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【発明の名称】 冷蔵庫
【発明者】 【氏名】天明 稔

【氏名】今久保 賢治

【要約】 【課題】冷凍モードから冷蔵モードに冷媒流路を切り替えた後、アキュムレータに滞留している液冷媒を蒸発させることにより、冷媒の分布を速やかに冷蔵モードに適したものにしてロスを低減させるようにした冷蔵庫及び冷蔵庫の制御方法を提供すること。

【解決手段】アキュムレータ74と連結パイプ104を熱交換させるために、連結パイプ104の途中の部分をアキュムレータ74に接触させる。連結パイプ104が冷凍庫内に入ったところでアキュムレータ74と熱交換させることにより、アキュムレータ74内に滞留した冷媒は加熱されて蒸発し、逆に連結パイプ104を流れる過熱ガスは冷却される。これにより、Fエバ52の入口の温度が低くなり、またアキュムレータ74に滞留する冷媒が蒸発することにより速やかにRモードに適した冷媒分布となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】圧縮機と、凝縮器と、冷蔵用キャピラリーチューブと、冷蔵用送風機を備えた冷蔵用蒸発器と、冷凍用キャピラリーチューブと、冷凍用送風機を備えた冷凍用蒸発器と、アキュムレータとを接続して冷媒流路を構成し、冷媒流路には冷凍用キャピラリーチューブに流れる冷媒を合流させると共に冷蔵用蒸発器と冷凍用蒸発器との間に介設して冷媒を流す連結部材を備え、冷蔵用キャピラリーチューブ、冷蔵用蒸発器、連結部材及び冷凍用蒸発器に冷媒を流す冷蔵モードと、冷凍用キャピラリーチューブ、連結部材及び冷凍用蒸発器に冷媒を流す冷凍モードとを切り替える切替弁を冷媒流路に介設した冷蔵庫において、連結部材の熱とアキュムレータ側の熱を熱交換することを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】連結部材とアキュムレータを接触させることを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項3】アキュムレータより低い位置の連結部材の箇所より枝分かれさせた枝管を上方に向けて形成し、枝管とアキュムレータを熱交換することを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項4】一端側を連結部材と、他端側をアキュムレータと接触させた伝熱板を備えていることを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項5】伝熱板はヒートパイプで構成していることを特徴とする請求項4記載の冷蔵庫。
【請求項6】連結部材と冷凍用蒸発器の出口パイプを接触させることを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項7】圧縮機と、凝縮器と、冷蔵用キャピラリーチューブと、冷蔵用送風機を備えた冷蔵用蒸発器と、冷凍用キャピラリーチューブと、冷凍用送風機を備えた冷凍用蒸発器と、アキュムレータとを接続して冷媒流路を構成し、冷媒流路には冷凍用キャピラリーチューブに流れる冷媒を合流させると共に冷蔵用蒸発器と冷凍用蒸発器との間に介設して冷媒を流す連結部材を備え、冷蔵用キャピラリーチューブ、冷蔵用蒸発器、連結部材及び冷凍用蒸発器に冷媒を流す冷蔵モードと、冷凍用キャピラリーチューブ、連結部材及び冷凍用蒸発器に冷媒を流す冷凍モードとを冷媒流路に介設した切替弁により切り替え制御するようにした冷蔵庫の制御方法において、冷凍モードより冷蔵モードに切り替える際、一定時間、低圧側への冷媒の流入を遮断するモードを持たせて制御していることを特徴とする冷蔵庫の制御方法。
【請求項8】圧縮機は回転数を可変して能力可変とし、回転数によって冷媒の流入を遮断するモードの時間を変えていることを特徴とする請求項7記載の冷蔵庫の制御方法。
【請求項9】冷媒の流れを遮断している期間、冷凍用送風機を回転させ、冷蔵用送風機は停止させることを特徴とする請求項7記載の冷蔵庫の制御方法。
【請求項10】冷凍室からの冷気をダンパにより制御し、冷凍温度帯から冷蔵温度帯まで温度制御が可能な区画室を備え、前記区画室の温度設定が冷凍温度設定である場合、冷媒を遮断するモードのときダンパを開いて冷気を導入することを特徴とする請求項7記載の冷蔵庫の制御方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷蔵用の蒸発器と冷凍用の蒸発器との2つの蒸発器を備え、冷媒流路を切替弁と2つのキャピラリーチューブによって冷蔵モード、冷凍モードを交互に冷却するようにした冷蔵庫及び冷蔵庫の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】先ず、従来例を説明するが、冷蔵庫の構成自体は実施例と同じなので、実施例の図面を用いて従来例を説明する。
【0003】図7は冷蔵庫10の構成を示し、上から冷蔵室14、野菜室16、製氷室20、冷蔵温度帯から冷凍温度帯まで任意に温度設定が可能な温度切替室18、冷凍室22が設けられている。冷蔵室14と冷凍室22との間には断熱仕切体24で仕切られている。
【0004】図12は庫内の冷気の流れを示し、冷凍用蒸発器(以下、Fエバという)52で作られた冷気は、冷凍用送風機56で冷凍室22に送られ、冷却しFエバ52に戻る。同様に冷蔵用蒸発器(以下、Rエバという)50で作られた冷気は、冷蔵用送風機54で冷蔵室14、野菜室16に送られ、冷却しRエバ50に戻る。
【0005】図13は本冷蔵庫10のサイクル構成を示し、圧縮機46で圧縮・加圧された高温の冷媒はコンデンサ100で放熱され、コンデンサ100から出た冷媒は三方弁68に入る。冷蔵室14を冷却する場合(冷蔵モード)は、冷蔵用キャピラリーチューブ(Rキャピ)70、冷凍室22を冷却する場合(冷凍モード)は、冷凍用キャピラリーチューブ(Fキャピ)72に冷媒が流れるように三方弁68により冷媒流路を切り替える。
【0006】そして、冷蔵モード時は冷蔵用送風機54を、冷凍モード時は冷凍用送風機56を冷媒流路の切り替えと同時に運転する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図14は冷凍室冷却モード(以下、Fモードという。)、図15は冷蔵室冷却モード(以下、Rモードという。)の安定時のサイクル内の冷却分布を示したものである。コンデンサ100、Rエバ50、Fエバ52内の斜線部分は飽和液冷媒を示す。コンデンサ100では放熱、凝縮することにより出口付近では飽和液冷媒の比率が高まり、逆にRエバ50、Fエバ52では吸熱、蒸発することにより出口付近では飽和蒸気の比率が高まる。Rエバ50、Fエバ52で蒸発しきれなかった冷媒は、Fモードではアキュムレータ74に、RモードではFエバ52にそれぞれ溜まる。
【0008】図14では、Fモードでサイクルが動いている状態を示している。Fエバ52では冷媒は蒸発し、一部の飽和液冷媒がアキュムレータ74に溜まっている。Rエバ50の出口と、Fエバ52の入口は連結パイプ104によりつながっているが、冷媒の蒸発温度より冷蔵室庫内温度が高いため、Rエバ50には液冷媒は滞留することはない。
【0009】図15では、Rモードでサイクルが動いている状態を示している。Rエバ50で冷媒は蒸発し、一部の飽和液冷媒がFエバ52、アキュムレータ74に溜まっている。
【0010】FモードからRモードに切り替わるとき、速やかに冷媒分布が図14の分布から図15の分布に変わる必要がある。
【0011】FモードよりRモードに切り替えた直後の過渡状態では、サイクル中の冷媒がFエバ52及びアキュムレータ74に残っているため、一時的に冷媒不足となり、Rエバ50に必要な冷媒が流れてこず、Rエバ50の下流、出口付近では冷媒は蒸発しきり、温度が高い過熱蒸気となり、熱交換できず、Rエバ50の伝熱面積を有効に使うことができないという問題があった。また、この時、Fエバ52の入口は、Rエバ50の出口の過熱蒸気が流れ込み、温度が上がる問題もあった。
【0012】このように、従来では冷媒流路をFモードよりRモードに切り替えるとき、一時的に冷媒分布の偏りのため、Rエバ50が有効に使えず、サイクル効率が低下する問題があった。
【0013】そこで、本発明は上記問題点に鑑み、冷凍室を冷却する冷凍モードから冷蔵室を冷却する冷蔵モードに冷媒流路を切り替え後、アキュムレータに滞留している液冷媒を蒸発させることにより、冷媒の分布を速やかに冷蔵モードに適したものにしてロスを低減させるようにした冷蔵庫及び冷蔵庫の制御方法を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の冷蔵庫は、圧縮機と、凝縮器と、冷蔵用キャピラリーチューブと、冷蔵用送風機を備えた冷蔵用蒸発器と、冷凍用キャピラリーチューブと、冷凍用送風機を備えた冷凍用蒸発器と、アキュムレータとを接続して冷媒流路を構成し、冷媒流路には冷凍用キャピラリーチューブに流れる冷媒を合流させると共に冷蔵用蒸発器と冷凍用蒸発器との間に介設して冷媒を流す連結部材を備え、冷蔵用キャピラリーチューブ、冷蔵用蒸発器、連結部材及び冷凍用蒸発器に冷媒を流す冷蔵モードと、冷凍用キャピラリーチューブ、連結部材及び冷凍用蒸発器に冷媒を流す冷凍モードとを切り替える切替弁を冷媒流路に介設した冷蔵庫において、連結部材の熱とアキュムレータ側の熱を熱交換することを特徴としている。
【0015】請求項2の冷蔵庫は、請求項1のものにおいて、連結部材とアキュムレータを接触させることを特徴としている。
【0016】請求項3の冷蔵庫は、請求項1のものにおいて、アキュムレータより低い位置の連結部材の箇所より枝分かれさせた枝管を上方に向けて形成し、枝管とアキュムレータを熱交換することを特徴としている。
【0017】請求項4の冷蔵庫は、請求項1のものにおいて、一端側を連結部材と、他端側をアキュムレータと接触させた伝熱板を備えていることを特徴としている。
【0018】請求項5の冷蔵庫は、請求項4のものにおいて、伝熱板はヒートパイプで構成していることを特徴としている。
【0019】請求項6の冷蔵庫は、請求項1のものにおいて、連結部材と冷凍用蒸発器の出口パイプを接触させることを特徴としている。
【0020】請求項7の冷蔵庫の制御方法は、圧縮機と、凝縮器と、冷蔵用キャピラリーチューブと、冷蔵用送風機を備えた冷蔵用蒸発器と、冷凍用キャピラリーチューブと、冷凍用送風機を備えた冷凍用蒸発器と、アキュムレータとを接続して冷媒流路を構成し、冷媒流路には冷凍用キャピラリーチューブに流れる冷媒を合流させると共に冷蔵用蒸発器と冷凍用蒸発器との間に介設して冷媒を流す連結部材を備え、冷蔵用キャピラリーチューブ、冷蔵用蒸発器、連結部材及び冷凍用蒸発器に冷媒を流す冷蔵モードと、冷凍用キャピラリーチューブ、連結部材及び冷凍用蒸発器に冷媒を流す冷凍モードとを冷媒流路に介設した切替弁により切り替え制御するようにした冷蔵庫の制御方法において、冷凍モードより冷蔵モードに切り替える際、一定時間、低圧側への冷媒の流入を遮断するモードを持たせて制御していることを特徴としている。
【0021】請求項8の冷蔵庫の制御方法は、請求項7のものにおいて、圧縮機は回転数を可変して能力可変とし、回転数によって冷媒の流入を遮断するモードの時間を変えていることを特徴としている。
【0022】請求項9の冷蔵庫の制御方法は、請求項7のものにおいて、冷媒の流れを遮断している期間、冷凍用送風機を回転させ、冷蔵用送風機は停止させることを特徴としている。
【0023】請求項10の冷蔵庫の制御方法は、請求項7のものにおいて、冷凍室からの冷気をダンパにより制御し、冷凍温度帯から冷蔵温度帯まで温度制御が可能な区画室を備え、前記区画室の温度設定が冷凍温度設定である場合、冷媒を遮断するモードのときダンパを開いて冷気を導入することを特徴としている。
【0024】本発明の請求項1の冷蔵庫であると、連結部材とアキュムレータとを熱交換させることで、アキュムレータ内に滞留した冷媒は加熱されて蒸発し、逆に連結部材を流れる過熱ガスは冷却されることにより、冷凍用蒸発器の入口の温度が低くなり、また、アキュムレータに滞留する冷媒が蒸発することで、速やかに冷蔵モードに適した冷媒分布とすることができる。
【0025】請求項2の冷蔵庫であると、連結部材とアキュムレータとを接触させていることで、効率の良い熱交換を行なうことができる。
【0026】請求項3の冷蔵庫であると、位置的に連結部材とアキュムレータとを接触させることが困難な場合でも、連結部材に形成した枝管により連結部材とアキュムレータとを容易に熱交換させることができる。
【0027】請求項4及び請求項5の冷蔵庫であると、連結部材とアキュムレータとを直接接触させなくても、伝熱板あるいはヒートパイプを介して連結部材とアキュムレータを熱交換させることができる。
【0028】請求項6の冷蔵庫であると、連結部材と冷凍用蒸発器の出口パイプを接触させていることで、両者の熱交換により冷凍用蒸発器の出口の液冷媒を蒸発させることができる。
【0029】請求項7の冷蔵庫の制御方法であると、一定時間、低圧側に冷媒の流入を遮断することで、冷凍用蒸発器に滞留している冷媒を高圧側の圧縮機で回収し、一定時間の後、冷蔵用蒸発器に冷媒を流すことで、速やかに冷蔵モードの冷媒分布とすることができる。
【0030】請求項8の冷蔵庫の制御方法であると、圧縮機の回転数が高い場合は、冷凍用蒸発器の冷媒を早く回収することができる。
【0031】請求項9の冷蔵庫の制御方法であると、冷凍用送風機を回転させて、冷凍用蒸発器と冷凍室庫内の空気と熱交換させることで、冷媒の蒸発を促進させ、回収に要する時間を短くすることができる。
【0032】請求項10の冷蔵庫の制御方法であると、ダンパを開くことで、冷凍用蒸発器と区画室の空気と熱交換させることで、回収に要する時間を短くすることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】(第1の実施例)以下、本発明の第1の実施例を図1〜図11に基づいて説明する。
【0034】先ず、冷蔵庫の全体の構成について図6〜図11に基づいて説明する。
【0035】図6は、本実施例の冷蔵庫10の正面図であり、図7は、冷蔵庫10の各扉を開けた状態の正面図である。
【0036】まず、図6及び図7に基づいて冷蔵庫10の構成を説明する。
【0037】冷蔵庫10の本体であるキャビネット12には、上段から冷蔵室14、野菜室16、温度切替室18、冷凍室22が設けられている。また、温度切替室18の左側には製氷室20が設けられている。そして、野菜室16と温度切替室18、製氷室20との間には断熱仕切体24が配されている。
【0038】冷蔵室14には、ヒンジによって開閉する冷蔵室扉14aが設けられている。また、この冷蔵室14の下部には、約0℃付近で庫内温度を維持するチルド室26が設けられている。
【0039】野菜室16は、引出式の野菜室扉16aが設けられ、この扉と共に野菜容器28が引き出し可能となっている。野菜容器28にはクリスパカバー29によって覆われている。
【0040】温度切替室18には、引出式の温度切替室扉18aが設けられ、この扉と共に温度切替室容器30が引き出し可能となっている。
【0041】冷凍室22にも、引出式の冷凍室扉22aが設けられ、この扉と共に冷凍容器32が引き出し可能となっている。
【0042】製氷室20は、図9に示すように、その天井部付近に製氷装置34が設けられ、この下方には貯氷容器36が設けられている。
【0043】製氷装置34は、製氷皿38と、それを回転させる駆動部40と、貯氷容器36の氷の量を検知する検氷レバー42とよりなる。なお、製氷皿38に水を供給するタンク44は、チルド室26の左側に設けられている。
【0044】次に、図8〜図11に基づいて、冷蔵庫10の冷凍サイクルの構造及びその配置について説明する。
【0045】まず、圧縮機46は、図9に示すように、キャビネット12の底部、すなわち冷凍室22の後方下部に設けられている機械室48に設けられている。
【0046】冷蔵庫10の蒸発器は冷蔵用と冷凍用の2つ存在し、冷蔵用蒸発器(以下、Rエバという)50は野菜室16の後方に配され、冷凍用蒸発器(以下、Fエバという)52は冷凍室22の後方上部に設けられている。また、Rエバ50の上方には冷蔵用送風機(以下、Rファンという)54が設けられ、Fエバ52の上方には冷凍用送風機(以下、Fファンという)56が設けられている。また、Rエバ50の下方には除霜ヒータ96が設けられている。Fエバ52の下方には除霜ヒータ98が設けられている。
【0047】ところで、温度切替室18の左側壁と底板は断熱構造となっている。これによって、温度切替室18の庫内温度を冷蔵室と同じ温度に設定しても、周囲に存在する冷凍室22等からの温度影響を受けることがない。さらに、温度切替室18の背面板も断熱構造となっているため、Fエバ52からの温度影響を受けることもない。
【0048】この冷凍サイクルの装置の配置を概説したものが図10であり、その冷媒流路を示したブロック図が図11である。以下、この図10及び図11に基づいて、冷媒の流れについて説明する。
【0049】圧縮機46から出た冷媒は、マフラー58、放熱パイプ60、凝縮器62、防露パイプ64、ドライヤー66を経て三方弁68に至る。三方弁68において冷媒流路は分岐し、一方は冷蔵用キャピラリーチューブ70に向かい、他方は冷凍用キャピラリーチューブ72に向かう。冷蔵用キャピラリーチューブ70から前記したRエバ50に至り、冷凍用キャピラリーチューブ72の出口側と1つになり、前記したFエバ52に至る。その後、アキュムレータ74、サクションパイプ76を通って圧縮機46に戻る。
【0050】ここで、上記で説明していない各装置の冷蔵庫10における取付位置を説明する。
【0051】凝縮器62は、図10に示すように、複数回折曲されて板状に構成され、図9に示すように、冷凍室22の底部下方に配されている。また、アキュムレータ74は、図8に示すように、Fエバ52の右側に取り付けられている。
【0052】次に、上記構成の冷凍サイクルにおける冷気の流れを冷蔵庫10の図8及び図9を用いて説明する。
【0053】まず、Rエバ50によって冷却された冷気の流れについて説明する。
【0054】Rエバ50によって冷却された冷気は、Rファン54の前側から、野菜室16の後方に位置する冷蔵分岐空間78に送り込まれる。この冷蔵分岐空間78の上部は、冷蔵室14の背面に設けられている冷蔵ダクト80に接続され、この冷蔵ダクト80に冷気が送られる。冷蔵ダクト80は、図8に示すように、冷蔵室14の下部で二股に分かれ、ほぼU字状の形状をなしている。冷蔵ダクト80の前面には所定間隔毎に冷気の吹出口82が設けられ、これら吹出口82から冷蔵室14に冷気が吹き込まれる。冷蔵室14を冷却した冷気はチルド室26、タンク44の下方を通って(図9参照)、Rファン54及びRエバ50の左右に設けられたリターンダクト84に流れ(図8参照)、Rエバ50の下方に吹き出される。そして、この冷気は再びRエバ50で冷却されて、Rファン54の位置に至る。
【0055】一方、冷蔵分岐空間78からは、野菜室16のクリスパカバー29に沿って吹き出され、野菜室16を冷却する(図9参照)。この冷気は、野菜容器28の底部を前から後ろに向かって流れ、リターン開口部88に至ってRエバ50に循環する(図8参照)。
【0056】次に、Fエバ52によって冷却された冷気の流れを説明する。
【0057】Fエバ52によって冷却された冷気はFファン56により、冷凍分岐空間90に至る。この冷凍分岐空間90の上部は製氷装置34に通じており、冷気はこの上部から製氷装置34に吹き出す。また、冷凍分岐空間90の下部は、冷凍室22の冷凍容器32の背面板に開口している孔33と、冷凍容器32の上面に通じており、冷気は、この下部から冷凍容器32内部に向かって吹き出す。
【0058】製氷室20を冷却した冷気は冷凍室22の前面に流れ、冷凍室22の冷凍容器32の内部を冷却した冷気は冷凍室22の前面に流れる。そして、この冷気は冷凍容器32の前面に沿って下方に流れ、底部を通ってリターンダクト92に至る。リターンダクト92に流れ込んだ冷気は、Fエバ52に循環する。
【0059】図8及び図9に示すように、冷凍分岐空間90の右側には、温度切替室18に冷気を送るためのダンパ装置94が設けられ、このダンパ装置94のダンパの開閉によって、温度切替室18に送る冷気の量を調整され、その庫内温度を調整する。温度切替室18を冷却した冷気は、温度切替室18の底部からFエバ52に通じるリターンダクト95に流れ込みFエバ52に循環する。
【0060】また、Rエバ50、Fエバ52は、所定の温度以下になった場合には、除霜ヒータ96、98により除霜される。
【0061】次に本発明の要旨について説明する。図2にFモードよりRモードに切り替った直後の冷媒分布を示す。これは図14のFモード安定状態から図15のRモードの安定状態に移る過渡状態となっている。Rエバ50の出口では冷媒は蒸発しきっていて過熱ガスとなっている。その過熱ガスがFエバ52の入口に流入するが、該Fエバ52の出口付近及びアキュムレータ74には液冷媒が滞留している。そのため、Rエバ50に十分な冷媒が供給されない。
【0062】Fエバ52の入口から流れ込む過熱ガスにより徐々にFエバ52の出口及びアキュムレータ74も加熱され液冷媒が減少し、図15の冷媒分布に変わる。この時のRエバ50の入口、出口、Fエバ52の入口、出口及びアキュムレータ74の温度変化を図3に示す。FモードからRモードへの切り替え直後のRエバ50の入口の温度が下がっているが、出口の温度がそれに対し高く、連結パイプ104でつながるFエバ52の入口の温度も高くなっていることも分かる。
【0063】図1に冷蔵庫のFエバ52周りの構造を示す。Rエバ50の出口につながる連結パイプ104の温度はRモードに切り替った直後は、Rエバ50の出口では過熱ガスとなっており、そのまま連結パイプ104を通りFエバ52に流れ込むため、アキュムレータ74より高い温度となっている。
【0064】そこで、連結パイプ104が冷凍庫内に入ったところでアキュムレータ74と熱交換させることにより、アキュムレータ74内に滞留した冷媒は加熱されて蒸発し、逆に連結パイプ104を流れる過熱ガスは冷却されることにより、Fエバ52の入口の温度が低くなり、またアキュムレータ74に滞留する冷媒が蒸発することにより速やかにRモードに適した冷媒分布となる。
【0065】具体的には図1に示すように、アキュムレータ74と連結パイプ104を熱交換させるために、連結パイプ104の途中の部分をアキュムレータ74に接触させている。連結パイプ104とアキュムレータ74との密着度を良くするために、両者をアルミテープで巻き付けたり、また、金属の板で連結パイプ104をアキュムレータ74に固定する等の方法で、連結パイプ104とアキュムレータ74とを密着させるようにしても良い。
【0066】(第2の実施例)第1の実施例では、連結パイプ104自体とアキュムレータ74を接触させて熱交換させていたが、連結パイプ104の位置関係では接触させることが困難な場合もある。その場合、何らかの手段で熱交換させる必要がある。
【0067】ところで、一般的にアキュムレータ74はFエバ52より高い位置に取り付けられている。位置が高く温度が低い物と、位置が低く温度が高い物を熱交換させる手段として、冷媒の蒸発/凝縮の相変化を利用するサーモサイフォンがある。その原理を用いた例を図4に示す。
【0068】図4に示すように、アキュムレータ74より位置が低い連結パイプ104の部分より枝管106を枝分かれさせて一体に形成している。なお、この枝管106は略L型に形成されていて、その先端は閉塞されている。そして、枝管106を上方に位置するアキュムレータ74に伸ばして接触させている。この枝管106とアキュムレータ74との接触のさせ方は第1の実施例の場合と同様である。
【0069】アキュムレータ74に接触し冷やされた枝管106の内部に接触する冷媒ガスは凝縮して液冷媒となる。このとき、アキュムレータ74は加熱される。凝縮した液冷媒は重力により落下し、連結パイプ104に流れ込む。連結パイプ104には過熱ガスが流れているため、再度そこで蒸発する。この動作を行なうことにより、Fエバ52及びアキュムレータ74の液冷媒が蒸発する。
【0070】(第3の実施例)第1、第2の実施例では、連結パイプ104または枝管106を直接アキュムレータ74と熱交換させていたが、本実施例では図5に示すように伝熱板108を用いて離れた位置の連結パイプ104とアキュムレータ74を熱交換させるようにしている。ただし、アキュムレータ74と連結パイプ104と伝熱板108が置かれる雰囲気温度は、アキュムレータ74<雰囲気温度<連結パイプ104であり、伝熱板108が雰囲気温度の影響を受けないようにアキュムレータ74と連結パイプ104をつなぐ伝熱板108の距離は短い方が望ましい。
【0071】(第4の実施例)先の第3の実施例では、熱伝達に伝熱板108を用いたが、熱を伝える部材としてヒートパイプ(図示せず)を用いるようにしても良い。
【0072】(第5の実施例)第1の実施例から第4の実施例においては、アキュムレータ74を連結パイプ104で加熱する方法を説明してきたが、本実施例では、Fエバ52の出口付近にも冷媒は滞留しているため、連結パイプ104とFエバ52の出口パイプ110(図2参照)と熱交換させるようにしている。これによりFエバ52の出口の液冷媒が蒸発する。
【0073】(第6の実施例)上記実施例1〜実施例5では、Fエバ52のアキュムレータ74及び出口付近を連結パイプ104等で加熱して過渡特性を改善してきた。
【0074】コンデンサ100の出口の三方弁68で冷媒の流れを2本のキャピラリーチューブ70、71のどちらかに切り替えるのではなく、本実施例ではどちらのキャピラリーチューブ70、71にも冷媒を流さないモードを持たせるようにする。あるいは、三方弁68の他に冷媒の流れを止める二方弁(図示せず)を付加し、冷媒がエバ50、52側に流れないモードを持たせるようにしても良い。
【0075】このように、本実施例では、FモードよりRモードに切り替える際、前記弁を動作させ一定時間キャピラリーチューブ70、71に冷媒が流れ込まないようにすることにより、Fエバ52に滞留している冷媒を高圧側の圧縮機46で回収し、一定時間の後、前記弁を開きRエバ50に冷媒を流すことで、速やかにRモードの冷媒分布とすることができる。
【0076】(第7の実施例)実施例6は圧縮機46を運転することによりFエバ52中の冷媒を回収していた。そのため、圧縮機46の能力によりその回収に要する時間が異なることになる。圧縮機46の回転数が高い場合は短く、低い場合は長くかかる。例えば、圧縮機46の回転数が30rpsの場合90秒、70rpsの場合は30秒のようになる。すなわち、本実施例では、圧縮機46の回転数が可変可能な場合はその回転数によって冷媒の流入を遮断するモードの時間を変えているものである。
【0077】(第8の実施例)実施例6において、圧縮機46でFエバ52内の冷媒を回収する場合、Fエバ52内の圧力は通常の運転時より低くなり、液冷媒が蒸発しサクションパイプ76を通って圧縮機46に流れる。そのため、そのとき冷凍用送風機56を運転することにより、Fエバ52と冷凍室22の庫内空気を熱交換させることにより冷媒の蒸発は促進され、回収に要する時間を短くすることができる。この時、Rエバ50には液冷媒が無いため、冷蔵用送風機54を運転する必要が無く停止させている。
【0078】(第9の実施例)実施例8では、Fエバ52と冷凍室22と熱交換を行なわせていた。本発明の冷蔵庫の場合のように、Fエバ52からの冷気を分配し、その冷気の流れをダンパ装置94のダンパで制御して、冷凍温度帯から冷蔵温度帯まで温度を制御することが可能な温度切替室18を持つ場合、その温度切替室18が冷凍温度に設定されている場合、実施例8の運転を行なっている場合では、上記ダンパを開くことにより、Fエバ52とその温度切替室18とも熱交換させることができ、Fエバ52中の冷媒の回収に要する時間を短くすることができる。
【0079】
【発明の効果】以上により本発明の冷蔵庫及び冷蔵庫の制御方法であると、冷凍モードから冷蔵モードに切り替わるときの冷媒分布の遅れを改善することができ、これにより、一時的に冷媒分布が偏ることがなく、Rエバが有効に使え、サイクル効率の低下を防止できる。
【0080】また、連結パイプとアキュムレータとを直接接触させたり、伝熱板を用いて熱交換させているので、複雑な制御を必要とせず、コストの上昇を防ぐことができる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成11年9月27日(1999.9.27)
【代理人】 【識別番号】100059225
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 璋子 (外1名)
【公開番号】 特開2001−91136(P2001−91136A)
【公開日】 平成13年4月6日(2001.4.6)
【出願番号】 特願平11−271791