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【発明の名称】 貯蔵庫
【発明者】 【氏名】矢内 宏治

【氏名】桑原 誠

【氏名】阿部 吉治

【氏名】久米 角治

【氏名】田村 靖

【氏名】丸山 武士

【要約】 【課題】所望の位置に水を集めると共に、水の抜き取り作業性の改善を目的とした。

【解決手段】内部に貯蔵品を収納可能な貯蔵室9を画成する断熱箱体5と、この断熱箱体5内の底面に形成された傾斜面13Bと、この傾斜面13Bの下端が接する平坦面13Aとよりなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に貯蔵品を収納可能な貯蔵室を画成する箱体と、この箱体内の底面に形成された傾斜面と、この傾斜面の下端が接する平坦面とよりなることを特徴とする貯蔵庫。
【請求項2】 傾斜面にヘアライン処理を施したことを特徴とする請求項1記載の貯蔵庫。
【請求項3】 傾斜面の角度は、水平面に対して2〜10度の角度とすることを特徴とする請求項1又は請求項2いずれか記載の貯蔵庫。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品や薬品などを貯蔵する貯蔵庫の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この貯蔵庫として、特開平7−218110号公報(F25D23/06)には、複数の板金を相互に接続して構成され、前方に開口する内箱を備えた冷蔵庫において、前記内箱を構成する少なくとも底板と側板とは別部材からなり、前記底板は、板金の四辺を上側に向けて折曲した同一高さの立上り部により一定深さの受皿状に形成され、前記側板は、前記底板における奥行き方向に延在する立上り部と接続される下端縁に、その前端から後端に向かって上り勾配が付されており、前記底板と側板とは、前記立上り部と下端縁との継目が、底板の底面と平行になるよう接続されることを特徴とする冷蔵庫等の内箱構造が開示されている。更に、排水口は、底板の左側に設けられている。これにより側板の上端縁のフランジを水平に設定すれば、底板の底面には前側に向かう下り勾配が付与される事となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この様な従来技術では、一方向、即ち前側にのみ下方傾斜しているため、製品が左右方向へ極端に傾斜して設置されてしまった場合、傾斜した側に水が溜まってしまう可能性があった。更に、水平に設置したとしても、流下する水の位置によって、排水口まで導入されず、水たまりが生じて不衛生となる可能性があった。
【0004】この様に、水たまりが生じると、布などで抜き取らねばならないが、水たまりは、傾斜下端、即ち前端の横幅全域にわたって広がってしまうため、広範囲を抜き取る必要が生じる。
【0005】更に、一方向に傾斜させる構造では、傾斜角度を大きくすると底部の断熱材厚みが薄くなるため、あまり傾斜角度を大きくする事ができない。従って、傾斜角度や底板の材質によっては、水が滑落しない可能性があり、底板全域を抜き取らねばならない事態となる。本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、所望の位置に水を集めると共に、水の抜き取り作業性の改善を目的とした貯蔵庫を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための手段として、本発明の請求項1では、内部に貯蔵品を収納可能な貯蔵室を画成する箱体と、この箱体内の底面に形成された傾斜面と、この傾斜面の下端が接する平坦面とよりなる貯蔵庫を提供する。
【0007】この様に、底面に平坦面を形成したため、傾斜面の水滴などは平坦面に集まる事となる。
【0008】また、請求項2の発明では、傾斜面にヘアライン処理を施した請求項1記載の貯蔵庫を提供する。
【0009】この様に、傾斜面にヘアライン処理を施したため、傾斜面に水滴などが付着してしまう事を極力防止できる。
【0010】また、請求項3の発明では、傾斜面の角度は、水平面に対して2〜10度の角度とする請求項1又は請求項2いずれか記載の貯蔵庫を提供する。
【0011】この様に、傾斜面の角度は2〜10度の角度とする事が望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】図1は本発明を具備する冷却貯蔵庫の正面図、図2は冷却貯蔵庫の内部を示す側方からの拡大断面図、図3は冷却貯蔵庫内の正面からの断面図、図4は図2の平断面図、図5は平坦面に排水装置を設けた場合の平断面図、図6は排水装置の側断面図、図7は水玉量による滑落開始角度を示すグラフである。
【0014】図1における1は冷却貯蔵庫で、図2乃至図4に示す如く、ステンレス製の内箱2と、この内箱2を所定間隔を存して内部に備える外箱3と、これら内外両箱2、3間に発泡充填される発泡断熱材4と、これら内外両箱2、3、断熱材4とより構成され、前面が開口した断熱箱体5と、この断熱箱体5の前面開口を開閉自在に閉塞する断熱扉6、6と、この断熱扉6、6の開放端に取り付けられた把手6Aと、前記断熱箱体5の上部に設けられ、前面に機械室パネル7を備える機械室8とよりなる。
【0015】また、前記断熱箱体5は内部に貯蔵室9を画成し、天部には蒸発器を備えた冷却部が設けられている。更に、貯蔵室9には、貯蔵品を載置するため、複数段の棚10が棚受け11にて支持されている。また、図示しないが、前記機械室8内には、前記貯蔵室9内の蒸発器と共に冷凍サイクルを構成する圧縮機及び凝縮器が設けられ、更には凝縮器冷却用送風機が設けられている。
【0016】尚、12は前記断熱箱体5外の底面に設けられた高さ調整可能な台脚である。
【0017】前記内箱2の底面13は略中央より前よりに平坦面13Aが形成され、その四方には傾斜面13Bが形成されている。この傾斜面13Bは2度〜10度の傾斜角度であり、平坦面13A方向へアライン処理が施されている。このヘアライン処理は、平坦面13Aに向けて複数の筋を形成するもので、傾斜面13Bに傷をつけて形成しても良いし、別途撥水性塗料などを筋状に塗布しても良い。
【0018】ここで、図7に示す如く、2度未満の傾斜角度であると、ステンレスSUS430−2B(ヘアライン処理無し)では、水玉量が4ccであっても滑落が開始されず、SUS430−No4(ヘアライン処理が少し施されている)では水玉が滑落開始しない可能性があり、SUS430−HL(十分なヘアライン処理有り)で初めて水玉の滑落が開始される事がわかる。
【0019】従って、ヘアライン処理の有無にかかわらず4ccの水玉を滑落させるためには、2度以上の傾斜角度が必要となる。
【0020】また、5度以上の傾斜角度であると、1cc以下の水玉量では、ヘアライン処理の有無にかかわらず水玉の滑落が開始する事がわかる。この後、10度以上での水玉量の減少率は低下するため、略2度〜10度の傾斜角度が望ましい。
【0021】この様に、2度から10度の傾斜角度をもつ傾斜面13Bを平坦面13Aの四方に設けたため、全底面を一方向に同じ角度だけ傾斜させる場合に比較して底部の断熱材厚みを厚くする事ができる。
【0022】即ち、図2に示す如く、一方向に所定角度で傾斜させた場合、図中点線で示す範囲Aは断熱材が充填できない。これに対して、本発明の構造であれば、図中実線で示す如く、最下部の平坦面13Aであっても、断熱材厚みを充分なものとする事ができる。
【0023】更に、傾斜面13Bにヘアライン処理を施す事で、確実に平坦面13Aへ水を導く事ができる。
【0024】尚、本実施形態において、この平坦面13Aは底面13の総面積の約5%でよい。
【0025】以上の如き構成とする事で、貯蔵室9の結露水や水洗いする場合に生じる洗浄水は、この平坦面13Aに集まるため、この平坦面13Aに集まった水を布などで抜き取るだけでよい。従って、イージークリーニングが可能となる。
【0026】また、図5及び図6に示す如く、平坦面13Aに排水装置14を設けても良い。この排水装置14は、平坦面13Aの一部に形成された窪部15にはめ込む樹脂製の円筒部16を備え、この円筒部16に図示しない排水トラップを取り付けるものである。この場合も、前述同様、平坦面13Aに水が集まり、確実に貯蔵室9の結露水、或いは洗浄時の洗浄水を排水装置14に導入する事ができる。
【0027】尚、前記内箱2の材質として、ステンレスを用いて説明したが、樹脂製であっても良い。
【0028】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明によると、底面に平坦面を形成したため、傾斜面の水滴などは平坦面に集まる事となり、更に、傾斜面にヘアライン処理を施したため、傾斜面に水滴などが付着してしまう事を極力防止できる。
【0029】従って、底面の全面を傾斜させる場合に比較して、底部の断熱材厚みを厚くする事ができると共に、水は平坦面に集まるため、この平坦面を清掃する事で、機器を清潔に保つ事ができる。そして、この傾斜面の角度は2〜10度の角度とする事が望ましい。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成11年11月16日(1999.11.16)
【代理人】 【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
【公開番号】 特開2001−141348(P2001−141348A)
【公開日】 平成13年5月25日(2001.5.25)
【出願番号】 特願平11−325592