トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F24 加熱;レンジ;換気




【発明の名称】 熱搬送装置
【発明者】 【氏名】堀 靖史

【要約】 【課題】熱搬送装置において、冷媒を貯留するタンク(25a,25b) に対する冷媒の流れ方向を切り換える切換機構(43,53) を改良し、耐久性の向上を図るとともに、コスト低減を可能にする。

【解決手段】タンク(25a,25b) に対する冷媒の流れの切換機構として、電磁弁や逆止弁の代わりにロータリー式の四路切換弁(43)を用いる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱源(2) 側に接続された主熱交換器(4) と利用側熱交換器(22)との間のメイン通路(5) を冷媒が流通する冷媒回路(3) を備え、該冷媒回路(3) に、液冷媒を貯留する第1タンク(25a) 及び第2タンク(25b) と、両タンク(25a,25b) とメイン通路(5) との間に接続された液押出通路(50)及び液回収通路(49)と、両タンク(25a,25b) の一方を加圧し、他方を減圧してメイン通路(5) に冷媒を流通させる加圧手段(27)及び減圧手段(28)と、加圧手段(27)及び減圧手段(28)と各タンク(25a,25b) との間のガス冷媒の流れを切り換えるガス側切換機構(43)と、メイン通路(5) と各タンク(25a,25b) との間の液冷媒の流れを切り換える液側切換機構(53)とを備えた熱搬送装置であって、ガス側切換機構(43)と液側切換機構(53)の少なくとも一方は、ロータリー式四路切換弁により冷媒の流れを切り換えるように構成されている熱搬送装置。
【請求項2】 ロータリー式四路切換弁(43,53) は、ケーシング(61)と、該ケーシング(61)内で回転可能に構成されたロータ(63)と、該ロータ(63)を回転させる駆動手段(64)とを備え、ケーシング(61)には、冷媒の流通するポート(62)が4箇所に配置され、ロータ(63)は、ポート(62)の2つを該ロータ(63)の回転位置に応じて異なる組合せで連通させる連通路(63a) を備えている請求項1記載の熱搬送装置。
【請求項3】 ガス側切換機構(43)がロータリー式四路切換弁により構成され、ガス側のロータリー式四路切換弁(43)は、加圧手段(27)と第1タンク(25a) とが連通し、減圧手段(28)と第2タンク(25b) とが連通するガス側第1切換状態と、加圧手段(27)と第2タンク(25b) とが連通し、減圧手段(28)と第1タンク(25a) とが連通するガス側第2切換状態とを切換可能に構成されている請求項2記載の熱搬送装置。
【請求項4】 液側切換機構(53)がロータリー式四路切換弁により構成され、液側のロータリー式四路切換弁(53)は、第1タンク(25a) と液押出通路(50)とが連通し、第2タンク(25b) と液回収通路(49)とが連通する液側第1切換状態と、第2タンク(25b) と液押出通路(50)とが連通し、第1タンク(25a) と液回収通路(49)とが連通する液側第2切換状態とを切換可能に構成されている請求項2記載の熱搬送装置。
【請求項5】 ガス側切換機構(43)と液側切換機構(53)とがいずれもロータリー式四路切換弁により構成され、ガス側のロータリー式四路切換弁(43)は、加圧手段(27)と第1タンク(25a) とが連通し、減圧手段(28)と第2タンク(25b) とが連通するガス側第1切換状態と、加圧手段(27)と第2タンク(25b) とが連通し、減圧手段(28)と第1タンク(25a) とが連通するガス側第2切換状態とを切換可能に構成され、液側のロータリー式四路切換弁(53)は、第1タンク(25a) と液押出通路(50)とが連通し、第2タンク(25b) と液回収通路(49)とが連通する液側第1切換状態と、第2タンク(25b) と液押出通路(50)とが連通し、第1タンク(25a) と液回収通路(49)とが連通する液側第2切換状態とを切換可能に構成されている請求項2記載の熱搬送装置。
【請求項6】 ガス側四路切換弁(43)と液側四路切換弁(53)は、一つのモータ(64)により両ロータ(63A,63B) が回転するように一体型に構成されている請求項5記載の熱搬送装置。
【請求項7】 液側四路切換弁(53)のロータ(63B) が、ガス側四路切換弁(43)のロータ(63A) に対して、冷熱搬送時と温熱搬送時に同じ位相で回転するように構成されている請求項6記載の熱搬送装置。
【請求項8】 液側の四路切換弁(53)のロータ(63B) が、ガス側四路切換弁(43)のロータ(63A) に対して、冷熱搬送時と温熱搬送時に異なる位相で回転するように構成されている請求項6記載の熱搬送装置。
【請求項9】 ロータ(63A,63B) の一方である第1ロータ(63A) がモータ(64)の出力軸(64a) に固定され、ロータ(63A,63B) の他方である第2ロータ(63B)が位相切換機構(70)を介してモータ(64)の出力軸(64b) に連結されている請求項8記載の熱搬送装置。
【請求項10】 モータ(64)は、冷熱搬送時と温熱搬送時に両四路切換弁(43,53) のロータ(63A,63B) を逆回転させるように回転方向が可逆に構成され、位相切換機構(70)は、モータ(64)の出力軸(64b) に固定された駆動片(71)と、第2ロータ(63B) に設けられた凸部(72)とから構成され、該凸部(72)は、モータ(64)の出力軸(64b) が四路切換弁(43,53) の流路切り換え時に所定角度で反転して位相を変化させる際の駆動片(71)の作動領域の両端で該駆動片(71)に対して当接する当接面(72a) を有している請求項9記載の熱搬送装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和装置の冷媒回路等として利用可能な熱搬送装置に係り、特に、冷媒回路での冷媒の加熱及び冷却によって冷媒循環のための駆動力を得るようにした熱搬送装置の耐久性向上策並びにコスト低減策に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱搬送装置は、例えば特開平9−178217号公報に開示されているように、液冷媒を貯留するタンクを冷媒回路内に備え、タンク内部を加圧してタンク内の液冷媒を冷媒回路に押し出す一方、タンク内部を減圧して冷媒回路中の液冷媒をタンクに回収することにより、冷媒回路内での冷媒循環が可能に構成されている。この熱搬送装置としては、例えば圧縮機を備えて蒸気圧縮式冷凍サイクルを構成する1次側回路に上記冷媒回路を2次側回路として組み合わせ、1次側回路の冷熱または温熱を2次側回路の利用側熱交換器に搬送して室内の空気調和を行う空気調和装置が知られている。
【0003】図13には、この種の空気調和装置(1) の回路構成の一例を示している。この空気調和装置の冷媒回路は、1次側回路(2) と2次側回路(3) とが主熱交換器(4) を介して接続されている。1次側回路(2) は、第1圧縮機(11)と、1次側四路切換弁(12)と、室外熱交換器(熱源側熱交換器)(13)と、室外膨張弁(14)と、主熱交換器(4) の1次側熱交換部(15)とが、冷媒配管によって順に接続されている。そして、主熱交換器(4) では、1次側回路(2) の1次側冷媒と2次側回路(3)の2次側冷媒とが熱交換し、1次側冷媒から2次側冷媒に冷熱または温熱が供給される。
【0004】一方、2次側回路(3) は、主熱交換器(4) の2次側熱交換部(20)に対して並列に接続された複数台の室内ユニット(21)を備え、各室内ユニット(21)には、室内熱交換器(利用側熱交換器)(22)と室内膨張弁(23)とが設けられている。2次側回路(3) は、2次側四路切換弁(24)によって冷媒の循環方向が可逆に構成されている。
【0005】この2次側回路(3) は、液冷媒を貯留する一対のメインタンク(25a,25b) と、サブタンク(26)とを備えるとともに、加熱熱交換器(27)及び冷却熱交換器(28)により回路(3) 内を冷媒が循環するように構成されている。加熱熱交換器(27)と冷却熱交換器(28)は、各駆動側熱交換部(31,32)が、圧縮機(33)、加熱熱交換器(27)、膨張弁(34)、及び冷却熱交換器(28)の順に接続されている。そして、このようにして構成した閉回路により、2次側回路(3) 内で2次側冷媒を循環させるための駆動回路(30)が構成されている。
【0006】加熱熱交換器(27)には、高温高圧状態にある駆動回路(30)の冷媒が供給され、冷却熱交換器(28)には、低温低圧状態にある駆動回路(30)の冷媒が供給される。そして、加熱熱交換器(27)では、高温の駆動冷媒と2次側液冷媒とが熱交換し、2次側液冷媒が加熱されて蒸発して加熱熱交換器(27)の2次側熱交換部(41)が高圧状態となる。また、冷却熱交換器(28)では、低温の駆動冷媒と2次側ガス冷媒とが熱交換し、2次側冷媒が冷却されて凝縮して冷却熱交換器(28)の2次側熱交換部(42)が低圧状態となる。
【0007】上記加熱熱交換器(27)の2次側熱交換部(41)と各タンク(25a,25b) との間には、加圧用配管(44)が設けられている。この加圧用配管(44)は、一端が加熱熱交換器(27)に、他端が分岐されて各タンク(25a,25b,26)にそれぞれ接続され、各分岐管にはタンク加圧用電磁弁(SV)が設けられている。また、上記冷却熱交換器(28)の2次側熱交換部(42)と各タンク(25a,25b)との間には減圧用配管(45)が設けられている。この減圧用配管(45)は、一端が冷却熱交換器(28)に、他端が分岐されて各タンク(25a,25b,26)にそれぞれ接続され、各分岐管にはタンク減圧用電磁弁(SV)が設けられている。
【0008】冷却熱交換器(28)は、液回収管(48)を介して各メインタンク(25a,25b) の下端部に接続されている。また、各メインタンク(25a,25b) は、液回収管(49)を介して2次側四路切換弁(24)の1つのポートに接続されるとともに、液押出管(50)を介して2次側四路切換弁(24)の他の1つのポートに接続されている。これらの液回収管(48,49) および液押出管(50)には、それぞれ、冷媒の流れ方向を規制する逆止弁(CV)が設けられている。
【0009】なお、液押出管(50)はサブタンク(26)と接続されるとともに、該サブタンク(26)は加熱熱交換器(27)と均圧されていて、該サブタンク(26)の2次側液冷媒が液供給管(52)を経て加熱熱交換器(27)に供給されるように構成されている。この2次側液冷媒は、加熱熱交換器(27)で蒸発することで、メインタンク(25a) の加圧に用いられる。
【0010】以上の構成において、上記各電磁弁(SV)の開閉状態を適宜操作し、高圧状態の加熱熱交換器(27)と一方のメインタンク(25a,25b) とを連通して該メインタンク(25a,25b) を加圧すると同時に、低圧状態の冷却熱交換器(28)と他方のメインタンク(25b,25a) とを連通して該メインタンク(25b,25a) を減圧する。これによって、一方のメインタンク(25a,25b) からの液冷媒の押し出しと他方のメインタンク(25b,25a) への液冷媒の回収とを行う。なお、上述したように加熱熱交換器(27)にはサブタンク(26)から液冷媒が供給され、その後電磁弁(SV)を切り換えてサブタンク(26)に液冷媒が回収される。そして、各電磁弁(SV)を開閉して各タンク(25a,25b) に対する加圧と減圧とを交互に行い、これによって2次側回路(3) で冷媒を連続的に循環させる。
【0011】上記構成においては、各四路切換弁(12,24) を適宜切り換えて、冷房運転時には各タンク(25a,25b) から押し出された冷媒を室内ユニット(21)側から主熱交換器(4) 側へ流し、暖房運転時には冷媒を逆に主熱交換器(4) 側から室内ユニット(21)側へ流すことにより、1次側回路(2) の冷熱または温熱を2次側回路(3) の利用側熱交換器(22)へ搬送する。そして、利用側熱交換器(22)は、冷熱を受けたときには吸熱動作を行って室内の冷房を行い、また、温熱を受けたときには放熱動作を行って室内の暖房を行う。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上のように構成された従来の熱搬送装置では、各タンク(25a,25b)における冷媒の回収動作と押し出し動作とを切り換える切換機構として複数の電磁弁(SV)や逆止弁(CV)を用いており、特に電磁弁(SV)については、切り換え時の衝撃による摩耗等が原因で、頻繁に切り換えると耐久性が著しく低下する問題があった。このため、その切換間隔を比較的長い時間に設定する必要があり、その結果、タンク(25a,25b) を大容量にしなくてはならないことになっていた。したがって、タンク(25a,25b) が大型化するとともに冷媒が多量に必要になり、装置(1) の高コスト化の原因となっていた。
【0013】また、従来の構成では多数の電磁弁(SV)や逆止弁(CV)が必要であること自体もコストが高い原因であった。さらに、電磁弁(SV)や逆止弁(CV)は口径が比較的小さいため、大流量に対応しようとすると、電磁弁(SV)や逆止弁(CV)の数をさらに増やす必要があり、その点でもコストアップが問題となっていた。
【0014】本発明は、このような問題点に鑑みて創案されたものであり、その目的とするところは、熱搬送装置においてタンクに対する冷媒の流れ方向を切り換える切換機構を改良し、耐久性の向上を図るとともにコスト低減を可能にすることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱搬送装置において、タンクに対する冷媒の流れの切換機構として、電磁弁や逆止弁の代わりにロータリー式の四路切換弁を用いるようにしたものである。
【0016】具体的に、本発明が講じた解決手段は、熱源(2) 側に接続された主熱交換器(4) と利用側熱交換器(22)との間のメイン通路(5) を冷媒が流通する冷媒回路(3)を備え、該冷媒回路(3) に、液冷媒を貯留する第1タンク(25a) 及び第2タンク(25b) と、両タンク(25a,25b) とメイン通路(5) との間に接続された液押出通路(50)及び液回収通路(49)と、両タンク(25a,25b) の一方を加圧し、他方を減圧してメイン通路(5) に冷媒を流通させる加圧手段(27)及び減圧手段(28)と、加圧手段(27)及び減圧手段(28)と各タンク(25a,25b) との間のガス冷媒の流れを切り換えるガス側切換機構(43)と、メイン通路(5) と各タンク(25a,25b) との間の液冷媒の流れを切り換える液側切換機構(53)とを備えた熱搬送装置を前提としている。そして、ガス側切換機構(43)と液側切換機構(53)の少なくとも一方にロータリー式四路切換弁を用いて冷媒の流れを切り換えるようにしたものである。
【0017】上記構成において、ロータリー式四路切換弁(43,53) は、ケーシング(61)と、該ケーシング(61)内で回転可能に構成されたロータ(63)と、該ロータ(63)を回転させる駆動手段(64)とを備えた構成として、ケーシング(61)には、冷媒の流通するポート(62)を4箇所に配置し、ロータ(63)には、ポート(62)の2つを該ロータ(63)の回転位置に応じて異なる組合せで連通させる連通路(63a) を設けることができる。
【0018】また、上記構成においては、ガス側切換機構(43)をロータリー式四路切換弁により構成し、このガス側のロータリー式四路切換弁(43)を、加圧手段(27)と第1タンク(25a) とが連通し、減圧手段(28)と第2タンク(25b) とが連通するガス側第1切換状態と、加圧手段(27)と第2タンク(25b) とが連通し、減圧手段(28)と第1タンク(25a) とが連通するガス側第2切換状態とを切換可能に構成することができる。
【0019】また、上記構成においては、液側切換機構(53)をロータリー式四路切換弁により構成し、この液側のロータリー式四路切換弁(53)を、第1タンク(25a) と液押出通路(50)とが連通し、第2タンク(25b) と液回収通路(49)とが連通する液側第1切換状態と、第2タンク(25b) と液押出通路(50)とが連通し、第1タンク(25a) と液回収通路(49)とが連通する液側第2切換状態とを切換可能に構成することもできる。
【0020】さらに、上記構成においては、ガス側切換機構(43)と液側切換機構(53)とをいずれもロータリー式四路切換弁により構成し、ガス側のロータリー式四路切換弁(43)を、上述したガス側第1切換状態とガス側第2切換状態とを切換可能に構成し、液側のロータリー式四路切換弁(53)を、上述した液側第1切換状態と液側第2切換状態とを切換可能に構成することもできる。
【0021】このようにガス側切換機構(43)と液側切換機構(53)とをいずれもロータリー式四路切換弁により構成する場合、両四路切換弁(43,53) は、一つのモータ(64)により両ロータ(63A,63B) が回転するように一体型に構成することが好ましい。
【0022】また、両四路切換弁(43,53) を一体型に構成する場合、液側四路切換弁(53)のロータ(63B) が、ガス側四路切換弁(43)のロータ(63A) に対して、冷熱搬送時と温熱搬送時に同じ位相で回転するように構成したり、液側の四路切換弁(53)のロータ(63B) が、ガス側四路切換弁(43)のロータ(63A) に対して、冷熱搬送時と温熱搬送時に異なる位相で回転するように構成したりすることができる。
【0023】そして、液側の四路切換弁(53)のロータ(63B) が、ガス側四路切換弁(43)のロータ(63A) に対して冷熱搬送時と温熱搬送時に異なる位相で回転するように構成する場合には、ロータ(63A,63B) の一方である第1ロータ(63A) をモータ(64)の出力軸(64a) に固定し、ロータ(63A,63B) の他方である第2ロータ(63B) を位相切換機構(70)を介してモータ(64)の出力軸(64b) に連結する構成とすることができる。
【0024】さらに、この構成においては、冷熱搬送時と温熱搬送時に両四路切換弁(43,53) のロータ(63A,63B) を逆回転させるように回転方向が可逆に構成されたモータ(64)を用いるとともに、位相切換機構(70)を、モータ(64)の出力軸(64b) に固定された駆動片(71)と、第2ロータ(63B) に設けられた凸部(72)とから構成し、この凸部(72)を、モータ(64)の出力軸(64b) が四路切換弁(43,53) の流路切り換え時に所定角度(例えばポート(62)を90°間隔で4箇所に設ける場合には90°)反転させて位相を変化させる際の駆動片(71)の作動領域の両端で該駆動片(71)に対して当接する当接面(72a) を有するものとして構成することが好ましい。
【0025】−作用−上記解決手段では、ガス側切換機構(43)と液側切換機構(53)の少なくとも一方にロータリー式四路切換弁を用いて冷媒の流れを切り換えるように構成しているため、該ロータリー式四路切換弁(43,53) を介して、加圧手段(27)と減圧手段(28)の作用により、一方のタンク(25a,25b) からの冷媒の押し出しと、他方のタンク(25b,25a) への冷媒の回収が行われる。そして、該ロータリー式四路切換弁(43,53) の切り換え操作を適宜行うことにより、冷媒の押し出しと回収を行うタンク(25a,25b) が交互に切り換わり、冷媒回路(3) のメイン通路(5) を冷媒が連続的に流通する。
【0026】また、四路切換弁(43,53) を、ケーシング(61)と、該ケーシング(61)内で回転可能に構成されたロータ(63)と、該ロータ(63)を回転させる駆動手段(64)とを備えた構成として、ケーシング(61)には、冷媒の流通するポート(62)を4箇所に配置し、ロータ(63)に、ポート(62)の2つを該ロータ(63)の回転位置に応じて異なる組合せで連通させる連通路(63a) を設けた構成とすると、ケーシング(61)内でロータ(63)を回転させることによって冷媒の流れが切り替わり、各タンク(25a,25b) における冷媒の押し出しと回収とを交互に行うことにより冷媒を回路(3) 内で循環させることができる。
【0027】上記構成において、ガス側切換機構(43)をロータリー式四路切換弁により構成して、加圧手段(27)と第1タンク(25a) とが連通し、減圧手段(28)と第2タンク(25b) とが連通するガス側第1切換状態と、加圧手段(27)と第2タンク(25b) とが連通し、減圧手段(28)と第1タンク(25a) とが連通するガス側第2切換状態とを切換可能に構成すると、ガス側第1切換状態では第1タンク(25a) が高圧になって冷媒が押し出されるとともに第2タンク(25b) が低圧になって冷媒が回収され、ガス側第2切換状態では第2タンク(25a) が高圧になって冷媒が押し出されるとともに第1タンク(25a) が低圧になって冷媒が回収される。したがって、両切換状態を交互に設定すると、冷媒回路(3) での冷媒の循環を連続して行える。
【0028】また、上記構成において、液側切換機構(53)をロータリー式四路切換弁により構成して、第1タンク(25a) と液押出通路(50)とが連通し、第2タンク(25b) と液回収通路(49)とが連通する液側第1切換状態と、第2タンク(25b) と液押出通路(49)とが連通し、第1タンク(25a) と液回収通路(50)とが連通する液側第2切換状態とを切換可能に構成すると、液側第1切換状態では、第1タンク(25a) の冷媒が液押出通路(50)から冷媒回路(3) のメイン通路(5) に流出するとともに、主熱交換器(4) 及び利用側熱交換器(22)を所定の順序で通過した冷媒が液回収通路(49)から第2タンク(25b) に回収される。また、液側第2切換状態では、第2タンク(25b) の冷媒が液押出通路(50)から冷媒回路(3) のメイン通路(5) に流出するとともに、主熱交換器(4) 及び利用側熱交換器(22)を所定の順序で通過した冷媒が液回収通路(49)から第1タンク(25a) に回収される。したがって、両切換状態を交互に設定することにより、冷媒回路(3) での冷媒の循環を連続して行うことができる。
【0029】ガス側切換機構(43)と液側切換機構(53)とをいずれもロータリー式四路切換弁により構成した場合にも、上述と同様の作用により冷媒回路(3) での冷媒の循環を連続して行うことができる。
【0030】その場合、ガス側四路切換弁(43)と液側四路切換弁(53)を、一つのモータ(64)により両ロータ(63A,63B) が回転するように一体型に構成すると、両ロータ(63A,63B) の回転が確実に同期する。
【0031】また、液側四路切換弁(53)のロータ(63B) が、ガス側四路切換弁(43)のロータ(63A) に対して、冷熱搬送時と温熱搬送時に同じ位相で回転するように構成すると、例えば図6に示すようにメイン通路(5) での冷媒の流れ方向を切り換える四路切換弁(24)などの切換機構を設けることにより、冷房運転時などの利用側熱交換器(22)への冷熱搬送と、暖房運転時などの温熱搬送とを行えることとなる。
【0032】また、液側の四路切換弁(53)のロータ(63B) が、ガス側四路切換弁(43)のロータ(63A) に対して、冷熱搬送時と温熱搬送時に異なる位相で回転するように構成すると、例えば図9の回路図に示しているように、冷熱搬送時には各タンク(25a,25b) から押し出された冷媒がメイン通路(5) を常に利用側熱交換器(22)の方へ流れ、温熱搬送時には各タンク(25a,25b) から押し出された冷媒がメイン通路(5) を常に主熱交換器(4) の方へ流れるようにすることができるので、冷暖房を切り換える四路切換弁などを用いなくても冷熱搬送と温熱搬送を行うことができる。
【0033】また、ロータ(63A,63B) の一方である第1ロータ(63A) をモータ(64)の出力軸(64a) に固定し、ロータ(63A,63B) の他方である第2ロータ(63B) を位相切換機構(70)を介してモータ(64)の出力軸(64b) に連結すると、液側四路切換弁(53)とガス側四路切換弁(43)とを一体に構成した場合でも、冷暖房切換用の四路切換弁が不要な図9の回路を実現できる。
【0034】また、モータ(64)を、冷熱搬送時と温熱搬送時に両四路切換弁(43,53) のロータ(63A,63B) が逆回転するように構成し、駆動片(71)と凸部(72)を用いてモータ(64)の反転時に両ロータ(63A,63B) の位相を変化させるように構成すると、図9の回路をより簡単な構成で実現できる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、上記解決手段によれば、ガス側切換機構(43)と液側切換機構(53)の少なくとも一方に四路切換弁を用いるとともに、該四路切換弁(43,53)をロータリー式に構成しているので、耐久性が大幅に向上し、切換間隔を短くすることが可能となる。したがって、装置(1) の耐久性を高められるうえに、タンク(25a,25b) の大容量化に伴う高コスト化を防止できる。また、ロータリー式の四路切換弁(43,53) は、電磁弁などと比較して大口径化が容易であるため、個数の増加によるコスト上昇も防止できる。
【0036】そして、上記構成において、ガス側と液側の一方または両方にロータリー式四路切換弁(43,53) を用いると、電磁弁等を用いた場合と同様にタンク(25a,25b)における冷媒の押し出しと回収を問題なく行うことができるので、冷媒回路(3)での冷媒の循環を確実に行える。さらに、ガス側に複数の電磁弁を用いた場合にはそれぞれの開閉制御を個別に行う必要があるのに対して、1つのガス側四路切換弁(43)を用いると切換制御も容易になる。
【0037】また、ガス側四路切換弁(43)と液側四路切換弁(53)を一体型に構成すると、両ロータ(63A,63B) の回転が確実に同期して行われるため、流れの切り換えが確実となり、冷媒の循環をより正確にすることができる。
【0038】また、液側四路切換弁(53)のロータ(63B) が、ガス側四路切換弁(43)のロータ(63A) に対して冷熱搬送時と温熱搬送時に同じ位相で回転するように構成すると、図6に示すようにメイン通路(5) での冷媒の流れ方向を切り換える四路切換弁(24)などの切換機構が必要になるものの、両四路切換弁(43,53) のロータ(63A,63B) の切り換えは容易に行うことができる。
【0039】一方、液側四路切換弁(53)のロータ(63B) が、ガス側四路切換弁(43)のロータ(63A) に対して冷熱搬送時と温熱搬送時に異なる位相で回転するように構成すると、図9の回路図に示しているように冷暖房を切り換えるための専用の四路切換弁などを用いなくてもよくなり、構成をより簡素化してコストを低減できる。
【0040】また、ガス側四路切換弁(43)と液側四路切換弁(53)とを一体に形成した場合に、第1ロータ(63A) をモータ(64)の出力軸(64a) に固定し、第2ロータ(63B) を位相切換機構(70)を介してモータ(64)の出力軸(64b) に連結すると、冷暖房切換用の四路切換弁が不要な図9の回路を容易に実現して、低コスト化を図ることができる。
【0041】特に、冷熱搬送時と温熱搬送時にモータ(64)を反転させて両四路切換弁(43,53) のロータ(63A,63B) が逆回転するように構成し、駆動片(71)と凸部(72)を用いてモータ(64)の反転時に両ロータ(63A,63B) の位相を変化させるように構成すると、図9の回路をより簡単な構成で実現できるため、さらにコストを低減できる。
【0042】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態1を図面に基づいて詳細に説明する。
【0043】図1は、本発明に係る熱搬送装置を用いて構成した空気調和装置の冷媒回路図である。この空気調和装置(1) は、1次側回路(2) と2次側回路(3) とが主熱交換器(4) を介して接続され、冷房運転と暖房運転とが可能に構成されている。1次側回路(2) は、第1圧縮機(11)と、1次側四路切換弁(12)と、熱源側熱交換器である室外熱交換器(13)と、室外膨張弁(14)と、主熱交換器(4) の1次側熱交換部(15)とが、冷媒配管によって順に接続され、冷媒の循環方向を正逆方向に切り換えて蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うように構成されている。主熱交換器(4)では、1次側回路(2) の1次側冷媒と2次側回路(3) の2次側冷媒とが熱交換し、1次側冷媒から2次側冷媒に冷熱または温熱が供給される。
【0044】一方、2次側回路(3) は、主熱交換器(4) の2次側熱交換部(20)に並列に接続された複数台の室内ユニット(21)を備え、各室内ユニット(21)には、利用側熱交換器である室内熱交換器(22)と室内膨張弁(23)とが設けられている。2次側回路(3) は、メイン通路(5) に設けられた2次側四路切換弁(24)によって冷媒の循環方向を正逆両方向に切り換えられるように構成されている。
【0045】熱搬送装置の冷媒回路である2次側回路(3) は、液冷媒を貯留する第1メインタンク(25a) 及び第2メインタンク(25b) と、サブタンク(26)とを備えるとともに、各タンク(25a,25b) 内の冷媒を該回路(3) に流通させるための加熱熱交換器(加圧手段)(27)及び冷却熱交換器(減圧手段)(28)を備えている。各メインタンク(25a,25b) は、冷却熱交換器(28)よりも低い位置に配置され、サブタンク(26)は、加熱熱交換器(27)よりも高い位置に配置されている。
【0046】加熱熱交換器(27)と冷却熱交換器(28)は、各駆動側熱交換部(31,32) が、第2圧縮機(33)、加熱熱交換器(27)の駆動側熱交換部(31)、膨張弁(34)、及び冷却熱交換器(28)の駆動側熱交換部(32)の順に接続されて、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行うように構成されている。そして、このように構成された閉回路によって、2次側回路(3) 内で2次側冷媒を循環させるための駆動回路(30)が構成されている。
【0047】加熱熱交換器(27)の駆動側熱交換部(31)には、高温高圧状態にある駆動回路(30)の冷媒が供給され、冷却熱交換器(28)の駆動側熱交換部(32)には、低温低圧状態にある駆動回路(30)の冷媒が供給される。そして、加熱熱交換器(27)では、高温の駆動冷媒と2次側液冷媒とが熱交換し、2次側液冷媒が加熱されて蒸発することにより、加熱熱交換器(27)の2次側熱交換部(41)が高圧状態となる。また、冷却熱交換器(28)では、低温の駆動冷媒と2次側ガス冷媒とが熱交換し、2次側冷媒が冷却されて凝縮することにより、冷却熱交換器(28)の2次側熱交換部(42)が低圧状態となる。
【0048】上記加熱熱交換器(27)の2次側熱交換部(41)、上記冷却熱交換器(28)の2次側熱交換部(42)、及び各タンク(25a,25b,26)の上端部は、それぞれ、ガス側切り換え機構であるガス側四路切換弁(43)に接続されている。そして、加熱熱交換器(27)から各タンク(25a,25b,26)までの間が加圧用配管(44)に構成され、冷却熱交換器(28)から各タンク(25a,25b,26)までの間が減圧用配管(45)に構成されている。加圧用配管(44)は、加熱熱交換器(27)とガス側四路切換弁(43)との間で分岐してサブタンク(26)の上端部にも接続され、その分岐管(44a) にサブタンク加圧用電磁弁(46)が設けられている。また、減圧用配管(45)は、冷却熱交換器(28)と四路切換弁(43)との間で分岐してサブタンク(26)の上端部にも接続され、その分岐管(45a) にサブタンク減圧用電磁弁(47)が設けられている。
【0049】冷却熱交換器(28)は、液回収管(48)を介して各メインタンク(25a,25b) の下端部に接続されている。また、各メインタンク(25a,25b) は、液回収管(液回収通路)(49)を介して2次側四路切換弁(24)の1つのポートに接続されるとともに、液押出管(液押出通路)(50)を介して2次側四路切換弁(24)の他の1つのポートに接続されている。この液押出管(50)は、2次側四路切換弁(24)の手前で分岐して、液吸入管(51)を介してサブタンク(26)と接続されている。該サブタンク(26)は加熱熱交換器(31)と均圧されていて、該サブタンク(26)内の2次側液冷媒が、液供給管(52)を介して加熱熱交換器(27)に供給されるように構成されている。この2次側液冷媒は、加熱熱交換器(27)の2次側熱交換部(41)で蒸発することで、メインタンク(25a,25b) の何れか一方を加圧する。
【0050】なお、液回収管(48,49) 、液押出管(50)、液吸入管(51)、及び液供給管(52)には、それぞれ、逆止弁(CV)が冷媒の流れ方向を規制するように所定の方向性をもって設けられている。
【0051】一方、上記ガス側四路切換弁(43)は、ロータリー式の四路切換弁であって、外観形状を図2の斜視図に示すように、例えば円筒状のケーシング(61)に、冷媒の流通するポート(62)が4箇所に配置されている。各ポート(62)は、本実施形態1においては周方向に等間隔(90°間隔)で配置されている。そして、図2のポートAが加熱熱交換器(27)と接続され、ポートBが冷却熱交換器(28)と接続され、ポートCが第1メインタンク(25a) と接続され、ポートDが第2メインタンク(25b) と接続されている。
【0052】ケーシング(61)内には、図3の斜視図に示すような円柱ブロック状のロータ(63)が回転可能に収納されている。該ロータ(63)には、長円形状の連通溝(連通路)(63a) が2箇所に形成されている。各連通溝(63a) は、図4(a)に示すように、ポートAとポートCとが連通して加熱熱交換器(27)と第1メインタンク(25a) とが通じ、ポートBとポートDとが連通して冷却熱交換器(28)と第2メインタンク(25b) とが通じるガス側第1切換状態と、図4(b)に示すように、ポートAとポートDとが連通して加熱熱交換器(27)と第2タンク(25b) とが通じ、ポートBとポートCとが連通して冷却熱交換器(28)と第1タンク(25a) とが通じるガス側第2切換状態とに設定可能に構成されている。
【0053】ロータ(63)は、上記ガス側四路切換弁(43)の概略断面図である図5に示すように、駆動手段であるモータ(64)の出力軸(64a) に固定されている。そして、モータ(64)の出力軸(64a) を90°ずつ時計回り方向または反時計回り方向に回転させることによって、ロータ(63)の回転位置を図4(a)、(b)に示すように順次変化させて、各ポートA〜Dの連通状態を切り換えられるようになっている。
【0054】なお、ロータ(63)の位置の切り換えは、上述のようにモータ(64)の出力軸(64a) を90°ずつ同じ方向(時計回り方向または反時計回り方向)に順次回転させて行ってもよいし、該出力軸(64a) を90°ずつ反転させて行ってもよい。
【0055】なお、詳細構造は図示していないが、各ポートA〜Dと連通溝(63a) との間にはシール機構が設けられており、冷媒の漏れなどが生じないように構成されている。
【0056】−運転動作−次に、この空気調和装置の運転動作について説明する。
【0057】まず、冷房運転時には、1次側四路切換弁(12)と2次側四路切換弁(24)が図1の実線で示す切換状態に設定される。そして、1次側回路(2) では、第1圧縮機(11)から吐出されたガス冷媒が室外熱交換器(13)で凝縮した後、室外膨張弁(14)で減圧して主熱交換器(4) の1次側熱交換部(15)で蒸発するサイクルが繰り返され、主熱交換器(4) において1次側冷媒と2次側冷媒とが熱交換して2次側冷媒が冷却される。
【0058】2次側回路(3) を流れる2次側冷媒は、主熱交換器(4) で冷却されて凝縮する一方、室内膨張弁(23)で減圧し、室内熱交換器(22)で室内空気と熱交換して蒸発するサイクルで該2次側回路(3) を循環する。そして、室内熱交換器(22)で室内空気を冷却し、図示しない室内ファンにより室内へ冷風が供給される。
【0059】2次側回路(3) での冷媒の循環動作は以下のようにして行われる。すなわち、まず上記ガス側四路切換弁(43)を図1の実線の位置(図4(a)に示すガス側第1切換状態)に切り換えて、加熱熱交換器(27)が加圧用配管(44)を介して第1メインタンク(25a) と連通し、冷却熱交換器(28)が減圧用配管(45)を介して第2メインタンク(25b) と連通する状態にセットして、駆動回路(30)の第2圧縮機(33)を運転する。
【0060】駆動回路(30)では、第2圧縮機(33)から吐出された冷媒が、加熱熱交換器(27)、膨張弁(34)、冷却熱交換器(28)の順に流れて、蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。このため、加熱熱交換器(27)では駆動用冷媒が凝縮するとともに2次側冷媒が蒸発し、冷却熱交換器(28)では駆動用冷媒が蒸発するとともに2次側冷媒が凝縮する。
【0061】このとき、ガス側四路切換弁(43)が上記ガス側第1切換状態に設定されているため、高圧状態の加熱熱交換器(27)により第1メインタンク(25a) が加圧されると同時に、低圧状態の冷却熱交換器(28)により第2メインタンク(26b) が減圧される。これによって、第1メインタンク(25a) から液冷媒が押し出される一方、第2メインタンク(25b) には、冷却熱交換器(28)で凝縮して液回収管(48)を流れる液冷媒と、メイン通路(5) から液回収管(49)を流れる液冷媒とが回収される。
【0062】なお、以上の動作においては、当初、サブタンク(26)の加圧用配管(44a) の加圧用電磁弁(46)が開通し、減圧用配管(45a) の減圧用電磁弁(47)が閉鎖している。したがって、サブタンク(26)内の液冷媒が加熱熱交換器(27)にヘッド差によって供給され、その供給された冷媒が蒸発して第1メインタンク(25a) の加圧に用いられることになる。一方、サブタンク(26)内の液冷媒を加熱熱交換器(27)に所定時間供給した後は、加圧用電磁弁(46)を閉鎖し、減圧用電磁弁(47)を開通する。そうすることにより、サブタンク(26)内が低圧になり、液冷媒が液吸入管(51)を介してサブタンク(26)に回収される。
【0063】上記ガス側第1切換状態での運転を所定時間行うと、今度はガス側四路切換弁(43)を図4(b)に示したガス側第2切換状態(図1の破線の連通状態)に切り換える操作を行う。このことにより、加熱熱交換器(27)が加圧用配管(44)を介して第2メインタンク(25b) と連通し、冷却熱交換器(28)が減圧用配管(45)を介して第1メインタンク(25a) と連通する状態に設定される。
【0064】この設定にして運転を行うと、第2メインタンク(25b) から液冷媒が押し出される一方、第1メインタンク(25a) に液冷媒が回収される。その際、サブタンク(26)用の電磁弁(46,47) についても上述と同様の操作を行い、加熱熱交換器(27)への冷媒の供給と、サブタンク(26)への冷媒の回収とを行う。
【0065】以上のようにしてガス側四路切換弁(43)及び各サブタンク用電磁弁(46,47) を切り換えながら各タンク(25a,25b) に対する加圧と減圧とを交互に行い、これによって2次側回路(3) で冷媒を室内熱交換器(22)側から主熱交換器(4) 側へ連続的に循環させ、1次側回路(2) の冷熱を2次側回路(3) の各利用側熱交換器(22)へ搬送する。この利用側熱交換器(22)は、上述したように室内ユニット(21)に設けられている。そして、利用側熱交換器(22)は、1次側回路(2) からの冷熱を受けて室内空気から吸熱動作を行って、室内を冷房する。
【0066】また、暖房運転時には、1次側四路切換弁(12)と2次側四路切換弁(24)とが図の破線の位置に切り換えられる。この状態で運転を行うと、1次側回路(2) では、圧縮機の吐出ガス冷媒が主熱交換器(4) の1次側熱交換部(15)、室外膨張弁(14)、室外熱交換器(13)の順に流れ、主熱交換器(4) で凝縮して2次側冷媒を加熱する。
【0067】一方、2次側回路(3) では、一方のタンク(25a,25b) から押し出された冷媒が主熱交換器(4) の2次側熱交換部(20)へ流れて蒸発し、蒸発した2次側ガス冷媒が室内熱交換器(22)で凝縮した後に、室内膨張弁(23)を通過して他方のタンク(25b,25a) に回収される動作を繰り返し、回路(3) 内を循環する。そして、利用側熱交換器(22)は、1次側回路(2) からの温熱を受けて室内空気に放熱動作を行って、室内を暖房する。
【0068】−実施形態1の効果−本実施形態1によれば、熱搬送装置において各メインタンク(25a,25b) のガス側の流れを切り換える手段として、複数の電磁弁の代わりにロータリー式の四路切換弁(43)を用いるようにしているので、従来とは違って、冷媒の回収動作と押し出し動作とを短い時間間隔で切り換えることが可能となる。したがって、タンクの大型化や、それに伴う冷媒量の増加による高コスト化を抑えられる。
【0069】特に、このことは、四路切換弁(43)をロータリー式に構成して、耐久性の低下が殆ど起こらないようにしていることにより、その効果がより一層高められている。また、ロータ(63)の位置の切り換えを、同じ方向へ90°ずつ回転させることによって行うと、90°ずつ反転させて切り換えを行う場合と比較して反転時の衝撃等が生じないので、特に耐久性を高めることができる。
【0070】また、本実施形態では、各メインタンク(25a,25b) のガス側の複数の電磁弁を1つの四路切換弁(43)にしたこと自体でもコストダウンが可能である。さらに、本実施形態1の四路切換弁(43)を用いると大口径化による大流量への対応が比較的容易であり、個数の増加を抑えられるのでコストアップを防止することが可能となる。
【0071】−実施形態1の変形例−上記実施形態1では、ケーシング(61)を円筒状に形成し、該ケーシング(61)にポート(62)を90°間隔で4箇所に配置した構成としているが、本発明はガス側四路切換弁(43)の形状をこれらに限定するものではなく、ロータリー式で流路を切り換えられる構造になっていれば形状は適宜変更してもよい。このことは、後述する液側四路切換弁(53)についても同様である。
【0072】
【発明の実施の形態2】本発明の実施形態2は、図6に示すように、図1の冷媒回路において、液押出管(50)及び液回収管(49)に設けられた複数の逆止弁(CV)の代わりに液側四路切換弁(53)を用いるようにした例である。
【0073】本実施形態では、液側四路切換弁(53)とともに、実施形態1と同様のガス側四路切換弁(43)も用いられている。また、これらのガス側四路切換弁(43)及び液側四路切換弁(53)とは別に、冷房運転と暖房運転とを切り換える2次側四路切換弁(24)も用いられている。
【0074】液側四路切換弁(53)は、ガス側四路切換弁(43)と同様に4つのポートのうちの2つをロータによって連通させるように構成され、図7(b)、(d)に示すように、ポートaが液押出管(50)に接続され、ポートbが液回収管(49)に接続され、ポートcが第1メインタンク(25a) に接続され、ポートdが第2メインタンク(25b) に接続されている。
【0075】そして、液側四路切換弁(53)は、ガス側四路切換弁(43)が図7(a)に示すガス側第1切換状態(図4(a)と同じ状態)にあるときには、図7(b)に示すように、ポートaとポートcとが連通して第1メインタンク(25a) と液押出管(50)とが通じるとともに、ポートbとポートdが連通して第2メインタンク(25b)と液回収管(49)とが通じる液側第1切換状態に切り換えられる。また、ガス側四路切換弁が図7(c)に示すガス側第2切換状態(図4(b)と同じ状態)にあるときには、図7(d)に示すように、ポートaとポートdとが連通して第2メインタンク(25b) と液押出管(50)とが通じるとともに、ポートbとポートcとが連通して第1メインタンク(25a) と液回収管(49)とが通じる液側第2切換状態に切り換えられる。
【0076】ガス側四路切換弁(43)と液側四路切換弁(53)とは、図8に示すように一体の流路切換弁(54)に構成されている。具体的に、この流路切換弁(54)は、中央に両軸型のモータ(64)を、その両側にロータ(63A,63B) を備え、各ロータ(63A,63B) はモータ(64)の各出力軸(64a,64b) に固定されている。そして、モータケーシング(65)と、両ロータケーシング(61a,61b) とが一体に構成されている。
【0077】−運転動作−本実施形態2の冷媒回路を備えた空気調和装置(1) においては、冷暖房を切り換える各四路切換弁(12,24) は、実施形態1と同様に、冷房時には実線の状態に設定し、暖房時には破線の状態に設定する。そして、ガス側四路切換弁(43)と液側四路切換弁(53)とを同期して切り換えることにより、各メインタンク(25a,25b) での冷媒の押し出しと回収とを行いながら、2次側回路(3) で冷媒を循環させる。
【0078】冷房運転時には、流路切換弁(54)を構成するガス側四路切換弁(43)と液側四路切換弁(53)を、図6の実線の状態(つまり、図7(a)に示すガス側第1切換状態と図7(b)に示す液側第1切換状態)にセットすると、加熱熱交換器(27)で蒸発したガス冷媒により第1メインタンク(25a) が加圧され、該第1メインタンク(25a) から押し出された液冷媒が液側四路切換弁(53)と2次側四路切換弁(24)とを介して室内ユニット(21)側へ流れて、室内膨張弁(23)で減圧した後に室内熱交換器(22)で蒸発する。そして、蒸発したガス冷媒が主熱交換器(4) へ流れて凝縮し、2次側四路切換弁(24)及び液側四路切換弁(53)を通って第2メインタンク(25b)に回収される。
【0079】また、この動作を所定時間行うと、流路切換弁(54)のモータ(64)を駆動して各ロータ(63A,63B) を90°回転させ、ガス側四路切換弁(43)と液側四路切換弁(53)とを、図6の破線の状態(つまり、図7(c)に示すガス側第2切換状態と図7(d)に示す液側第2切換状態)に切り換える。
【0080】そうすると、加熱熱交換器(27)での冷媒の蒸発によって第2メインタンク(25b) が加圧され、該第2メインタンク(25b) 内の冷媒が室内熱交換器(22)側から主熱交換器(4) 側へ流れて第1メインタンク(25a) に回収される動作が行われ、冷媒が回路(3) 内を循環する。
【0081】以上の冷媒循環動作が行われる際、サブタンク(26)については上記実施形態1と同様に、加圧用電磁弁(46)と減圧用電磁弁(47)を適宜切り換えながら、冷媒が循環する。
【0082】また、暖房運転時には、1次側四路切換弁(12)と2次側四路切換弁(24)が破線の状態にセットされることで、回路(2,3) 内の冷媒の流れ方向が反転する。したがって、2次側回路(3) においては、液冷媒が主熱交換器(4) で蒸発し、室内熱交換器(22)で凝縮するサイクルが行われる。
【0083】なお、この暖房運転時も各ロータ(63A,63B) の連通状態は冷房運転時と同じように切り換えられる。つまり、ガス側四路切換弁(43)がガス側第1切換状態の時に液側四路切換弁(53)が液側第1切換状態となり、ガス側四路切換弁(43)がガス側第2切換状態の時には液側四路切換弁(53)は液側第2切換状態となる。このように、本実施形態2においては、液側四路切換弁(53)のロータ(63B) は、ガス側四路切換弁(43)のロータ(63A) に対して、冷房運転時(冷熱搬送時)と暖房運転時(温熱搬送時)に同じ位相で回転するように構成されている。
【0084】−実施形態2の効果−本実施形態2によれば、従来は液押出管(50)と液回収管(49)に設けている複数の逆止弁の代わりに1つの液側四路切換弁(53)を用いるようにしたので、配管を簡素化でき、コストの低減を図ることができる。また、両四路切換弁(43,53) を一体にして流路切換弁(54)を構成し、一つのモータ(64)で両ロータ(63A,63B) を駆動するようにしたので、構成が複雑化することを防止してコスト低減を図ることが可能である。
【0085】−実施形態2の変形例−上記実施形態2では、ガス側四路切換弁(43)と液側四路切換弁(53)を一体化して、両ロータ(63A,63B) を一つのモータ(64)で駆動するように構成しているが、両四路切換弁(43,53) は必ずしも一体化しなくてもよい。つまり、例えば実施形態1で図2,図3及び図5を用いて説明したような構成の四路切換弁(43)をガス側と液側で別々に用い、流路の切換を同期して行うようにしてもよい。
【0086】また、上記実施形態2は、ガス側四路切換弁(43)とともに液側四路切換弁(53)を用いて回路を構成したものであるが、液側四路切換弁(53)のみを用い、ガス側は図13に示したように複数の電磁弁を用いる構成としてもよい。
【0087】
【発明の実施の形態3】本発明の実施形態3は、図9に示すように、液側四路切換弁(53)を用いる構成において、該液側四路切換弁(53)が2次側四路切換弁(24)も兼ねるように構成したものである。
【0088】この空気調和装置の2次側回路(3) では、液側四路切換弁(53)の2つのポートがメイン通路(5) に接続され、液側四路切換弁(53)の他の2つのポートが各メインタンク(25a,25b) の下端部に液配管(49,50)を介して接続されている。この液配管(49,50) は、ガス側四路切換弁(43)の切換状態に応じて、一方が液回収管(49)となり、他方が液押出管(50)となる。また、各液配管(49,50) は、それぞれ逆止弁(CV)を備えた液吸入管(51)を介してサブタンク(26)に接続されている。
【0089】液側四路切換弁(53)は、図10(b)に示すように、ポートaとポートcとが連通して第1メインタンク(25a) と室内熱交換器(22)とが通じるとともに、ポートbとポートdとが連通して第2メインタンク(25b) と主熱交換器(4) とが通じる液側第1切換状態と、図10(d)に示すように、ポートaとポートdとが連通して第2メインタンク(25b) と室内熱交換器(22)とが通じるとともに、ポートbとポートcとが連通して第1メインタンク(25a) と主熱交換器(4) とが通じる液側第2切換状態に設定可能に構成されている。
【0090】また、この回路の特徴として、各ロータ(63A,63B) は、単に同期して回転するのではなく、冷房運転時と暖房運転時とで、各ロータ(63A,63B) をガス側四路切換弁(43)の切換状態に対する液側四路切換弁(53)の切換状態の位相が90°異なる状態で回転するように構成して、冷媒を正しい方向へ流すようにしている。
【0091】つまり、冷房運転時には、一点鎖線で示すように、ガス側四路切換弁(43)が図10(a)のガス側第1切換状態のときに液側四路切換弁(53)が図10(b)の液側第1切換状態となり、ガス側四路切換弁(43)が図10(c)のガス側第2切換状態の時に液側四路切換弁(53)が図10(d)の液側第2切換状態となるのに対して、暖房運転時には、破線で示すように、ガス側四路切換弁(43)が図10(a)のガス側第1切換状態のときに液側四路切換弁(53)が図10(d)の液側第2切換状態となり、ガス側四路切換弁(43)が図10(c)のガス側第2切換状態の時に液側四路切換弁(53)が図10(b)の液側第1切換状態となるように構成されている。
【0092】本実施形態3の場合は、各四路切換弁(43,55) は一体でなくてもよく、例えば図2,3,5に示したような構造のものを別々に使用することができる。また、各ロータ(63A,63B) の回転方向や、各ロータ(63A,63B) の位相を切り換えるための構成は適宜設定すればよい。また、本実施形態3の他の構成は実施形態1及び実施形態2と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0093】−運転動作−次に、この空気調和装置(1) の運転動作について説明する。
【0094】冷房運転時、1次側四路切換弁(12)は実線の状態にセットする。そして、まずガス側切換弁(43)及び液側四路切換弁(53)を図10(a),(b)に示すようにそれぞれの第1切換状態にセットする。このようにすると、2次側回路(3) において、駆動回路(30)での冷媒の循環により、加熱熱交換器(27)で2次側冷媒が蒸発して第1メインタンク(25a) を加圧する。第1メインタンク(25a) 内の液冷媒は、該第1メインタンク(25a) から押し出されて液側四路切換弁(53)を通り、室内膨張弁(23)から室内熱交換器(22)へ流れて該室内熱交換器(22)で蒸発する。蒸発したガス冷媒は、主熱交換器(4) で凝縮した後、液側四路切換弁(53)を介して、冷却熱交換器(28)と連通して低圧になっている第2メインタンク(25b) に回収される。この動作を行うとき、サブタンク用の各電磁弁(46,47) は、上述と同様の切り換え操作が行われる。
【0095】次に、ガス側四路切換弁(43)を図10(c)のガス側第2切換状態に切り換えて、加熱熱交換器(27)と第2メインタンク(25b) とが連通し、冷却熱交換器(28)と第1メインタンク(25a) とが連通するように設定する。このとき、液側四路切換弁(53)も図10(d)の液側第2切換状態に切り換えて、第2メインタンク(25b) が室内熱交換器(22)と連通し、第1メインタンク(25a) が主熱交換器(28)と連通するように設定する。
【0096】このようにすると、駆動回路(30)での冷媒の循環により、加熱熱交換器(27)で2次側冷媒が蒸発して第2メインタンク(25b) を加圧し、冷却熱交換器(28)で冷媒が凝縮して第1メインタンク(25a) を減圧する。したがって、第2メインタンク(25b) から押し出された冷媒が、液側四路切換弁(53)を介して室内膨張弁(23)から室内熱交換器(22)へ流れ、さらに主熱交換器(4) 及び液側四路切換弁(53)を通って第1メインタンク(25a) に回収される。以上の動作を交互に行うことで、各メインタンク(25a,25b) に対する冷媒の押し出しと回収とを行って、2次側回路(3) で冷媒が循環する。
【0097】一方、暖房運転時には、ガス側四路切換弁(43)を図10(a)のガス側第1切換状態に設定したときに、液側四路切換弁(53)を図10(d)の液側第2切換状態に設定し、ガス側四路切換弁(43)を図10(c)のガス側第2切換状態に設定したときには、液側四路切換弁(53)を図10(b)の液側第1切換状態にセットする。こうすることで、一方のタンク(25a,25b) から押し出された冷媒が主熱交換器(4) で蒸発し、室内熱交換器(22)で凝縮して他方のタンク(25b,25a) に回収される動作で回路(3) 内を冷媒が循環する。
【0098】−実施形態3の効果−本実施形態3によれば、冷房運転時と暖房運転時とで両四路切換弁(43,55) のロータ(63A,63B) の位相を90°ずらせてから回転させるようにすることにより、液側四路切換弁(53)が2次側四路切換弁を兼ねる構成を可能とし、それによって冷暖房の切り換え専用の四路切換弁を不要としたので、実施形態2に比べて四路切換弁の個数を減らすことができ、構成をより簡素化してコスト低減を図ることができる。
【0099】
【発明の実施の形態4】本発明の実施形態4は、上記実施形態3の回路において用いているガス側四路切換弁(43)と液側四路切換弁(53)の構成を具体化したものである。すなわち、上記実施形態3では、ガス側四路切換弁(43)と液側四路切換弁(53)とが冷房運転時と暖房運転時で単にロータ(63A,63B) の連通溝(63a) の位相が90°変化した状態で回転するものとして説明したが、本実施形態4では、ガス側四路切換弁(43)と液側四路切換弁(53)とを図8に示した例のように一体型の流路切換弁(54)に構成したうえで、冷房時と暖房時の各ロータ(63A,63B) の位相の切り換えを可能にしている。
【0100】具体的には、図8の流路切換弁(54)において、ガス側四路切換弁(43)のロータ(第1ロータという)(63A) がモータ(64)の出力軸(64a) に固定され、液側四路切換弁(53) のロータ(第2ロータという)(63B) が、図8には示していないがモータ(64)の出力軸(64b) に位相切換機構(70)を介して連結されている。このモータ(64)は、冷房運転時と暖房運転時とで逆方向に回転するように構成されている。例えば、冷房運転時には一方向から見て時計回り方向へ90°ずつ回転し、暖房運転時には反時計回り方向へ90°ずつ回転するように構成されている。
【0101】位相切換機構(70)は、図11及び図12に示すように、モータ(64)の出力軸(64b) に固定された駆動片(71)と、第2ロータ(63B) に設けられた凸部(72)とから構成されている。この凸部(72)は、上記出力軸(64b) の回転軸の周囲において270度の領域に形成されている。そして、モータ(64)の出力軸(64b) と第2ロータ(63B) とは固定されておらず、駆動片(71)が凸部(72)の端面(当接面)(72a)と当接した状態で該端面(72a) を押す方向へ回転した場合にのみ、第2ロータ(63B)がモータ(64)の出力軸(64b) と一体に回転するようになっている。
【0102】つまり、モータ(64)を何れか一方向へ連続的に回転させる場合には両ロータ(63A,63B) が同時に一体的に回転するが、モータ(64)を反転させるときは、第1ロータ(63A) が90°回転して第2ロータ(63B) との位相が異なってから第2ロータ(63B) が回転を開始するようになっている。このため、当接面(72a) は、流路切り換え時にモータ(64)が90°反転する際に、その反転時の駆動片(71)の作動領域の両端で該駆動片(71)に当接する位置に形成されている。
【0103】−運転動作−本実施形態4によれば、実施形態3の回路構成において、例えば冷房運転時に各メインタンク(25a,25b) での液冷媒の押し出しと回収とを切り換えるためにガス側四路切換弁(43)側の第1ロータ(63A) を一方向へ順次回転させると、液側四路切換弁(53)側の第2ロータ(63B) も同時に回転する。このため、図9の回路においては、各ロータ(63A,63B) が、図10(a)及び図10(b)に示すそれぞれの第1切換状態から、モータを90°回転させることによって、図10(c)及び図10(d)に示すそれぞれの第2切換状態に変化するので、実施形態3で説明したように冷媒の押し出し動作と回収動作を行って、冷媒を回路(3) 内で室内熱交換器(22)側から主熱交換器(4) 側へ循環させることができる。
【0104】一方、暖房運転時には、モータ(64)を反転させると、第2ロータ(63B) が停止した状態で第1ロータ(63A) のみが90°回転するため、各ロータ(63A,63B) の位相が変化する。つまり、各ロータ(63A,63B) は、例えばガス側が図10(a)に示す第1切換状態の時に液側が図10(d)に示す第2切換状態となり、ガス側が図10(c)に示す第2切換状態の時には液側は図10(b)に示す第1切換状態となる。したがって、同様に実施形態3で説明したように、暖房運転時には各タンク(25a,25b) での冷媒の押し出しと回収とによって冷媒が回路(3) 内で主熱交換器(4) 側から室内熱交換器(22)側へ循環する動作が行われ、室内空気が加熱される。
【0105】−実施形態4の効果−このように、本実施形態4では、ガス側四路切換弁(43)と液側四路切換弁(53)とを一体化した流路切換弁(54)において、正転と逆転とが可能なモータ(64)を用いるとともに、第2ロータ(63B) とモータ(64)の出力軸(64b) とを位相切換機構(70)を介して連結するようにしたことによって、簡単な構成でありながら冷房時と暖房時の冷媒の循環動作を確実に行うことが可能となる。
【0106】また、本実施形態4の構成では、2つの四路切換弁(43,55) を一体化した流路切換弁(54)を用い、しかも構成が複雑にならないので、コストが高くなることを極めて効果的に防止できる。
【0107】−実施形態4の変形例−上記実施形態4では、第1ロータ(63A) をモータ(64)の出力軸(64a)に固定し、第2ロータ(63B) を位相切換機構(70)を介してモータ(64)の出力軸(64b) と連結するようにしているが、逆に第1ロータ(63A) を位相切換機構(70)を介してモータ(64)の出力軸(64a)に連結し、第2ロータ(63B) をモータ(64)の出力軸(64b)に固定するようにしてもよい。
【0108】また、上記実施形態4では、位相切換機構(70)の凸部(72)を270度の領域に大略C字形状に形成しているが、例えば2箇所に突起を形成してそれぞれに当接面(72a)を設けるなど、形状は任意に変更してもよく、要するに位相切換機構(70)が、モータの反転時に90°だけ一方のロータ(63A,63B) が回転せずに停止するように構成されていればよい。
【0109】
【発明のその他の実施の形態】本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0110】例えば、上記各実施形態において、熱源側の1次側回路は蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う回路として説明したが、これに限定するものではなく、例えば吸収式冷凍機など、他の方式のものを1次側に用いてもよい。
【0111】また、本発明の熱搬送装置は、冷暖房が可能な空気調和装置に限らず、冷房専用機や暖房専用機を含め、その他の冷凍装置に適用することも可能である。冷房専用機や暖房専用機に構成する場合は、実施形態1や2において、1次側四路切換弁(12)と2次側四路切換弁(24)は設けなくてもよく、実施形態3においては1次側四路切換弁(12)が不要で、さらに実施形態4においては2次側回路(3) の液側四路切換弁(53)に位相切換機構(70)は不要である。
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成11年12月17日(1999.12.17)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘 (外1名)
【公開番号】 特開2001−174006(P2001−174006A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願平11−358417