| 【発明の名称】 |
冷蔵庫 |
| 【発明者】 |
【氏名】山田 賢一
【氏名】平國 悟
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| 【要約】 |
【課題】従来、冷蔵庫の庫内空間それぞれの温度の制御や、開閉扉付近の露付き防止の手段としては、ヒーターによるものが一般的であったため、ヒーターへの入力は全て冷蔵庫内の熱負荷となり、冷蔵庫の効率悪化になっていた。
【解決手段】庫内空間の仕切り壁や、開閉扉付近にペルチェ素子を設け、吸熱・放熱作用により庫内の熱を移動させ温度制御を行う。また、開閉扉付近を加熱する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内箱と外箱との間に断熱材を充填して筐体を形成した冷蔵庫本体と、この本体の庫内を複数の冷却空間に区画する仕切り壁と、前記冷却空間に隣接して設けられ、冷気を生成する圧縮機を用いた冷凍サイクルの冷却器及び前記冷気を前記冷却空間へ強制送風する庫内ファンとを有する冷却器室と、前記仕切り壁に設けられ、発熱面・吸熱面がそれぞれ冷却空間に接するように配設されたペルチェ素子と、を備えたことを特徴とする冷蔵庫。 【請求項2】 前記冷却空間に温度センサーを配設し、前記温度センサーの出力に応じて、前記ペルチェ素子へ入力電力を印加するように制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。 【請求項3】 前記温度センサーの出力レベルに対応して、前記ペルチェ素子への入力電力を比例制御する制御手段を有することを特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫。 【請求項4】 前記仕切り壁で区画された冷却空間の対向する面において、片面にペルチェ素子の吸熱面を、相対する面にペルチェ素子の放熱面を配設したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の冷蔵庫。 【請求項5】 前記仕切り壁で区画された冷却空間に接する複数のペルチェ素子へ選択的に通電する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の冷蔵庫。 【請求項6】 前記ペルチェ素子の吸熱面または放熱面が複数混在するとともに、単数の伝導板を介して冷却空間に接することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の冷蔵庫。 【請求項7】 前記ペルチェ素子は、吸熱面と放熱面とで異なる入力を備え、複数のペルチェ素子に同時に通電する制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の冷蔵庫。 【請求項8】 前記ペルチェ素子が、仕切り壁内の庫内奥側よりも開閉扉近傍に多く配置されたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の冷蔵庫。 【請求項9】 内箱と外箱との間に断熱材を充填して筐体を形成した冷蔵庫本体と、この本体の庫内を複数の冷却空間に区画する仕切り壁と、前記冷却空間に隣接して設けられ、冷気を生成する圧縮機を用いた冷凍サイクルの冷却器及び前記冷気を前記冷却空間へ強制送風する庫内ファンとを有する冷却器室と、前記筐体の開閉扉近傍のキャビネットに内設され、吸熱面を庫内側に、他方の放熱面を前記筐体外殻面に接するように配設されたペルチェ素子と、を備えたことを特徴とする冷蔵庫。 【請求項10】 冷蔵庫本体の外殻に外気温度センサーを配設し、前記外気温度センサーの出力に応じて前記キャビネットに設置されたペルチェ素子へ入力電力を印加するように制御する制御手段を有することを特徴とする請求項9に記載の冷蔵庫。 【請求項11】 内箱と外箱との間に断熱材を充填して筐体を形成した冷蔵庫本体と、この本体の庫内を複数の冷却空間に区画する仕切り壁と、前記冷却空間と仕切り壁を介して設けられ、冷気を生成する圧縮機を用いた冷凍サイクルの冷却器及び前記冷気を前記冷却空間へ強制送風する庫内ファンとを有する冷却器室と、前記冷却空間と前記冷却器室又は前記ダクトの間に穿設され、吸熱面が冷却空間に接し、他方の放熱面が冷却器室もしくはダクトの壁面に接するように配設されたペルチェ素子と、を備えたことを特徴とする冷蔵庫。 【請求項12】 前記ペルチェ素子の吸熱面及び放熱面がそれぞれ伝導板に固定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の冷蔵庫。 【請求項13】 冷媒に炭化水素系冷媒を使用したことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の冷蔵庫。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ペルチェ素子を用いて冷蔵庫の庫内温度及び冷蔵庫筐体キャビネットの温度を常に適切に効率よく制御する冷蔵庫に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図13は例えば特公平7−33945号公報に示された従来の冷蔵庫の縦断面図であり、図において2は冷却器、3はダクト、4は庫内冷却空間、5は圧縮機、6はダンパー、10は庫内ファン、12はヒーターである。 【0003】次に従来の冷凍冷蔵庫の動作について説明する。庫内冷却空間4の庫内空気が冷却器2により熱交換して冷却されるが、複数の庫内空間の空気全てを、ダクト3の上部に設置された前記冷却器4により冷却を行い、前記ダクト3を通して複数の庫内空間へ分配し、ダクト内のダンパー6により複数の庫内冷却空間の温度を制御している。しかしながら、前記ダンパー6による複数の庫内冷却空間の温度制御は難しいため、設定温度よりも冷却された庫内空間では、仕切り壁(デバイダー)内のヒーター12により設定温度に維持するように制御している。 【0004】このヒーターによる庫内空間の温度を制御する手段としては、次のような方法が考案されている。 【0005】図13において、冷蔵庫の形態は、上から冷凍室、冷蔵室、チルド室、野菜室にそれぞれ区画されている。5は冷蔵庫本体の下部に配設された圧縮機、2は冷凍室の後方に配設された冷却器である。また、冷却器の上方に配設された庫内ファン10により冷却器で冷却された冷気を各冷却空間に強制循環させる。3は冷却空気を各冷却空間に送り出すためのダクトである。6は冷蔵室への冷気の流入量を調整するための冷蔵庫用電動式のダンパーであり、マイクロコンピュータにより冷蔵室内や庫内仕切り壁内に設けられた冷蔵室温度調整用のヒーターを制御することが出来る。 【0006】このような構成において、冷蔵室等の庫内の温度センサーにより温度を検知し、設定温度よりも低い場合はダンパーで庫内へ流入する冷気を制御する。また、ヒーターに通電し、庫内にヒーターの熱を放熱して設定温度に保つ。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】従来の冷蔵庫では、複数の庫内冷却空間の温度を制御するために、ヒーターにより庫内の空気を制御している。ところが、冷蔵庫の入力を低減し、省エネを図るためには、庫内へ熱源を持ち込むことは冷却エネルギーの損失になるため極力避けなければならない。 【0008】ヒーターによる温度制御は、ヒーターへの入力が必要になると共に、壁内に組み込まれたヒーターにより、加熱を必要としていない他方の庫内空間をも加熱してしまい、庫内各冷却空間の温度制御が難しいといった問題があった。 【0009】また、加熱体であるヒーターの発熱温度が庫内温度に比べ非常に高いため、ヒーター近傍の庫内温度が大きく上昇し、庫内空間の温度が均一にならず温度差が生じるといった問題や、圧縮機を用いた冷凍サイクルに使用する冷媒に炭化水素系冷媒を用いた場合に庫内で冷媒漏れが起きたら引火の恐れがあった。 【0010】さらに、ヒーターによる温度制御では、庫内に暖かい材料を入れた場合など、ヒーターの加熱面が接している庫内空間の熱負荷が増えて庫内温度が上昇するが、吸熱作用がないヒーターでは庫内温度の制御は出来なかった。 【0011】また、温度制御を目的とした冷却空間への加熱の場合に、必要加熱量と同等のヒーターへの入力が必要であり、入力が増加して冷蔵庫全体の消費電力が悪化するという問題があった。 【0012】また、通常冷蔵庫内の低温の冷気が庫内壁を伝導することで、扉開閉の際に扉と筐体の隙間付近(キャビネット)において、庫外の暖かい空気が冷やされ露が発生するのを防ぐために、キャビネット部にはヒーターや、圧縮機を用いた冷凍サイクルの場合は冷媒凝縮用パイプなどの発熱体が埋め込まれ、庫外空気の露点以下にキャビネット部の温度が下がらないように加熱している。しかしこの加熱方法では、扉と筐体の接触部の加熱だけではなく、前述のように筐体壁の熱伝導により庫内の低温空気を加熱してしまうため、庫内温度の制御が困難であるといった問題点があった。 【0013】また、ヒーターによる温度制御は庫内へ放熱することで、冷却負荷が増加し、庫内を冷却するためにより多くの電力が必要となり、消費電力が悪化するという問題点があった。 【0014】この発明は上記のような問題を解決するためになされたもので、冷蔵庫内の熱をペルチェ素子により移動させて温度制御を行うことで、ヒーター入力を削減し、ヒーター入力より小さい入力で庫内の温度制御ができ、冷蔵庫の消費電力を低減し、容積効率を向上すると共に、庫内の温度分布を良好に保ち信頼性の高い冷蔵庫を提供することを目的としている。 【0015】 【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に関わる冷蔵庫は、内箱と外箱との間に断熱材を充填して筐体を形成した冷蔵庫本体と、この本体の庫内を複数の冷却空間に区画する仕切り壁と、冷却空間に隣接して設けられ、冷気を生成する圧縮機を用いた冷凍サイクルの冷却器及び冷気を冷却空間へ強制送風する庫内ファンとを有する冷却器室と、仕切り壁に設けられ、発熱面・吸熱面がそれぞれ冷却空間に接するように配設されたペルチェ素子とを備えたものである。 【0016】本発明の請求項2に関わる冷蔵庫は、請求項1に記載の冷蔵庫において、冷却空間に温度センサーを配設し、温度センサーの出力に応じて、ペルチェ素子へ入力電力を印加するように制御する制御手段を有するものである。 【0017】本発明の請求項3に関わる冷蔵庫は、請求項2に記載の冷蔵庫において、温度センサーの出力レベルに対応して、ペルチェ素子への入力電力を比例制御する制御手段を有するものである。 【0018】本発明の請求項4に関わる冷蔵庫は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の冷蔵庫において、仕切り壁で区画された冷却空間の対向する面において、片面にペルチェ素子の吸熱面を、相対する面にペルチェ素子の放熱面を配設したものである。 【0019】本発明の請求項5に関わる冷蔵庫は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の冷蔵庫において、仕切り壁で区画された冷却空間に接する複数のペルチェ素子に選択的に通電する制御手段を備えたものである。 【0020】本発明の請求項6に関わる冷蔵庫は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の冷蔵庫において、ペルチェ素子の吸熱面または放熱面が複数混在するとともに、単数の伝導板を介して冷却空間に接するものである。 【0021】本発明の請求項7に関わる冷蔵庫は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の冷蔵庫において、ペルチェ素子は、吸熱面と放熱面とで異なる入力を備え、複数のペルチェ素子に同時に通電する制御手段を有するものである。 【0022】本発明の請求項8に関わる冷蔵庫は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の冷蔵庫において、ペルチェ素子が仕切り壁内の庫内奥側よりも開閉扉近傍に多く設置されたものである。 【0023】本発明の請求項9に関わる冷蔵庫は、内箱と外箱との間に断熱材を充填して筐体を形成した冷蔵庫本体と、この本体の庫内を複数の冷却空間に区画する仕切り壁と、冷却空間に隣接して設けられ、冷気を生成する圧縮機を用いた冷凍サイクルの冷却器及び冷気を冷却空間へ強制送風する庫内ファンとを有する冷却器室と、筐体の開閉扉近傍のキャビネットに内設され、吸熱面を庫内側に、他方の放熱面を筐体外殻面に接するように配設されたペルチェ素子とを備えたものである。 【0024】本発明の請求項10に関わる冷蔵庫は、請求項9に記載の冷蔵庫において、冷蔵庫本体の外殻に外気温度センサーを配設し、外気温度センサーの出力に応じてキャビネットに設置されたペルチェ素子へ入力電力を印加するように制御する制御手段を有するものである。 【0025】本発明の請求項11に関わる冷蔵庫は、内箱と外箱との間に断熱材を充填して筐体を形成した冷蔵庫本体と、この本体の庫内を複数の冷却空間に区画する仕切り壁と、冷却空間と仕切り壁を介して設けられ、冷気を生成する圧縮機を用いた冷凍サイクルの冷却器及び冷気を冷却空間へ強制送風する庫内ファンとを有する冷却器室と、冷却空間と冷却器室又はダクトの間に穿設され、吸熱面が冷却空間に接し、他方の放熱面が冷却器室もしくはダクトの壁面に接するように配設されたペルチェ素子とを備えたものである。 【0026】本発明の請求項12に関わる冷蔵庫は、請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の冷蔵庫において、ペルチェ素子の吸熱面及び放熱面がそれぞれ伝熱板に固定されたものである。 【0027】本発明の請求項13に関わる冷蔵庫は、請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の冷蔵庫において、冷媒に炭化水素系冷媒を使用したものである。 【0028】 【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態の一例を示す冷蔵庫の断面図であり、図2は図1のペルチェ素子要部断面図である。図3は本発明の実施の形態の一例を示す制御手段について表した図であり、庫内の各冷却空間に設けられた温度センサーおよび冷蔵庫本体の外殻に設けられた外気温度センサーからの入力で制御装置が判断し、ペルチェ素子に電力を印加したり、冷凍サイクルの圧縮機と庫内ファンの駆動、そして冷気循環制御のためのダンパーの開閉駆動指令を出力する。 【0029】図1において、4は冷蔵庫本体の庫内冷却空間であり、本例では、上から冷蔵室、チルド室、野菜室、冷凍室にそれぞれ区画されている。8は庫内を冷却空間4に仕切る仕切り壁、1は仕切り壁内に埋め込まれたペルチェ素子である。11は冷却空間の後方に設けられ冷却器2が配置された冷却器室、10は冷却器室11の冷気を各庫内冷却空間に強制循環させる庫内ファンである。3は冷却空気を各部屋に送り出すためのダクトであり、6は冷蔵室への冷気の流入量を調整するための冷蔵庫用電動式のダンパーである。5は圧縮機、9は圧縮機5を用いた冷凍サイクルの絞り装置、7は冷蔵庫本体へ開閉可能に取り付けられている開閉扉である。 【0030】図4は、一般的なペルチェ素子の構造を表した模式図であり、図4(a)は平面図、図4(b)は断面図である。図5はペルチェ素子への入力電力と発生する温度差の関係図、図6はヒーターもしくはペルチェ素子への入力電力量と冷蔵庫の省エネ率の関係図である。ペルチェ素子はP形半導体とN形半導体の異なる二つの素子から成り、図4(b)に示すように導電体を介してこれらのペルチェ素子を交互に複数直列接続し、この電気的接続をした導電体の両端子間に直流電流を流すと、ペルチェ素子接合の片側が高温部(放熱面)となり、他方の接続部は低温部(吸熱面)となる。それぞれ一方は放熱作用、他方は吸熱作用を持つことになる。図5のように、ペルチェ素子に電力を入力すると、電力量に応じてペルチェ素子の放熱面と吸熱面に温度差が変化して発生する為、これらペルチェ素子を冷蔵庫の仕切り壁または庫内壁に組み込むことで、放熱面はヒーターと同様な効果を持つと共に、吸熱面が生じる。 【0031】なお、通常庫内の各冷却空間は、3℃の冷蔵室や、−18℃の冷凍室、6℃の野菜室、0℃のチルド室といったように区画されているが、本発明は上下位置などはどういう関係でもよく、さらに、冷却空間数はいくつであっても良く、それぞれの冷却空間名称の有無も関係ない。複数の庫内冷却空間であればよい。つまり、冷蔵庫として冷蔵室が2室のように同温度で負荷が異なる場合であっても、冷蔵室と冷凍室の2室のように異温度で負荷が異なる場合であっても、目的に応じてペルチェ素子に電力を入力することで、冷却空間を設定温度に保つことが可能である。 【0032】このような構成において、冷蔵室等の庫内の温度センサーにより温度を検知し、設定温度よりも低い場合はダンパーで庫内へ流入する冷気を制御するとともに、ペルチェ素子に電力を入力し、より低い低温の冷凍室の熱を冷蔵室等へ移動させて設定温度に保つことが出来る。 【0033】庫内の温度が冷えすぎた場合、ヒーターもしくはペルチェ素子に電力を入力し冷却空間を加熱しなければならない。ペルチェ素子は冷やすべき空間から吸熱し、加熱したい空間に放熱することが可能であり、それらのエネルギーは放熱量=吸熱量+電力入力の関係に成り立っている。従って、ペルチェ素子を使用した場合はヒーターと異なり、電力の入力に対して放熱量を大きくできるため、冷蔵庫の消費電力は図6のように低く抑えることが出来る。図6で表した省エネ率とは、ヒーターやペルチェ素子へ電力入力を行わない場合の冷蔵庫全体への入力値を、ヒーターやペルチェ素子に電力を入力した場合の全入力値で割った値である。省エネ率が小さいほど消費電力は増大し悪化する。 【0034】例えば、庫内温度−18℃の冷凍室と、庫内温度6℃の野菜室が隣り合う場合、庫内の仕切り壁を熱伝導により野菜室と冷凍室が熱交換してしまって野菜室が設定温度より冷却されてしまうのを避けるために、従来は野菜室の加熱用としてヒーターを使用している。本発明ではこのような場合、仕切り壁内に埋設された放熱面が野菜室側に接するペルチェ素子に電力を入力することで、ヒーター同様に野菜室側を加熱し、野菜室の温度を設定温度に保つことが可能である。さらに、冷凍室側から吸熱して野菜室側を加熱しているため、従来のヒーター使用と比べて電力の入力が小さくてすみ、省エネとなる。 【0035】なお、前記両方の冷却空間に暖かいものが入れられた場合は、ペルチェ素子への電力の入力は行わず、圧縮機を用いた冷凍サイクルの冷却器で生成する冷気の強制循環で冷却し設定温度に維持する。 【0036】さらに、ペルチェ素子を冷蔵庫内の仕切り壁内に埋設するだけではなく、図1に示すように、庫内の冷却空間とその背面の冷却器室との断熱壁内部に埋設し、ペルチェ素子の吸熱面側が庫内冷却空間に接するとともに、他方の放熱面側が冷却器室に接するように設置している。これにより、他の庫内冷却空間との熱移動とは関わり無く、ペルチェ素子による冷却空間の冷却を促進できる。一方のペルチェ素子放熱面から放出された熱は冷却器室を流れる戻り冷気に混合され、再び圧縮機を用いた冷凍サイクルの冷却器により効率よく熱交換され冷気となり、再び庫内を冷却し、冷却時間を短縮できる効果がある。 【0037】また、庫内の仕切り壁内にペルチェ素子を図1に示すように設置しているため、一つのダンパーで多冷却空間の温度制御を行う場合でも、上下複数の冷却空間の上下接触面に吸熱面と放熱面が交互に発生する様にペルチェ素子を配置すれば、それぞれの冷却空間の熱負荷をコントロールすることが可能であり、容易に各冷却空間の温度を制御でき、庫内空間毎の木目細かい制御が可能となる。 【0038】ペルチェ素子への電力入力とそれによるペルチェ素子で発生する熱の温度差は、図5に示すようにその関係が一義的にきまり、これを近似比例関数に置き換えると、冷却空間の温度変化に対する設定温度との隔たり量によりペルチェ素子への印加電力を定めて出力することにより、必要最小入力が可能となって省エネを図ることが出来るとともに、電力入力を上げて所定の設定温度に短時間で到達できる。 【0039】従来温度制御を行うために設置されていたヒーターが不用になるので、ヒーター入力を削減することが出来、冷蔵庫の省エネの効果が得られる。 【0040】また、仕切り壁内に設置されるペルチェ素子は、ヒーターのように耐熱性を持たせた異種の部材との構成である必要はないので、ペルチェ素子の取り外しが良好であり、リサイクル性が向上する。 【0041】また、図1は圧縮機を用いた冷凍サイクルで冷却する例であり、冷媒としてR134a、冷蔵庫本体の下部に設置された圧縮機5、凝縮器(図示せず)、冷媒を低圧にするための絞り装置9、冷却器2を順次配管で接続した冷媒回路を構成している。この冷媒回路内の冷却器2にて、蒸発する冷媒が潜熱を奪い、周囲空気を冷却する。ここで冷媒はR134aに限る必要は無く、他のHFC系冷媒や、地球温暖化係数が極めて小さいR600aなどの炭化水素系冷媒や、水や空気、CO2などの自然冷媒を用いても良い。炭化水素系冷媒を用いたとき、仮に庫内に冷媒漏れが生じたとしても、本実施例におけるペルチェ素子の加熱温度は着火温度よりも十分低く、従来例においてヒーターを用いた場合に対して引火の危険性を低減することが出来る。また、凝縮器は冷蔵庫筐体壁内に放熱パイプを埋め込んだり、プレートフィンチューブ型熱交換器を冷蔵庫下部や上部に設置し、送風機を用いて放熱しても良い。また、本実施例では冷凍サイクルの冷却器2による説明をしたが、冷凍サイクル限らず、どんな手段を用いて冷却しても良い。例えば、冷却器2にペルチェ素子を用いて冷却しても良く、この時は冷凍サイクルを用いる場合と比較して動作音が無く、非常に低騒音な冷蔵庫を提供することができる。なお、一般的に冷却の効率、すなわち電力入力に対する冷却性能は冷凍サイクルの方が良く、庫内温度制御のためにペルチェ素子を用いた場合の電力入力低減の効果は、冷却器のかわりにペルチェ素子を用いた場合よりも大きい。 【0042】実施の形態2.図7は、発明の実施の形態2を示す図で、ペルチェ素子を庫内に設置した冷蔵庫の縦断面図であり、図8は図7のペルチェ素子要部断面図である。図7において、図1のものと同一又は相当部分は同一符号を付して説明は省略する。庫内の仕切り壁内部に埋設されるペルチェ素子は、図8に示すように、連続した1枚の伝導板に複数個のペルチェ素子が固定され、かつペルチェ素子の吸熱面と放熱面が混在して前記伝導板に固定されるように配置している。 【0043】ペルチェ素子は、隣り合う庫内冷却空間にそれぞれ放熱面と吸熱面を持っているため、隣り合う空間のいずれの側であっても冷却、及び放熱が可能である。 【0044】ペルチェ素子が接している冷却空間のどちらか一方に暖かいものを入れると熱負荷となり、庫内温度が上昇しないように冷却する必要が出てくるが、暖かいものを入れられた冷却空間に対して吸熱面を持つように設けられたペルチェ素子を選択して電力を入力すれば、暖かい物を入れられた冷却空間を吸熱により冷却し、庫内温度の上昇を抑えることが出来る。 【0045】また、庫内全体を冷却する能力が高い場合などで、前記両方の空間が設定温度よりも冷えた場合は、加熱作用が必要である。ここで、ペルチェ素子の持つ吸熱・放熱のエネルギ量の関係は、放熱量−吸熱量=入力電力となるので、図8に示すような吸熱面と放熱面が対となる設置をしたペルチェ素子に電力を入力すると、固定されている伝導板を介して吸熱・放熱間で熱交換することにより、結局入力電力がヒーターのように放熱される。従って、冷却空間に接する吸熱面と放熱面をもつペルチェ素子に対し、少なくとも吸熱面と放熱面の一つずつに電力の入力を行うと、従来のヒーターと同様に、ペルチェ素子の接する両冷却空間を加熱することが出来る。また、ペルチェ素子が伝導板に固定されているので、ペルチェ素子単体から吸熱・発熱の温度が伝導板で略一様になるため、庫内温度の不均一分布を無くすことが可能である。 【0046】さらに、ペルチェ素子を使用した場合はヒーターほど温度上昇しないが、伝熱面が大きく熱を効率的に放熱することが可能となる。よって、取り付け部材には高い耐熱性を求める必要もなく、耐熱、断熱性を考慮して仕切り壁を厚くしなくても良いことから、限られた筐体空間を最大限に利用することが出来る。 【0047】実施の形態3.図9は、発明の実施の形態3を示す図で、ペルチェ素子を庫内壁に設置した冷蔵庫の縦断面図である。図10は図9のペルチェ素子要部断面図である。図9において、図1のものと同一又は相当部分は同一符号を付して説明は省略する。図9に示すように、ペルチェ素子は冷蔵庫の筐体内に設けられ、冷蔵庫筐体部と扉の接触するキャビネット面側に放熱面を持ち、庫内側に吸熱面を持っている。 【0048】冷蔵庫本体の外殻に設けられた外気温度センサーからの入力を制御装置が判断し、ペルチェ素子に電力が入力され、扉と筐体の接触部付近の温度は常に室温程度に保つことが出来る。そのため、扉が開閉されても、扉と筐体の接触部付近に空気中の水分が凝縮することが無く、この部分からの露たれによる設置床の汚れや腐敗などを防止し、信頼性を確保できる。また、同様の目的で用いられるヒーターなどでは庫内へ熱の侵入をもたらしているが、その作用は発生しない。したがって、冷却負荷を低減し、消費電力を低く押さえることが可能である。 【0049】実施の形態4.図11は、発明の実施の形態4を示す図で、ペルチェ素子を庫内に設置した冷蔵庫の縦断面図であり、図12は図11のペルチェ素子要部断面図および平面図である。図11において、図1のものと同一又は相当部分は同一符号を付して説明は省略する。図12(a)で示すように複数個のペルチェ素子は吸熱面と放熱面が混在して伝導板に固定され、かつペルチェ素子の伝導板への配置分布は、図12(b)に示すように、それらが庫内の仕切り壁内に設置された状態において、開閉扉側に多く、庫内奥側に少なくなる様に分配設置している。 【0050】冷蔵庫の扉開閉の際に、暖かい外気は扉付近に侵入しやすいため、開閉扉付近の庫内空気温度は特に上昇しがちであるが、図12(b)に示すように庫内奥側よりも開閉扉近傍にペルチェ素子を多く配置するような仕切り壁であれば、扉開閉の際に侵入する暖かい外気をすばやく吸熱し冷却することが可能であり、庫内温度を常に一様一定に確保できる。 【0051】 【発明の効果】本発明の請求項1に関わる冷蔵庫は、内箱と外箱との間に断熱材を充填して筐体を形成した冷蔵庫本体と、この本体の庫内を複数の冷却空間に区画する仕切り壁と、冷却空間に隣接して設けられ、冷気を生成する圧縮機を用いた冷凍サイクルの冷却器及び冷気を冷却空間へ強制送風する庫内ファンとを有する冷却器室と、仕切り壁に設けられ、発熱面・吸熱面がそれぞれ冷却空間に接するように配設されたペルチェ素子とを備えたので、ペルチェ素子に電力を入力すると、電力量に応じてペルチェ素子の放熱面(高温面)と吸熱面(低温面)に温度差が生じることで、冷やすべき空間から吸熱し、放熱したい空間を加熱することにより、冷蔵庫全体を冷却するのに余分な熱負荷を抑えることが可能となり、ヒーターによる単純な庫内への熱負荷増加の温度制御を行う冷蔵庫に比べて省エネとなるため地球環境に優しい。 【0052】本発明の請求項2に関わる冷蔵庫は、請求項1に記載の冷蔵庫において、冷却空間に温度センサーを配設し、この温度センサーの出力に応じてペルチェ素子へ入力電力を印加するように制御する制御手段を有するので、両方の冷却空間に暖かいものを入れられた場合は、ペルチェ素子への電力の入力は行わないことで、庫内への熱負荷を不必要に増やさないので省エネになる。 【0053】本発明の請求項3に関わる冷蔵庫は、請求項2に記載の冷蔵庫において、温度センサーの出力レベルに対応して、ペルチェ素子への入力電力を比例制御する制御手段を有するので、冷却空間の温度変化に対して必要最小入力を行うことにより、所定の温度に短時間で到達できるとともに、不必要な消費電力を削減して省エネとなる。 【0054】本発明の請求項4に関わる冷蔵庫は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の冷蔵庫において、仕切り壁で区画された冷却空間の対向する面において、片面にペルチェ素子の吸熱面を、相対する面にペルチェ素子の放熱面を配設したので、ペルチェ素子が接している冷却空間のどちらか一方に暖かい物を入れると熱負荷となり、庫内温度が上昇しないように冷却する必要が出てくるが、暖かい物を入れられた空間を吸熱により冷却し、温度の上昇を抑えることが出来るため、庫内の食品等を新鮮に保つことが可能である。 【0055】本発明の請求項5に関わる冷蔵庫は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の冷蔵庫において、仕切り壁で区画された冷却空間に接する複数のペルチェ素子に選択的に通電する制御手段を備えたので、多空間の温度制御を行う場合でも、各冷却空間に接するペルチェ素子の働きで、容易に各冷却空間毎の温度を制御することが出来るため、きめ細かい温度制御が可能になる。 【0056】本発明の請求項6に関わる冷蔵庫は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の冷蔵庫において、ペルチェ素子の吸熱面または放熱面が複数混在するとともに、単数の伝導板を介して冷却空間に接するので、ヒーターほど温度上昇しないが、伝熱面が大きく熱を効率的に放熱することが可能であり、設置部材は耐熱性が低い樹脂であってもよく、耐熱、断熱性を考慮して仕切り壁を厚くしなくても良いことから庫内容積を大きくとれ、限られた筐体空間を最大限に利用することが可能となる。 【0057】本発明の請求項7に関わる冷蔵庫は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の冷蔵庫において、ペルチェ素子は吸熱側と放熱側とで異なる入力を備え、複数のペルチェ素子に同時に通電する制御手段を有するので、庫内全体を冷却する能力が高い場合などで、仕切り壁を挟む両冷却空間が設定温度よりも冷えた時は、それぞれの空間に接する吸熱面と放熱面をもつペルチェ素子に対し、少なくとも吸熱面と放熱面の一つずつに電力の入力を行うと、従来のヒーターと同様に、ペルチェ素子の接する両空間を加熱することが出来るため、完全にヒーターと同等の動作、作用を得ることも可能であり、様々な条件に対して対応が可能である。 【0058】本発明の請求項8に関わる冷蔵庫は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の冷蔵庫において、ペルチェ素子が仕切り壁内の庫内奥側よりも開閉扉近傍に多く配設されているので、扉開閉の際には暖かい外気は扉付近に侵入しやすく、開閉扉付近の庫内空気温度は特に上昇しがちであるが、扉開閉の際に侵入する暖かい外気をすばやく吸熱し冷却することが可能であり、常に庫内の温度を一様一定に保つことが出来る為、信頼性を確保できる。 【0059】本発明の請求項9に関わる冷蔵庫は、内箱と外箱との間に断熱材を充填して筐体を形成した冷蔵庫本体と、この本体の庫内を複数の冷却空間に区画する仕切り壁と、冷却空間に隣接して設けられ、冷気を生成する圧縮機を用いた冷凍サイクルの冷却器及び冷気を冷却空間へ強制送風する庫内ファンとを有する冷却器室と、筐体の開閉扉近傍のキャビネットに内設され、吸熱面を庫内側に、他方の放熱面を筐体外殻面に接するように配設されたペルチェ素子とを備えたので、ヒーターを使用した場合に起こるような開閉扉近傍の筐体への結露防止作用での庫内への熱の侵入は発生しない。従って、冷却負荷を低減し、消費電力を低く抑えることが可能であるため、地球環境の保護につながる。 【0060】本発明の請求項10に関わる冷蔵庫は、請求項9に記載の冷蔵庫において、冷蔵庫本体の外殻に外気温度センサーを配設し、この外気温度センサーの出力に応じてキャビネットに設置されたペルチェ素子へ入力電力を印加するように制御する制御手段を有したので、扉と筐体キャビネットの接触部付近の温度は常に室温程度に保たれ、それにより冷蔵庫設置場所での露たれによる床の腐敗などを防ぐことが出来、信頼性を確保できる。 【0061】本発明の請求項11に関わる冷蔵庫は、内箱と外箱との間に断熱材を充填して筐体を形成した冷蔵庫本体と、この本体の庫内を複数の冷却空間に区画する仕切り壁と、冷却空間と仕切り壁を介して設けられ、冷気を生成する圧縮機を用いた冷凍サイクルの冷却器及び冷気を冷却空間へ強制送風する庫内ファンとを有する冷却器室と、冷却空間と冷却器室又はダクトの間に穿設され、吸熱面が冷却空間に接し、他方の放熱面が冷却器室もしくはダクトの壁面に接するように配設されたペルチェ素子とを備えたので、ペルチェ素子により庫内冷却空間の冷却を促進するとともに、一方の放熱面から放出された熱は庫内の戻り冷気に放出され、再び冷凍サイクルの冷却器により熱交換され庫内を冷却して、効率良く、冷却時間も短くなる。 【0062】本発明の請求項12に関わる冷蔵庫は、請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の冷蔵庫において、ペルチェ素子の吸熱面及び放熱面がそれぞれ伝導板に固定されているので、温度が一様になり冷却空間の温度むらの発生を無くすことが出来るとともに、ペルチェ素子はヒーターのように耐熱性を持たせた異種の部材との構成が必要でなく、ペルチェ素子の取り外しが良好であるため、リサイクル性が向上する。 【0063】本発明の請求項13に関わる冷蔵庫は、請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の冷蔵庫において、冷媒に炭化水素系冷媒を使用したので、例えば、R600aの炭化水素系冷媒の場合に冷媒漏れが起きても引火の危険性を低減することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006013 【氏名又は名称】三菱電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月8日(1999.11.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100102439 【弁理士】 【氏名又は名称】宮田 金雄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−133106(P2001−133106A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月18日(2001.5.18) |
| 【出願番号】 |
特願平11−316790 |
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