| 【発明の名称】 |
断熱扉 |
| 【発明者】 |
【氏名】小嶋 忍
【氏名】伊藤 洋喜
【氏名】古川 義朗
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| 【要約】 |
【課題】発泡漏れおよびパッキンの脱落を確実に防止する。
【解決手段】扉裏板28に形成した取付部33により、パッキン30の嵌合部30aが嵌挿されるU字溝34が形成される。取付部33の外壁33aの開放端縁から外側に延出する当接縁部35は、外方に向かうにつれて表側に所定角度で傾斜する。当接縁部35の表面全体を、扉表板27のフランジ31の裏面に当接するよう扉裏板28を扉表板27に取付けた状態で、当接縁部35は自身の弾力でフランジ31に隙間なく密着する。取付部33の上下の横部36,36の外側端間の間隔L1は、フランジ31の上下の横部31a,31aの開放端間の間隔L2より大きく設定される。扉裏板28を扉表板27に取付けたときに、取付部33の外壁33aがフランジ31により内側に変形されて、U字溝34の開口部寸法が小さくなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 裏側が開放する箱状に形成された扉表板(27)と、この扉表板(27)の裏側に取付けられた扉裏板(28)と、扉表板(27)と扉裏板(28)との間に充填された発泡断熱材(29)と、前記扉裏板(28)の裏側に配設されたパッキン(30)とからなる断熱扉において、前記扉裏板(28)に形成されて表側に突出し、前記扉表板(27)の開放端縁に形成されて内側に延在するフランジ(31)の内側に挿入される取付部(33)と、前記取付部(33)により画成されて裏側に開放し、前記パッキン(30)の嵌合部(30a)が嵌挿される取付溝(34)と、前記取付部(33)の外側縁から外側に延出すると共に、外方に向かうにつれて表側に傾斜する弾性変形可能な当接縁部(35)とからなり、前記扉表板(27)の対向するフランジ(31)の開放端間の間隔(L2,H2)より、前記扉裏板(28)の対向する取付部(33)の外側端間の間隔(L1,H1)が大きく設定され、前記当接縁部(35)の表面をフランジ(31)の裏面に当接して扉表板(27)に扉裏板(28)を取付けた際に、前記フランジ(31)の内側に挿入された取付部(33)が、前記取付溝(34)の開口寸法を小さくするよう該フランジ(31)で変形されることで、前記パッキン(30)の取付溝(34)からの脱落を防止し得るよう構成したことを特徴とする断熱扉。 【請求項2】 前記扉裏板(28)は、樹脂製の成形品である請求項1記載の断熱扉。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は断熱扉に関し、更に詳細には、発泡断熱材が充填されると共にパッキンが配設される貯氷庫等の断熱扉に関するものである。 【0002】 【従来の技術】製氷機で製造された氷を貯める貯氷庫の断熱扉は、貯氷庫本体に対して幅方向両側の下端部に設けた軸を中心に開閉されると共に、その上端部に設けたラッチを介して閉成状態に保持されるよう構成される。図5は、断熱扉の一例を示すものであって、該断熱扉10は、ステンレス板を折曲げ加工した偏平で矩形箱状の扉表板11と、樹脂製の真空成形品あるいはステンレス板を折曲げ加工して得られる扉裏板12と、両板11,12の間に充填される発泡断熱材13とから基本的に構成される。前記扉表板11には、その開放端縁に、内側に直角に折曲げられたフランジ11aが形成されている。また扉表板11の内部には、鉄板を断面L字状に折曲げた枠形状のフレーム14が配設され、該フレーム14により剛性を確保している。 【0003】前記扉裏板12の外周縁には、貯氷庫本体の前面に当接して密着性を確保するパッキン15が嵌め込まれ、該パッキン15と共に扉裏板12は、前記前表板11のフランジ11aを挟んで対向するフレーム14にネジ止め固定されるようになっている。そして、扉表板11と扉裏板12との間に画成される空間に、前記発泡断熱材13が充填されることで、断熱性および剛性を確保するよう構成されている。 【0004】図6は、別の断熱扉16を示すものであって、基本的な構成は図5に示す断熱扉10と同じであるが、パッキン17の取付け構造が異なっている。すなわち、扉裏板12にU字溝18が形成され、該U字溝18にパッキン17に形成した嵌合部17aを嵌合することで両者12,17を取付けるよう構成される。なお、扉表板11と扉裏板12とは、扉表板11のフランジ11aに扉裏板12の端縁部を直接当接した状態で、フレーム14を介してネジ止め固定される。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】前述した図5に示す断熱扉10では、扉表板11と扉裏板12との接合部は、パッキン15を介してネジ止め固定されているが、各部材の加工誤差や組立て誤差等により該接合部に隙間が生じ、該隙間から発泡断熱材13の発泡液が漏れてしまうおそれがある。そのため、接合部の全周に、軟質ウレタン発泡体からなるシールテープ19を貼って漏れ止めをしているが、この作業には時間が掛かり、またシールテープ19の貼り方や、発泡液の量等の条件によっては発泡漏れが発生することがあり、商品価値が低下する欠点を招く。 【0006】図6に示す断熱扉16においても、扉表板11と扉裏板12との接合部にシールテープ19を貼って漏れ止めをする必要があるが、前述したと同様に、作業条件によっては発泡漏れを防ぐことができない欠点が指摘される。またパッキン17はU字溝18への嵌合方式であるため、該パッキン17が抜け易い難点があり、図に示すように該溝18の開放端部に顎部18a,18aを設けて溝内寸法より開口寸法を小さくすることでパッキン17を確実に保持する対策が採られている。しかしながら、樹脂成形により扉裏板12に顎部18a,18aを形成する場合には、その構造上、成形型にスライド機構を設ける必要を生じ、成形型が複雑で高価なものとなり、コストが高騰する原因となる。 【0007】 【発明の目的】本発明は、前述した従来の技術に内在している前記欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、発泡漏れおよびパッキンの脱落を確実に防止し得る断熱扉を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本発明に係る断熱扉は、裏側が開放する箱状に形成された扉表板と、この扉表板の裏側に取付けられた扉裏板と、扉表板と扉裏板との間に充填された発泡断熱材と、前記扉裏板の裏側に配設されたパッキンとからなる断熱扉において、前記扉裏板に形成されて表側に突出し、前記扉表板の開放端縁に形成されて内側に延在するフランジの内側に挿入される取付部と、前記取付部により画成されて裏側に開放し、前記パッキンの嵌合部が嵌挿される取付溝と、前記取付部の外側縁から外側に延出すると共に、外方に向かうにつれて表側に傾斜する弾性変形可能な当接縁部とからなり、前記扉表板の対向するフランジの開放端間の間隔より、前記扉裏板の対向する取付部の外側端間の間隔が大きく設定され、前記当接縁部の表面をフランジの裏面に当接して扉表板に扉裏板を取付けた際に、前記フランジの内側に挿入された取付部が、前記取付溝の開口寸法を小さくするよう該フランジで変形されることで、前記パッキンの取付溝からの脱落を防止し得るよう構成したことを特徴とする。 【0009】 【発明の実施の形態】次に、本発明に係る断熱扉につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお、実施例の説明において表面および裏面とは、貯氷庫本体から離間する面を表面と指称し、本体と対向する面を裏面と指称するものとする。 【0010】図1は、実施例に係る断熱扉を示すものであり、該断熱扉を採用した貯氷庫を図4に示す。この貯氷庫20は、内部に貯氷室を画成した断熱構造の本体21の上部に、製氷機構22と冷凍機構23とを収納したキャビネット24が載置され、製氷機構22で製造された氷塊が、貯氷室に貯留されるよう構成される。本体21の前面側(正面側)には開口部25が開設され、この開口部25が、本体21に回動可能に枢支された断熱扉26により開閉自在に閉成されるようになっている。 【0011】実施例に係る断熱扉26は、扉表板27と、この扉表板27の裏側に取付けられた扉裏板28と、両板27,28間に充填された発泡断熱材29および扉裏板28の裏側に配設されたパッキン30とから基本的に構成される。扉表板27は、図1〜図3に示す如く、ステンレス板を折曲げ加工することで、前記本体21の前面と対向する裏側が開放する偏平の矩形箱状に形成されたものであって、その開放端縁の全周には、内側に向けて直角に延在するように折曲されたフランジ31が形成されている。また扉表板27の内部には、断面L字状に形成された枠形状のフレーム32が、該扉表板27の内部全周に亘って配設され、断熱扉26の剛性を確保するよう構成してある。 【0012】前記扉裏板28は樹脂製の成形品であって、全体として扉表板27の外形寸法より所定寸法だけ小さい矩形状を呈し、その外周端より内側の位置に、表側(扉表板27側)に向けて突出する断面略U字状の取付部33が、矩形枠状に形成される。この取付部33は、外壁33a、内壁33bおよび両壁33a,33bを表側で連設する底壁33cとから構成され、これら壁33a,33b,33cにより、前記パッキン30が嵌挿される裏側に開放する取付溝としてのU字溝34が形成されるようになっている。また取付部33における外壁33aの開放端縁(取付部33の外側縁)から外側に所定長さで延出する弾性変形可能な当接縁部35は、図1に示す如く、外方に向かうにつれて表側に所定角度で傾斜するよう設定されている。すなわち、扉裏板28における当接縁部35の表面全体を、扉表板27におけるフランジ31の裏面に当接するよう扉裏板28を扉表板27の裏側に取付けた状態で、該当接縁部35は自身の弾力によってフランジ31に隙間なく密着するよう構成される(図3参照)。 【0013】なお、前記当接縁部35の開放端35aは、図1に示す如く、前記扉表板27のフランジ31に当接する前の状態で、該フランジ31の裏面に対して略直交する形状となっている。そして、この当接縁部35をフランジ31に当接することで裏側に変形させた状態では、図3に示すようにフランジ31の裏面に対して開放端35aが内側に向けて傾斜するよう構成される。これにより、面取り仕上げを別途行なわなくても、鋭角な縁部が露出しないようになっている。 【0014】前記扉裏板28の取付部33は、上下の横部36,36と、幅方向左右の縦部37,37とからなる。また前記扉表板27のフランジ31も、上下の横部31a,31aと、幅方向左右の縦部31b,31bとからなる。そして、取付部33の上下の横部36,36における外側端間の間隔L1(対向する外壁33a,33aの間隔)は、フランジ31の上下の横部31a,31aにおける開放端間の間隔L2より所定長さだけ大きくなるよう設定される。また同様に、取付部33の左右の縦部37,37における外側端間の間隔H1(対向する外壁33a,33aの間隔)は、フランジ31の左右の縦部31b,31bにおける開放端間の間隔H2より所定長さだけ大きくなるよう設定される。すなわち、前述したように扉裏板28の当接縁部35全体を、扉表板27のフランジ31に当接するよう両板27,28を取付けたときには、図3に示すように、取付部33の横部36,36および縦部37,37における各外壁33a,33aが、対応するフランジ31の各横部31a,31aおよび縦部31b,31bにより内側(内壁33b,33b側)に変形されて、U字溝34の開口部寸法が小さくなるよう構成される。 【0015】前記パッキン30は、前記扉裏板28の取付部33と同様に矩形枠状に形成されると共に、図1に示す如く、取付部33のU字溝34と対向する表側に、嵌合部30aが突設されており、この嵌合部30aをU字溝34に嵌挿することで、当該パッキン30が扉裏板28の裏側に配設されるようになっている。この嵌合部30aは、取付部33の外壁33aが内側に変形される前の状態のU字溝34に嵌挿可能な寸法に設定されると共に中空に形成され、前述したように取付部33の外壁33aが内側に変形されるのに伴って該嵌合部30aも変形して、U字溝34から抜け難くなるよう構成される。また嵌合部30aにおける内外の周面には、内側または外側に向けて突出する係合片30bが複数形成され、該係合片30bによってもパッキン30がU字溝34から容易に脱落しないようになっている。 【0016】 【実施例の作用】次に、実施例に係る断熱扉の作用につき以下説明する。前記断熱扉26を組立てる場合は、先ず扉裏板28のU字溝34に、パッキン30の嵌合部30aを嵌挿して取付ける。図3に示すように、発泡治具38に収納位置決めされている扉表板27の内部に発泡液を所定量だけ供給した後、該扉表板27の裏側に、前記パッキン30を取付けた扉裏板28を、別の発泡治具39を介して位置決めする。このとき、扉裏板28の取付部33がフランジ31の内側に強制的に挿入されると共に、当接縁部35の表面全体がフランジ31の裏面に当接するよう位置決めされる。前述したように当接縁部35は、力が加わっていない状態では外方に向かうにつれて表側、すなわちフランジ31側に所定角度で傾斜するよう設定されているから、該当接縁部35の表面全体をフランジ31の裏面に当接した状態では、該当接縁部35は自身の弾力によってフランジ31に隙間なく密着し、扉表板27と扉裏板28との接合部に隙間が生ずるのを防止し得る。 【0017】また、扉表板27のフランジ31と扉裏板28の取付部33との前述した各間隔L1,L2,H1,H2の関係により、取付部33の外壁33aにおける開放端部近傍がフランジ31により内側に変形し、U字溝34の開口寸法が小さくなる。このとき、U字溝34に嵌挿されているパッキン30の嵌合部30aも、U字溝34の開口部近傍の部分が変形して潰され、該パッキン30のU字溝34からの脱落が確実に防止される。 【0018】そして、前記発泡液が発泡して扉表板27と扉裏板28とで画成される空間の全体に発泡断熱材29が充填されることで、両板27,28は該断熱材29の接着力により接着固定される。この発泡液の発泡に際し、扉表板27と扉裏板28との接合部であるフランジ31と当接縁部35との当接面部(接合部)には隙間は生じていないので、発泡漏れを生じて製品価値が低下することはない。しかも、フランジ31に対して当接縁部35を弾性変形により密着するようにしているから、若干の加工誤差や組付け誤差があったとしても、両者31,35を隙間なく密着させることができる。従って、発泡漏れを防止するためのシールテープを不要とし、作業時間の短縮および材料費や加工費等のコストの低減を図り得る。なお、扉表板27と扉裏板28とは、フランジ31により取付部33を変形して機械的に係合した状態で取付けられるから、これによっても両板27,28の固定強度が確保される。 【0019】前述のように組立てられた断熱扉26では、扉表板27のフランジ31と扉裏板28の当接縁部35とが密着しているから、当接面部に水やゴミ等が入り込まず衛生的で、かつ断熱性能を長期に亘って保持することができる。また両板27,28の接合部を露出させた設計であっても、見栄えが良く商品価値が維持される。更に、当接縁部35の開放端35aは、フランジ31の裏面に対して内側に向けて傾斜するので、面取り仕上げを別途行なわなくても、鋭角な縁部が露出することはない。 【0020】なお、扉裏板28の取付部33は、外壁33aと内壁33bとが平行に形成されるものであるので、その成形型にスライド機構を設ける必要はなく、成形型の構造を簡略化してコストの低減に寄与し得る。 【0021】実施例では、断熱扉を貯氷庫に配設した場合で説明したが、該断熱扉が配設される対象物は、貯氷庫に限らず冷蔵庫や冷凍庫等であってもよい。また取付溝の形状も、U字状に限らず角状でもよい。 【0022】 【発明の効果】以上に述べた如く、本発明に係る断熱扉によれば、扉表板のフランジに対して扉裏板の当接縁部を弾性変形により密着するよう構成しているから、発泡断熱材の発泡漏れを確実に防止することができ、製品価値が低下するのを防ぎ得る。従って、発泡漏れを防止するためのシールテープを不要とし、作業時間の短縮およびコストの低減を図ることができる。また、扉表板のフランジと扉裏板の当接縁部とが密着しているから、当接面部に水やゴミ等が入り込まず衛生的で、かつ断熱性能を長期に亘って保持することができる。 【0023】前記扉表板の対向するフランジの開放端間の間隔より、前記扉裏板の対向する取付部の外側端間の間隔を大きく設定することで、扉表板に扉裏板を取付けた際に、前記フランジの内側に挿入された取付部が、前記取付溝の開口寸法を小さくするよう該フランジで変形されることで、前記パッキンの取付溝からの脱落を確実に防止することができる。しかも、パッキンの嵌合部が嵌挿される取付溝は単純な構造であるから、その成形型にスライド機構を設ける必要はなく、成形型の構造を簡略化してコストの低減に寄与し得る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000194893 【氏名又は名称】ホシザキ電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月10日(1999.11.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076048 【弁理士】 【氏名又は名称】山本 喜幾
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| 【公開番号】 |
特開2001−141353(P2001−141353A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月25日(2001.5.25) |
| 【出願番号】 |
特願平11−319825 |
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