| 【発明の名称】 |
パイプクーラ及び該パイプクーラを用いた小型温調器 |
| 【発明者】 |
【氏名】丸 山 英 利
【氏名】坂 間 博 之
|
| 【要約】 |
【課題】浸蝕性流体を高精度に温調するに際し、恒温水循環装置の設置の必要をなくし、装置を簡単、小型化するとともに、熱抵抗を小さくすることにより、サーモモジュールとしてのペルチェ素子の放熱側と吸熱側との温度差を有効に利用し節電する。
【解決手段】ヒートパイプ2の端部2aと熱交換する熱容量の大きい熱交換ブロック3の表面にペルチェ素子4を密着固定し、このペルチェ素子4の熱交換ブロック3とは反対側に熱移送手段5を配設し、上記ヒートパイプ2は上記熱交換ブロック3から突出する少なくとも1つ以上の伝熱延長部2bを有し、上記ペルチェ素子4の動作制御により熱交換ブロック3及び上記ヒートパイプ2の伝熱延長部2bを介して伝熱延長部2bの周りの熱媒体を温度調節する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】ヒートパイプの端部と熱交換する熱容量の大きい熱交換ブロックの表面にペルチェ素子を密着固定し、このペルチェ素子の熱交換ブロックとは反対側に熱移送手段を配設し、上記ヒートパイプは上記熱交換ブロックから突出する少なくとも1つ以上の伝熱延長部を有し、上記ペルチェ素子の動作制御により熱交換ブロック及び上記ヒートパイプの伝熱延長部を介して伝熱延長部の周りの熱媒体を温度調節するパイプクーラ。 【請求項2】上記熱移送手段は水冷または空冷によりペルチェ素子の加熱面の放熱を行う請求項1記載のパイプクーラ。 【請求項3】ヒートパイプの端部と熱交換する熱容量の大きい熱交換ブロックの表面にペルチェ素子を密着固定し、このペルチェ素子の熱交換ブロックとは反対側に熱移送手段を配設し、上記ヒートパイプは上記熱交換ブロックから突出する少なくとも1つ以上の伝熱延長部を有し、該伝熱延長部はその周囲の熱媒体を介してチュウブを流れる浸蝕性流体に伝熱し、上記ペルチェ素子の動作制御により上記熱交換ブロック、上記ヒートパイプ及び上記熱媒体を介して上記浸蝕性流体を温度調節する小型温調器。 【請求項4】上記浸蝕性流体が流れるチュウブは上記ヒートパイプの伝熱延長部の周りに間隙をおいて巻回され上記ヒートパイプの熱が上記熱媒体を介して伝熱されるようになっており、上記チュウブ及び熱媒体は上記熱交換ブロックに隣接して設けられた熱媒体収納ケーシング内に収納されている請求項3記載の小型温調器。 【請求項5】上記熱媒体は低融点金属または高伝熱大熱容量の液状体である請求項3または請求項4に記載の小型温調器。 【請求項6】上記熱媒体は循環冷却液である請求項3または請求項4に記載の小型温調器。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、半導体関連製造装置等において、パイプ等の流路を流れる浸蝕性流体(現像液やフォトレジスト等の金属イオンの流入を嫌う液体)を冷却(または加熱)することにより温度調節するパイプクーラ及び該パイプクーラを用いた小型温調器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図6に例示するように、ウエハWに対して温度制御された現像液やフォトレジストを間欠的に流出させる場合、即ち、間欠的に流路を流れる浸蝕性の流体を高精度に温調する場合に、従来は、フッ素樹脂(商品名:テフロン)等の耐食性のチューブ63内に温調対象の流体を流し、そのチューブ63の外側に、恒温水循環装置61において該流体の目標温度に温調された恒温水65を流すようにして熱交換部62を構成し、その恒温水65を循環流路64において循環させて上記流体の温調を行っている。 【0003】そのため、恒温水循環装置61や恒温水を流すための循環流路64が必要であるが、これらの装置は設置スペースが大きいことから建物の1階に恒温水循環装置61を設置し、建物の2階に半導体製造装置のコータ・ディペロッパー本体を設置するという配置が多くなり、揚程が高く長い恒温水配管の引き回しが必要になる。また、揚程が高く長い恒温水配管では、恒温水を流すためのポンプを高揚程のポンプとする必要があり、本来の温調以外の水を循環させるポンプ動力が増大し電力アップにつながる。また、揚程が高く長い恒温水配管では、配管からの放熱、吸熱が多くなるから、恒温水循環装置61の冷却能力が更に必要になる。 【0004】また、浸蝕性流体を温調する装置として、図7に示すようにペルチェ素子を用いたものがある。図7に示す温調装置では、流路74を流れる浸蝕性流体と熱交換する熱容量の大きい熱交換ブロック72の表面にサーモモジュールとしてのペルチェ素子71を密着固定し、該ペルチェ素子71の熱交換ブロック72とは反対側に熱移送手段73を密着固定して、該ペルチェ素子71の動作制御により上記浸蝕性流体を目標温度に温調している。 【0005】上記温調装置では、ペルチェ素子71の吸熱側(すなわち、冷却面側)に熱交換ブロック72を配設し、ペルチェ素子71の放熱側(すなわち、加熱面側)に熱移送手段73を配設しているので、流路74を流れる浸蝕性流体は熱交換ブロック72を介してペルチェ素子71により冷却されるとともに、浸蝕性流体から放出された熱はペルチェ素子71の放熱側に移動し、熱移送手段73内のパイプ75を流れる冷却水に伝熱されることにより放熱される。 【0006】しかし、図7に示す従来の温調装置では、■伝熱面積がサーモモジュールの形状・寸法で限定されてしまい、放熱側と吸熱側ともに熱抵抗を小さくすることが難しい。更に、■サーモモジュールの形状・寸法が限定されるため、熱交換器に要求された寸法に合わせて最適に設計する自由度がない。これらのことから、サーモモジュールに与えられる放熱側と吸熱側の温度差の有効利用が図れず、熱交換器が大型化したり、電力の有効利用ができない、といった問題があった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、金属を腐食するような強い浸蝕性のある流体を高精度に温調するに際し、恒温水を用いないことによって恒温水循環装置の設置の必要をなくし、装置を簡単、小型化できるようにしたパイプクーラ及び該パイプクーラを用いた小型温調器を提供することにある。本発明の他の課題は、上記浸蝕性のある流体を温調するに際し、上記従来技術が有する問題点を解決するパイプクーラ及び該パイプクーラを用いた小型温調器を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明に係るパイプクーラは、ヒートパイプの端部と熱交換する熱容量の大きい熱交換ブロックの表面にペルチェ素子を密着固定し、このペルチェ素子の熱交換ブロックとは反対側に熱移送手段を配設し、上記ヒートパイプは上記熱交換ブロックから突出する少なくとも1つ以上の伝熱延長部を有し、上記ペルチェ素子の動作制御により熱交換ブロック及び上記ヒートパイプの伝熱延長部を介して伝熱延長部の周りの熱媒体を温度調節するようにしたことを特徴とするものである。 【0009】また、本発明に係るパイプクーラは、上記パイプクーラにおいて、上記熱移送手段が水冷または空冷によりペルチェ素子の加熱面の放熱を行うことを特徴とするものである。 【0010】また、本発明に係る小型温調器は、ヒートパイプの端部と熱交換する熱容量の大きい熱交換ブロックの表面にペルチェ素子を密着固定し、このペルチェ素子の熱交換ブロックとは反対側に熱移送手段を配設し、上記ヒートパイプは上記熱交換ブロックから突出する少なくとも1つ以上の伝熱延長部を有し、該伝熱延長部はその周囲の熱媒体を介してチュウブを流れる浸蝕性流体に伝熱し、上記ペルチェ素子の動作制御により上記熱交換ブロック、上記ヒートパイプ及び上記熱媒体を介して上記浸蝕性流体を温度調節することを特徴とするものである。 【0011】また、本発明に係る小型温調器は、上記小型温調器において、上記浸蝕性流体が流れるチュウブは上記ヒートパイプの伝熱延長部の周りに間隙をおいて巻回され上記ヒートパイプの熱が上記熱媒体を介して伝熱されるようになっており、上記チュウブ及び熱媒体は上記熱交換ブロックに隣接して設けられた熱媒体収納ケーシング内に収納されていることを特徴とするものである。 【0012】また、本発明に係る小型温調器は、上記小型温調器において、上記熱媒体を低融点金属または高伝熱大熱容量の液状体とすることを特徴とするものである。 【0013】また、本発明に係る小型温調器は、上記小型温調器において、上記熱媒体を循環冷却液とすることを特徴とするものである。 【0014】 【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るパイプクーラの一実施例を示す断面図である。本発明に係るパイプクーラ1は、ヒートパイプ2と熱容量の大きい熱交換ブロック3を有し、該ヒートパイプ2は、上記熱交換ブロック3にヒートパイプ支持手段10を介して少なくとも1つ以上取り付けられると共に、熱交換ブロック3の内部に挿入され熱交換ブロック3と熱交換するヒートパイプの端部2aと、上記熱交換ブロック3から突出する伝熱延長部2bを有し、該伝熱延長部2bの周りの熱媒体に熱交換ブロック3からの熱を伝えている。更に、本発明に係るパイプクーラ1は、上記熱交換ブロック3の表面にサーモモジュールであるペルチェ素子4を密着固定し、該ペルチェ素子4の熱交換ブロック3とは反対側に熱移送手段5を配設している。 【0015】該熱移送手段5は、図1の実施例では、内部に冷却水が流れる冷却板6であり、冷却水は管7を通って冷却板に流入、流出している。上記熱交換ブロック3は、内部に温度センサー8を有し、該温度センサー8からの信号は温度コントローラ9へ送られ、該温度コントローラ9により直流電源(図示せず)からペルチェ素子4へ流れる電流が制御され、ペルチェ素子4の温度が制御される。通常は、ペルチェ素子4の熱交換ブロック3側の面が冷却面で、ペルチェ素子4の熱移送手段5側の面が加熱面であり、上記熱移送手段5は上記ペルチェ素子4の加熱面の放熱を行っている。 【0016】本発明に係るパイプクーラは、伝熱延長部の周りの熱媒体を冷却することにより温度調整しているが、ペルチェ素子4へ流れる電流の向きを逆にして熱媒体を加熱することにより温度調節することもできる。ペルチェ素子4へ流れる電流の向きを逆にすると、ペルチェ素子4の熱交換ブロック3側の面が加熱面に、ペルチェ素子4の熱移送手段5側の面が冷却面になるが、加熱温調は熱媒体の温度が下がりすぎるといったような場合に行われ一時的なものであるので、ペルチェ素子4へ流れる電流の向きを逆にする場合でも冷却板6を加熱板に変える必要はなく、冷却板6への冷却水の流入を止めたり減らす等により冷却板6の冷却能力を減らすだけで十分である。したがって、本発明に係るパイプクーラは、ペルチェ素子の動作制御により熱交換ブロック及び上記ヒートパイプの伝熱延長部を介して伝熱延長部の周りの熱媒体を簡単かつ優れた応答性で精密に温度調節ができる。 【0017】そして、本発明のパイプクーラは、ヒートパイプの端部を熱容量の大きい熱交換ブロックにより熱交換し、該熱交換ブロックから突出するヒートパイプの伝熱延長部を介して伝熱延長部の周りの熱媒体をペルチェ素子の動作制御により温度調節しているので、ヒートパイプの伝熱延長部の長さや太さを熱交換ブロックの寸法に制約されることなく自由に設計することができ、ヒートパイプの伝熱延長部を拡大伝熱面とすることができるから、伝熱延長部の周りの熱媒体に十分に伝熱することができる。したがって、ペルチェ素子の吸熱側の熱抵抗を小さくすることができるから、サーモモジュールとしてのペルチェ素子の放熱側と吸熱側との温度差を有効に利用することができ、電力を有効利用できる。なお、図1に示す実施例では、ペルチェ素子の吸熱側の熱交換ブロックにヒートパイプを設けたが、同様の機構を熱移送手段側に設ければ、ペルチェ素子の放熱側の熱抵抗も小さくすることができるから、サーモモジュールとしてのペルチェ素子の放熱側と吸熱側との温度差をより有効に利用することができる。 【0018】図2は、本発明に係るパイプクーラの他の実施例を示す断面図である。図1の実施例では水冷式の熱移送手段を用いたが、図2の実施例では空冷式の熱移送手段を用いている点が図1の実施例と相違し、そのほかの構成は図1の実施例のものと同じである。図2の実施例では、多数のフィン15を有する冷却板14をペルチェ素子4に密着固定し、該フィン15が取り付けられたパイプクーラを取り囲むように内部にファン16を有するカバー11を設け、該フィン15に沿って冷却空気が流れるようにしている。 【0019】上記カバー11は、四角筒状をしており、その一端には空気が流入する空気入口12を設け、その他端には空気が流出する空気出口(図示せず)を有する側板13を設けている。また、上記カバーは、上記フィン付きパイプクーラのフィン部分を囲むように設けられているが、軸方向においては必ずしも上記フィンの全部をカバーする必要はない。すなわち、図2(イ)に示すように、軸方向においては上記フィン15の一部がカバー11からはみ出ていてもかまわない。また、上記空気入口12は、四角筒状のカバーの一端に設けたフィン付きパイプクーラが挿入される開口をそのまま用いてもよい。上記空気出口は、側板13に設けた格子状の開口であるが、カバー11に側板13を設けないで四角筒状のカバーの他端の開口をそのまま空気出口として用いてもよいし、四角筒状のカバーの他端の開口に網を張ってそれを空気口としてももよい。冷却空気は、ファン16により空気入口12から吸引され、軸方向に流れる間にフィン15から熱を奪い、空気出口13から流出する。 【0020】図3は、本発明に係る小型温調器の一実施例を示す断面図である。本発明に係る小型温調器20は、ヒートパイプ2と熱容量の大きい熱交換ブロック3を有し、該ヒートパイプ2は、上記熱交換ブロック3にヒートパイプ支持手段10を介して少なくとも1つ以上取り付けられると共に、熱交換ブロック3の内部に挿入され熱交換ブロック3と熱交換するヒートパイプの端部2aと、上記熱交換ブロック3から突出する伝熱延長部2bを有し、該伝熱延長部2bの周りの熱媒体22に熱交換ブロック3からの熱を伝えている。更に、本発明に係る小型温調器20は、上記熱交換ブロック3の表面にサーモモジュールであるペルチェ素子4を密着固定し、該ペルチェ素子4の熱交換ブロック3とは反対側に熱移送手段5を配設している。該熱移送手段5は、図1の実施例に示すような内部に冷却水の流れる冷却板6を有する水冷式のものであってもよいし、あるいは図2の実施例に示すような空冷式のものであってもよい。 【0021】上記熱交換ブロック3は、図1の実施例に示すように内部に温度センサー8を有し、該温度センサー8からの信号は温度コントローラ9へ送られ、該温度コントローラ9により直流電源(図示せず)からペルチェ素子4へ流れる電流が制御され、ペルチェ素子4の温度が制御される。また、ペルチェ素子4へ流れる電流の向きを逆にして、熱媒体を加熱することにより加熱温調できることも図1の実施例の場合と同じである。更に、本発明に係る小型温調器20は、上記伝熱延長部2bの周りに間隙をおいて巻回され浸蝕性流体が流れるチュウブ23を有し、上記チュウブ23及び熱媒体22は上記熱交換ブロックに隣接して設けられた熱媒体収納ケーシング21内に収納されており、該熱媒体収納ケーシング21は上記チュウブ23が液密に貫通する入口部及び出口部(図示せず)を有するとともに右端側が上記ヒートパイプ支持手段10の側壁に液密に取り付けられている。 【0022】上記チュウブ23は、耐食性に優れたテフロン(商標)のようなフッ素樹脂(PFA)により形成され、上記チュウブ23を流れる浸蝕性流体は、チュウブ23の入口部23aから流入しチュウブ23の出口部23bから流出するまでの間に熱媒体収納ケーシング21内に収納された熱媒体22と熱交換し冷却(または加熱)される。上記熱媒体22としては、図3の実施例では低融点金属、例えば、チューブ23の融点よりも低い温度で解ける金属、またはそれに相当する熱伝導性にすぐれた材料(例えば、低温ハンダ、伝熱セメント等)を用いているが、それを上記チュウブ23の隙間及び上記伝熱延長部2bと上記チュウブ23との隙間に流し込んで凝固させた鋳込み構造とするのが望ましい。また、上記熱媒体22としては必ずしも低融点金属に限定される必要はなく、上記熱媒体22としては、例えば金属粉末を含むエポキシ樹脂や金属粉末を含むゲル等の高伝熱大熱容量の液状体を用いてもよい。 【0023】図4は、本発明に係る小型温調器の他の実施例を示す一部切欠断面図である。図3の実施例では、上記熱媒体22として低融点金属または高伝熱大熱容量の液状体を用いたが、図4の実施例では上記熱媒体22として循環冷却液を用いている点が図3の実施例と相違する。したがって、図4の実施例に係る小型温調器30は、ヒートパイプ2と熱容量の大きい熱交換ブロック3を有し、該ヒートパイプ2は、上記熱交換ブロック3にヒートパイプ支持手段10を介して少なくとも1つ以上取り付けられると共に、熱交換ブロック3の内部に挿入され熱交換ブロック3と熱交換するヒートパイプの端部2aと、上記熱交換ブロック3から突出する伝熱延長部2bを有し、該伝熱延長部2bの周りの熱媒体22に熱交換ブロック3からの熱を伝え、上記熱交換ブロック3の表面にサーモモジュールであるペルチェ素子4を密着固定し、該ペルチェ素子4の熱交換ブロック3とは反対側に熱移送手段5を配設している点は、図3の実施例と同様である。 【0024】そして、図4の実施例では、熱媒体収納ケーシング21の外側に外ケーシング25を設け、該熱媒体収納ケーシング21内に上記伝熱延長部2b及び上記伝熱延長部2bの周りに間隙をおいて巻回され浸蝕性流体が流れるチュウブ23を収納し、外ケーシング25内に上記熱媒体収納ケーシング21及びポンプ26を収納している。該熱媒体収納ケーシング21及び外ケーシング25は上記チュウブ23が液密に貫通する入口部及び出口部(図示せず)を有するとともに右端側が上記ヒートパイプ支持手段10の側壁に液密に取り付けられ、更に外ケーシング25には、外ケーシング25の左方に配置されたポンプ26の吐出口から吐き出された循環冷却液22を熱媒体収納ケーシング21の右方に循環させる循環パイプ27が取り付けられ、該循環パイプ27は外ケーシング25を貫通して熱媒体収納ケーシング21の右端近傍に液密に取り付けられている。 【0025】ポンプ26は、吸込口と吐出口を有するポンプケーシング26a及びポンプ駆動モータ26bを有し、ポンプケーシング26aの吸込口は上記内熱媒体収納ケーシング21の左端壁に液密に接続され、ポンプケーシング26aの吐出口は循環パイプ27に液密に接続されている。ポンプ26の吐出口から吐き出された循環冷却液22は、循環パイプ27を通って熱媒体収納ケーシング21の右方に循環され、更に熱媒体収納ケーシング21内を左方に移動して熱媒体収納ケーシング21の左端から上記ポンプ26の吸込口に流入し、ポンプ26により昇圧されて再び循環パイプ27に循環される。上記チュウブ23を流れる浸蝕性流体は、チュウブ23の入口部23aから流入しチュウブ23の出口部23bから流出するまでの間に、熱媒体収納ケーシング21内を循環する循環冷却液22と熱交換し冷却(または加熱)される。なお、図4の実施例では、上記外ケーシング25の外側に上記循環パイプ27が取り付けられているが、上記外ケーシング25と上記熱媒体収納ケーシング21との径方向の間隙を循環冷却液の循環通路として用い、該循環通路を流れてきた循環冷却液を熱媒体収納ケーシング21の右端近傍に設けた開口から流入するようにすれば、上記循環パイプ27を省くことができる。 【0026】図5は、本発明に係る小型温調器の更に他の実施例を示す断面図である。図5の実施例では、図4の実施例と同様に熱媒体として循環冷却液22を用いるが、熱媒体収納ケーシング21の構造を変えるとともに熱媒体収納ケーシング21内に収納していた浸蝕性流体が流れるチュウブ23を外部に取り去っている点で図4の実施例と相違する。したがって、図5の実施例に係る小型温調器40は、ヒートパイプ2と熱容量の大きい熱交換ブロック3を有し、該ヒートパイプ2は、上記熱交換ブロック3にヒートパイプ支持手段10を介して少なくとも1つ以上取り付けられると共に、熱交換ブロック3の内部に挿入され熱交換ブロック3と熱交換するヒートパイプの端部2aと、上記熱交換ブロック3から突出する伝熱延長部2bを有し、該伝熱延長部2bの周りの熱媒体22に熱交換ブロック3からの熱を伝え、上記熱交換ブロック3の表面にサーモモジュールであるペルチェ素子4を密着固定し、該ペルチェ素子4の熱交換ブロック3とは反対側に熱移送手段5を配設している点は、図4の実施例と同様である。 【0027】そして、図5の実施例では、熱媒体収納ケーシング21の外側に該熱媒体収納ケーシング21及びポンプ26を収納する外ケーシング25を設け、上記熱媒体収納ケーシング21は、外筒部21a及び内筒部21bを有する二重円筒形状をしており、内筒部21bの軸方向長さは外筒部21aの軸方向の長さより少し短くなっており、外筒部21a及び内筒部21bの左端はドーナツ状の端板21cにより塞がれており、外筒部21a及び内筒部21bの間には上記伝熱延長部2bが収納されている。また、上記熱媒体収納ケーシング21の外筒部21a及び外ケーシング25の右端は、上記ヒートパイプ支持手段10の側壁に液密に取り付けられ、上記ポンプ26は、吸込口と吐出口を有するポンプケーシング26a及びポンプ駆動モータ26bを有し、ポンプケーシング26aの吸込口には上記内筒部21bに挿入されるパイプ26cが接続されている。上記熱媒体収納ケーシング21は外ケーシング25を貫通して突出する熱媒体流入管21dを有し、上記ポンプケーシング26aの吐出口には外ケーシング25を貫通して突出する熱媒体流出管26dが取り付けられ、上記熱媒体流出管26dと熱媒体流入管21dは図示しない熱交換器及び配管を介して互いに接続されている。 【0028】上記熱媒体流入管21dから熱媒体収納ケーシング21の左端側に流入した循環冷却液22は、熱媒体収納ケーシング21内を右端方向に流れていく間に上記伝熱延長部2bにより冷却(または加熱)され、熱媒体収納ケーシング21の右端に達した循環冷却液22はそこで反転して上記パイプ26cの右端から上記パイプ26c内に流入し、更に上記パイプ26c内を左端方向に流れ、上記ポンプケーシング26aの吸込口からポンプ26に吸い込まれる。そして、上記ポンプケーシング26aの吐出口から熱媒体流出管26dに吐き出された循環冷却液22は、上記図示しない熱交換器内でチュウブを流れる浸蝕性流体と熱交換し、その後再び上記熱媒体流入管21dに戻される。なお、図5の実施例では、上記内筒部21bとパイプ26cの間に隙間があって、外ケーシング25内にも循環冷却液22が流入できるような構造になっているが、上記パイプ26cの右端を上記内筒部21bの左端に液密に接続する構造にすることにより、循環冷却液22が熱媒体収納ケーシング21やポンプケーシング26a内にのみ流入し、外ケーシング内には循環冷却液22が流入しない構造にしてもよい。その場合、上記外ケーシング25の右端と上記ヒートパイプ支持手段10の側壁との取り付け構造は液密にする必要はない。 【0029】 【発明の効果】以上に詳述した本発明のパイプクーラ及び該パイプクーラを用いた小型温調器によれば、浸蝕性流体を高精度に温調するに際し、恒温水を用いないことによって恒温水循環装置の設置の必要をなくし、装置を簡単、小型化できる。また、本発明のパイプクーラ及び該パイプクーラを用いた小型温調器によれば、ヒートパイプの端部を熱容量の大きい熱交換ブロックにより熱交換し、該熱交換ブロックから突出するヒートパイプの伝熱延長部を介して伝熱延長部の周りの熱媒体をペルチェ素子の動作制御により温度調節しているので、ヒートパイプの伝熱延長部の長さや太さを熱交換ブロックの大きさに制約されることなく自由に設計することができ、ヒートパイプの伝熱延長部を拡大伝熱面とすることができるから、伝熱延長部の周りの熱媒体に十分に伝熱することができる。したがって、ペルチェ素子の吸熱側の熱抵抗を小さくすることができるから、サーモモジュールとしてのペルチェ素子の放熱側と吸熱側との温度差を有効に利用することができ、電力の節約となる。 【0030】更に、サーモモジュールとしてペルチェ素子を用いているので、その動作制御により伝熱延長部の周りの熱媒体を簡単かつ優れた応答性で精密に温度調節ができるとともに、従来のサーモモジュールを用いた温調装置では伝熱面積がサーモモジュールの形状・寸法で限定されていたのに対し、ヒートパイプの伝熱延長部を拡大伝熱面として自由に設計できるため、熱交換器を要求された寸法に合わせて最適に設計することができる。また、本発明のパイプクーラ及び該パイプクーラを用いた小型温調器によれば、パイプクーラとすることで、伝熱形態の異なるディスペンサ温調器(個体への熱伝導用)とサーキュレータ(液体への熱伝導用)へ同じ構造、同じ形態のまま利用することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000102511 【氏名又は名称】エスエムシー株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年11月2日(1999.11.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072453 【弁理士】 【氏名又は名称】林 宏 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−133105(P2001−133105A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月18日(2001.5.18) |
| 【出願番号】 |
特願平11−312693 |
|