熱電素子5で構成された冷却手段8の電圧を変え、庫内温度を所定温度に制御すると共に入力電圧検知回路14で入力電圧を検出しバッテリ15の電圧が過放電状態かどうかを検出する過放電防止制御手段13を備え、入力電圧を負荷電流に応じた電圧で補正するよう構成したものであり、常に適正なバッテリ電圧で過放電検知が出来、バッテリ上がりを発生させることはない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バッテリを電源とし、庫内用ヒートシンクと庫外用ヒートシンクで挟まれた熱電素子等で構成された冷却手段と、前記庫内用ヒートシンクと熱交換した空気を循環させる庫内ファンと、前記庫外用ヒートシンクと熱交換した空気を循環させる庫外ファンと、庫内の温度を検出する庫内温度検出器と、前記冷却手段の駆動電圧を供給する可変電源回路と、庫内温度に応じて前記可変電源回路の電圧を変え、庫内温度を所定温度に制御する制御回路と、前記バッテリからの入力電圧を検知する入力電圧検知回路とからなる車載用冷蔵庫において、入力電圧を負荷電流に応じた電圧で補正し、補正した入力電圧で過放電状態かどうかを判定し、過放電時は冷却運転を停止する過放電防止制御手段を備えた車載用冷蔵庫。
【請求項2】 電源投入時、冷却運転に入る前の無負荷時の入力電圧と冷却運転開始後の所定の負荷電流での入力電圧を検出し、その電圧降下から配線抵抗を算出し、負荷電流に応じて配線の電圧降下から入力電圧を補正し、補正した入力電圧で過放電状態かどうかを判定する過放電防止制御手段を備えた請求項1に記載の車載用冷蔵庫。
【請求項3】 定期的に一定時間冷却手段及びファンモータ等の負荷への通電を停止し、その間に入力電圧を検知し、過放電状態かどうかを検知する過放電防止制御手段を備えた請求項1に記載の車載用冷蔵庫。
【請求項4】 定期的とは負荷への通電を停止しない間に最大負荷電流でも過放電状態に至らない程度の時間とし、また負荷への通電を停止する一定時間とは熱電素子に温度ストレスが発生しない程度の短い時間とする過放電防止制御手段を備えた請求項3に記載の車載用冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バッテリあがりを防止する過放電防止機能を備えた車載用冷蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ぺルチェ素子を利用した熱電モジュール式の冷蔵庫が、主として小容量帯や可搬式のものに適用されつつある。一方、冷蔵庫の脱ホーム的な需要としてRV車や長距離トラックを対象に車載用冷蔵庫が普及しつつある。
【0003】そして、熱電モジュール式の冷蔵庫の特徴として直流電源で駆動できる簡便さから、車のバッテリーを駆動源とする車載用冷蔵庫への適性がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、車載用冷蔵庫は商品としての性格上エンジンを切った時も冷却運転を継続する必要があり、エンジンを切った後もそのまま長い時間負荷の作動を継続すると、ついにはバッテリ上がりに至ってしまうという問題が懸念される。
【0005】本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、エンジンの停止後車載用冷蔵庫を運転し続けてもバッテリ上がりを未然に防止できる保護機能を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために本発明は、庫内温度に応じて熱電素子等で構成された冷却手段の電圧を変え、庫内温度を所定温度に制御すると共に入力電圧を検出し、バッテリ電圧が過放電状態かどうかを検出する過放電防止制御手段を備えて、入力電圧を負荷電流に応じた電圧で補正するよう構成したのである。
【0007】これにより、常に適正なバッテリ電圧で過放電検知が出来、バッテリ上がりを発生させることはない。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、バッテリを電源とし、庫内用ヒートシンクと庫外用ヒートシンクで挟まれた熱電素子等で構成された冷却手段と、前記庫内用ヒートシンクと熱交換した空気を循環させる庫内ファンと、前記庫外用ヒートシンクと熱交換した空気を循環させる庫外ファンと、庫内の温度を検出する庫内温度検出器と、前記冷却手段の駆動電圧を供給する可変電源回路と、庫内温度に応じて前記可変電源回路の電圧を変え、庫内温度を所定温度に制御する制御回路と、バッテリからの入力電圧を検知する入力電圧検知回路とからなる車載用冷蔵庫において、入力電圧を負荷電流に応じた電圧で補正し、補正した入力電圧で過放電状態かどうか判定し、過放電時は冷却運転を停止する過放電防止制御手段を備えたものであり、常に適正なバッテリ電圧で過放電検知が出来るという作用を有し、バッテリ上がりを発生させることはない。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、電源投入時、冷却運転に入る前の無負荷時の入力電圧と冷却運転開始後の所定の負荷電流での入力電圧を検出し、その電圧降下から配線抵抗を算出し、負荷電流に応じた配線の電圧降下から入力電圧を補正し、補正した入力電圧で過放電状態かどうか判定し、過放電時は冷却運転を停止する過放電防止制御手段を備えたものであり、バッテリからの配線長が車種毎に異なっていても運転開始時に正確に配線抵抗を算出するため、負荷電流に応じて入力電圧を補正するため常に適正なバッテリ電圧で過放電検知が出来るという作用を有し、バッテリ上がりを発生させることはない。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、定期的に一定時間冷却手段及びファンモータ等の負荷への通電を停止し、その間に入力電圧を検知し、過放電状態かどうかを検知する過放電防止制御手段を備えたものであり、負荷への通電を停止し、その間に入力電圧を検出するため、バッテリからの配線長が車種毎に異なっていても、また運転時の負荷電流とは無関係に検出電圧はバッテリ電圧にほぼ等しいため、過放電検知電圧を変えることなく常に適正なバッテリ電圧で過放電検知が出来るという作用を有し、バッテリ上がりを発生させることはない。
【0011】請求項4記載の発明は請求項3に記載の発明において、定期的とは負荷への通電を停止しない間に最大負荷電流でも過放電状態に至らない程度の時間とし、また負荷への通電を停止する一定時間とは熱電素子に温度ストレスが発生しない程度の短い時間とするものであり、冷蔵庫の冷却性能への影響及び熱電素子への温度ストレスの影響を最大限に抑えるという作用を有するものである。
【0012】
【実施例】以下、本発明の車載用冷蔵庫の実施例について、図面を参照して説明する。
【0013】(実施例1)図1は本発明の実施例1による車載用冷蔵庫の側面断面図である。図2は同実施例の車載用冷蔵庫の制御ブロック図である。図3は同実施例の車載用冷蔵庫の過放電防止制御手段の動作を示す特性図である。
【0014】図1から図3において、1は車載用冷蔵庫、2は庫内であり、断熱壁3とドア4で庫外とは断熱されている。5は熱電素子で、庫内用ヒートシンク6と庫外用ヒートシンク7で挟まれている。8は冷却手段であり、前記熱電素子5と庫内用ヒートシンク6と庫外用ヒートシンク7で構成されている。9は庫内ファンであり、庫内用ヒートシンク6を通過して熱交換された空気が庫内2を循環する。10は庫外ファンであり、庫外の空気を吸い込み庫外用ヒートシンク7を通過して再び庫外に放出する。この様にしてペルチェ効果を利用して庫内を冷却する。11は庫内温度を検出する庫内温度検出器である。
【0015】12は可変電源回路で冷却手段8に印加する電圧を供給する、13はマイクロコンピュータ等からなる過放電防止機能を備えた制御回路であり(以下過放電防止制御手段13という)、庫内温度検出器11からの庫内温度情報を入力し、ROM(図示せず)に予め書き込まれたプログラムに従い、庫内温度を所定温度に制御するように可変電源回路12に冷却手段8に印加する電圧指令を出すと共に、庫内ファン9と庫外ファン10を駆動する。
【0016】また、14は入力電圧検知回路でバッテリ15からの入力電圧を検出し、検出電圧を過放電防止制御手段13に入力する。過放電防止制御手段13は冷却手段8の負荷電流によって配線インピーダンスによる電圧降下が異なるため、負荷電流に応じて入力電圧を補正し、過放電状態かどうかを判定する。
【0017】以上のように構成された車載用冷蔵庫について、図3を用いてその動作を説明する。図3においてバッテリ電圧Vbは負荷(車載用冷蔵庫1)の運転により時間と共に低下していく。また、車載用冷蔵庫1の入力電圧Viは配線インピーダンス(R一定とする)により負荷電流Idに応じて電圧降下Vd(Id×R)が発生し、バッテリ電圧Vbよりも低くなる。
【0018】従って、バッテリ電圧Vbが過放電検知電圧Voを下回ったかどうかは入力電圧Viに配線インピーダンスによる負荷電流に応じた電圧降下Vd(I1の時はV1、I2の時はV2)を補正して判定するものである。これにより、常に適正なバッテリ電圧で過放電検知が出来るという作用を有し、バッテリ上がりを発生させることはない。
【0019】(実施例2)図4は本発明の実施例2による車載用冷蔵庫の制御ブロック図である。図5は同実施例の車載用冷蔵庫の過放電防止制御手段の動作を示す特性図である。図4、図5において、13aはマイクロコンピュータ等からなる制御回路であり(以下過放電防止制御手段13aという)、庫内温度検出器11からの庫内温度情報を入力し、ROM(図示せず)に予め書き込まれたプログラムに従い、庫内温度を所定温度に制御するように可変電源回路12に冷却手段8に印加する電圧指令を出すと共に、庫内ファン9と庫外ファン10を駆動する。
【0020】また、制御回路13aは電源投入時、冷却運転に入る前の無負荷時の入力電圧と冷却運転開始後の所定の負荷電流での入力電圧を検出し、その電圧降下から配線抵抗を算出し、負荷電流に応じた配線の電圧降下から入力電圧を補正し、補正した入力電圧で過放電状態かどうか判定する。
【0021】以上のように構成された車載用冷蔵庫について、図5を用いてその動作を説明する。
【0022】過放電防止制御手段13aは電源投入時の冷却運転に入る前の無負荷時の入力電圧、即ちバッテリ電圧Vbを検出し、その後冷却運転開始後の所定の負荷電流Idでの入力電圧を検出し、その電圧降下Vdから配線抵抗Rを算出する。配線抵抗Rが分かれば負荷電流に応じた配線の電圧降下が算出できる。即ち、負荷電流I1の時はV1、I2の時はV2となり、入力電圧Viに対しV1とV2で入力電圧を補正することによりバッテリ電圧が求められる。
【0023】このように入力電圧を補正してバッテリ電圧を求めて過放電状態かどうか判定するものである。これにより、常に適正なバッテリ電圧で過放電検知が出来るという作用を有し、バッテリ上がりを発生させることはない。
【0024】(実施例3)図6は本発明の実施例3による車載用冷蔵庫の制御ブロック図である。図7は同実施例の車載用冷蔵庫の過放電防止制御手段の動作を示す特性図である。図6、図7において、13bはマイクロコンピュータ等からなる制御回路であり、(以下過放電防止制御手段13bという)庫内温度検出器11からの庫内温度情報を入力し、ROM(図示せず)に予め書き込まれたプログラムに従い、庫内温度を所定温度に制御するように可変電源回路12に冷却手段8に印加する電圧指令を出すと共に、庫内ファン9と庫外ファン10を駆動する。
【0025】また、制御回路13bは定期的に一定時間冷却手段8及び庫内ファン9、庫外ファン10への通電を停止し、その間に入力電圧を検知し、過放電状態かどうかを検知するものである。
【0026】以上のように構成された車載用冷蔵庫について、図7を用いてその動作を説明する。
【0027】車載用冷蔵庫1の入力電圧Viは配線インピーダンスR(不定)により負荷電流Idに応じて電圧降下Vd(Id×R)が発生し、バッテリ電圧Vbよりも低くなる。そこで一定時間毎(本実施例では1時間毎)に一定時間(本実施例では0.1秒間)冷却手段8及び庫内ファン9,10等の負荷への通電を停止、即ち冷蔵庫の運転を停止し、その間に入力電圧Viがバッテリ電圧Vbとほぼ等しくなる為、そのときの電圧を検知し、過放電状態かどうかを判断する。
【0028】過放電状態であれば冷蔵庫の運転を停止し、次にエンジンがONされバッテリ電圧Vbが発電機電圧Vgまで上昇する途中の冷蔵庫運転再開電圧Vsになれば車載用冷蔵庫1の運転を再開するものである。
【0029】従って、バッテリ15からの配線長が車種毎に異なっていても、また運転時の負荷電流とは無関係に検出電圧はバッテリ電圧にほぼ等しいため、常に適正なバッテリ電圧で過放電検知が出来るという作用を有し、バッテリ上がりを発生させることはない。
【0030】また、定期的とは負荷への通電を停止しない間に最大負荷電流でも過放電状態に至らない程度の時間とし、本発明では負荷電流との絡みで1時間とし、また負荷への通電を停止する一定時間とは熱電素子に温度ストレスが発生しない程度の短い時間とするものであり、本発明では0.1秒間とし、車載用冷蔵庫1の冷却性能への影響及び熱電素子への温度ストレスの影響を最大限に抑えることができる。
【0031】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の発明は、庫内温度に応じて熱電素子等で構成された冷却手段の電圧を変え、庫内温度を所定温度に制御すると共に入力電圧を検出し、バッテリ電圧が過放電状態かどうかを検出する過放電防止制御手段を備えて、入力電圧を負荷電流に応じた電圧で補正するよう構成したので、常に適正なバッテリ電圧で過放電検知が出来、バッテリ上がりを発生させることはない。
【0032】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、電源投入時、冷却運転に入る前の無負荷時の入力電圧と冷却運転開始後の所定の負荷電流での入力電圧を検出し、その電圧降下から配線抵抗を算出し、負荷電流に応じた配線の電圧降下から入力電圧を補正し、補正した入力電圧で過放電状態かどうか判定し、過放電時は冷却運転を停止する過放電防止制御手段を備えたので、バッテリからの配線長が車種毎に異なっていても負荷電流に応じて入力電圧を補正し、常に適正なバッテリ電圧で過放電検知が出来る。
【0033】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、定期的に一定時間冷却手段及びファンモータ等の負荷への通電を停止し、その間に入力電圧を検知し、過放電状態かどうかを検知する過放電防止制御手段を備えたので、バッテリからの配線長が車種毎に異なっていても、運転時の負荷電流とは無関係に検出電圧はバッテリ電圧にほぼ等しいため、過放電検知電圧を変えることなく常に適正なバッテリ電圧で過放電検知が出来る。
【0034】請求項4記載の発明は請求項3に記載の発明において、定期的とは負荷への通電を停止しない間に最大負荷電流でも過放電状態に至らない程度の時間とし、また負荷への通電を停止する一定時間とは熱電素子に温度ストレスが発生しない程度の短い時間とするので、冷蔵庫の冷却性能への影響及び熱電素子への温度ストレスの影響を最大限に抑えることができる。
【出願人】 【識別番号】000004488
【氏名又は名称】松下冷機株式会社
【出願日】 平成11年12月14日(1999.12.14)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【公開番号】 特開2001−174120(P2001−174120A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願平11−354321