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【発明の名称】 冷蔵庫
【発明者】 【氏名】船山 敦子

【氏名】荒木 邦成

【氏名】遠藤 幸広

【氏名】栗山 延明

【氏名】鶴海 英幸

【要約】 【課題】冷蔵庫において、コンパクトかつ安価な脱臭部材により、貯蔵室内の湿度を下げることができると共に、多量の臭気を脱臭することができるようにすること。

【解決手段】貯蔵室2、4、Aを形成する冷蔵庫本体と貯蔵室A内に配置される脱臭部材Bとを備えた冷蔵庫において、貯蔵室2、4、A内の水分を吸着して保持する吸湿性繊維と、貯蔵室2、4、A内の臭気成分24を吸着もしくは分解して脱臭する消臭性繊維21とを混在させて一体的に形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】扉により開閉される貯蔵室を形成する冷蔵庫本体と、前記貯蔵室内の水分を吸着して保持すると共に前記貯蔵室内の臭気成分を脱臭する脱臭部材とを備え、前記脱臭部材は、前記貯蔵室内の水分を吸着して保持する吸湿性繊維と、前記貯蔵室内の臭気成分を吸着もしくは分解して脱臭する消臭性繊維とを混在させて一体的に形成したことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】扉により開閉される貯蔵室を形成する冷蔵庫本体と、前記貯蔵室内の水分を吸着して保持しかつ保持した水分を放出すると共に前記貯蔵室内の臭気成分を脱臭する脱臭部材とを備え、前記脱臭部材は、前記貯蔵室内の水分を吸着して保持すると共に保持した水分を放出する吸放湿性繊維と、前記貯蔵室内の臭気成分を吸着もしくは分解して脱臭する消臭性繊維とを混在させて一体的に形成したことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項3】前記消臭性繊維は、架橋構造を有すると共に、金属塩の微粒子を含有したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】前記吸放湿性繊維は、アクリレート系の吸放湿性繊維とし、前記消臭性繊維は、アルカリ金属塩型カルボキシル基と架橋構造を有するアクリレート系繊維に酸化銀の微粒子を含有したものとすることを特徴とする請求項2または3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】前記脱臭部材を構成する何れかの繊維に第4級アンモニウム塩を含浸させたことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の冷蔵庫。
【請求項6】前記脱臭部材を構成する消臭性繊維の占める割合を21〜50重量%にすることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の冷蔵庫。
【請求項7】扉により開閉される貯蔵室を形成する冷蔵庫本体と、前記貯蔵室内の水分を吸着して保持すると共に前記貯蔵室内の臭気成分を脱臭する脱臭部材とを備え、前記脱臭部材は、前記貯蔵室内の水分を吸着して保持する吸湿性繊維と、前記貯蔵室内の臭気成分を吸着もしくは分解して脱臭する消臭性繊維とを混在させて一体的に板状に形成すると共に、前記貯蔵室の冷気通風口の近傍に配置したことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項8】扉により開閉される貯蔵室を形成する冷蔵庫本体と、収納物を高湿状態に貯蔵するために前記貯蔵室内に配置された貯蔵容器と、前記貯蔵室内の水分を吸着して保持すると共に前記貯蔵室内の臭気成分を脱臭する脱臭部材とを備え、前記脱臭部材は、前記貯蔵室内の水分を吸着して保持する吸湿性繊維と、前記貯蔵室内の臭気成分を吸着もしくは分解して脱臭する消臭性繊維とを混在させて一体的に板状に形成すると共に、前記貯蔵容器に設けた開口部に配置されて貯蔵容器の内外を連通することを特徴とする冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷蔵庫に係り、特に貯蔵室内の脱臭機能を持つ冷蔵庫に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来の脱臭機能を備えた冷蔵庫としては、例えば特開平7−12451号公報に記載されているように、冷蔵庫の野菜室において野菜容器上面の透湿膜部に膜状に成形した吸着材を一体化することにより、野菜や果物の鮮度を保持しつつ野菜室内を脱臭するものがある。この透湿膜は、シリコン薄膜と親水性ナイロン繊維を積層したもので、野菜容器内に貯蔵した野菜から蒸散した水分の飽和湿度以上の水分を徐々に透湿して野菜容器内を湿度80〜95%R.H.に保つためのものである。また、吸着材は、野菜容器内の野菜や果物から発生する臭いの分子を吸着して脱臭するためのものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術のものは、透湿膜と吸着材とを一体化していると言っても、両者を単に貼着しているのみであり、透湿膜による水分の透湿機能と、吸着材による脱臭機能とを単独で有しているに過ぎないものであり、吸着材の機能に透湿膜が相乗的に機能することについては記載されていない。
【0004】また、この従来技術のものは、透湿膜が食品自身の水分蒸散を透湿させるものであり、負荷少量時や負荷の水分含量が少ない場合において、透湿膜から水分を供給することについては記載されていない。
【0005】本発明の目的は、コンパクトかつ安価な構成で、脱臭部材に接する水分が吸湿性繊維に吸着されて保持されることにより、貯蔵室内に水分と共に存在している臭気成分がこの吸着されて保持される水分と一緒に脱臭部材内に集められ、この臭気成分が保持されている水分と共に保持されることにより脱臭部材内にとどめられ、このことにより消臭性繊維により効果的に吸着もしくは分解されて脱臭され、これにより多量の臭気を脱臭することができる冷蔵庫を提供するものである。
【0006】また、本発明の目的は、コンパクトかつ安価な構成で、貯蔵室内の水分が吸湿性繊維に吸着されて保持されることにより、貯蔵室内の臭気成分が水分と一緒に集められ、この臭気成分が水分により保持されて脱臭部材内にとどめられるため、臭気成分が消臭性繊維により効果的に脱臭することが出来ると共に、保持された水分が放出され、その後に新たな水分が吸着されて保持されることにより、臭気成分がこの新たに吸着される水分と一緒に集められて前述した効果的な脱臭が行われ、これが繰り返し行われることによりさらに多量の臭気を脱臭することができる冷蔵庫を提供するものである。
【0007】また、本発明の目的は、貯蔵室内に配置された貯蔵容器内を高湿に保持することができると共に、貯蔵容器内外の脱臭を良好に行うことができる冷蔵庫を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明の第1の特徴は、扉により開閉される貯蔵室を形成する冷蔵庫本体と、前記貯蔵室内の水分を吸着して保持すると共に前記貯蔵室内の臭気成分を脱臭する脱臭部材とを備え、前記脱臭部材は、前記貯蔵室内の水分を吸着して保持する吸湿性繊維と、前記貯蔵室内の臭気成分を吸着もしくは分解して脱臭する消臭性繊維とを混在させて一体的に形成したことにある。
【0009】本発明の第2の特徴は、扉により開閉される貯蔵室を形成する冷蔵庫本体と、前記貯蔵室内の水分を吸着して保持しかつ保持した水分を放出すると共に前記貯蔵室内の臭気成分を脱臭する脱臭部材とを備え、前記脱臭部材は、前記貯蔵室内の水分を吸着して保持すると共に保持した水分を放出する吸放湿性繊維と、前記貯蔵室内の臭気成分を吸着もしくは分解して脱臭する消臭性繊維とを混在させて一体的に形成したことにある。
【0010】好ましくは、前記消臭性繊維は、架橋構造を有すると共に、金属塩の微粒子を含有したことにある。
【0011】さらに好ましくは、前記吸放湿性繊維は、アクリレート系の吸放湿性繊維とし、前記消臭性繊維は、アルカリ金属塩型カルボキシル基と架橋構造を有するアクリレート系繊維に酸化銀の微粒子を含有したことにある。
【0012】そして、好ましくは、前記脱臭部材を構成する何れかの繊維に第4級アンモニウム塩を含浸させたことにある。
【0013】また、好ましくは、前記脱臭部材を構成する消臭性繊維の占める割合を21〜50重量%にしたことにある。
【0014】本発明の第3の特徴は、扉により開閉される貯蔵室を形成する冷蔵庫本体と、前記貯蔵室内の水分を吸着して保持すると共に、前記貯蔵室内の臭気成分を脱臭する脱臭部材とを備え、前記脱臭部材は、前記貯蔵室内の水分を吸着して保持する吸湿性繊維と、前記貯蔵室内の臭気成分を吸着もしくは分解して脱臭する消臭性繊維とを混在させて一体的に板状に形成すると共に、前記貯蔵室の冷気通風口の近傍に配置したことにある。
【0015】本発明の第4の特徴は、扉により開閉される貯蔵室を形成する冷蔵庫本体と、収納物を高湿状態に貯蔵するために前記貯蔵室内に配置された貯蔵容器と、前記貯蔵室内の水分を吸着して保持すると共に、前記貯蔵室内の臭気成分を脱臭する脱臭部材とを備え、前記脱臭部材は、前記貯蔵室内の水分を吸着して保持する吸湿性繊維と、前記貯蔵室内の臭気成分を吸着もしくは分解して脱臭する消臭性繊維とを混在させて一体的に板状に形成すると共に、前記貯蔵容器に設けた開口部に配置されて貯蔵容器の内外を連通する構成にしたことにある。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に基づき説明する。
【0017】図1〜図3において、1は冷蔵庫本体、2は冷凍室、3は冷凍室扉、4は冷蔵室、5は冷蔵室扉である。6は冷気循環用ファン、7はこのファン6を駆動するモータ、8はエバポレータである。Aは高湿野菜室、9はこの野菜室Aの扉であり、10はコンプレッサである。11は野菜室Aの密閉性を高めて間接冷却するために配した野菜容器蓋、Bは脱臭部材を構成する脱臭板、Cは野菜容器である。
【0018】冷蔵庫本体1は、貯蔵室を構成する冷凍室2、冷蔵室4及び高湿野菜室Aを上下に位置して形成している。この冷凍室2の背面部には冷気循環用ファン6及びエバポレータ8が配置されている。そして、冷凍室2、冷蔵室4及び高湿野菜室Aは、ダクト等を介してファン6及びエバポレータ8を有する空間に連通している。エバポレータ8及びコンプレッサ10は、冷媒が流れる配管で接続されて冷凍サイクルを構成している。
【0019】野菜容器Cは、野菜室A内に設置され、上面に野菜容器蓋11が設けられ、密閉した貯蔵容器を構成している。脱臭板Bは、この野菜容器蓋11の後部中央部に設けられた開口部11aを塞ぐように配置され、野菜容器C内外に面するように設けられている。この脱臭板Bが配置される位置は、野菜室Aに冷気が吐出される部分、即ち冷気通風口の近傍である。野菜容器蓋11の開口部11aの中央には梁部11bが設けられ、脱臭板Bが簡単に上方に外れないようになっている。脱臭板Bは、このように配置されることにより、後述するように野菜容器C内を調湿する機能を有することができる。
【0020】而して、冷気循環用ファン6を駆動することにより、各貯蔵室2、4、Aの空気は、エバポレーター8に吸込まれ、エバポレータ8で冷却された後、各貯蔵室2、4、Aへ戻され、各貯蔵室2、4、A内が冷却される。これにより、各貯蔵室2、4、A内の空気は総ての貯蔵室2、4、A内を循環することになる。
【0021】ここで、野菜室Aについてさらに説明する。野菜室Aには背面上部より冷気が流入するように構成されている。この流入した冷気は、野菜容器蓋11の上面と、野菜容器Cの下側に分岐され、野菜容器Cを覆うように冷気が流れ、野菜室Aの手前上部からエバポレーター8に戻るように構成されている。脱臭板Bは、野菜容器蓋11の上面を通る冷気と接するものであり、特に吹き出し口に近傍に設置され、冷気が集中してその上面を通ることより、冷気中の臭気を集中的に脱臭できるものである。
【0022】脱臭板Bは、主に繊維からなり、量産における組立性、取り扱い性を考慮してこれを板状に圧縮成形することにより剛性が付与されている。即ち、脱臭板Bは、機能性繊維の不織布から成る。この脱臭板Bを構成する繊維の種類は、吸放湿性能に優れたアクリレート系吸放湿性繊維、例えば日本エクスラン工業社製NX−72と、脱臭性能の優れたアクリレート系消臭性繊維、例えば、日本エクスラン工業社製NX−82Gと、剛性を持たせるために圧縮成形時に繊維を接着させるための熱融着性繊維、例えば熱融着性ポリエステル繊維と、その他の繊維とからなり、これらの繊維を混在して一体的に形成されている。その他の繊維とは、特別の機能を有しない一般繊維、例えばアクリル繊維である。なお、本実施例では吸放湿性繊維を用いているが、本発明では水分を吸着して保持する機能の吸湿性繊維を含むものである。
【0023】そして、吸放湿性繊維NX−72は特開平5−132858号公報に記載されている方法で製造できる。具体的にはアクリル繊維へヒドラジン処理によって架橋構造が導入される。得られた架橋繊維はさらに苛性ソーダ溶液で加水分解を行うとNa塩型カルボキシル基が導入され、吸放湿性繊維が得られる。尚、カルボキシル基の塩型は、アルカリ金属であればよく、Naに限定されない。
【0024】また、消臭性繊維NX−82Gは、特開平9−241967号公報に記載されている方法で製造できる。具体的にはアクリル繊維へヒドラジン処理によって架橋構造が導入される。得られた架橋繊維はさらに苛性ソーダ溶液で加水分解を行うとカルボキシル基が導入され、次いで硝酸銀水溶液処理を行い、銀イオンに置換された繊維となる。得られた繊維を苛性ソーダ水溶液で処理を行い、Na塩型カルボキシル基を有する消臭性繊維である酸化銀微粒子含有繊維が得られる。カルボキシル基の塩型については上記と同様である。
【0025】なお、酸化銀は微粒子として繊維内部に存在するが、上記架橋構造とアルカリ金属塩型カルボキシル基を含有する構造に含有されることにより微粒子の酸化銀を内部に保持させることが出来、酸化銀の容易な脱落の無い消臭性能に優れた消臭性繊維が得られる。
【0026】前記脱臭板Bの吸放湿性繊維は、繊維内部に多くのアルカリ金属塩型カルボキシル基を含有するため、貯蔵室内の水分を多量に吸着して保持することが出来ると共に、繊維内部に架橋構造を有するため、保持した水分を放出する機能を有している。また、前記消臭性繊維は、貯蔵室内の臭気成分を吸着もしくは分解して脱臭する機能を有しており、架橋構造を有すると共に金属塩の微粒子を含有したものであり、具体的には、アルカリ金属塩型カルボキシル基と架橋構造を有する繊維に酸化銀の微粒子を含有させたものである。
【0027】ここで、図4を用いて脱臭板Bのより具体的な構成及び機能を模式的に説明する。脱臭板Bは、図4に示すように吸放湿性繊維27、消臭性繊維21、熱融着性繊維28及びその他の繊維29とが混在して一体化されている。この脱臭板Bの消臭性繊維21は、その1本を模式的に拡大した図に示すように、架橋結合26を有するアクリレート系繊維にNa塩型カルボキシル基22と、繊維内部に酸化銀の微粒子23を含有している。この脱臭板Bが接する野菜容器C内外の空気中の臭気成分、例えばメチルメルカプタン24は、酸化銀の微粒子23により酸化分解されて脱臭されるものと考えられる。その反応式を次に示す。
Ag2O+CH3SH+3/2O2→Ag2S+CO2+2H2Oここで生成した水分25は、吸放湿性繊維中のアルカリ金属塩型カルボキシル基もしくは一部残存した消臭性繊維内部のアルカリ金属塩型カルボキシル基22に吸着し、調湿に有効に活用される。
【0028】次に、本発明の脱臭板Bにおける各繊維の混率による性能について説明する。
【0029】まず、消臭性繊維21の混率について図5および表1を用いて説明する。本発明の脱臭板Bの消臭性繊維21の混率を変えて、メチルメルカプタン残存率で表わす脱臭性能を経過時間と共に測定し、従来の公知の低温活性脱臭触媒を用いた冷蔵庫(従来品)と比較検討した結果、図5に示すように、脱臭板Bの消臭性繊維21の含有率を21重量%以上にすれば、所定時間の経過後に従来品より脱臭性能が上回ることが判明した。また、脱臭板Bの消臭性繊維21の混率を上げるほど性能は向上するが、表1の如く、消臭性繊維21の混率が50重量%を超えると、強度が所定以下に低下することが判明した。
【0030】
【表1】

【0031】従って、脱臭板Bの消臭性繊維21の混率は21〜50重量%にすることが望ましい。
【0032】また、脱臭板Bは、量産における組立性、取り扱い性を考慮してこれを板状に圧縮成形することにより強度(剛性)を付与することが望ましいが、そのためには熱融着性繊維28の混在が必要である。この熱融着性繊維28の混率による強度(剛性)の変化は表2に示す通りであり、熱融着性繊維28の混率が40重量%以下になると、強度が所定以下に低下することが判明した。
【0033】
【表2】

【0034】従って、脱臭板Bを板状に圧縮成形するためには、熱融着性繊維28の混率を40重量%以上にすることが必要である。
【0035】さらには、吸放湿性繊維27については、常に水分を保持していることが必要であるが、特に、すばやく水分を吸湿することができると、水分と一緒に集められる臭気成分をすばやく吸着でき、脱臭性能が向上する。従って、好ましくは従来同様の吸放湿性繊維量を保持することが必要であり、例えば、33重量%以上が有効である。
【0036】また、脱臭板Bは、吸放湿性繊維27が水分を保有し、その水分が集める臭気成分を消臭性繊維21が化学吸着もしくは化学分解し、脱臭効果を発揮するようにするものであるため、吸放湿性繊維27と消臭性繊維21は近接するように配置することが必要である。
【0037】貯蔵室内部に脱臭板Bを設置することにより、負荷多量時、あるいは扉開閉により外部の暖気が低温の貯蔵室内に流入した場合には、室内の余分な水分を吸湿する事によって結露の発生を防ぎ、貯蔵室内が所定湿度以上の時には内部に水分を保持し、負荷少量時あるいは水分含有量の少ない食品が負荷として収納される等により貯蔵室内の湿度が低下した場合には、保持した水分を蒸散させて室内の食品の保存に適した湿度に調整することができる。上述のような構成としたことにより、脱臭板B内部には、食品貯蔵中には常に水分を保持することが出来、水分を吸着材として効果的に脱臭することができる。
【0038】更に、水分を常に保持しているため、菌の繁殖には優位な環境となるが、繊維の表面を例えば第4級アンモニウム塩の如き抗菌剤で覆うもしくは繊維に抗菌剤を化学的に含有させる等の加工を施し、脱臭板に抗菌剤を坦持せしめる事により、菌の繁殖を防ぐことができる。
【0039】なお、脱臭部材に第4級アンモニウム塩を含浸させて抗菌性を付与する場合、その加工方法は問わない。即ち、該部材を構成する何れかの繊維に予め含浸処理を施しておいてから脱臭部材としてもよいし、成形された脱臭板に含浸処理を施してもよい。
【0040】本発明の冷蔵庫においては、貯蔵室内の水分を吸着して保持する吸湿性繊維27と臭気成分を吸着もしくは分解して脱臭する消臭性繊維21とを混在させて一体的に形成して脱臭部材Bとしているので、コンパクトかつ安価な構成で、脱臭部材Bに接する水分が吸湿性繊維27に吸着されて保持されることにより貯蔵室内の湿度を下げることができ、また、貯蔵室内に水分と共に存在している臭気成分がこの吸着されて保持される水分と一緒に脱臭部材B内に集められ、この臭気成分が保持されている水分と共に保持されることにより脱臭部材B内にとどめられ、このことにより消臭性繊維21により効果的に吸着もしくは分解されて脱臭され、これにより多量の臭気を脱臭することができる。
【0041】そして、貯蔵室内の水分を吸着して保持すると共に保持している水分を放出する吸放湿性繊維27と貯蔵室内の臭気成分を吸着もしくは分解して脱臭する消臭性繊維21とを混在させて一体的に形成して脱臭部材Bとしているので、コンパクトかつ安価な構成で、貯蔵室内の水分が吸放湿性繊維27に吸着されて保持されることにより、貯蔵室内の臭気成分が水分と一緒に集められ、この臭気成分が水分により保持されて脱臭部材B内にとどめられるため、臭気成分を効果的に脱臭することが出来ると共に、保持された水分が放出され、その後に新たな水分が吸着されて保持されることにより、臭気成分がこの新たに吸着される水分と一緒に集められて前述した効果的な脱臭が行われ、これが繰り返し行われることによりさらに多量の臭気を脱臭することができる。
【0042】また、架橋構造を有すると共に、金属塩の微粒子23を含有した消臭性繊維21を脱臭部材Bに用いているので、より優れた脱臭効果を得ることができる。
【0043】さらには、アクリレート系の吸放湿性繊維27と、アルカリ金属塩型カルボキシル基22と架橋構造を有する繊維に酸化銀の微粒子23を含有させた消臭性繊維21を脱臭部材Bに用いているので、より一層優れた調湿効果と脱臭効果を得ることができる。
【0044】また、脱臭部材Bに第4級アンモニウム塩を含浸させているので、水分が保持されて菌の繁殖に適した環境にもかかわらず、脱臭部材Bが菌等で汚染されるのを確実に防止することができる。尚、ここで言う第4級アンモニウム塩には例えばアルキルトリメチルアンモニウム塩やアルキルジメチルべンジルアンモニウム塩等がある。
【0045】さらに、脱臭部材Bを構成する消臭性繊維21の占める割合を21〜50重量%にしているので、脱臭性能及び加工性に優れた脱臭部材を得ることができる。
【0046】また、脱臭部材Bを貯蔵室の冷気通風口の近傍に配置しているので、庫内を循環する空気中の臭気成分を集中的に除去することができる。
【0047】さらに、貯蔵容器Cに設けた開口部11aに脱臭部材Bを配置し、この脱臭部材Bを介して貯蔵容器Cの内外を連通するので、貯蔵容器C内を高湿に保持することができると共に、貯蔵容器C内外の脱臭を良好に行うことができる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、コンパクトかつ安価な構成で、貯蔵室内の水分が吸湿性繊維に吸着されて保持されることにより貯蔵室内の湿度を下げることができ、また、貯蔵室内の臭気成分が水分と一緒に集められ、この臭気成分が保持されている水分と共に保持されることにより脱臭部材内にとどめられ、このことにより消臭性繊維により効果的に吸着もしくは分解されて脱臭され、これにより多量の臭気を脱臭することができる冷蔵庫を得ることができる。
【0049】また、コンパクトかつ安価な構成で、貯蔵室内の水分が吸放湿性繊維に吸着されて保持されることにより、貯蔵室内の臭気成分が水分と一緒に集められ、この臭気成分が水分により保持されて脱臭部材内にとどめられるため、臭気成分が消臭性繊維により効果的に脱臭することが出来ると共に、保持された水分が放出され、その後に新たな水分が吸着されて保持されることにより、臭気成分がこの新たに吸着される水分と一緒に集められて前述した効果的な脱臭が行われ、これが繰り返し行われることによりさらに多量の臭気を脱臭することができる冷蔵庫を得ることができる。
【0050】さらには、貯蔵室内に配置された貯蔵容器内を高湿に保持することができると共に、密閉容器内外の脱臭を良好に行うことができる冷蔵庫を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【識別番号】000004053
【氏名又は名称】日本エクスラン工業株式会社
【出願日】 平成11年9月17日(1999.9.17)
【代理人】 【識別番号】100068504
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男 (外1名)
【公開番号】 特開2001−91145(P2001−91145A)
【公開日】 平成13年4月6日(2001.4.6)
【出願番号】 特願平11−264408