| 【発明の名称】 |
保冷庫 |
| 【発明者】 |
【氏名】小林 誠
|
| 【要約】 |
【課題】冷却器の温度を蓄冷時及び除霜時にそれぞれ検出する構成においても、部品点数及びコストの低減を図ることのできる保冷庫を提供する。
【解決手段】冷却器2の蓄冷完了温度の検出と、冷却器2の除霜完了温度の検出とを共通の冷却器温度センサ10によって行うようにしたので、蓄冷用の温度センサと除霜用の温度センサとをそれぞれ個別に設ける必要がない。この場合、冷却器温度センサ10を冷却器2の空気流出側に配置することにより、冷却器温度センサ10が冷却器2の空気流入側に配置されているヒータ4の熱影響を直接受けることがない。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 任意の物品を収納可能な断熱性の保冷庫本体と、保冷庫本体内の所定位置に配置された蓄冷型冷却器と、庫内空気を前記冷却器を介して循環する送風機とを備え、冷却器の蓄冷を行った後、送風機を駆動して庫内を冷却する保冷運転と、送風機を駆動して冷却器に空気を流通させる除霜運転とを任意に選択して行うようにした保冷庫において、前記冷却器の温度を検出する温度検出器と、冷却器の蓄冷完了温度及び除霜完了温度をそれぞれ設定していて、温度検出器の検出温度に基づいて冷却器の蓄冷完了及び除霜完了をそれぞれ判別する判別手段を備えたことを特徴とする保冷庫。 【請求項2】 前記温度検出器を冷却器の空気流出側に配置したことを特徴とする請求項1記載の保冷庫。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、生鮮食品の輸送コンテナ等として用いられる保冷庫に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の保冷庫としては、例えば特開平10−73360号公報に記載されているように、前面に開閉扉を有する断熱性の保冷庫本体と、庫内の底面側に配置された蓄冷型冷却器と、冷却器の蓄冷を行う冷凍装置と、庫内の空気を循環する送風機とから構成されたものが知られている。この保冷庫では、冷却器の蓄冷を行った後、送風機を駆動して庫内空気を冷却器を介して循環することにより、輸送中における保冷運転を行うようになっている。また、前記保冷庫においては、冷却器に着霜を生じた場合、送風機を駆動して冷却器に空気を流通させる除霜運転を行うようになっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、前記保冷庫では、蓄冷時は冷却器の温度が所定の蓄冷完了温度(例えば−35℃)になると冷凍装置を停止し、除霜時は冷却器の温度が所定の除霜完了温度(例えば10℃)になると送風機を停止するようにしているが、蓄冷用の温度検出器と除霜用の温度検出器とをそれぞれ個別に設けると、部品点数及びコストの増加を来たし、実用化に際して不利であった。 【0004】本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷却器の温度を蓄冷時及び除霜時にそれぞれ検出する構成においても、部品点数及びコストの低減を図ることのできる保冷庫を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成するために、請求項1では、任意の物品を収納可能な断熱性の保冷庫本体と、保冷庫本体内の所定位置に配置された蓄冷型冷却器と、庫内空気を前記冷却器を介して循環する送風機とを備え、冷却器の蓄冷を行った後、送風機を駆動して庫内を冷却する保冷運転と、送風機を駆動して冷却器に空気を流通させる除霜運転とを任意に選択して行うようにした保冷庫において、前記冷却器の温度を検出する温度検出器と、冷却器の蓄冷完了温度及び除霜完了温度をそれぞれ設定していて、温度検出器の検出温度に基づいて冷却器の蓄冷完了及び除霜完了をそれぞれ判別する判別手段を備えている。これにより、冷却器の蓄冷完了温度の検出と、冷却器の除霜完了温度の検出とが共通の温度検出器によって行われることから、蓄冷用の温度検出器と除霜用の温度検出器とをそれぞれ個別に設ける必要がない。 【0006】また、請求項2では、請求項1記載の保冷庫において、前記温度検出器を冷却器の空気流出側に配置している。これにより、請求項1の作用に加え、例えば除霜手段としてのヒータを冷却器の空気流入側に配置した場合でも、温度検出器がヒータの熱影響を直接受けることがない。 【0007】 【発明の実施の形態】図1乃至図9は本発明の一実施形態を示すもので、図1は保冷庫の全体斜視図、図2はその側面断面図、図3はヒータの取付構造を示す正面図、図4は操作パネルの正面図、図5は送風機の回路図、図6はヒータの回路図、図7は制御系を示すブロック図、図8及び図9は制御部の動作を示すフローチャートである。 【0008】この保冷庫は、前面を開口した断熱性の保冷庫本体1と、庫内を冷却する冷却器2と、庫内の空気を循環する送風機3と、除霜時に冷却器2を加熱するヒータ4と、ボタン操作やランプ表示等を行う操作パネル5と、送風機3の動作を制御する制御部6とを備えている。 【0009】保冷庫本体1は前面開口部を開閉する断熱性の扉1aを有し、保冷庫本体1の下部には移動用のキャスタ1bが取付けられている。保冷庫本体1の上部には機械室1cが設けられるとともに、機械室1c内には圧縮機や凝縮器等の冷凍機器が収容されている。即ち、前記冷凍機器と冷却器2とから冷凍装置1dが構成され、冷凍装置1dは図示しない電源プラグを介して接続される外部電源によって駆動される。また、保冷庫本体1内の底面側及び背面側には仕切板1eによって庫内側と仕切られた通風路7が設けられ、通風路7の一端側は庫内の下部前端側に開口し、その他端側は庫内の背面側上部に開口している。更に、保冷庫本体1には扉1aの開閉を検知する扉スイッチ8が設けられ、扉スイッチ8は閉鎖された扉1aが接触してオンになり、開放された扉1aが離れてオフになる周知の接触式スイッチが用いられる。また、保冷庫本体1内に庫内温度センサ9が設けられている。 【0010】冷却器2は保冷庫本体1の底面側通風路7内に配置され、その上方を仕切板1dによって覆われている。冷却器2は、機械室1cの冷凍機器に接続された冷媒管2aと、冷媒管2aに熱的に接触する蓄冷材(図示せず)とを備え、冷媒管2aを流通する低温冷媒によって蓄冷材を蓄冷し、蓄冷材によって庫内を冷却するようになっている。また、冷却器2の空気流出側(後端寄り)には、冷却器2の温度を検出する冷却器温度センサ10が取付けられている。 【0011】送風機3は通風路7の他端側に配置され、通風路7の一端側から吸入した空気を通風路7の他端側から庫内に吐出するようになっている。送風機3の駆動回路においては、図5に示すように送風機3の一端がバッテリ3aを介して扉スイッチ8の一端に接続され、その他端は第1のリレー3bを介して扉スイッチ8の他端に接続されている。また、この駆動回路には扉スイッチ8と並列に第2のリレー3cが接続されている。 【0012】ヒータ4は冷却器2の空気流入側に配置され、図3に示すようにU字状に屈曲した電熱線からなる。この場合、仕切板1eの下面にはヒータ4を支持するL字状の一対の支持板4aが取付けられ、一方の支持板4aにはバイメタル等の感熱素子からなる過熱防止スイッチ11が取付られている。ヒータ4の駆動回路においては、図6に示すようにヒータ4の一端が電源4bを介して第3のリレー4cの一端に接続され、その他端は過熱防止スイッチ11を介して第3のリレー4cの他端に接続されている。 【0013】操作パネル5は保冷庫本体1の前面に配置され、図4に示すように電源通電状態での蓄冷運転と保冷運転との切替を行う冷蔵庫ボタン5aと、電源非通電状態での保冷運転における庫内温度を冷蔵用に設定する冷蔵ボタン5bと、保冷運転における庫内温度を冷凍用に設定する冷凍ボタン5cと、庫内の温度を表示する温度表示部5dと、送風機3及びヒータ4による除霜を行う第1の除霜ボタン5eと、送風機3のみによる除霜(操作パネル5では「オフサイクル除霜」と表示)を行う第2の除霜ボタン5fとを備えている。また、操作パネル5には、冷却器2の蓄冷中を表示する「冷凍中」の表示灯L1 と、冷却器2の蓄冷完了を表示する「凍結完了」の表示灯L2 と、保冷運転中を表示する「庫内冷却中」の表示灯L3 と、冷蔵ボタン5bの選択を表示する表示灯L4 と、冷凍ボタン5cの選択を表示する表示灯L5 と、冷却器2の着霜量が多くなったことを表示する「過着霜」の表示灯L6 と、第1の除霜ボタン5eの選択を表示する表示灯L7 と、第2の除霜ボタン5fの選択を表示する表示灯L8 がそれぞれ設けられている。 【0014】制御部6はマイクロコンピュータによって構成され、冷凍装置1d、第1の除霜ボタン5e、第2の除霜ボタン5f、扉スイッチ8、庫内温度センサ9、冷却器温度センサ10及び各リレー3b,3c,4cに接続されている。また、制御部6にはタイマ6aが接続されている。この制御部6では、第1の除霜ボタン5eの選択により送風機3及びヒータ4を作動させる第1の除霜モードと、第2の除霜ボタン5fの選択により送風機3のみを作動させる第2の除霜モードとをそれぞれ後述するプログラムに従って行うようになっている。この場合、各除霜モードの選択は、操作パネル5の第1の除霜ボタン5e及び第2の除霜ボタン5fの操作によって容易に行うことができる。また、制御部6は、冷却器2の蓄冷完了温度及び除霜完了温度をそれぞれ設定しており、冷却器温度センサ10の検出温度に基づいて蓄冷完了及び除霜完了を判別するようになっている。 【0015】ここで、保冷運転及び除霜運転にける制御部6の動作を図8及び図9のフローチャートを参照して説明する。まず、外部電源に接続されると(S1)、冷凍装置1dを作動し(S2)、冷却器2の蓄冷が行われる。その際、操作パネル5の冷蔵庫ボタン5aをオンにすると、送風機3が作動して庫内の冷却が行われ、物品の輸送前等における冷蔵庫として機能する。次に、冷却器温度センサ10の検出温度Ta が所定の蓄冷完了温度T1 (例えば−35℃)以下になると(S3)、冷凍装置1dを停止する(S4)。この後、物品の輸送に際して外部電源が非通電になると(S5)、タイマ6aを作動して(S6)、第1のリレー3bをオンにする(S7)。これにより、送風機3の駆動回路が閉じ、送風機3が作動する。次に、庫内温度センサ9の検出温度Tb と設定温度T2 とを比較し(S8)、検出温度Tb が設定温度T2 よりも高く、タイマ6aの設定時間t1 が経過していなければ(S9)、ステップS4に戻る。この場合、設定温度T2 は冷蔵ボタン5b及び冷凍ボタン5cの選択により異なり、例えば冷蔵の場合は3℃、冷凍の場合はマイナス22°に設定される。また、ステップS8において検出温度Tb が設定温度T2 以下になると、第1のリレー3bをオフにする(S10)。これにより、送風機3の駆動回路が開き、送風機3が停止する。次に、庫内温度センサ9の検出温度Tb と設定温度T2 とを比較し(S11)、検出温度Tb が設定温度T2 以下で、タイマ6aの設定時間t1 が経過していなければ(S12)、ステップS11に戻る。また、ステップS11において検出温度Tb が設定温度T2 よりも高くなると、ステップS7に戻り、第1のリレー3bをオンにする。即ち、ステップS7〜S12の動作を繰り返すことにより、庫内温度が設定温度T2 になるように保冷運転が行われる。また、前記保冷運転において、例えば物品の出し入れのために扉1aが開放されると、扉スイッチ8がオフになって送風機3の駆動回路が開放され、送風機3が停止する。これにより、扉1aの開放による外気の侵入が少なくなる。また、扉1aを閉じると扉スイッチ8がオンになり、送風機3の駆動回路が閉じて送風機3が再び作動する。そして、ステップS12においてタイマ6aの設定時間t1 が経過したならばプログラムを終了する。 【0016】次に、待機状態において保冷庫が外部電源に接続されている場合(S20)、図示しない着霜センサによって検出された冷却器2の着霜量が所定量を越え、「過着霜」の表示灯L6 が点灯すると(S21)、除霜運転が可能となる。即ち、冷却器2の除霜を第1の除霜モードによって行う場合、第1の除霜ボタン5eがオンにされると(S22)、第1、第2及び第3のリレー3b,3c,4cをそれぞれオンにする(S23,S24,S25)。これにより、送風機3の駆動回路が閉じて送風機3が作動するとともに、ヒータ4の駆動回路が閉じてヒータ4が作動する。次に、冷却器温度センサ10の検出温度Ta と所定の除霜完了温度T3 (例えば10℃)とを比較し(S26)、検出温度Ta が除霜完了温度T3以上になるまで送風機3及びヒータ4による除霜運転を行う。その際、扉1aを開放すると、扉スイッチ8がオフになるが、第2のリレー3cがオンになっているため送風機3の回路が開放されず、送風機3が停止することはない。これにより、扉1aを開放状態にして除霜を促進させることができる。また、冷却器温度センサ10は冷却器2の空気流出側に配置されているので、冷却器2の空気流入側に配置されているヒータ4の熱影響を直接受けることがない。そして、ステップS26において検出温度Ta が除霜完了温度T3 以上になると、第1、第2及び第3のリレー3b,3c,4cをそれぞれオフにして送風機3及びヒータ4を停止し(S27,S28,S29)、プログラムを終了する。また、前記除霜運転中、例えば過度な着霜により冷却器2が目詰まりして空気の流通が妨げられている場合など、ヒータ4の近傍の温度が異常に上昇して過熱防止スイッチ11の許容温度(例えば70℃)と越えると、過熱防止スイッチ11が遮断されてヒータ4の駆動回路が開放され、ヒータ4が停止する。 【0017】また、冷却器2の除霜を第2の除霜モードによって行う場合は、第2の除霜ボタン5fがオンにされると(S30)、タイマ6aを作動し(S31)、第1及び第2のリレー3b,3cをそれぞれオンにする(S32,S33)。これにより、送風機3の駆動回路が閉じ、送風機3が作動する。次に、タイマ6aの設定時間t2 が経過したか否かを判別し(S34)、タイマ6aの設定時間t2 が経過するまで送風機3のみによる除霜運転を行う。その際、扉1aを開放すると、扉スイッチ8がオフになるが、第2のリレー3cがオンになっているため送風機3の回路が開放されず、送風機3が停止することはない。これにより、前記第1の除霜モードと同様、扉1aを開放状態にして除霜を促進させることができる。そして、ステップS34においてタイマ6aの設定時間t2 が経過すると、第1及び第2のリレー3b,3cをそれぞれオフにして送風機3を停止し(S28,S29)、プログラムを終了する。 【0018】このように、本実施形態の保冷庫によれば、冷却器2の蓄冷完了温度の検出と、冷却器2の除霜完了温度の検出とを共通の冷却器温度センサ2によって行うようにしたので、蓄冷用の温度センサと除霜用の温度センサとをそれぞれ個別に設ける必要がなく、部品点数及びコストの低減を図ることができる。また、冷却器温度センサ10を冷却器2の空気流出側に配置したので、冷却器2の空気流入側に配置されているヒータ4の熱影響を直接受けることがなく、除霜時の温度検出を常に正確に行うことができる。更に、送風機3及びヒータ4を作動させる第1の除霜モードと、送風機3のみを作動させる第2の除霜モードの何れの場合においても扉1aの開放によって送風機3が停止しないようにしたので、除霜運転中に扉1aを開放状態にすることにより、外気を取入れて除霜を促進させることができ、送風機3を用いた除霜を極めて効率的に行うことができる。また、操作パネル5の第1の除霜ボタン5e及び第2の除霜ボタン5fの操作により、第1の除霜モード及び第2の除霜モードを必要に応じて選択することができるので、例えば除霜時間の短縮を優先させたい場合は送風機3及びヒータ4による第1の除霜モードを選択し、消費電力を少なくしたい場合は送風機3のみによる第2の除霜モードを選択するなど、状況に応じた除霜を行うことができる。 【0019】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1の保冷庫によれば、蓄冷用の温度検出器と除霜用の温度検出器とをそれぞれ個別に設ける必要がないので、部品点数及びコストの低減を図ることができ、実用化に際して極めて有利である。 【0020】また、請求項2の保冷庫によれば、請求項1の効果に加え、例えば除霜手段としてのヒータを冷却器の空気流入側に配置した場合でも、温度検出器がヒータの熱影響を直接受けることがないので、除霜時の温度検出を常に正確に行うことができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001845 【氏名又は名称】サンデン株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年11月5日(1999.11.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100069981 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 精孝
|
| 【公開番号】 |
特開2001−133098(P2001−133098A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月18日(2001.5.18) |
| 【出願番号】 |
特願平11−315304 |
|