トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F25 冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒ−トポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化




【発明の名称】 熱交換器及びその熱交換器を組み込んだ冷蔵庫
【発明者】 【氏名】青木 均史

【氏名】久保田 順一

【氏名】野島 健二

【氏名】山田 健

【要約】 【課題】冷却すべき冷気の流入側に近い部分で効率的に熱交換できるようにした熱交換器及びその熱交換器を組み込んだ冷蔵庫を提供する。

【解決手段】一定の間隔をあけて並設されたフィン1と、これらのフィン1を貫通して一定の間隔で列設された冷媒用チューブ2とを備えた熱交換器本体3であって、ほぼ下半部を広幅に形成して冷媒用チューブの数を増大させる。冷蔵庫本体4の庫内に、隔壁4bを介して通気路4dを設けると共に、吹き出し口5及び戻し口6を形成する。通気路4dの要所に前記熱交換器本体3を配設し、通気路4dの上部に配設したファン7により冷気を噴出させる。冷凍室Aを対流した冷気は戻し口6から熱交換器本体3の中間部に流入させ、保冷室Bを経た冷気は取り入れ口8から熱交換器本体3の下部に流入させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】一定の間隔をあけて並設された板状のフィンと、これらのフィンを貫通して一定の間隔で上下方向及び左右方向に列設された冷媒用チューブとを備えた熱交換器において、冷却すべき気体が流入するほぼ下半部のフィンを広幅に形成し、その広幅部分の冷媒用チューブの数を増すことにより、熱交換器のほぼ下半部を厚く形成したことを特徴とする熱交換器。
【請求項2】冷蔵庫の庫内の上部にファンにより冷気が噴出される吹き出し口を有し、ほぼ中間部には戻し口を有すると共に、請求項1記載の熱交換器が要所に配設され、前記吹き出し口から噴出された冷気の一部は前記戻し口から前記熱交換器のほぼ中間部に戻されて熱交換され、庫内の下部に至った冷気は熱交換器の下部から流入して熱交換されるように構成した冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱交換器及びその熱交換器を組み込んだ冷蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】電気冷蔵庫等に使用される熱交換器として、フィンと冷媒用チューブとを縦横に組み合わせたものが知られている。即ち、この熱交換器は、薄板状のフィンを一定の間隔をあけて並設し、これらのフィンを貫通して一定の間隔で冷媒用チューブを列設して方形に一体化した構造のものである。このように形成された熱交換器は、例えば電気冷蔵庫内に形成された冷気循環経路に組み込んで使用され、庫内上部に配設されたファンにより噴出された冷気が庫内を対流し、庫内の熱を吸収して冷却した後、戻し冷気を熱交換器の下部から上部に通過させてその間に熱交換させ、これにより所定温度に冷却した冷気を庫内に供給し循環させるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の熱交換器の場合、熱交換の効率を向上させるためには例えば冷気の流れに沿う方向(上下方向)の寸法を長く形成して冷気との接触時間を長くする、或はフィン及び冷却用チューブの数を増やして冷却性能を高める等の手段が考えられる。しかしながら、これらの手段は熱交換器本体の大型化を来して庫内の有効スペースを減少させたり、部品の増加から製造コストを高騰させる等の問題がある。
【0004】本発明は、このような従来の問題を解消するためになされ、上記形式の熱交換器においては、冷却すべき戻し冷気の流入側ほぼ下半部で極めて効率的に熱交換されることに着目し、この部分で集中的に熱交換できるようにした熱交換器、及びその熱交換器を組み込んだ冷蔵庫を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するための技術的手段として、本発明は、一定の間隔をあけて並設された板状のフィンと、これらのフィンを貫通して一定の間隔で上下方向及び左右方向に列設された冷媒用チューブとを備えた熱交換器において、冷却すべき気体が流入するほぼ下半部のフィンを広幅に形成し、その広幅部分の冷媒用チューブの数を増すことにより、熱交換器のほぼ下半部を厚く形成した熱交換器を要旨とする。叉、庫内の上部にファンにより冷気が噴出される吹き出し口を有し、ほぼ中間部には戻し口を有すると共に、請求項1記載の熱交換器が要所に配設され、前記吹き出し口から噴出された冷気の一部は前記戻し口から前記熱交換器のほぼ中間部に戻されて熱交換され、庫内の下部に至った冷気は熱交換器の下部から流入して熱交換されるように構成した冷蔵庫を要旨とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る熱交換器及びその熱交換器を組み込んだ冷蔵庫の実施形態をそれぞれ添付図面に基づいて説明する。図1は、熱交換器を示す概略斜視図であり、1は薄板状のフィンで一定の間隔をあけて並設され、そのほぼ下半部は広幅Wに形成されている。
【0007】2は冷媒用チューブであり、前記フィン1を貫通して一定の間隔で上下方向及び左右方向にそれぞれ適数列設されている。この冷媒用チューブ2及びフィン1は熱伝導率の高い金属で形成されることが好ましい。
【0008】このように構成された熱交換器本体3は、フィン1の間に被冷却気体を通すと共に各冷媒用チューブ2に冷媒を通過させることで熱交換を行う。通常の熱交換器本体は、全体の形状が方形(直方体)を呈しているが、本発明に係る熱交換器本体3は、前記のようにほぼ下半部が広幅Wで厚く形成された略L型形状を呈している。これは、被冷却気体を熱交換器本体3の下部から上部に向けて通過させる時に、高効率に熱交換されるのはほぼ下半部特に冷媒用チューブ2の下から2〜3段目までの領域であることが実験により判明したためである。
【0009】図2は、前記熱交換器本体3を組み込んだ冷蔵庫の実施形態を示す概略断面図であり、冷蔵庫本体4の庫内4aの後部には隔壁4bが設けられ、この隔壁4aと後壁4cとの間に通気路4dが形成されている。叉、隔壁4bの上部には冷気の吹き出し口5が形成され、中間部の要所には戻し口6が形成され、その戻し口6の下部には隔壁段部4eが前方に突出して形成されている。
【0010】7は冷気循環用のファンであり、前記通気路4dの上部に前記吹き出し口5に臨ませて配設され、通気路4d内の冷気を吹き出し口5から庫内4aに噴出させるようにしてある。このファン7の下方には、隔壁段部4eに当てはめるようにして前記熱交換器本体3が配設され、通気路4dの下端部は冷気取り入れ口8となっている。
【0011】冷蔵庫本体4の庫内4aは、例えば隔壁段部4eを境にしてそれより上部領域が冷凍室Aに、下部領域が保冷室Bになるように仕切板9を介して区画され、更に冷凍室A及び保冷室Bには棚(図示せず)等が取り付けられて細分化される。尚、10、11は冷蔵庫本体4の前面にそれぞれ取り付けられた開閉用ドアである。
【0012】このように構成された冷蔵庫本体4において、駆動装置(図略)によってファン7が回転され、熱交換器本体3の冷媒用チューブ2には冷媒が循環して流される。ファン7により吹き出し口5から噴出された冷気は、先ず冷凍室A内に入って対流し、冷凍室A内を冷却した後に前記戻し口6から熱交換器本体3内に流入する。
【0013】この戻し冷気は、熱交換器本体3のほぼ中間部から流入すると共に上昇し、冷媒用チューブ2の間を通過する際に熱交換して冷却され、熱交換器本体3の上端部から通気路4d内に流れ込み、前記ファン7により再び冷凍室A内に噴出される。つまり、冷凍室Aと通気路4dとの間で循環される。
【0014】一方、吹き出し口5から噴出された冷気の一部(一般的には2〜3割程度)は、前記仕切板9の前端部の隙間叉は仕切板9に設けた小穴(図示せず)を通過して保冷室B内に流入し、この保冷室B内を対流して冷却した後に通気路4dの下端部即ち取り入れ口8に流入する。
【0015】取り入れ口8に流入した戻し冷気は、上昇して熱交換器本体3の下端部から内部にに流れ込み、冷媒用チューブ2の間を通過する際に熱交換して冷却される。冷却された戻し冷気は、熱交換器本体3の上端部から通気路4dの上部に流れ込み、前記戻し口6から戻されて冷却された冷気と共に、前記ファン7により再び冷凍室A内に噴出される。つまり、保冷室Bと通気路4dとの間で小循環される。この際、取り入れ口8からの戻し冷気は、熱交換器本体3の全領域で熱交換されるが、特に広幅に形成されたほぼ下半部を通過するため下から2〜3段目までの冷媒用チューブ2で効率良く冷却される。この場合、下半部の流入面積が大きいので、霜取り(デフロスト)を行うサイクルが長くでき省エネになる。
【0016】冷媒用チューブ2内を通過して熱交換された冷媒は、図示は省略したが凝縮器に戻されて放熱して液化し、蒸発器で再び気化されて冷媒用チューブ2内に供給されて循環使用される。この冷媒としては、アンモニア等の公知の冷媒を適宜選択することができる。
【0017】従来この種の冷蔵庫では、冷凍室A用と、保冷室B用との2台の熱交換器本体を必要としたが、本発明の場合は、上記のようにほぼ下半部を広幅に形成した1台の熱交換器本体3で済むため、製造コストを低減させることができる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、熱交換器のほぼ下半部(流入側)を広幅に厚く形成し、その広幅部分に冷媒用チューブ2を増設した構成にしたので、特に下から2〜3段目までの冷媒用チューブによって極めて効率良く熱交換することができ、これにより熱交換器全体を大型化することなく性能を向上させる効果を奏する。叉、本発明に係る熱交換器を冷気循環式の冷蔵庫に組み込み、冷凍室を介して循環する冷気は熱交換器の中間部から流入させてほぼ上半部領域のみを通過させ、保冷室を介して循環する冷気は熱交換器の下部から流入させて全領域を通過させることで、冷凍室用と冷蔵室用の熱交換器を1台の熱交換器で対応できると共に、必要且つ充分な熱交換を可能とし、このため冷蔵庫の製造コストを低減できる効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成11年10月6日(1999.10.6)
【代理人】 【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
【公開番号】 特開2001−108340(P2001−108340A)
【公開日】 平成13年4月20日(2001.4.20)
【出願番号】 特願平11−285529