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【発明の名称】 冷蔵庫
【発明者】 【氏名】佐久間 勉

【氏名】土井 隆司

【氏名】野口 明裕

【氏名】田子 正人

【氏名】鹿島 弘次

【要約】 【課題】冷蔵室用蒸発器により冷蔵室を冷却するRモードと、冷凍室用蒸発器により冷凍室を冷却するFモードとを交互に行うように構成されたものにおいて、圧縮機が停止した場合に、冷凍室用蒸発器に高温の冷媒が流入することを防止する。

【解決手段】庫内温度低下に伴う圧縮機24の停止は、Rモードで行う。Rモードにおいては、切替弁26は矢印Aの状態となっており、圧縮機24と冷凍室用蒸発器20との間は遮断されている。この状態で圧縮機24を停止させた場合、高圧側からの高温の冷媒が冷凍室用蒸発器20に流入することはなく、しかも、冷凍室用蒸発器20の出口側の逆止弁29が作用するようになるので、冷蔵室用蒸発器15から冷凍室用蒸発器20側への冷媒の逆流もない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧縮機に対して、冷蔵室を冷却するための冷蔵室用蒸発器と冷凍室を冷却するための冷凍室用蒸発器とを並列に接続すると共に、前記冷凍室用蒸発器の出口を逆止弁を介して前記冷蔵室用蒸発器の出口と接続し、流路切替手段により前記圧縮機から吐出される冷媒を前記冷蔵室用蒸発器に流す場合と前記冷凍室用蒸発器に流す場合とを交互に切り替えることによって、前記冷蔵室を冷却する冷蔵室冷却モードと、前記冷凍室を冷却する冷凍室冷却モードとを交互に行うように構成された冷蔵庫において、庫内温度低下に伴う前記圧縮機の停止は、前記冷蔵室冷却モードで行うようにしたことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】 冷凍室用蒸発器を除霜ヒータにより除霜する際の圧縮機の停止は、冷凍室冷却モードで行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項3】 冷凍室用蒸発器の除霜後の圧縮機の再起動は、冷凍室冷却モードで行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項4】 冷蔵室冷却モードと冷凍室冷却モードのうちの一方の冷却モードの実行中に、使用されていない側の蒸発器を除霜ヒータにより除霜するようにしたことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項5】 電源投入時は、冷凍室冷却モードから開始するようにしたことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷蔵室を冷却するための冷蔵室用蒸発器と、冷凍室を冷却するための冷凍室用蒸発器とを備え、冷蔵室用蒸発器により冷蔵室を冷却する冷蔵室冷却モードと、冷凍室用蒸発器により冷凍室を冷却する冷凍室冷却モードとを交互に行うように構成された冷蔵庫に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来の冷蔵庫においては、一般に、圧縮機から吐出された冷媒が凝縮器→絞り弁(キャピラリ)→蒸発器を通り、再び圧縮機に戻る冷凍サイクルを構成し、一つの蒸発器により、温度帯の異なる冷蔵室と冷凍室とを冷却する構成となっていた。この場合、冷凍室の温度を温度センサにより検知し、その検知信号に基づき圧縮機と庫内冷気循環ファンをオン/オフ制御して冷凍室の温度を制御すると共に、冷蔵室の温度はダンパの開閉により制御するようにしていた。しかしながら、このような構成のものでは、冷凍室と冷蔵室の各室の温度制御を精度良く行うことが難しく、また、冷却効率に無駄があるなどの欠点があった。
【0003】そこで、近年では、冷蔵室を冷却するための冷蔵室用蒸発器と、冷凍室を冷却するための冷凍室用蒸発器とを設け、流路切替弁により圧縮機からの冷媒を冷蔵室用蒸発器に流す場合と冷凍室用蒸発器側に流す場合とに交互に切り替えることによって冷蔵室と冷凍室とを交互に冷却すると共に、圧縮機の運転周波数を可変して各室の温度を各室に適した温度となるように制御する構成とした冷蔵庫が提案されている(例えば特願平9−340377号、特願平10−192028号参照)。
【0004】このような冷蔵庫においては、庫内負荷に応じて冷却能力を可変する。そのため、通常の室温において圧縮機が停止することはなく、連続運転することを目的としている。これは、庫内冷却に伴い圧縮機がオン/オフを繰り返すとサイクルロスを招くこととなるため、そのサイクルロスの低減と、起動時の入力及び騒音の増大を抑えるためである。
【0005】しかしながら、上記したような冷蔵庫にあっても、低室温時(例えば室温が10℃以下)には、圧縮機をこれの下限の運転周波数で運転しても庫内が冷えすぎるために圧縮機の連続運転が困難な場合があり、このような場合は、圧縮機を停止することとなる。このとき、流路切替弁により圧縮機と冷凍室用蒸発器とを連通させた冷凍室冷却モードで上記圧縮機の運転を停止させた場合、高圧側の高温の冷媒が冷凍室用蒸発器に流入し、当該冷凍室用蒸発器の温度が庫内温度よりも高くなってしまうという問題があった。このようになると、圧縮機を再起動した際の冷却効率が悪くなってしまう。
【0006】本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷蔵室用蒸発器と冷凍室用蒸発器とを備え、冷蔵室用蒸発器により冷蔵室を冷却する冷蔵室冷却モードと、冷凍室用蒸発器により冷凍室を冷却する冷凍室冷却モードとを交互に行うように構成されたものにおいて、圧縮機が停止した場合に、冷凍室用蒸発器に高温の冷媒が流入することを防止でき、その冷凍室用蒸発器の温度上昇を抑えることができるなどの効果を奏する冷蔵庫を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するために、請求項1記載の発明は、圧縮機に対して、冷蔵室を冷却するための冷蔵室用蒸発器と冷凍室を冷却するための冷凍室用蒸発器とを並列に接続すると共に、前記冷凍室用蒸発器の出口を逆止弁を介して前記冷蔵室用蒸発器の出口と接続し、流路切替手段により前記圧縮機から吐出される冷媒を前記冷蔵室用蒸発器に流す場合と前記冷凍室用蒸発器に流す場合とを交互に切り替えることによって、前記冷蔵室を冷却する冷蔵室冷却モードと、前記冷凍室を冷却する冷凍室冷却モードとを交互に行うように構成された冷蔵庫において、庫内温度低下に伴う前記圧縮機の停止は、前記冷蔵室冷却モードで行うようにしたことを特徴とするものである。
【0008】冷蔵室冷却モードにおいては、圧縮機と冷蔵室用蒸発器とが連通した状態となっており、圧縮機と冷凍室用蒸発器との間は遮断されている。この状態で圧縮機を停止させた場合、高圧側からの高温の冷媒が冷凍室用蒸発器に流入することはなく、しかも、冷凍室用蒸発器の出口側の逆止弁が作用するようになるので、冷蔵室用蒸発器から冷凍室用蒸発器側への冷媒の逆流もない。従って、冷凍室用蒸発器には低温の冷媒が保持されることになり、冷凍室用蒸発器の温度が上昇することを抑えられるようになる。
【0009】この場合、請求項2記載の発明のように、冷凍室用蒸発器を除霜ヒータにより除霜する際の圧縮機の停止は、冷凍室冷却モードで行うようにすることが好ましい。冷凍室冷却モードにおいては、圧縮機と冷凍室用蒸発器とが連通した状態となっているため、この状態で圧縮機を停止させた場合、高圧側からの高温の冷媒が冷凍室用蒸発器に流入することになる。このように冷凍室用蒸発器に高温の冷媒を積極的に流入させることで、その冷凍室用蒸発器の温度上昇を促進させ、これにより冷凍室用蒸発器の除霜時間の短縮が可能となる。
【0010】請求項3記載の発明は、冷凍室用蒸発器の除霜後の圧縮機の再起動は、冷凍室冷却モードで行うことを特徴としている。これによれば、冷凍室冷却モードでは低温の冷媒を冷凍室用蒸発器に保持することができ、その後の冷蔵室冷却モードの際は適切な冷媒量で冷却できるため、余剰冷媒による液バック現象の発生を防止でき、冷凍室冷却モード及び冷蔵室冷却モードとも適切な冷媒量で効率の良い冷却ができる。
【0011】請求項4記載の発明は、冷蔵室冷却モードと冷凍室冷却モードのうちの一方の冷却モードの実行中に、使用されていない側の蒸発器を除霜ヒータにより除霜するようにしたことを特徴としている。これによれば、必要に応じて蒸発器ごとに除霜ができ、また、圧縮機としては停止させる必要がないので、除霜を必要としない蒸発器側においては、圧縮機停止に伴う無駄な温度上昇を抑えることができる。
【0012】請求項5記載の発明は、電源投入時は、冷凍室冷却モードから開始するようにしたことを特徴としている。これによっても、請求項3の発明と同様な作用効果を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施例について図1ないし図4を参照して説明する。まず、図2には冷蔵庫の縦断面図が示されており、この図2において、冷蔵庫本体1は、鋼板製の外箱2と合成樹脂製の内箱3との間に発泡断熱材4を充填した周知構造の断熱箱体として構成されている。この冷蔵庫本体1内は、断熱仕切壁5により上部の冷蔵温度帯空間6と、下部の冷凍温度帯空間7とに区画されており、これら冷蔵温度帯空間6と冷凍温度帯空間7の冷気は独立し、各冷気が混合することはない構造となっている。
【0014】上記の冷蔵温度帯空間6の庫内は、仕切板8により冷蔵室9と野菜室10とに仕切られ、また、冷凍温度帯空間7の庫内は、仕切壁11により第1冷凍室12と第2冷凍室13とに仕切られている。上記冷蔵室9の前面にはヒンジ開閉式の扉9aが設けられ、野菜室10、並びに第1及び第2冷凍室12,13の各前面には、それぞれの貯蔵容器に連結された引出式の扉10a、12a、13aが設けられている。
【0015】野菜室10の背部には冷蔵室用冷却室14が形成されており、この冷蔵室用冷却室14に、冷蔵室用蒸発器15と、冷気循環ファン16と、除霜ヒータ17とが配設されていて、冷蔵室用蒸発器15により冷却された冷気が、冷気循環ファン16の送風作用により、冷気ダクト18を介して冷蔵室9及び野菜室10に供給され、この後、冷蔵室用冷却室14に戻されるというように循環され、この過程で冷蔵室9及び野菜室10が冷却される。
【0016】また、冷凍温度帯空間7の背部には冷凍室用冷却室19が形成されており、この冷凍室用冷却室19に、冷凍室用蒸発器20と、冷気循環ファン21と、除霜ヒータ22とが配設されていて、冷凍室用蒸発器20により冷却された冷気が、冷気循環ファン21の送風作用により、第1及び第2冷凍室12,13に供給され、この後、冷凍室用冷却室19に戻されるというように循環され、この過程で第1及び第2冷凍室12,13が冷却される。
【0017】冷蔵庫本体1の背部の下部には機械室23が形成されており、この機械室23に、図1の冷凍サイクルを構成する圧縮機24及び凝縮器25等(図2には凝縮器25は示されていない)が配設されている。図1において、圧縮機24の冷媒吐出口24aは、凝縮器25を介して、流路切替手段を構成する三方型の切替弁26の入口に接続されている。切替弁26の一方の出口は、冷凍キャピラリ27を介して上記冷凍室用蒸発器20の入口に接続されている。この冷凍室用蒸発器20の出口は、アキュームレータ28を介して逆止弁29の入口に接続されていて、その逆止弁29の出口が、上記圧縮機24の冷媒流入口24bに接続されている。また、上記切替弁26の他方の出口は、冷蔵キャピラリ30を介して上記冷蔵室用蒸発器15の入口に接続されており、この冷蔵室用蒸発器15の出口は、上記逆止弁20の出口と接続されている。
【0018】従ってこの場合、圧縮機24に対して、冷蔵室用蒸発器15と冷凍室用蒸発器20とは並列に接続され、また、冷凍室用蒸発器20の出口は逆止弁20を介して冷蔵室用蒸発器15の出口と接続されている。
【0019】さて、上記構成において、圧縮機24が駆動された状態で、切替弁26により、圧縮機24から吐出される冷媒が冷蔵室用蒸発器15側に流れるように冷媒流路を切り替えた状態(図1の破線矢印A参照)では、圧縮機24において圧縮された冷媒は、高温高圧のガスとなって凝縮器25に送られ、ここで放熱して液化されるようになる。液化された冷媒は、切替弁26を上記矢印A方向に流れ、冷蔵キャピラリ30を通って冷蔵室用蒸発器15に送られ、ここで蒸発することに伴い周囲の熱を奪い、この結果周囲の空気を冷却する。ガス化した冷媒は、再び圧縮機24において圧縮されるようになる。
【0020】このとき、冷蔵室用蒸発器15により冷却された冷気は、冷気循環ファン16の送風作用により冷蔵室9及び野菜室10に供給され、それら冷蔵室9及び野菜室10が冷却される。この場合、冷蔵室9の冷却温度は例えば+2℃であるため、冷蔵室用蒸発器15による冷却温度が約−5℃となるように、圧縮機24の運転周波数が設定される。また、このときの冷蔵室用蒸発器15の圧力は、例えば約0.24MPaである。このように切替弁26により、圧縮機24から吐出される冷媒が冷蔵室用蒸発器15側に流れるように冷媒流路を切り替えて、冷蔵室9及び野菜室10を冷却する状態を冷蔵室冷却モード(以下、Rモードと称する)という。
【0021】また、圧縮機24が駆動された状態で、切替弁26により、圧縮機24から吐出される冷媒が冷凍室用蒸発器20側に流れるように冷媒流路を切り替えた状態(図1の実線矢印B参照)では、凝縮器25において液化された冷媒は、切替弁26を上記矢印B方向に流れ、冷凍キャピラリ27を通って冷凍室用蒸発器20に入り、ここで蒸発することに伴い周囲の熱を奪い、この結果周囲の空気を冷却する。ガス化した冷媒は、アキュームレータ28及び逆止弁20を通り、再び圧縮機24において圧縮されるようになる。
【0022】このとき、冷凍室用蒸発器20により冷却された冷気は、冷気循環ファン21の送風作用により第1及び第2冷凍室12,13に供給され、それら第1及び第2冷凍室12,13が冷却される。この場合、第1及び第2冷凍室12,13の冷却温度は例えば−18℃であるため、冷凍室用蒸発器20による冷却温度が約−28℃となるように、圧縮機24の運転周波数が設定される。また、このときの冷凍室用蒸発器20の圧力は、例えば約0.09MPaである。このように切替弁26により、圧縮機24から吐出される冷媒が冷凍室用蒸発器20側に流れるように冷媒流路を切り替えて、第1及び第2冷凍室12,13を冷却する状態を冷凍室冷却モード(以下、Fモードと称する)という。
【0023】この場合、この冷蔵庫において、冷蔵室9、野菜室10、第1及び第2の冷凍室12,13には、図示はしないがそれぞれ温度センサが設けられていて、それら各温度センサの検出信号は、マイクロコンピュータを備えた制御回路に入力されるようになっている。制御回路は、それらの検出信号と、予め備えた制御プログラムに従って、圧縮機24、切替弁26、冷気循環ファン17,21、除霜ヒータ17,22などを制御する。
【0024】ここで、RモードとFモードでの、冷蔵室用蒸発器15及び冷凍室用蒸発器20の圧力変化について図3を参照して説明する。Fモード時の冷凍室用蒸発器20は前述したように約−28℃に冷却され、圧力は前述した通り約0.09MPaである。このとき、出口が冷凍室用蒸発器20の出口側と接続されている冷蔵室用蒸発器15も同様の圧力(約0.09MPa)となる。
【0025】この状態からRモードに切り替えられると、圧縮機24は冷蔵室用蒸発器15の温度が約−5℃となるように、その運転周波数を変化させる(この場合50Hzから30Hzへ)。これに伴い、冷蔵室用蒸発器15の圧力は、約0.24MPaまで上昇する。すると、冷蔵室用蒸発器15と冷凍室用蒸発器20との間に約0.15MPaの圧力差が生じ、冷凍室用蒸発器20の出口に接続された逆止弁29が作用する。つまり、冷凍室用蒸発器20では、約−28℃の冷媒が保持され、圧力はこのときの飽和圧力となり、低温状態が維持されることとなる。
【0026】次に本発明の作用について、図4も参照して説明する。この図4は、各モードにおける切替弁26の状態と、圧縮機24の運転周波数と、冷蔵室用蒸発器15の温度変化(Rエバの温度変化)と、冷凍室用蒸発器20の温度変化(Fエバの温度変化)とを示している。
【0027】冷蔵温度帯空間6の冷蔵室9及び野菜室10と、冷凍温度帯空間7の第1及び第2の冷凍室12,13とが共に予め設定された設定温度まで冷却された状態で、圧縮機24を停止させる場合、本実施例ではRモードで行う(図4の「Rモード2」の後の「停止」参照)。Rモードにおいては、切替弁26としては圧縮機24の冷媒吐出口24aと冷蔵室用蒸発器15の入口とを連通した状態(図1の矢印A参照)となっており、圧縮機24の冷媒吐出口24aと冷凍室用蒸発器20の入口との間は遮断されている。この状態で圧縮機24を停止させた場合、高圧側からの高温の冷媒が冷凍室用蒸発器20に流入することはなく、しかも、上述した圧力差(図3参照)のために冷凍室用蒸発器20の出口側の逆止弁29が作用するようになるので、冷蔵室用蒸発器15から冷凍室用蒸発器20側への冷媒の逆流もない。従って、冷凍室用蒸発器20には低温の冷媒が保持されることになり、冷凍室用蒸発器20の温度が上昇することを抑えられるようになる。そして、圧縮機24の再起動時にはFモードから開始され、このときに、冷凍室用蒸発器20に保持されていた低温の冷媒が再循環することになるので、冷却効率の良い運転ができる。
【0028】ちなみに、冷蔵温度帯空間6の冷蔵室9及び野菜室10と、冷凍温度帯空間7の第1及び第2の冷凍室12,13とが共に予め設定された設定温度まで冷却された状態で、圧縮機24を停止させる際にFモードで行った場合(図4の「Fモード1」の後の「停止」参照)、次のような不具合がある。すなわち、Fモードにおいては、切替弁26としては圧縮機24の冷媒吐出口24aと冷凍室用蒸発器20の入口とを連通した状態(図1の矢印B参照)となっている。この状態で圧縮機24を停止させた場合、高圧側からの高温の冷媒が冷凍室用蒸発器20に流入し、冷凍室用蒸発器20(Fエバ)の温度が上昇してしまう。このようになると、圧縮機24を再起動した際の冷却効率が悪くなってしまう。
【0029】一方、冷凍室用蒸発器20を除霜ヒータ22により除霜する際の圧縮機24の停止は、Fモードで行う(図4の「Fモード1」の後の「停止」参照)。Fモードにおいては、上述したように圧縮機24と冷凍室用蒸発器20とが連通した状態となっているため、この状態で圧縮機24を停止させた場合、高圧側からの高温の冷媒が冷凍室用蒸発器20に流入することになる。このように冷凍室用蒸発器20に高温の冷媒を積極的に流入させることで、その冷凍室用蒸発器20の温度上昇を促進させ、これにより冷凍室用蒸発器20の除霜時間の短縮が可能となる。
【0030】また、冷凍室用蒸発器20の除霜後の圧縮機24の再起動は、Fモードで行う(図4の「Fモード2」参照)。Fモードでは低温の冷媒を冷凍室用蒸発器20に保持することができ、その後のRモードの際は適切な冷媒量で冷却できるため、余剰冷媒による液バック現象の発生を防止でき、Fモード及びRモードとも適切な冷媒量で効率の良い冷却ができる。ちなみに、冷凍室用蒸発器20の除霜後の圧縮機24の再起動をRモードから行った場合、冷凍室用蒸発器20に余剰冷媒が貯留されず、冷凍サイクルとしては冷媒過充填状態での冷却運転となる。つまり、余剰冷媒による液バック状態となり、非効率的な冷却運転となる。
【0031】RモードとFモードのうち例えばRモードの実行中に、使用されていない側の蒸発器である冷凍室用蒸発器20を除霜ヒータ22により除霜し、逆に、Fモードの実行中に、使用されていない側の蒸発器である冷蔵室用蒸発器15を除霜ヒータ17により除霜するようにする。これによれば、必要に応じて蒸発器ごとに除霜ができ、また、圧縮機24としては停止させる必要がないので、除霜を必要としない蒸発器側においては、圧縮機停止に伴う無駄な温度上昇を抑えることができる。
【0032】一方、電源投入時は、Fモードから開始させるようにする。これによっても、上記した冷凍室用蒸発器20の除霜後の圧縮機24の再起動をFモードで行う場合と同様に、余剰冷媒による液バック現象の発生を防止でき、Fモード及びその後のRモードとも適切な冷媒量で効率の良い冷却ができる。
【0033】図5は本発明の第2実施例を示したものであり、この第2実施例は上記した第1実施例とは次の点が異なっている。すなわち、冷凍サイクルにおいて、三方型の切替弁26に代えて、2個の二方弁41,42を用いる。この実施例においては、これら2個の二方弁41,42が流路切替手段を構成する。具体的には、冷蔵側流路と冷凍側流路との分岐部43と冷凍キャピラリ27との間に、二方弁41を設けると共に、前記分岐部43と冷蔵キャピラリ30との間に、レシーバタンク44と二方弁40とを設ける。この場合、2個の二方弁41,42は、一方の二方弁41が「開」の場合は、他方の二方弁42は「閉」、また、一方の二方弁41が「閉」の場合は、他方の二方弁42は「開」となるように制御されるようにする。レシーバタンク44は、余剰冷媒を貯留するためのものである。
【0034】このものの場合、Fモードの実行中に、レシーバタンク44に余剰冷媒が貯留され、最適の冷媒量で冷凍室用蒸発器20が冷却される。その後、Rモードに切り替わると、前述と同様に、冷凍室用蒸発器20には低温の冷媒が保持され、冷蔵室用蒸発器15にはレシーバタンク44に貯留された冷媒が循環することとなり、Fモード及びRモード共に最適な冷媒量で冷却されることとなる。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、冷蔵室用蒸発器と冷凍室用蒸発器とを備え、冷蔵室用蒸発器により冷蔵室を冷却するRモード(冷蔵室冷却モード)と、冷凍室用蒸発器により冷凍室を冷却するFモード(冷凍室冷却モード)とを交互に行うように構成されたものにおいて、圧縮機が停止した場合に、冷凍室用蒸発器に高温の冷媒が流入することを防止でき、その冷凍室用蒸発器の温度上昇を抑えることができるなどの効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成11年9月21日(1999.9.21)
【代理人】 【識別番号】100071135
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 強
【公開番号】 特開2001−91130(P2001−91130A)
【公開日】 平成13年4月6日(2001.4.6)
【出願番号】 特願平11−266991