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【発明の名称】 冷蔵庫
【発明者】 【氏名】嶋崎 樹一

【要約】 【課題】クリスパカバーの上面を流れる冷気が扉のガスケットに直接当たることなく、そのヒートリンクを防止することができる冷蔵庫を提供する。

【解決手段】クリスパカバー54の前部から上方に向かって遮蔽壁62を突設させ、クリスパカバー54の上面を流れてきた冷気をクリスパカバー54の冷気開口部58と容器50の冷気流し口60に誘導し、冷気が扉18aのガスケット44の方向に流れないようにして、熱のリーク量を低減するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】冷蔵庫の冷却室に配された引出式の容器の上面に、水分の蒸発を防止するカバーが配されると共に、冷気をカバーの上面に沿って後から前へ流し、さらに、容器の前方へ流す冷蔵庫において、カバーの前部とこの冷却室の扉との間に、冷気を扉の後面へ当たらないように遮蔽する遮蔽壁を設けたことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】遮蔽壁を、カバーの前端部から上方へ突設したことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項3】遮蔽壁を、冷却室とその上方の冷却室とを仕切る仕切り部から下方に突設したことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項4】遮蔽壁を、扉の後面から突設したことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項5】遮蔽壁を、容器の前端部から突設したことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項6】遮蔽壁を、弾性部材により形成したことを特徴とする請求項1から5記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、冷蔵庫の野菜室のクリスパカバーの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冷蔵庫における野菜室の構造は、野菜室内部に扉と共に引き出される野菜室容器(以下、単に容器という)が配されている。そして、この容器に収納された野菜からの水分の乾燥を防止するために、この容器の上面にはクリスパカバーが配されている。
【0003】一方、冷気は、野菜室の後面にあるエバーカバーの上部から前方に向かって吹出し、クリスパカバーの上面に沿って流れ、さらに、容器の前方から底面に流れるものである。これによって、容器内部には冷気が入らず、その周囲を冷気が流れることにより間接的に野菜を乾燥しないように冷却する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図10に示すように、上記の野菜室100の構造では、クリスパカバー102の上面を流れる冷気が、容器108の方向に流れる以外に野菜室100の扉104のガスケット106近傍に当たるため、この付近からのヒートリンクが大きいという問題点があった。
【0005】そこで、本発明は上記問題点に鑑み、クリスパカバーの上面を流れる冷気が扉のガスケットに直接当たることなく、そのヒートリンクを防止することができる冷蔵庫を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の冷蔵庫は、冷蔵庫の冷却室に配された引出式の容器の上面に、水分の蒸発を防止するカバーが配されると共に、冷気をカバーの上面に沿って後から前へ流し、さらに、容器の前方へ流す冷蔵庫において、カバーの前部とこの冷却室の扉との間に、冷気を扉の後面へ当たらないように遮蔽する遮蔽壁を設けたものである。
【0007】請求項2の冷蔵庫は、請求項1のものにおいて、遮蔽壁を、カバーの前端部から上方へ突設したものである。
【0008】請求項3の冷蔵庫は、請求項1のものにおいて、遮蔽壁を、冷却室とその上方の冷却室とを仕切る仕切り部から下方に突設したものである。
【0009】請求項4の冷蔵庫は、請求項1のものにおいて、遮蔽壁を、扉の後面から突設したものである。
【0010】請求項5の冷蔵庫は、請求項1のものにおいて、遮蔽壁を、容器の前端部から突設したものである。
【0011】請求項6の冷蔵庫は、請求項1〜5記載のものにおいて、遮蔽壁を、弾性部材により形成したものである請求項1の冷蔵庫であると、カバーの前部と冷却室の扉との間に、遮蔽壁を設けることにより、カバーの上面に沿って後ろから前に流れてきた冷気がこの遮蔽壁によって遮蔽されて、扉の後面に直接当たることがない。そのため、ガスケット付近からヒートリンクを起こすことがない。
【0012】請求項2の冷蔵庫は、遮蔽壁をカバーの前端部から上方へ突設したものである。
【0013】請求項3の冷蔵庫は、遮蔽壁を仕切部から下方に突設したものである。
【0014】請求項4の冷蔵庫は、遮蔽壁を扉の後面から突設したものである。
【0015】請求項5の冷蔵庫は、遮蔽壁を、容器の前端部から突設したものである。
【0016】請求項6の冷蔵庫は、遮蔽壁を弾性部材により形成し、引出式容器の引き出しを容易にしたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1の実施例)以下、本発明の第1の実施例を図1〜図4に基づいて説明する。
【0018】図1は、本実施例の冷蔵庫10の正面図であり、図2は図1におけるI−I線断面図である。
【0019】冷蔵庫10のキャビネット12の中央部には縦方向に断熱壁14が設けられ、キャビネット12の右側が冷蔵空間となり、左側が冷凍空間となっている。
【0020】冷蔵空間はその上方から第1冷蔵室16、野菜室18、第2冷蔵室20が配されている。また、冷凍空間はその上方から第1冷凍室22、製氷室24、第2冷凍室26が配されている。
【0021】冷蔵空間の背面底部には、機械室28が配され、圧縮機30が配されている。また、野菜室18の背面には、冷蔵空間用の蒸発器32と、この蒸発器32によって冷却された冷気を冷蔵空間に送風するためのファン34が設けられている。そして、蒸発器32と野菜室18との間にはエバカバー36が設けられ、エバカバー36の上部には、ファン34によって送風された冷気を野菜室18の上部に吹き出すための吹出口38が設けられている。
【0022】野菜室18と、第1冷蔵室16との間における前部には、仕切部40が左右方向に架設されている。この仕切部40の前面は金属板より形成され、第1冷蔵室16の扉16aと野菜室18の扉18aのガスケット42,44が吸着する。仕切部40の後部から、キャビネット12の背面に向かって、第1冷蔵室16と野菜室18を仕切るための合成樹脂製の仕切板46が配されている。そして、この仕切板46の後部には、第1冷蔵室16から野菜室18に冷気を送るための連通口48が開口している。
【0023】野菜室18に配されている野菜室容器(以下、単に容器という)50は、扉18aとともに引き出し可能となっている。また、この容器50の後部上方には、小容器52が設けられている。さらに、容器50の上面には、容器50を覆い、その内部に収納された野菜からの水分の蒸発を防止するためのクリスパカバー54が設けられている。このクリスパカバー54は、容器50を野菜室18に収納した状態で、容器50の上面開口部を覆い、一方、容器50を前方に引き出した場合には、野菜室18の天井面に残るものである。
【0024】容器50の前面上部には、図3に示すように、フランジ部56が設けられ、このフランジ部56の上面には、冷気を上から下に流すための冷気開口部58が複数個開口している。
【0025】クリスパカバー54は、図3に示すように、その周縁部を残して中央部が冷気が流れやすいように凹んでおり、かつ、クリスパカバー54の冷気が流れるための冷気流し口60が前端部に沿って複数開口している。さらに、これら複数の冷気流し口60の前方に位置するクリスパカバー54の前端部から冷気を遮蔽するための遮蔽壁62が上方に突設されている。
【0026】このクリスパカバー54と容器50と扉18aとの関係を示したものが図4の要部拡大縦断面図である。
【0027】図4に示すように、扉18aを閉じた場合には、ガスケット44が仕切部40の前端部に密着する。そして、クリスパカバー54が、容器50の上面開口部を覆う状態となる。
【0028】この場合に、容器50の冷気開口部58の上方に、クリスパカバー54の冷気流し口60が位置し、冷気は、クリスパカバー54の上面に沿って後ろから前へ流れた後、冷気流し口60から冷気開口部58を通って容器50の前方に流れる。従来にあっては、冷気がガスケット44の方向に流れるが、本実施例ではクリスパカバー54の前端部から突設された遮蔽壁62がその冷気の流れを遮断し、冷気流し口60に誘導するため、ガスケット44近傍に冷気が流れることがない。そのため、この部分からの熱のリーク量を低減させることができる。
【0029】これにより、庫内温度が上昇するのを防止することができ、消費電力量の低減を図ることができる。
【0030】(第2の実施例)図5は、第2の実施例の容器50とクリスパカバー54の分解斜視図である。本実施例と第1の実施例の異なる点は、容器50のフランジ部56に冷気開口部58を設けるのでなく、図5に示すように冷気が通過可能なように冷気凹部64を2個設けている点にある。
【0031】本実施例であっても、冷気が遮蔽壁62に当って冷気流し口60、冷気凹部64を通って流れるため、ガスケット44近傍からの熱リーク量を低減させることができる。
【0032】なお、この容器50の構造は、以下に説明する第3から第6の実施例でも適用できる。
【0033】(第3の実施例)図6は、第3の実施例の要部拡大縦断面図であり、本実施例と第1の実施例の異なる点は、遮蔽壁62の設ける場所にある。
【0034】すなわち、本実施例では遮蔽壁62を仕切部40の前部から下方に向かって突設したものである。
【0035】この遮蔽壁62であっても、クリスパカバー54の上面を後ろから前へ流れてきた冷気を冷気流し口60、冷気開口部58に誘導することができ、ガスケット44近傍からの熱のリーク量を低減させることができる。
【0036】(第4の実施例)図7は、第4の実施例の要部拡大縦断面図であり、本実施例と第1の実施例の異なる点は、遮蔽壁62の設ける場所にある。
【0037】すなわち、本実施例では遮蔽壁62を扉18aの上部後面からL字状に突設している。
【0038】この遮蔽壁62であっても、クリスパカバー54の上面を後ろから前へ流れてきた冷気を冷気流し口60と冷気開口部58に誘導することができ、ガスケット44近傍からの熱のリーク量を低減させることができる。
【0039】(第5の実施例)図8は、第8の実施例の要部拡大縦断面図であり、本実施例と第1の実施例の異なる点は、遮蔽壁62の設ける場所にある。
【0040】すなわち、本実施例では遮蔽壁62を容器50のフランジ部56の前端部から上方に突設したものである。
【0041】この遮蔽壁62であっても、クリスパカバー54の上面を後ろから前へ流れてきた冷気を冷気流し口60、冷気開口部58に沿って誘導することができ、ガスケット44近傍からの熱リーク量を低減することができる。
【0042】(第6の実施例)図9は、第6の実施例の要部拡大縦断面図であり、本実施例と第1の実施例の異なる点は、遮蔽壁62の材質にある。
【0043】すなわち、本実施例では、遮蔽壁62をクリスパカバー54と同一の材料である合成樹脂でなく、弾性部材(例えば、ゴム)よりなるパッキンによって形成し、クリスパカバー54に別部材として取り付けたものである。
【0044】この弾性体よりなる遮蔽壁62であっても、冷気を冷気流し口60、冷気開口部58に誘導することができると共に、遮蔽壁62の前端部が仕切部40の底面に密着するため、完全に冷気の流れを遮断することができる。
【0045】なお、本実施例の弾性体の遮蔽壁62を、第2の実施例から第5の実施例の遮蔽壁62に代えて取付けることも可能である。
【0046】
【発明の効果】以上により本発明の冷蔵庫であると、カバーの前部と冷却室の扉との間に、遮蔽壁を設けることにより、冷気を扉の後面へ当たらないように遮蔽することができ、熱のリーク量を低減することができる。そのため、庫内温度の上昇を防止することができ、省電力化を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成11年9月21日(1999.9.21)
【代理人】 【識別番号】100059225
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 璋子 (外1名)
【公開番号】 特開2001−91134(P2001−91134A)
【公開日】 平成13年4月6日(2001.4.6)
【出願番号】 特願平11−266964