| 【発明の名称】 |
店舗用冷凍装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】菊地 昭治
【氏名】青柳 正晃
【氏名】太田 和昌
【氏名】宮 友明
|
| 【要約】 |
【課題】試運転やサービス、故障時の対応及び表示などにも有利な店舗用の冷凍装置を得る。
【解決手段】チルドケース2、ウオークインケース3、圧縮機10及び室外熱交換器20を順次接続して冷凍サイクルを構成する配管と、冷凍サイクル室外熱交換器下流側に設けられた受液器30と、を備えた店舗用冷凍装置において、受液器30内またはその下流側と圧縮機10の圧縮作動室とを接続する液インジェクション配管を備え、圧縮機10をチルドケース2及びウオークインケース3の温度に関連して周波数制御されるスクロール圧縮機10とし、試運転時にはスクロール圧縮機10の回転数を固定して運転する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】店舗内に設けられ庫内温度が2℃前後に保持される少なくとも3台以上のチルドケースと、店舗のバックヤ−ドに設けられ庫内温度が5℃前後に保持されるウオークインケースと、インバ−タで周波数制御される圧縮機と、室外に設けられた熱交換器と、前記チルドケース、ウオークインケース、圧縮機及び室外熱交換器を順次接続して冷凍サイクルを構成する配管と、前記冷凍サイクル室外熱交換器下流側に設けられた受液器と、を備えた店舗用冷凍装置において、前記受液器内またはその下流側と前記圧縮機の圧縮作動室とを接続する液インジェクション配管を備え、前記圧縮機を前記チルドケース及びウオークインケースの温度に関連して周波数制御されるスクロール圧縮機とし、試運転時には前記スクロール圧縮機の回転数を固定して運転することを特徴とする店舗用冷凍装置。 【請求項2】請求項1に記載のものにおいて、異常ランプとデジタル表示部とを有するデジタル表示パネルを備え、運転中は設定圧力を前記デジタル表示部に数値にて表示し、異常状態となったときは、前記異常ランプが点灯し、そのときの理由を前記デジタル表示部にコード表示することを特徴とする店舗用冷凍装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は店舗用冷凍装置に係り、特にコンビニエンスストアー等のように1台の冷凍機に小容量のショーケース(チルドケース)を5〜7台位接続して使用するのに好適なものである。 【0002】 【従来の技術】空冷式凝縮器部を屋外に圧縮機部を屋内の機械室に設置し、この圧縮機をインバータにて回転数を変えて冷凍能力の減少を抑制して、容量の制御を行う例として特開昭60−175970号公報に記載されたものがある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来の冷凍装置では、インバータを用いかつ圧縮機に往復動を行うレシプロ式を使用していることが多く、以下の課題があった。 【0004】(1)元々圧縮機の回転トルクの変動が大きく、低周波数運転では慣性力が少なくなり失速することが有り、逆に高周波数運転になると圧縮機の吐出ガス温度が異常上昇したり、圧縮機内の吐出弁及び吸入弁に過大の応力が作用することが有った。従って、広範囲な容量かつ高精度にきめ細かく運転するのに対応が充分できなかった。 【0005】(2)圧縮機から吐出される高圧の吐出ガスの脈動が大きく、インバータで圧縮機の回転数を変化させた場合には、更に脈動を増幅させる場合があった。このために冷媒配管内で発生する冷媒ガスの流動音及び配管自身の振動対策に冷媒配管を通す経路及び施工方法の制約が多かった。 【0006】(3)圧縮機自身の振動及び騒音が大きく、これをインバータで回転数を変化させた場合には更に振動及び騒音を増幅させることとなる。よって、機械室の構造、都市部の住宅地への設置、夜間での運転などに対する制約が多かった。 【0007】本発明の目的は、小形冷蔵ショーケースを5〜7台と複数設置することなどによって大きく変動する負荷容量に対して容量に応じた運転が可能で、省エネルギ効果が図れ、ショーケース内の温度変動が最小限になるように細かく制御でき、かつ低騒音、省スペース、試運転やサービス、故障時の対応及び表示などに有利な店舗用冷凍装置を得ることにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は店舗内に設けられ庫内温度が2℃前後に保持される少なくとも3台以上のチルドケースと、店舗のバックヤ−ドに設けられ庫内温度が5℃前後に保持されるウオークインケースと、インバ−タで周波数制御される圧縮機と、室外に設けられた熱交換器と、前記チルドケース、ウオークインケース、圧縮機及び室外熱交換器を順次接続して冷凍サイクルを構成する配管と、前記冷凍サイクル室外熱交換器下流側に設けられた受液器と、を備えた店舗用冷凍装置において、前記受液器内またはその下流側と前記圧縮機の圧縮作動室とを接続する液インジェクション配管を備え、前記圧縮機を前記チルドケース及びウオークインケースの温度に関連して周波数制御されるスクロール圧縮機とし、試運転時には前記スクロール圧縮機の回転数を固定して運転するものである。 【0009】また、上記のものにおいて、異常ランプとデジタル表示部とを有するデジタル表示パネルを備え、運転中は設定圧力を前記デジタル表示部に数値にて表示し、異常状態となったときは、前記異常ランプが点灯し、そのときの理由を前記デジタル表示部にコード表示することが望ましい。 【0010】 【発明の実施の形態】本実施の形態における基本的な考え方は以下の通りである。 (1)圧縮機は往復動のないスクロール式を採用し、運転吸入圧力を検出してインバータの周波数を変えて圧縮機の回転数を制御することで駆動し、かつ専用の機械室に設置する。 (2)スクロール圧縮機の吐出ガスの温度と圧力の値に応じて液インジェクション量を制御する。冷媒液の噴射(インジェクション)する位置はスクロール圧縮機の中間圧力部とする。 (3)インバータの温度が異常に上昇するなどの故障を判断し、故障のときは商用電源に切り換える。 (4)回転数を固定して運転するモードを設ける。 (5)運転状態として少なくとも各部の圧力、温度、前記スクロール圧縮機の回転数をデジタル表示し、その他に運転が停止している理由、異常停止理由を表示する。 以下、本発明の具体的実施例を図面に基づき説明する。図1は、据え付け関係から見た店舗用冷凍装置の全体配置を示す平面図、図2は、同じく側面図、図3は制御関係から見た冷凍サイクル部の構成を示すブロック図である。 【0011】店内1に設けられた2は、販売されている品物が入れられているチルドケースを示し、庫内温度が2℃前後に保持され、幅が概略1mで6台設置されている。店舗のバックヤードには、品物が入れられ客が中に入ることができるウオークインケース3が設けられ、庫内温度が5℃前後に保持されるている。なお、チルドケース1は、少なくとも3台以上接続すること、また1日のうち2/3以上の時間販売活動を行い冷凍装置を稼働することが効率の点より望ましい。 【0012】4は、店舗に近接して設置された機械室で、スクロール圧縮機10及びこれをインバータ制御で駆動するための駆動装置200などを備えたスクロール冷凍機100が設置されている。20は、屋外に設けられた空冷式凝縮器である。ここで、元々トルク変動が小さいスクロール圧縮機10をさらに、機械室4に設置して、騒音の発生源となることを防ぐと共に、メンテナンスを容易にすることを考慮している。 【0013】冷凍サイクル部は、チルドケース2、ウオークインケース3、アキュムレータ60、スクロール圧縮機10、空冷式凝縮器20、空冷式凝縮器20の下流側に設けられた受液器30を順次接続されることで構成され、受液器30内又は、その下流側とスクロール圧縮機10の圧縮作動室(図示せず)とは、液インジェクション配管85で接続される。さらに、液インジェクション配管85にはスクロール圧縮機10への液インジェクション量を制御する流量制御弁80、スクロール圧縮機10の停止時及び電源遮断時に閉路となる電磁弁70が設けられる。 【0014】以上の様に配置された冷凍装置及び構成された冷凍サイクル部において、チルドケース2及びウオークインケース3にて蒸発した低温低圧の冷媒ガスは機械室4内に設けられたアキュムレータ60を通過し、スクロール圧縮機10にて高温高圧の冷媒ガスに圧縮される。このとき、スクロール圧縮機10から吐出される高圧ガスの脈動も小さく配管内で発生する冷媒ガスの流動音及び配管自身の振動も小さくできる。続いて冷媒ガスは、屋外に設けられた空冷式凝縮器20にて冷媒液に凝縮され、受液器30にて一時ストックされる。そして、その後に冷媒液の配管33を通じ、電磁開閉弁35及び膨張弁36を介して再び蒸発器であるチルドケース2及びウオークインケース3に入るサイクル系統となり、冷気を発する。 【0015】つぎに、図3の冷凍サイクル部の吸入圧の制御動作の概要を図4のフローチャートにて説明する。圧縮機の能力を一定とした場合は蒸発器で要求する負荷が大きくなると、つまり、チルドケース2及びウオークインケース3の中で温度が上昇すると、圧縮機の運転中の吸入圧力は高くなり、逆に過冷却となって負荷が小さくなると、吸入圧力は低くなる。従ってこの吸入圧力を検出して圧縮機の回転数を変えることで冷凍機の冷却能力を負荷に応じて変化させる容量制御の運転が可能となる。 【0016】吸入圧力センサ91により検出された運転吸入圧力はコントローラ201に入力され(ステップ401)、ここで予め設定された設定圧力値(Psb)と設定圧力差(ΔPs)の許容範囲を持って比較され(ステップ403)、それ以上であれば、つまり(A)ゾーンにあれば運転周波数を増加させるようにインバータ202に運転周波数の指令を出す(ステップ405)。ただし、その周波数の上限を80Hzとする(ステップ404、406)。そして、インバータ202はコントローラ201によって指令された周波数の電源を作り、スクロール圧縮機10へ供給し回転数が増加するように制御する。逆に、予め設定された設定圧力値(Psb)以下であれば、つまり、(C)ゾーンにあれば、運転周波数を低下させる(ステップ409)。ただし、その周波数の下限を20Hzとする(ステップ408、406)。運転吸入圧力が許容範囲にあれば、つまり(B)ゾーンあれば、そのときの周波数を維持する(ステップ406)。ここで予め設定する設定圧力値(Psb)と設定圧力差(ΔPs)は、その時のチルドケース2及びウオークインケース3が設置されている店舗内の温度や空冷式凝縮器20が設置されている屋外の温度等を検出して自動的に変化するようにし、それによって、環境が変化する一年間を安定した、効率の良い制御を可能とする。 【0017】つぎに、図3の冷凍サイクル部の吐出ガスの温度制御を説明する。スクロール圧縮機10を搭載している冷凍機は、吐出側に油を保有しているので、ある程度過熱することが油の粘度を維持するために必要とされ、吐出圧力が一定であれば、吐出ガスの温度だけを制御すれば良い。しかし、吐出圧力は運転吸入圧力、運転周波数、外気温度によって変化するため、このようなときでも過熱しすぎることなくできる限り温度を低く制御する必要がある。そこで、コントローラ201は吐出ガスサーミスタ(温度検出器)により検出された吐出ガスの温度と、高圧圧力センサ92にて検出した圧力との関係で決まる冷媒の過熱度を算出する。そして、この過熱度より、流量制御弁80の開度を変えて、スクロール圧縮機10への冷媒液を噴射する量(液インジェクション量)を制御することにより、過熱しすぎの場合には液インジェクション量を増やすことで冷凍能力を減少することなく吐出ガスの温度を下げ常に適正な温度に制御する。このことから冷媒としては特定フロンを使用しないで特定フロン以外のフロン22の使用が可能となる。 【0018】図8はスクロール圧縮機10の内部に冷媒液を噴射(インジェクション)するためのスクロールラップの細孔位置に関する図で、冷媒液の注入用細孔141a、141bをスクロールラップの巻き始め端から1巻以内の、固定スクロールラップの鏡板の側壁に添った位置に設けたものである。この位置にすることによって、冷媒液は中間圧力部にインジェクションされることとなり、冷媒の過度の液圧縮を避けることができ、冷凍能力の減少を避けることができる。また、同様に吸入ガスサーミスタ93にて検出した吸入ガスの温度と運転吸入圧力との関係で決まる吸入ガスの過熱度を算出することにより、湿り圧縮を防止したり、警報を発したりすることができる。 【0019】以上で、吐出側及び吸入側の過熱度は冷媒の種類が決まれば圧力と温度により決まるが、冷媒の種類が異なれば同じ温度、圧力でも過熱度が異なってくる。このために冷媒の種類が異なっても正しい過熱度の算出可能なようにコントローラ201に数種類の冷媒の物性値を予め入れておき、この値を外部のスイッチ等の設定器で選択出来るようにしておく。これによって、冷媒の種類が異なっても正しい過熱度の制御が可能となる。 【0020】インバータが故障しても運転を続行する方法を図5にて説明する。インバータ202が正常な場合は電磁接触器203と電磁接触器204が閉じて電源がスクロール圧縮機10用の電動機に通電して制御される。インバータ202温度が異常上昇した等のときインバータ202自身から異常信号をコントローラ201へ発したり、インバータ202の二次側に設けた電流検出器201にて電流を検出し、コントローラ201がインバータ202に運転指令をだしているにもかかわらず電流検出器201にて電流が検出されない場合等のとき、故障と判断して、電磁接触器203と電磁接触器204が開き、電磁接触器205が閉じて商用電源が直接にスクロール圧縮機10用の電動機に通電される。その結果、運転の制御は行われなくても少なくとも運転が停止されることがなくなる。 【0021】図6は、冷凍装置100において、スクロール圧縮機の周辺部を示し、冷凍装置100には、インバータ202、コントローラ201、電磁接触器203、204、205、及び電流検出器206等を内蔵した電装箱200にデジタル表示パネル207を備えている。図7は、デジタル表示パネル207の詳細を示し、デジタル表示項目として、コード208、データ209、及び表示項目の選択キー210が設けられる。選択キー210を操作することで運転状態(設定圧力、吐出圧力、吸入圧力等の各圧力、吐出ガス温度、吸入ガス温度、店舗内温度、屋外温度等の各温度、吐出ガス冷媒過熱度、吸入ガス冷媒過熱度等の各過熱度、その他運転周波数、運転電流等)がデータ209で数値にて表示される。異常状態となったときは、異常ランプ211が点灯し、そのときの停止理由のコード、及び保護装置作動等で停止した場合にどの保護装置が作動したのかが判る様に異常停止した時の運転状態を保持する機能等を有している。 【0022】以上の実施例によれば、以下の作用がある。 (1)スクロール圧縮機を冷凍装置に使用することで、回転トルクの変動が小さいために低周波数運転になっても失速することが無く高周波数運転でも無理が無いため広い範囲で安定した容量制御が可能となり、さらに運転吸入圧力を検出してインバータの周波数を変えて圧縮機の回転数を制御することで広範囲に変動する容量、かつ高精度にきめ細かく運転することが可能となる。また、元々トルク変動が小さい圧縮機を専用の機械室に設け、インバータで回転数を変化させるので冷凍装置全体での振動及び騒音を低減することができるとともに、圧縮機から吐出される高圧ガスの脈動も小さく冷媒配管内で発生する冷媒ガスの流動音及び配管自身の振動も小さくでき、冷媒配管を通す経路及び施工方法の制約が少なくなる。さらに、吐出ガスの温度と圧力を検出し、圧縮機の圧縮作動室へ液インジェクション量を制御し、かつ冷媒液の噴射する位置をスクロール圧縮機の中間圧力部としているため、圧縮機の吸入側からの冷媒ガスの吸い込み量を減少させること無く、冷凍容量を維持したまま高い運転周波数まで、過熱しすぎることなく安定した吐出ガス温度を得ることができる。 【0023】(2)インバ−タの故障を判断する手段と、判断する手段によって故障と判断されたときは、スクロール圧縮機の電源を商用電源に切り換えて運転を続行する手段とを備えたことにより、インバータが故障したときは自動的に商用電源に切り換わることで、きめ細かな温度制御はされないが必要最低限の冷凍動作は可能となり、ショーケース内の保管品への悪影響を避けることができる。 【0024】(3)スクロ−ル圧縮機の駆動装置に周波数の固定した運転を設けたことにより、試運転時の膨張弁調整、冷媒封入などのサービスを、通常の吸入圧力で運転周波数を可変とする運転に比べて容易にすることができる。 【0025】(4)運転状態の各表示がされることによって、冷凍装置を定期的にチェックし、故障を未然に防ぐことができ、さらに異常停止理由などが表示されることによって運転範囲が適正であったか確認するなどの保守が容易となる。 【0026】 【発明の効果】本発明によれば、試運転やサービス、故障時の対応及び表示などにも有利な店舗用の冷凍装置を得ることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
|
| 【出願日】 |
平成7年3月29日(1995.3.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075096 【弁理士】 【氏名又は名称】作田 康夫
|
| 【公開番号】 |
特開2001−108343(P2001−108343A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月20日(2001.4.20) |
| 【出願番号】 |
特願2000−281743(P2000−281743) |
|