| 【発明の名称】 |
冷却装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】久野 朝則
【氏名】花岡 哲
|
| 【要約】 |
【課題】可撓性密封袋内に封入されている内容物を効率よく迅速に冷却することのできる冷却装置を得ること。
【解決手段】冷却装置1は、塑性変形する内容物を封入した可撓性密封袋2を載置して搬送する上下段のコンベア手段3U,3Lと、コンベア手段3U,3Lにより搬送される可撓性密封袋2に冷却水Wを散水して袋内の内容物を冷却する上下段の散水手段とを備えて成り、散水手段4Uによる散水領域の途中に、散水中の可撓性密封袋2を局部的に押下してコンベア手段3Uの上面3aに押し付ける押下棒54を有する袋押圧手段5を設けたものである。また、コンベア手段3U,3Lによる搬送経路3Rの途中で、かつ、散水手段による散水領域の途中には、可撓性密封袋2を天地反転させる袋反転手段6が配備されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 塑性変形する内容物を封入した可撓性密封袋を載置して搬送するコンベア手段と、コンベア手段により搬送される可撓性密封袋に冷却水を散水して袋内の内容物を冷却する散水手段とを備えて成り、散水手段による散水領域の途中に、散水中の可撓性密封袋を局部的に押下してコンベア手段の上面に押し付ける袋押圧手段を設けたことを特徴とする冷却装置。 【請求項2】 コンベア手段による搬送経路の途中で、かつ、散水手段による散水領域の途中に、内容物入りの可撓性密封袋を天地反転させる袋反転手段を配備したことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、可撓性密封袋に封入された内容物を袋入りのままで冷却する冷却装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の冷却装置としては、熱い内容物を封入した可撓性密封袋をコンベア上で搬送しながら、シャワー水または低温のチラー水を可撓性密封袋に散水して袋内の内容物を冷却するようにしたものが知られている。しかしながら、かかる冷却装置のように袋の表面に単にシャワー水やチラー水をかけるだけでは、たとえシャワーリングが十分になされたとしても内容物の奥芯部が冷やされるまでに長時間かかる。このように、内容物を長時間高温のままにしておくと、例えば内容物が製造直後の熱い食品である場合、内容物Fの高温部分が色ヤケして外周部と奥芯部とで色ムラを生じたり、風味が落ちることがある。また、長時間の稼動を伴うので、多量の冷却水や駆動電源を必要とする。 【0003】そこで、内容物を袋内で動かしつつ冷却する冷却装置が開発されている。かかる冷却装置を図10に示す。図示の冷却装置61は、内容物F入りの可撓性密封袋2をコンベア63上で搬送しつつ冷却水Wを散水する際に、駆動軸65回りに偏心回転する偏心ローラ64によって可撓性密封袋2の底面を上げ下げすることにより、内容物Fを袋内で動かそうとするものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、前記した冷却装置61において、可撓性密封袋2の上面は何ら干渉するものがなくフリーであるので、偏心ローラ64が可撓性密封袋2の下面を押し上げても、そのぶん可撓性密封袋2の上面が膨らんで膨出部62となるだけである。結果として、内容物Fが袋内で十分に移動しないことから、既述した冷却装置ほどではないが内容物Fの奥芯部まで冷すのに時間がかかる。また、比較的速く回転する偏心ローラ64が可撓性密封袋2の外面を擦ることと、熱い内容物Fからの熱による影響が相まって、可撓性密封袋2が破れることがあった。 【0005】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、可撓性密封袋内に封入されている内容物を効率よく迅速に冷却することのできる冷却装置の提供を目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明に係る冷却装置は、塑性変形する内容物を封入した可撓性密封袋を載置して搬送するコンベア手段と、コンベア手段により搬送される可撓性密封袋に冷却水を散水して袋内の内容物を冷却する散水手段とを備えて成り、散水手段による散水領域の途中に、散水中の可撓性密封袋を局部的に押下してコンベア手段の上面に押し付ける袋押圧手段を設けた構成にしてある。 【0007】また、前記の構成において、コンベア手段による搬送経路の途中で、かつ、散水手段による散水領域の途中に、内容物入りの可撓性密封袋を天地反転させる袋反転手段を配備したものである。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。図1は本発明の一実施形態に係る冷却装置を示す側面図、図2は前記冷却装置の散水手段および散水パターンを主に示す平面図、図3は前記冷却装置を散水手段を省いて示す平面図、図4は前記冷却装置を示す背面図である。各図において、この実施形態に係る冷却装置1は、例えば4本の立柱7と、これらの立柱7間に横架された横桟8とから成る装置基台を備えている。そして、この装置基台に対しコンベア手段3が配備されている。コンベア手段3は、装置基台の上段に配備されるコンベア手段3Uと、装置基台の下段に配備されるコンベア手段3Lとから成っている。これらのコンベア手段3Uとコンベア手段3Lとにより、可撓性密封袋2搬送用の搬送経路3Rが形成される。 【0009】コンベア手段3Uは、装置基台上部で前方に突設された多数の入側ガイド14の前端に軸支された従動スプロケット11と、装置基台の後部に軸支された駆動スプロケット12と、駆動スプロケット12とほぼ同じ高さ位置で装置基台の前部に配備されたガイドスプロケット9と、従動スプロケット11と駆動スプロケット12間の下方に複数配備されたガイドスプロケット15,15,・・・と、駆動スプロケット12,従動スプロケット11,およびガイドスプロケット9間に掛け回されガイドスプロケット15,15,・・・上で案内されるコンベア16Uとから構成されている。 【0010】前記の駆動スプロケット12は減速機付きのモータ13と駆動連結されている。コンベア16Uは、例えば多数のプラスチックブロック片を編成して無端状に形成した、いわゆるプラスチックモジュラーコンベアベルトから成っていて、開口率(40%開口程度)が大きく通水性がよい。入側ガイド14の両側には、可撓性密封袋2の落下防止用として入口側板10が設けられている。ガイドスプロケット15,15,・・・の上方には冷却に使用した用済みの水を収受する水受槽21が設置されている。 【0011】コンベア手段3Lも、装置基台下部で前方に突設された搬出台17の前端に軸支された駆動スプロケット18と、駆動スプロケット18とほぼ同じ高さ位置で装置基台の後部に軸支された従動スプロケット20と、駆動スプロケット18と従動スプロケット20間の下部に複数配備されたガイドスプロケット22,22,・・・と、駆動スプロケット18および従動スプロケット20間に掛け回されガイドスプロケット22,22,・・・上で案内されるコンベア16Lとから構成されている。前記の駆動スプロケット18は減速機付きのモータ19と駆動連結されている。コンベア16Lも前記したプラスチックモジュラーコンベアベルトで構成されている。ガイドスプロケット22,22,・・・の上方には、用済みの水を収受する水受槽23が設置されている。 【0012】可撓性密封袋2に冷却水Wを散水して袋内の内容物Fを冷却する散水手段4は、コンベア手段3Uの上方位置に配備される散水手段4Uと、コンベア手段3Uの下方で且つコンベア手段3Lの上方位置に配備される散水手段4Lとから成っている。上段の散水手段4Uは、チラー装置(図示省略)からの冷水配管が連結配管27に接続されるクッションタンク26と、クッションタンク26の冷水(7℃程度)を吸い込んで吐出するポンプ28と、ポンプ28の吐出側となる吐出配管29と、吐出配管29に連結された二股の主ヘッダ30と、主ヘッダ30の先端にそれぞれ連結されたヘッダ31,32と、各ヘッダ31,32から分岐接続された散水管33,33,・・・・を備えている。各散水管33には、例えば6個のスプレーノズル34,34,・・・・が取り付けられている。 【0013】同様に、下段の散水手段4Lも、冷水を取り入れる連結配管37を有するクッションタンク36と、冷水を吐出するポンプ38と、吐出配管39と、二股の主ヘッダ40と、ヘッダ42(前側のヘッダは図示省略)と、各ヘッダから分岐接続された散水管33,33,・・・・を備えている。散水手段4Lの各散水管33にも、複数のスプレーノズル(図示省略)が前述した散水手段4Uと同様のノズル配置で取り付けられている。尚、冷却水Wとしては、必ずしもチラー装置からの冷水を用いなくてよく、例えば水道水をそのまま使用しても構わない。 【0014】そして、上段の散水手段4Uによる散水領域4Rの途中には、散水中の可撓性密封袋2を局部的に押下してコンベア手段3Uの上面3aに押し付ける袋押圧手段5が前後適当間隔で5基配備されている。これらの袋押圧手段5は、図5ないし図8に示すように、左右の横桟8,8間に横架された板状の基台45を備えている。そして、基台45と、この基台45の中央部に固着された補強板46には、それぞれを上下貫通した2個の軸受47,47が設けられている。これらの軸受47,47には、摺動軸48,48がそれぞれ上下摺動自在に軸支されている。摺動軸48,48の下端には左右方向に延在する押下棒54が取付具53,53を介して取り付けられている。摺動軸48,48の上端は連結杆49で連結されている。連結杆49の中央部には上下貫通する軸受50が設けられ、この軸受50に摺動軸51が上下摺動自在に軸支されている。摺動軸51の下端は、補強板46上に固設されたエアシリンダ52の駆動端と接続されている。エアシリンダ52にはエアコンプレッサから吐出された5kg/cm2 の圧縮空気を減圧弁により減圧したものが駆動用空気として供給される。但し、エアシリンダ52に供給される空気圧は必要に応じて可変としても構わない。 【0015】また、この冷却装置1では、図9(図1と図3も参照)に示すように、コンベア手段3Uの下流側でコンベア手段3Lとの間に、平面視でコの字箱状の袋反転手段6が配備されている。すなわち、袋反転手段6は、コンベア手段3Uおよび3Lによる搬送経路3Rの途中で、かつ、散水手段4Uおよび4Lによる散水領域の途中に配置されている。この袋反転手段6は、コンベア手段3Uの後端直下位置に前方が下向きに傾いた傾斜面6aを有しており、簡素な構成である。この傾斜面6aの存在により、コンベア手段3Uから送り出された内容物F入りの可撓性密封袋2を天地反転させるようになっている。 【0016】符号35はコンベア手段3のモータ13,19、散水手段4のポンプ28,38、袋押下手段5のエアシリンダ52その他を駆動制御する制御装置である。この制御装置35は、マイクロコンピュータなどで具現化される。また、内容物Fとしてここでは、例えば製造直後で未だ熱い(95℃程度)餡を例示してある。かかる餡は塑性変形するものであり、例えば厚手のポリエチレンシートなどからなる可撓性密封袋2に封入された状態でコンベア手段3に供給される。但し、冷却に供される内容物Fの例としては、上記した餡の他に、例えばジャム、ケチャップ、カレー、ジュースなどのような粘性の高い食品が挙げられる。 【0017】引続き、冷却装置1による内容物Fに対する冷却動作を説明する。ここでは、製造直後に可撓性密封袋2に封入された約95℃の餡を、品質が安定する約60℃以下に冷却する場合を述べる。まず、制御装置35からの操作でコンベア手段3、散水手段4、および袋押圧手段5をそれぞれ起動する。これにより、コンベア手段3は例えば約230mm/分の速度で走行し、散水領域内に散水手段4から例えばスプレーノズル1個当たり約12L/分の冷却水Wが噴霧される。また、袋押圧手段5の押下棒54がコンベア手段3Uの上方でゆっくりとした上下運動を繰り返す。尚、上段の散水手段4Uと下段の散水手段4Lとでは散水量が異なり、袋押圧手段5を用いないぶん、散水手段4Lの散水量を多くしてある。 【0018】そこで、作業者が入側ガイド14上のコンベア16Uの上面3aに、内容物F入りの可撓性密封袋2,2,・・・・を例えば横一列に6個並べて載置する。すると、これらの可撓性密封袋2,2,・・・・はコンベア手段3Uの搬送によりガイドスプロケット9を超えて上段の散水領域4Rに達し、スプレーノズル34からの冷却水Wを受ける。そして、1番目の袋押圧手段5の押下棒54がエアシリンダ52の駆動により下降して可撓性密封袋2の表面を局部的に押下する。このように下降した押下棒54により、袋内の餡(内容物F)はコンベア16Uの上面3aに向けて押し付けられる。これにより、もともと厚み寸法Dであった餡が図8(a)のように厚み寸法dまで狭められるのである。これにより、内容物Fが袋内で万遍なく移動し、袋内の外周近傍で冷やされた内容物Fが奥芯部のものと入れ替わって、よりいっそう熱伝達が促進される。 【0019】尚、5kgの餡を詰めた可撓性密封袋2の外形寸法は、縦370mm×横250mm×厚み50mmであるが、この可撓性密封袋2は縦辺(370mm)が搬送方向に向けられて載置されていて、1基の袋押圧手段5の下方を1.6分程度かけてゆっくりと通過する。その際に、餡入りの可撓性密封袋2は押下棒54により約10回/分の頻度で押下される。このとき、前後隣合った押下棒54,54は互いに逆向きに昇降する。これにより、同じ可撓性密封袋2を前後の押下棒54,54で同時に押圧しないように工夫してある。以下同様に、2番目以降の袋押圧手段5,5,・・においても、押下棒54が押下して袋内の内容物Fをコンベア16Uの上面3aに向けて押し付けながら、内容物Fを効率よく冷却する。 【0020】その後、コンベア手段3Uの後端に運ばれてきた可撓性密封袋2,2,・・・・は一斉に落下し、袋反転手段6の傾斜面6aの存在により天地反転する。すなわち、コンベア手段3U上では下側に位置していた面が上面となる。このように反転した可撓性密封袋2,2,・・・・は傾斜面6a上を滑り落ちてコンベア手段3Lのコンベア16L上に到達する。このとき、コンベア16L上に達した可撓性密封袋2,2,・・・・が整然と配列してなければ手直しすればよい。続いて、可撓性密封袋2,2,・・・・は前部の搬出台17に向けてコンベア手段3Lにより搬送され、天地逆になった上面側(もとの下面側)が下段の搬送経路の途中で散水装置4Lからの散水により冷却される。このように冷却された可撓性密封袋2内の内容物Fは目標とする60℃以下に低下して搬出台17上に送り出されるのである。可撓性密封袋2,2,・・・・が上下の散水手段4U,4Lによる散水領域を通過する時間は20〜25分程度であった。 【0021】従って、この実施形態の冷却装置1では、袋押圧手段5の押下棒54により局部的に押下された部分の袋内間隔が極めて狭くなり(図8(a)の厚み寸法d参照)、内容物Fを袋内で万遍なく移動させることができる。このように、冷却水Wの散水時に内容物Fを袋内で十分に動かしてやると、内容物F中の熱伝達が助けられてよく冷却される。因みに、可撓性密封袋2を押下棒54で押すことなく散水手段4により冷やしただけであれば、95℃から60℃以下まで下げるのに約60分かかるが、本願のように押下棒54で押しながら散水手段4で冷却すると約1/3の時間(20〜25分)で済んだ。また、散水途中で可撓性密封袋2,2,・・・・が袋反転手段6により天地反転するので、可撓性密封袋2の十分に冷えてなかった面を散水側にして冷却することができる。従って、よりいっそう効率よく可撓性密封袋2内の内容物Fを冷却することができる。 【0022】尚、コンベア手段3Uとコンベア手段3Lを既述のように上下配置にした場合は設置面積をとらずに済むのであるが、設置面積に拘らない場合は、コンベア手段3Uとコンベア手段3Lを同じ高さ位置で直列配置にしても構わない。また、下段のコンベア手段3Lの上方に適当な空間を確保し、当該空間に袋押圧手段5を配備してもよい。一方、内容物F入りの可撓性密封袋2を横に6個並べて搬送する例を示したが、並べ数を増やせるようにコンベアの横幅を広くすることにより処理能力の増加を図ることも可能である。そして、可撓性密封袋2に封入される内容物Fの量は上記の5kgに限らず、例えば10kgその他の内容量でも構わない。 【0023】 【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る冷却装置によれば、内容物を袋内で万遍なく移動させながら散水するので、効率よく熱伝達させて奥芯部まで迅速に冷やすことができる。すなわち、内容物全体を均等に冷却して冷却時間の短縮化を図ることができる。これにより、内容物が例えば食品である場合は新鮮な色あいと風味を残すことができ、色ヤケによる色ムラの発生を防止できる。加えて、冷却水や駆動電源の無駄な消費を省くことができる。 【0024】また、搬送経路および散水領域の途中で可撓性密封袋を天地反転させるようにしてあるので、可撓性密封袋の冷えてない面を散水途中で切り替えることができる。これにより、いっそう効率よく可撓性密封袋内の内容物を冷却できるのである。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】591249552 【氏名又は名称】株式会社メイワ 【識別番号】592164203 【氏名又は名称】株式会社北條製▲餡▼所
|
| 【出願日】 |
平成11年9月20日(1999.9.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100047831 【弁理士】 【氏名又は名称】杉本 巌 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−91133(P2001−91133A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月6日(2001.4.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−264755 |
|