| 【発明の名称】 |
冷蔵庫 |
| 【発明者】 |
【氏名】及川 巧
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| 【要約】 |
【課題】冷蔵庫内の湿度変化に対して十分な吸放湿性能を発揮する調湿部材を設置して、食品の鮮度保持を図ることができる冷蔵庫を提供する。
【解決手段】吸放湿特性を有する調湿部材22として、吸水性を有する微粒子状の有機ゲル(例えば、ポリアクリル酸重合体)を用いて、該調湿部材22を野菜室16の野菜容器18内に配する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】吸放湿特性を有する調湿部材を断熱箱体内に設置した冷蔵庫において、前記調湿部材として吸水性を有する微粒子状の有機ゲルを用いたことを特徴とする冷蔵庫。 【請求項2】前記有機ゲルの平均粒子径が0.01〜100μmであることを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。 【請求項3】前記有機ゲルの平均粒子径が0.05〜10μmであることを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。 【請求項4】前記有機ゲルがポリアクリル酸またはその誘導体であることを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。 【請求項5】前記有機ゲルを0.1〜100g用いたことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。 【請求項6】前記調湿部材が前記有機ゲルを保持体に分散担持させたものであることを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。 【請求項7】前記保持体が保水性を有することを特徴とする請求項6記載の冷蔵庫。 【請求項8】断熱箱体内にカバーで覆われた貯蔵容器を配し、この貯蔵容器内に前記調湿部材を配したことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。 【請求項9】前記調湿部材を、前記貯蔵容器内の食品に接触しない位置に配したことを特徴とする請求項8記載の冷蔵庫。 【請求項10】前記断熱箱体内に抗菌材を配したことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。 【請求項11】前記保持体に抗菌材を担持させたことを特徴とする請求項6記載の冷蔵庫。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、冷蔵庫に関し、特に食品の保存に適した湿度に調整する機能を持つ冷蔵庫に関する。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】食品の鮮度保持において貯蔵温度とともに湿度を高湿度に保つことは特に青果物の貯蔵で有効である。しかしながら、ダクト内に配した熱交換器で冷却された冷気をファンで冷蔵室内に供給し、この冷気を循環させることによって冷蔵室内を冷却する間接冷却方式の冷蔵庫では、熱交換器で冷気中の水分が凝縮してしまうため、食品から出た水分が除かれた状態で冷気が冷蔵室内に戻り、食品は次第に乾燥してしまう。 【0003】この問題を解決するために、冷蔵庫内に吸放湿性部材を配置する方法が提案されている(特開平9−280719号公報など)。しかしながら、冷却時における冷蔵庫内の湿度変化は著しく、10〜20分で50%以上の湿度低下があり、通常の吸放湿性部材では水分の放出速度が遅いためにほとんど効果がないのが現状である。 【0004】本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、冷蔵庫内の湿度変化に対して十分な吸放湿性能を発揮して、食品の鮮度保持を図ることができる冷蔵庫を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の冷蔵庫は、吸放湿特性を有する調湿部材を断熱箱体内に設置した冷蔵庫において、前記調湿部材として吸水性を有する微粒子状の有機ゲルを用いたものである。 【0006】請求項2記載の冷蔵庫は、請求項1において、前記有機ゲルの平均粒子径が0.01〜100μmであることを特徴とする。 【0007】請求項3記載の冷蔵庫は、請求項1において、前記有機ゲルの平均粒子径が0.05〜10μmであることを特徴とする。 【0008】請求項4記載の冷蔵庫は、請求項1において、前記有機ゲルがポリアクリル酸またはその誘導体であることを特徴とする。 【0009】請求項5記載の冷蔵庫は、請求項1において、前記有機ゲルを0.1〜100g用いたことを特徴とする。 【0010】請求項6記載の冷蔵庫は、請求項1において、前記調湿部材が前記有機ゲルを保持体に分散担持させたものであることを特徴とする。 【0011】請求項7記載の冷蔵庫は、請求項6において、前記保持体が保水性を有することを特徴とする。 【0012】請求項8記載の冷蔵庫は、請求項1において、断熱箱体内にカバーで覆われた貯蔵容器を配し、この貯蔵容器内に前記調湿部材を配したことを特徴とする。 【0013】請求項9記載の冷蔵庫は、請求項8において、前記調湿部材を、前記貯蔵容器内の食品に接触しない位置に配したことを特徴とする。 【0014】請求項10記載の冷蔵庫は、請求項1において、前記断熱箱体内に抗菌材を配したことを特徴とする。 【0015】請求項11記載の冷蔵庫は、請求項6において、前記保持体に抗菌材を担持させたことを特徴とする。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施に関連する事項について説明する。 【0017】まず、調湿部材に用いる吸水性を有する微粒子状の有機ゲルについて説明する。 【0018】一般に、ポリアクリル酸などの吸水性を有する有機ゲル(以下、吸水ゲルという。)は、自重の100倍以上の水分を吸収できることが知られており、冷蔵庫の大きさに対して十分な保水性能を有している。このような吸水ゲルは、一般に粒子状に合成されるが、その取り扱い易さから数百μm〜数mmの粒子径に合成される。しかしながら、このような粒子径の大きい一般の吸水ゲルでは、吸水量は多いものの、吸放湿速度が遅い。そのため、一定環境下で1時間以上の時間をかけて湿度調整する場合には問題にならないが、10〜20分で50%以上の湿度低下があり、短時間で大量の水蒸気を放出する必要のある冷蔵庫の調湿部材して用いる場合には、十分な吸放湿性能を発揮することができない。そこで、本発明では、かかる吸水ゲルとして微粒子状のものを用いている。吸水ゲルを微粒子状にすることにより、吸水ゲル全体としての表面積を大きくすることができ、吸放湿速度を向上させることができる。 【0019】図4に吸水ゲルの粒子径の違いによる放湿特性の違いを示している。吸水ゲルとして、粒子径が0.1〜1,000μmの6種類のポリアクリル酸重合体をそれぞれ20g用い、十分に吸湿させた後、それぞれ23℃、40%の密閉容器(60cm×40cm×30cm)内に入れて、密閉容器内の湿度変化を調べた。 【0020】図4に示すように、粒子径が小さいほど吸水ゲルからの水分の放出速度が大きくなる。冷蔵庫の調湿部材として用いる場合、t=5〜10分程度で放湿する必要があり、このような観点から、吸水ゲルの平均粒子径は100μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以下である。 【0021】一方、吸水ゲルは、粒子径が小さくなりすぎると、粒子同士の凝集が起こりやすく、逆に表面積を減少させてしまうことがある。このような観点から、吸水ゲルの平均粒子径は、0.01μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.05μm以上である。 【0022】以上より、吸水ゲルの平均粒子径は、0.01〜100μmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜10μmである。 【0023】このような微粒子状の吸水ゲルは、数百μm〜数mmの粒子径で合成された一般の吸水ゲルを冷凍粉砕などの手法で微細化することにより得ることができる。また、特開平11−62028号公報や特開平11−57465号公報に記載された方法によって直接合成してもよい。 【0024】本発明の吸水ゲルとしては、ポリアクリル酸もしくはその誘導体の他、カルボキシル基を有するビニル単量体、スルホン酸基を有するビニル単量体、リン酸基を有するビニル単量体などを重合、架橋したものが挙げられる。冷蔵庫の調湿部材として用いる場合、ゲル自体の毒性の問題、臭いの問題などを考慮して、上記の中でも、ポリアクリル酸もしくはその誘導体が好ましい。 【0025】吸水ゲルの使用量は多いほど調湿効果が大きいため好ましいが、調湿部材を庫内に投入した初期の段階では、乾燥した吸水ゲルが食品から出た水分を吸湿するため、あまり多く使用すると逆に庫内を乾燥させてしまう。そのため、吸水ゲルの使用量としては0.1〜100gが好ましい。 【0026】次に、この吸水ゲルを用いた調湿部材について説明する。 【0027】上記のように本発明の吸水ゲルは微粒子状であるため、取り扱い性を考慮して、調湿部材としては、吸水ゲルを保持体に分散担持させたものを用いることが好ましい。 【0028】このような吸水ゲルを担持する保持体は、特に限定されず、例えば合成樹脂製のフィルムやシートなどを用いることもできるが、微粒子状のゲルを分散した状態に効率的に付着させることができるような空隙率の高い(表面積の大きい)構造体が好ましい。具体的には、不織布、メッシュ、織編物などの布帛、多孔質シリカ、珪藻土、アロフェン、アルミナシリカなどの多孔質体などが好ましい例として挙げられる。 【0029】また、保持体は、吸水ゲルの吸放湿を補うことができるように保水性を有することが好ましい。このような保水性を付与するため、保持体は、ポリエステル、ポリアミド、軟質塩化ビニル樹脂などで構成されていることが好ましい。 【0030】吸水ゲルを保持体に担持させる方法は特に限定されない。例えば、上記布帛の表面に接着剤を塗布し、その上に微粒子状の吸水ゲルをふりかけることにより、該布帛の表面に吸水ゲルを均一に分散した状態に接着させる方法が挙げられる。 【0031】本発明の調湿部材は、カバーで覆われた貯蔵容器内に設置されることが好ましい。このような貯蔵容器としては、野菜室に配される野菜容器が挙げられる。野菜室は、新鮮で水分を多く含んだ野菜を貯蔵するところであるため、冷蔵庫の中でも特に湿度調整が求められるからである。 【0032】この場合、調湿部材は、貯蔵容器内における食品に接触しない位置、例えば貯蔵容器の天井面や後面上部などに配置することが好ましい。これにより、吸水ゲルが野菜などの食品と直接接触することがなくなり、食品の水分を局所的に大量に吸収するのを防止することができる。 【0033】本発明の冷蔵庫においては、吸水ゲルが水分を常に蓄えているため、調湿部材には低温に強いカビが繁殖しやすい。また、本発明の冷蔵庫は常時高湿度に保持されるため、庫内にカビが発生する懸念がある。そこで、庫内には抗菌材を配置することが好ましい。また、上記保持体に吸水ゲルと共に抗菌材を担持させることにより、カビの発生をさらに抑えることができる。 【0034】冷蔵庫内に抗菌材を配置する手法としては、貯蔵容器などの冷蔵庫内のプラスチック成形部品に抗菌材を練り込んだり、抗菌材を含む塗料をこれら成形部品に塗布したり、あるいはまた、ユーカリ油などの揮発性抗菌材を庫内に配置する手法が挙げられる。 【0035】抗菌材を保持体に担持させる手法としては、粒子状の抗菌材であれば、吸水ゲルを担持させる方法と同様の手法を用いることができる。繊維状の抗菌材であれば上記布帛の製造時にそのまま織り込むこともできる。 【0036】このような抗菌材としては、有機系、無機系の抗菌材のいずれを用いてもよい。有機系の抗菌材としては、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール(TB2)、10,10’−オキシビスフェノキサアルシン(OBPA)、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド(A3)、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(M3)、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛(ZPT)、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル−ピリジン(S−100))などが挙げられる。無機系の抗菌材としては、銀、銅、亜鉛などの金属や、これらの金属をゼオライト、シリカアルミナなどの無機の担体に担持させたものなどが挙げられる。 【0037】以下に、図1〜3に基づいて、本発明の1実施形態に係る冷蔵庫10について説明する。 【0038】図1に示すように、この冷蔵庫10は、上段に冷蔵室12、中段に冷凍室14、下段に野菜室16を有する家庭用の冷凍冷蔵庫である。野菜室16には、図2に示すように、野菜を貯蔵するための野菜容器18が配されている。この野菜容器18は上面が開口しており、この上面開口部にカバー20が被せられている。これにより、野菜容器18内に庫内を循環する冷気が直接吹き込まれるのを防止して、野菜容器18内が高湿度になっている。 【0039】本実施形態では、この野菜容器18内に、上記した微粒子状の吸水ゲルを備えることにより吸放湿特性を持った調湿部材22が設置されている。調湿部材22は、野菜容器18内に収納された野菜に接触しないように、野菜容器18の天井面であるカバー20の下面に取り付けられている。詳細には、調湿部材22は、カバー20の下面に取り付けられたホルダー24に着脱自在に取り付けられている。 【0040】調湿部材22は、表面に接着剤を用いて微粉末状の吸水ゲルを分散担持させた不織布26を、図3に示すように、枠体28に固定することで形成されている。そして、この調湿部材22を、下面に多数の開口30が設けられたホルダー24内にスライドさせて取り付けるようになっている。 【0041】この実施形態の冷蔵庫10であると、冷蔵庫内の湿度変化に対して十分な吸放湿性能を有する調湿部材22を野菜室16内に設置したため、新鮮で水分を多く含んだ野菜を貯蔵する野菜容器18内の湿度変化を抑制して、高湿度状態を定常的に保持することができ、野菜の鮮度を保持することができる。 【0042】また、調湿部材22が、野菜容器18の天井面に配置され、吸水ゲルに野菜が直接接触しないように構成されているので、野菜の水分を局所的に大量に吸収するのを防止することができる。 【0043】 【実施例】実施例1上記した図1〜3に示すように、野菜室16の野菜容器18内に調湿部材22を設置した。調湿部材22としては、平均粒子径1.2μmのポリアクリル酸重合体5gを、20cm角のポリプロピレン製不織布26の表面に、接着剤を用いて分散担持させ、これをポリプロピレン製の枠体28に固定したものを用いた。 【0044】この調湿部材22を野菜容器18内のホルダー24に取り付け、この状態で、野菜容器18内の底部中央に設けた湿度センサ(不図示)により、野菜容器18内の湿度変化を測定した。 【0045】また、野菜容器18内にブロッコリー150gを貯蔵して、その重量変化からブロッコリーの水分の蒸発量(水分減少率)を測定した。 【0046】なお、野菜容器18の容積は57Lとし、また、冷蔵庫10は、野菜室16の温度が3〜8℃となるように制御して運転した。 【0047】実施例2吸水ゲルを担持する不織布26として、20cm角のポリエステル製不織布を用いた以外は、実施例1と同様にして、野菜容器18内の湿度変化と、ブロッコリーの水分の蒸発量を測定した。 【0048】比較例1野菜容器18内に調湿部材22を設置せずに、実施例1と同様に、野菜容器18内の湿度変化と、ブロッコリーの水分の蒸発量を測定した。 【0049】比較例2調湿部材22に用いる吸水ゲルとして平均粒子径800μmのポリアクリル酸重合体5gを用い、その他は実施例2と同様にして、野菜容器18内の湿度変化と、ブロッコリーの水分の蒸発量を測定した。 【0050】実施例1,2及び比較例1,2について、野菜容器18内の湿度変化を図5に、ブロッコリーの水分減少率を図6に示した。 【0051】図5に示すように、実施例1,2では、野菜容器18内の湿度変化を、比較例1,2の湿度変化に対し半分以下に抑えることができ、高湿度状態を定常的に保持することができた。実施例1と実施例2との比較では、保水性を有する不織布26を用いた実施例2の方が、わずかではあるが、湿度変化を更に小さく抑えることができた。 【0052】また、図6に示すように、実施例1,2では、比較例1,2に対して、大幅にブロッコリーの水分蒸発を抑えることができた。 【0053】実施例3上記した図1〜3に示すように、野菜室16の野菜容器18内に調湿部材22を設置した。調湿部材22としては、平均粒子径1.2μmのポリアクリル酸重合体5gを、20cm角のポリエステル製不織布26の表面に、接着剤を用いて分散担持させ、これをポリプロピレン製の枠体28に固定したものを用いた。ここで、不織布26としては、抗菌材として銅繊維を不織布全体に対して10重量%あらかじめ織り込んだものを用いた。 【0054】この調湿部材22を野菜容器18内のホルダー24に取り付け、この状態で、30日間、冷蔵庫10を通常状態で使用して、調湿部材22の不織布26の外観を観察した。その結果、不織布26にはカビによると思われる黒い点が現れず、衛生的であった。 【0055】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、冷蔵庫内の湿度変化に対して十分な吸放湿特性を有する調湿部材を断熱箱体内に配したので、庫内を湿度変化を小さくして高湿度を維持し、食品の鮮度保持を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成11年9月27日(1999.9.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100059225 【弁理士】 【氏名又は名称】蔦田 璋子 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−91144(P2001−91144A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月6日(2001.4.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−271789 |
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