トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F24 加熱;レンジ;換気




【発明の名称】 トルネード型吸気・送風装置
【発明者】 【氏名】菊池 芳正

【氏名】成川 嘉則

【要約】 【課題】トルネード型吸気・送風装置の吹出気流の速度分布を均一化し、安定したエアカーテン状の旋回渦流を形成する。

【解決手段】本願発明のトルネード型吸気・送風装置は、所定局所領域内の空気を竜巻状に旋回させて吸込む吸気口2aと、該吸気口2aを取り囲むように設けられた送風空気旋回空間4cと、該送風空気旋回空間4c内に導入される空気を内外2層流に分流させる旋回流分流板7と、上記送風空気旋回空間4cを介して旋回流となった空気を上記吸気口2aの外周囲から斜め下方に旋回させてエアカーテン状に吹き出す空気吹出口3とを備えて構成されている。その結果、空気吹出口3から吹出される吹出気流の流速分布を略全周に亘って均一にでき、より安定した螺旋状の旋回渦流を形成できるようになり、送風並びに吸気性能を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定局所領域内の空気を竜巻状に旋回させて吸込む吸気口(2a)と、該吸気口(2a)を取り囲むように設けられた送風空気旋回空間(4c)と、該送風空気旋回空間(4c)内に導入される空気を内外2層流に分流させる旋回流分流板(7)と、上記送風空気旋回空間(4c)を介して旋回流となった空気を上記吸気口(2a)の外周囲から斜め下方に旋回させてエアカーテン状に吹き出す空気吹出口(3)とを備えてなるトルネード型吸気・送風装置。
【請求項2】 送風空気旋回空間(4c)内には、旋回流の流速分布を均一化する多数の整流孔(6a),(6a)・・・を備えた整流板(6)が設けられ、上記旋回流分流板(7)は該整流板(6)の上流部に位置して設けられていることを特徴とする請求項1記載のトルネード型吸気・送風装置。
【請求項3】 整流板(6)には、分流された旋回流の流れの状態をコントロールする旋回流コントロール構造が採用されていることを特徴とする請求項2記載のトルネード型吸気・送風装置。
【請求項4】 旋回流コントロール構造は、旋回流の流速の高い部分を整流孔(6a),(6a)・・・のない盲部(6b),(6c)に形成することにより構成されていることを特徴とする請求項3記載のトルネード型吸気・送風装置。
【請求項5】 旋回流分流板(7)は、旋回流上流端(7a)側が送風空気旋回空間(4c)の外周側に偏位して設けられている一方、旋回流下流端(7b)側が送風空気旋回空間(4c)の中心側に偏位して設けられていることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載のトルネード型吸気・送風装置。
【請求項6】 旋回流分流板(7)の上流端(7a)は、所定厚肉の円弧面形状となっていることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載のトルネード型吸気・送風装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、螺旋状の旋回渦流を外側吹出方向と内側吸込方向の内外相互に逆方向に生成させることにより、所定の局所領域内の空気を周囲に拡散させることなく効果的に吸気できるようにした所謂トルネード型の吸気・送風装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば室内の所定の局所領域内の空気を周囲に拡散させることなく効率良く吸気して室外に排出させるための有効な換気方法として、最近では、例えば図11に示すように、吸気ダクト2および送風ダクト5の2本のダクトを設置する一方、それらに対応して大径の集気用開口1aを有する円錐台形状の吸気フード1、および空気吹出口3を有する略円錐形状の空気送風チャンバー4を内外2層構造に設け、上記吸気フード1の天板部1b中央で吸気ダクト2の吸気口2aと吸気フード1の開口1aとを、また空気送風チャンバー4の頂部4a側で斜め接線方向に送風ダクト5の空気導入口5aと送風空気旋回空間4cとを各々連通させ、上記送風ダクト5の空気導入口5aを介して上記送風チャンバー4の送風空気旋回空間4c内に導入した外気を同空間4c内で旋回させながら整流孔6a,6a・・・を備えた整流板6により整流した後に上記空気送風チャンバー4の下面側開口部に上記吸気フード1ないし吸気口2aを囲むように設けた旋回流生成ステータ3a,3a・・・を有する空気吹出口3から上記所定局所領域の外周囲に螺旋状に吹き出してエアカーテン状の旋回渦流F1を形成するとともに、該旋回渦流F1内における空気を当該局所領域外周囲への吹出空気とは逆の上記吸気ダクト2の吸気口2a方向に吸気し、該吸気時の吸気負圧によって当該吸気口2a方向に竜巻状に上昇する吸気旋回渦流F2を発生させて有効に換気を行う所謂トルネード型の吸気・送風装置が提案されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、以上のような構成のトルネード型吸気・送風装置の場合、次のような問題がある。
【0004】すなわち、図11のような構成のトルネード型吸気・送風装置では、空気送風チャンバー4内の送風空気旋回空間4c内に1本の送風ダクト5を介して外気を導入するようにしているために、接線方向に向けて導入するのにも限界があり、例えば図12のA,Bに示すように内外両方向の導入空気(イ),(ロ)の剥離域が生じ、流速分布の均一な旋回流を生成することができず、吹出気流が乱れて確実なエアカーテン流を形成しにくい問題があった。
【0005】本願発明は、以上のような問題を解決するためになされたもので、上記のようなトルネード型吸気・送風装置の吹出気流の流速分布を均一化し、安定したエアカーテン状の旋回渦流を形成することができるようにすることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明は、該目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
【0007】(1) 請求項1記載の発明この発明のトルネード型吸気・送風装置は、所定局所領域内の空気を竜巻状に旋回させて吸込む吸気口2aと、該吸気口2aを取り囲むように設けられた送風空気旋回空間4cと、該送風空気旋回空間4c内に導入される空気を内外2層流に分流させる旋回流分流板7と、上記送風空気旋回空間4cを介して旋回流となった空気を上記吸気口2aの外周囲から斜め下方に旋回させてエアカーテン状に吹き出す空気吹出口3とを備えて構成されている。
【0008】したがって、上記旋回流分流板7の分流作用により、送風空気旋回空間4c内に導入された外気が剥離域を生じることなく、流速の大きな内外2層流に分流されて、当該送風空気旋回空間4c内の全体に均一な流速でスムーズに旋回されるようになり、空気吹出口3から吹出される吹出気流の流速分布を略全周に亘って均一にできることから、より安定した螺旋状の旋回渦流を形成できるようになり、それだけ送風並びに吸気性能を向上させることができる。
【0009】(2) 請求項2記載の発明この発明のトルネード型吸気・送風装置は、上記請求項1記載の発明の構成において、上記送風空気旋回空間4c内には、旋回流の流速分布を均一化する多数の整流孔6a,6a・・・を備えた整流板6が設けられ、上記旋回流分流板7は該整流板6の上流部に位置して設けられている。
【0010】このように送風空気旋回空間4c内に、旋回流の流速分布を均一化する多数の整流孔6a,6a・・・を備えた整流板6が設けられていると、空気吹出口3に供給される旋回流の流速分布を均一にできる反面、多数の整流孔6a,6a・・・の存在のために旋回流の流速が低下しやすい。
【0011】したがって、該整流板6を設けた場合に、その上流部に上述のような旋回流分流板7が設けられていると、旋回流の流速が増大されて、流速の低下が抑制されるようになるので、旋回流の生成作用と生成された旋回流の流速分布の均一化作用との両立を図ることができる。
【0012】(3) 請求項3記載の発明この発明のトルネード型吸気・送風装置は、上記請求項2記載の発明の構成において、整流板6には、分流された旋回流の流れの状態をコントロールする旋回流コントロール構造が採用されている。
【0013】上述のように、送風空気旋回空間4c内に、旋回流分流板7を設けて旋回流を内外2層流に分流させるとともに、旋回流の流速分布を均一化する多数の整流孔6a,6a・・・を備えた整流板6を設けると、旋回流分流板7によって内外両方向の旋回流の流速が増大して従来のような剥離域が低減されるとともに、各整流孔6a,6a・・・によって空気吹出口3側に供給される内外各旋回流の流速分布を均一にすることができる。しかし、そのようにしたとしても送風空気旋回空間4c内の全ての部分の流速分布を均一にすることは困難である。
【0014】そこで、上述のように旋回流分流板7を設け、かつ整流板6により整流しても、なお流速の不均一を招く領域が生じることを考慮して上記分流された旋回流の流れの状態を細かくコントロールして、さらに旋回流の流速分布をを改善する旋回流コントロール手段を設け、上記整流板6の流速分布均一化作用を向上させる。
【0015】(4) 請求項4記載の発明この発明のトルネード型吸気・送風装置は、上記請求項3記載の発明の構成において、上記旋回流コントロール構造が、旋回流の流速の高い部分を整流孔6a,6a・・・のない盲部6b,6cに形成することにより構成されている。
【0016】上述のように多数の整流孔6a,6a・・・を有する整流板6を設けた場合において、なお流速分布に差があると、流速の高い領域の整流板6部分からは、より高流速の旋回流が空気吹出口3に供給されるので、吹出気流の流速分が不均一になって、良好なエアカーテン流が形成されない。したがって、むしろ同領域には整流孔6a,6a・・・を設けることなく盲部6b,6cとして、同領域からの旋回流の流速を低下させて、全体の流速分布を均一にする。
【0017】(5) 請求項5記載の発明この発明のトルネード型吸気・送風装置は、上記請求項1,2,3又は4記載の発明の構成において、上記旋回流分流板7は、旋回流上流端7a側が送風空気旋回空間4cの外周側に偏位して設けられている一方、旋回流下流端7b側が送風空気旋回空間4cの中心側に偏位して設けられている。
【0018】上記旋回流分流板7により分流される旋回流の流速は、送風空気導入部に近い旋回流上流端7a側で高く、旋回流下流端7b側に行くに従って低くなる。
【0019】その結果、上流側と下流側という旋回速度のアンバランスが生じ、有効な旋回流を生ぜしめにくくなる。
【0020】ところが、上記のように、旋回流分流板7の旋回流上流端7a側を送風空気旋回空間4cの外周側に偏位させて設ける一方、同旋回流下流端7b側を送風空気旋回空間4cの中心側に偏位させて設けると、同旋回流分流板7の下流側の旋回速度を上昇させることができるから、上記アンバランスを解消することができ、有効な旋回流を形成することができる。
【0021】(6) 請求項6記載の発明この発明のトルネード型吸気・送風装置は、上記請求項1,2,3,4又は5記載の発明の構成において、上記旋回流分流板7の上流端7aが、所定厚肉の円弧面形状となっている。
【0022】上記のように旋回流分流板7を設けた場合において、上記旋回流分流板7の上流端7aの迎え角が、導入空気の入射角と一致しない場合には、負圧面となる下流側に流れの剥離を生じ、剥離面側旋回流の流速が低下して吹出風量の低下を招く、その結果、吹出気流の流速分布の不均一さが生じる。
【0023】ところが、上記のように、旋回流分流板7の旋回流上流端7aを所定厚肉の円弧面形状にすると、その両面側にコアンダ効果が生じて、負圧面となる側の流れの剥離が解消され、旋回流の流速が上昇して吹出風量も増加する。その結果、吹出気流の流速分布も均一になる。
【0024】
【発明の効果】以上の結果、本願発明のトルネード型吸気・送風装置によると、吸気、送風効率共に向上し、吹出気流の流速分布が均一な確実なエアカーテン流により効率良く所定局所領域内の換気を行うことができるようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1〜図3は、換気装置に適用した本願発明の実施の形態1に係るトルネード型吸気・送風装置の構成を示している。
【0026】このトルネード型吸気・送風装置は、一例として例えば一般家庭の台所又は飲食店の業務用厨房等におけるガステーブル等所定局所領域としての加熱調理器具の上方部に設けられ、当該加熱調理器具の外周囲を室外から導入した外気による上方側から下方側への螺旋状の旋回渦流F1によってエアカーテン状に包み込む一方、当該エアカーテン状の螺旋状の旋回渦流F1内中心部に作用する吸気方向への吸引負圧により当該エアカーテン状の螺旋状の旋回渦流F1内において上方に向けて生じる竜巻状の吸気旋回渦流F2を形成せしめ、該竜巻状の上昇旋回渦流F2によって上記所定局所領域の加熱調理器具等から発生する煙や臭い等を効率良く吸引して室外に排気できるようにしたものである。
【0027】図1〜図3中、符号4は、上記臭気や煙等汚染空気発生源の上方部に設けられた例えば略円錐形状の外気送風チャンバーであり、この外気送風チャンバー4の内側下方には、所定の間隔を置いて深さの浅い円錐台形状の排気方向への吸気フード1が上記外気送風チャンバー4の下端側開口面4b付近に位置して一体に設けられている。そして、それにより、上記外気送風チャンバー4とその内側の吸気フード1との間に、外気送風ダクト5の外気導入口5aを介して吸入した外気を、有効に旋回させながら空気吹出口3方向に導く、進行方向に次第に通路径が拡大した送風空気旋回空間4cが形成され、上記空気吹出口3に供給する空気流に対して予じめ所定流速の旋回流を形成するようになっている。また、この送風空気旋回空間4c内には、上記吸気フード1の上方部側に位置して、上記のようにして形成された旋回流を整流し、その流速分布を均一化するための多数の空気流整流孔6a,6a・・・を有した整流板6が設けられている。この整流板6は、例えばパンチングプレートなどにより形成される。
【0028】また、この整流板6の上部には、C字形状の旋回流分流板7が、その旋回流上流端7a側を上記外気送風ダクト5の外気導入口5aのセンターに対向させた状態で立設されており、該旋回流分流板7によって上記送風空気旋回空間4cが外側第1の旋回通路41cと内側第2の旋回通路42cとの内外2つの旋回通路に区画されている。そして、この旋回流分流板7内側の投影円周面上の上記整流板6部分は、整流孔6a,6a・・・がない盲部6bに形成されていて、上記内側第2の旋回通路42cを流れる旋回流を可及的有効に旋回させながら最終的に第1の旋回通路41c側に合流させることにより、空気吹出口3側外周に集合させて整流孔6a,6a・・・を介して整流し、その後均一な流速で吹き出させる。
【0029】さらに、上記外気送風チャンバー4側には、供給される外気を斜め接線方向(旋回方向)に向けて導入すべく上記外気送風ダクト5先端の曲成された外気導入口5aが、また上記吸気フード1の天板部1b中央には上記外気送風チャンバー4の頂部4aを上方から下方に貫通して導入され、その下端側吸気口2aが上記吸気フード1の集気用の開口1a面よりも少し下方に位置するように筒状に延設(突設)された筒状の吸気ダクト2が、それぞれ連通状態で接続され、それらの外気吸入端、内気排出端がそれぞれ戸外に延設されている。そして、これら外気送風ダクト5、吸気ダクト2の図示しない戸外への延設端には、例えば多翼送風機(シロッコファン)よりなる外気送風ファン、吸気ファン(吸排気ファン)がそれぞれ設けられ、それらの駆動により各々対応する外気送風作用、吸排気作用が実現されるようになっている。また、上記吸気ダクト2の吸気口2a外周には、吸気フード1内に集気された内気を吸引する補助吸気口2b,2b・・・が設けられている。
【0030】ところで、上記空気吹出口3は、例えば、上記外気送風チャンバー4の下端側開口面4bと上記吸気フード1の外周面1cとの間にあって所定の通路長さを有して全周方向に連続して環状に開口されており、その上方側から下方側に向けて中心径が拡大する所定の傾斜角で斜めに形成されている。そして、その空気吹出通路部分には、それぞれ螺旋方向下方に所定の傾斜角(ラジアル角)を有した多数の旋回流生成ステータ3a,3a・・・が全周方向に所定の間隔を保って並設されている。
【0031】したがって、以上の構成では、今例えば上記外気送風ダクト5側の外気送風ファンおよび吸気ダクト2側の吸気ファンがそれぞれ駆動されたとすると、先ず上記外気送風ダクト5を介して外気導入口5aに導かれた外気が、外気送風ファンからの送風圧によって上記送風外気旋回空間4c内の上記旋回流分流板7の上流端7a方向に向けて吹き出される。そして、同旋回流分流板7によって例えば図3のように適切に内外2層に分流され、上記第1,第2の旋回通路41c,42cを介して共に流速が高められ、それらの何れの通路側にも従来のような剥離域(図7のA,B)を生じることなく送風外気旋回空間4c内で効率良く旋回されながら、第2の旋回通路42c側の流れが最終的に第1の旋回通路41c側に合流し、整流板6の整流孔6a,6a・・・により整流されて、周方向の全体に均一な流速の安定した旋回流となって上記外気送風チャンバー4の下部側開口面4bと上記吸気フード1の外周面1cとの間に設けられた空気吹出口3に供給される。
【0032】すなわち、以上の構成の場合、上記旋回半径の大きい外周側第1の旋回通路41c側の流れは、上記旋回流分流板7の存在によって外気送風チャンバー4の内壁面に沿った動圧の高い流れとなり、外気導入口5a部外周側部分(図7のA部)においても剥離のない強い流れになる。従って、整流板6の整流孔6a,6a・・・によっても余り流速低下を生じることなく旋回され、外気導入口5aの下側部分をも通して有効に旋回しながら整流される。
【0033】他方、上記内周側第2の旋回通路42c側の流れは、旋回半径が小さいために整流孔6a,6a・・・があると、流速低下を生じやすく、余計に下流側での剥離域(図7のB)を生じやすい。また、この部分での下方側への吹出流は、本来必要ではなく、空気吹出口3側外周部寄りにガイドする方が良い。そのため、該内側第2の旋回通路42c側の整流板6部分は、旋回流の流れの状態をコントロールする旋回流コントロール構造として整流孔6a,6a・・・のない盲部6bを形成するようにして圧損を低減しながら、流速を高めることにより下流側での旋回流の第1の旋回通路41c側への回り込みを良好にして旋回性を向上させている。
【0034】そして、以上のようにして上記空気吹出口3に供給された整流後の旋回流が当該空気吹出口3の空気吹出通路を通過する時に、上記旋回流生成ステータ3a,3a・・・によって、さらに大きく旋回方向のベクトルが付与され、より強く全周方向に気流速度が均一な安定した螺旋状の旋回気流F1となって下方側局所領域にある加熱調理器具の外周囲に向けて斜め方向に吹き出される。
【0035】その結果、該螺旋状の安定した吹出旋回気流F1により、上記所定局所領域内の加熱調理器具から出る煙や臭気を周囲に拡散しないように包囲する確実なエアカーテン流が形成されるとともに、その中心軸方向内側には、それと逆方向の上記吸気ダクト2の上記吸気フード1の開口面よりも低い位置まで突出するように筒状に延設された吸気口2a方向に向けて上記吸気ファンの吸引力により下方から上方に上昇する竜巻状の大きな吸引力の安定した旋回吸気流F2が形成される。
【0036】そして、それにより上記螺旋状の吹出旋回気流F1よりなるエアカーテン流によって包まれた加熱調理器具部分の煙や臭気等汚染した空気の確実な排気、清浄化が可能となる。
【0037】本実施の形態のトルネード型吸気・送風装置では、上述のように、所定局所領域内の空気を竜巻状に旋回させて吸込む吸気口2aと、該吸気口2aを取り囲むように設けられた送風空気旋回空間4cと、該送風空気旋回空間4c内に導入される外気を内外2層流に分流させる旋回流分流板7と、上記送風空気旋回空間4cを介して旋回流となった外気を上記吸気口2aの外周囲から斜め下方に旋回させてエアカーテン状に吹き出す空気吹出口3とを備えて構成されている。
【0038】したがって、該構成では、上記旋回流分流板7の分流作用により、送風空気旋回空間4c内に導入された外気が剥離域を生じることなく、流速の大きな内外2層流に分流されて、当該送風空気旋回空間4c内の全体を均一な流速でスムーズに旋回されるようになり、最終的に空気吹出口3から吹出される吹出気流の流速分布を全周に亘って略均一にできることから、より安定した螺旋状の旋回渦流を形成できるようになり、それだけ送風並びに吸気性能を向上させることができる。
【0039】ところで、この場合、本実施の形態のトルネード型吸気・送風装置では、上述のように、特に上記送風空気旋回空間4c内には、旋回流の流速分布を均一化する多数の整流孔6a,6a・・・を備えた整流板6が設けられ、上記旋回流分流板7が該整流板6の上流部に位置して設けられている。
【0040】このように送風空気旋回空間4c内に、旋回流の流速分布を均一化する多数の整流孔6a,6a・・・を備えた整流板6が設けられていると、空気吹出口3に供給される旋回流の流速分布を均一にできる反面、多数の整流孔6a,6a・・・の存在のために旋回流の流速が低下しやすい。
【0041】したがって、該整流板6を設けた場合に、その上流部に上述のような旋回流分流板7が設けられていると、旋回流の流速が増大されて、流速の低下が抑制されるようになるので、旋回流の生成作用と生成された旋回流の流速分布の均一化作用との両立を図ることができる。
【0042】さらに、その場合、本実施の形態のトルネード型吸気・送風装置では、上記のように旋回流分流板7および整流板6を設けた構成において、上記C字状の旋回流分流板7内側の整流板6部分には、分流された旋回流の流れの状態を良好にし外周方向にコントロールする旋回流コントロール構造として盲部6bが設けられている。
【0043】上述のように、送風空気旋回空間4c内に、旋回流分流板7を設けて旋回流を内外2層流に分流させるとともに、旋回流の流速分布を均一化する多数の整流孔6a,6a・・・を備えた整流板6を設けると、旋回流の流速が増大するとともに各整流孔6a,6a・・・によって空気吹出口3側に供給される内外各旋回流の流速分布を均一にすることができる。しかし、そのようにしたとしても旋回流中心部側等送風空気旋回空間4c内の全ての部分の流速分布を均一にすることは困難であるし、またエアカーテン状に吹き出すためには中心部側の旋回流をも可能な限り外周側空気吹出口3方向に集約させることが必要である。。
【0044】そこで、上述のように旋回流分流板7を設け、かつ整流板6により整流するようにした場合においても、さらに旋回流中心側C字状の旋回流分流板7の内側の整流板6を盲部6bとすることによって第2の旋回通路42c側の旋回流を下流側で第1の旋回通路41c側に合流させるように、旋回流の流れの状態をコントロールして、さらに旋回流の流速分布をを改善することにより、上記整流板6の流速分布均一化作用を向上させている。
【0045】それらの結果、本実施の形態のトルネード型吸気・送風装置によると、吸気、送風効率共に向上し、吹出気流の流速分布が均一な確実なエアカーテン流により効率良く所定局所領域内の換気を行うことができるようになる。
【0046】(実施の形態2)次に図4及び図5は、同じく換気装置に適用した本願発明の実施の形態2に係るトルネード型吸気・送風装置の構成を示している。
【0047】この実施の形態の構成では、上記実施の形態1の構成のトルネード型吸気・送風装置において、例えば図4及び図5に示すように、旋回流が回り込みにくく流れの剥離が生じやすいために旋回流の流速低下が生じやすい上記第1の旋回通路41cにおける旋回流分流板7の下流端7b外周側領域の上流側流速の速い領域の整流板6の部分にも旋回流コントロール構造として整流孔6a,6a・・・のない盲部6cを設けて、同上流側高流速領域部分の流速を低下させて下流側領域との流速差を小さくするようにしたことを特徴としている。
【0048】このようにすると、整流孔6a,6a・・・が少なくなった分だけ高流速領域の流速が低下し、上記第1の旋回通路41cの旋回流分流板7の下流端7b側外周域の旋回流の流速との差が小さくなり、整流板6を介して空気吹出口3に供給される旋回流の流速分布を均一化することができる。
【0049】(実施の形態3)次に図6は、同じく換気装置に適用した本願発明の実施の形態3に係るトルネード型吸気・送風装置の構成を示している。
【0050】ところで、上記実施の形態1の構成のように、外気送風チャンバー4内に外気送風ダクト5の外気導入口5aが接線方向に向けて上方から下方に所定長さ挿入されていると、当該挿入された外気導入口5aの下方側部分で縦方向の剥離渦を生じ、この剥離渦部分の旋回流の流速が低下して、上述の旋回流の流速分布を乱すことになる。
【0051】そこで、この実施の形態の構成では、上記実施の形態1の構成のトルネード型吸気・送風装置において、例えば図6に示すように、同縦方向の流れの剥離を防止するために、外気導入口5aを外気送風チャンバー4の壁面部に開口させて縦方向の剥離渦を生じさせないようにするとともに、該外気導入口5aの開口面に対応した部分を除き同開口面の周方向一端側から他端側まで外気送風チャンバー4の内周面に沿って所定幅の盲部6dを連続させることによって当該外気導入口5a部分6fを含む全周方向の旋回流の流速を高めることにより流速分布を均一化するようにしている。また、上記旋回流分流板7の内側だけでなく同旋回流分流板7の下流端7b下流域の整流板6の部分に整流孔6a,6a・・・のない盲部6eを設けて、上述の実施の形態2の場合と同様に同下流側旋回流の流速分布の均一性を向上させるようにしている。
【0052】(実施の形態4)次に図7は、同じく換気装置に適用した本願発明の実施の形態4に係るトルネード型吸気・送風装置の構成を示している。
【0053】この実施の形態のトルネード型吸気・送風装置は、上記実施の形態1のものと略同様の構成において、旋回流分流板7は、旋回流上流端7a側が送風空気旋回空間4cの外周側(外気送風チャンバー4の周壁側)に偏位させて設けられている一方、旋回流下流端7b側が送風空気旋回空間4cの中心O側に偏位させて設けられている。
【0054】上記旋回流分流板7により分流される旋回流の流速は、送風空気導入部に近い旋回流上流端7a側で高く、旋回流下流端7b側に行くに従って低くなる。
【0055】その結果、送風空気旋回空間4cの上流側(X領域)と下流側(Y領域)で旋回速度のアンバランスが生じ、有効な旋回流を生ぜしめにくくなる。
【0056】ところが、上記のように、旋回流分流板7の旋回流上流端7a側を送風空気旋回空間4cの外周側に偏位させて設けることにより第1の旋回通路41cの上流部の幅W1を小さくする一方、同旋回流下流端7b側を送風空気旋回空間4cの中心O側に偏位させて設けることにより第1の旋回通路41cの下流部の幅W2を大きくすると、同旋回流分流板7の下流側両通路の旋回速度を上昇させることができるから、上記旋回速度のアンバランスを解消することができ、有効な旋回流を形成することができるようになる。
【0057】(実施の形態5)次に図9および図10は、同じく換気装置に適用した本願発明の実施の形態5に係るトルネード型吸気・送風装置の構成を示している。
【0058】この実施の形態のトルネード型吸気・送風装置は、図9および図10に示すように、上記実施の形態4の構成において、上記旋回流分流板7の上流端7aが、さらに所定厚肉の円弧面形状となっている。
【0059】上記実施の形態4のように旋回流分流板7を設けた場合において、上記旋回流分流板7の上流端7aの迎え角が、導入空気の入射角と一致しない場合には、図8に示すように、負圧面となる下流側に流れの剥離Zを生じ、剥離面側第1の旋回通路41cを流れる旋回流の流速が低下して吹出風量の低下を招く。その結果、吹出気流の流速分布の不均一さが生じる。
【0060】ところが、図9および図10に示すように、旋回流分流板7の旋回流上流端7aを所定厚肉の円弧面形状にすると、その両面側にコアンダ効果が生じて、特に負圧面となる側の流れの剥離が解消され、旋回流の流速が上昇して吹出風量も増加する。その結果、吹出気流の流速分布も均一になる。
【0061】(変形例)以上の各実施の形態における次の各部は、それぞれ次に述べるような種々の変形が可能である。
【0062】(1) 整流板6の整流孔6a,6a・・・の形状又は構造について図1〜図9に示した円形孔に代えて、周方向に延びる長穴等スリット形状に変更する。その場合、その開口長さは少なくとも全周よりも小さくすることが好ましい。さらに、そのようにした場合において、その開口径又は開口数を旋回流の上流側から下流側方向の圧力分布に対応して変化させて、流速分布を改善できるように設定する。
【0063】また、一方整流板6そのものをスリット構造のもので形成することも可能である。
【0064】(2) 整流板6と旋回流分流板7との関係についてこれらは相互に別体のものを一体に組付けるようにしても良いが、最初から両者を一体に形成しても良い。後者のようにすると、組立てが容易になる。
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成11年9月24日(1999.9.24)
【代理人】 【識別番号】100075731
【弁理士】
【氏名又は名称】大浜 博
【公開番号】 特開2001−91007(P2001−91007A)
【公開日】 平成13年4月6日(2001.4.6)
【出願番号】 特願平11−270199