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【発明の名称】 加湿装置
【発明者】 【氏名】木澤 敏浩

【氏名】得居 卓司

【要約】 【課題】ヒータの加熱による加湿ロータの損傷が少なくて、性能が安定して寿命が長く、かつ、火災の発生の恐れがない加湿装置を提供すること。

【解決手段】加湿ロータ12を通過した後に折り返して、再び上記加湿ロータ12を逆方向に通過するよう形成した加湿通路15の折り返し地点に、加熱ヒータ16を、加熱ヒータ16の長軸が加湿ロータ12の面に垂直となるように設置する。上記加熱ヒータ16の加湿ロータ12に対する投影面積は最小であるので、加湿ロータ12に対する放射熱の量も最小であり、そのため、加熱ヒータ16の熱による加湿ロータ12の性能の劣化や寿命の短縮、また、火災の発生を防ぐことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 加湿ロータ(12)と、この加湿ロータ(12)を通る吸湿通路(13)と、上記加湿ロータ(12)を通る加湿通路(15)と、上記加湿通路(15)に設けられたヒータ(16)とを備える加湿装置において、上記ヒータ(16)は、ヒータケース(16b)内にヒータ本体(16a)を収納して成り、上記ヒータケース(16b)内を通過する空気の方向が、上記加湿ロータ(12)の面と略平行であることを特徴とする加湿装置。
【請求項2】 加湿ロータ(12)と、この加湿ロータ(12)を通る吸湿通路(13)と、上記加湿ロータ(12)を通る加湿通路(15)と、上記加湿通路(15)に設けられたヒータ(16)とを備える加湿装置において、上記ヒータ(16)の長軸の方向が、上記加湿ロータ(12)の面と略直角であることを特徴とする加湿装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、室内に供給する空気に加湿を行う加湿装置に関し、詳しくは、給水装置を設けることなく空気中から水分を捕集して、供給する空気に加湿を行う加湿装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の加湿装置としては、図4に示すようなものがある。この加湿装置は、シリカゲルやゼオライト等の吸着材からなる円板状の加湿ロータ52に、この加湿ロータ52を経由する吸湿通路53と加湿通路54とを設けている。上記円板状の加湿ロータ52は、軸52aの周りに図示しないモータによって回転するようになっている。上記吸湿通路53を通る空気は、図示しないファンとモータとから成る吸湿側ファンモータ55によって矢印Aに示すように吸引されて流れる。上記加湿通路54を通る空気は、図示しないファンとモータとから成る吸湿側ファンモータ56によって矢印Bに示すように吸引されて流れる。
【0003】上記加湿ロータ52は吸湿通路53において上記吸湿通路53を通る空気の水分を吸着する一方で、加湿通路54において水分を脱着して、加湿通路54を通過する空気に加湿をする。そして、上記加湿通路54は、加湿ロータ52を一度通過した後に折り返して、再び加湿ロータ52を通過するように形成しており、上記加湿ロータの上側にヒータ57を設けている。上記ヒータ57は加湿通路54を通る空気を加熱して、加湿ロータ52が水分を脱着しやすくなるようにしている。そして、上記ヒータ57の長軸の方向は、加湿ロータ52の面に平行になっていて、ヒータの放熱側の面が加湿ロータ52に面している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の加湿装置は、ヒータの長軸の方向が加湿ロータに平行に設置されて、放熱面が加湿ロータに面しているため、加湿ロータにヒータの放射熱が多量に照射されて、加湿ロータが異常高温となって、加湿ロータの性能が劣化して寿命が短縮し、また、火災を発生させる恐れがあるという問題がある。
【0005】そこで、この発明の目的は、加湿ロータの寿命が長く、かつ、火災の恐れのない加湿装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1の発明の加湿装置は、加湿ロータと、この加湿ロータを通る吸湿通路と、上記加湿ロータを通る加湿通路と、上記加湿通路に設けられたヒータとを備える加湿装置において、上記ヒータは、ヒータケース内にヒータ本体を収納して成り、上記ヒータケース内を通過する空気の方向が、上記加湿ロータの面と略平行であることを特徴としている。
【0007】上記構成の加湿装置においては、上記ヒータケースを通過する空気の方向が、上記加湿ロータの面と略平行となるようにヒータを設置しているので、上記ヒータの上記加湿ロータの面への投影面積が小さい。したがって、上記ヒータが加湿ロータに照射する放射熱が少なくて、加湿ロータは異常高温にならないので、上記加湿ロータの性能を劣化したり寿命を短縮することがなく、火災を発生させる恐れもない。
【0008】請求項2の発明の加湿装置は、加湿ロータと、この加湿ロータを通る吸湿通路と、上記加湿ロータを通る加湿通路と、上記加湿通路に設けられたヒータとを備える加湿装置において、上記ヒータの長軸の方向が、上記加湿ロータの面と略直角であることを特徴としている。
【0009】上記構成の加湿装置においては、上記ヒータの長軸の方向が、上記加湿ロータの面と略直角であるので、上記ヒータの加湿ロータの面への投影面積が小さい。したがって、上記ヒータが上記加湿ロータに照射する放射熱が少なくて、加湿ロータは異常高温にならないので、上記加湿ロータの性能を劣化したり寿命を短縮することがなく、火災を発生させる恐れもない。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0011】図1に示すように、この加湿装置はケーシング10内に円板状の加湿ロータ12を配置している。この加湿ロータ12は、シリカゲル、ゼオライト、アルミナ等の吸着材を、例えばハニカム状または多孔多粒状に形成して成り、軸12aの周りに図示しないモータによって回転するようになっている。また、上記ケーシング10内を仕切り板11で仕切って、加湿ロータ12の各部を経由する吸湿通路13と加湿通路15とを形成している。
【0012】上記吸湿通路13の加湿ロータ12よりも下流側かつ加湿ロータ12よりも下側に吸湿側ファンモータ14を設けて、空気を矢印Aに示すように吸引して流すようにしている。この吸湿側ファンモータ14は、図示しない吸湿ファンと、この吸湿ファンを駆動する図示しないモータとを一体に構成して成る。上記加湿ロータ12は、吸湿通路13を矢印A方向に流れる空気から水分を吸着する。
【0013】一方、上記加湿通路15の加湿ロータ12よりも下流側かつ加湿ロータ12よりも下側に加湿側ファンモータ17を設けて、空気を矢印Bに示すように吸引して流すようにしている。この加湿側ファンモータ17は、図示しない加湿ファンと、この加湿ファンを駆動する図示しないモータとを一体に構成して成る。そして、上記加湿通路15の加湿ロータ12よりも上側の部分にヒータ16を設けて、このヒータ16で加熱された100℃以上の空気が加湿ロータ12を通る際に、加湿ロータ12から水分を受け取って、上記加熱された空気が加湿されるようにしている。上記ヒータ16は、ニクローム線から成るヒータ本体16aと、ヒータケース16bとから成り、ヒータケース16b内を通過する空気は、矢印Bhに示すように加湿ロータ12の面に平行になる。上記加湿通路15を流れる空気は、ヒータ16よりも上流側の通路部15uに入る際と、下流側の通路部15dから出る際とで加湿ロータ12を2回通り、最初に通る上流側の上向きの空気の流れBuが加湿ロータ12から熱を受け取り、その後さらにヒータ16で100℃以上に加熱されて、下流側の下向きの空気の流れBdが加湿ロータ12から水分を吸収する。
【0014】図2は上記加湿ロータ12と加湿ロータ12の各部を通過する空気の流れを模式図で示したものである。加湿ロータ12は、矢印Rに示す方向に回転して、吸湿通路13の空気Aから水分を吸着して、ヒータ16によって加熱された100℃以上の下流側の加湿通路15dの空気Bdによって水分を脱着されて、この空気Bdを加湿する。
【0015】上記の構成の加湿装置において、上記ヒータ16は、図1および図2に示すように、ヒータ本体16aをヒータケース16bが収納して成り、上記ヒータケース16bの中を通過する空気が、矢印Bhに示すように加湿ロータ12の面に平行となるように設置されている。そのため、ヒータ16の上記加湿ロータ12の面に対する投影面積は最小であり、ヒータケース16bにより遮断されているため、加湿ロータ12に対するヒータ16の放射熱は最小限のものである。したがって、上記加湿ロータ12はヒータ16の熱によって異常高温となることがなく、加湿ロータの性能を劣化したり寿命を短縮することがなく、火災を発生させる恐れもない。
【0016】図3に示す実施の形態の加湿装置は、ヒータ16を、ヒータ本体をヒータケースに収納しないで、ニクローム線のみで構成している点のみが、図1,2に示す実施の形態と異なる。したがって、図1,2の実施の形態の構成部と同一の構成部は同一の参照番号を付して説明を省略し、異なる構成部のみを以下に説明する。
【0017】上記加湿装置は、ニクローム線から成るヒータ16が、ヒータ16の長軸の方向が加湿ロータ12の面と略直角となるように設置されている。
【0018】上記の構成の加湿装置において、ヒータ16の長軸の方向が加湿ロータ12の面と略直角となるように設置されているので、ヒータ16の上記加湿ロータ12の面に対する投影面積は最小であり、加湿ロータ12に対するヒータ16の放射熱は最小限のものである。したがって、上記加湿ロータ12はヒータ16の熱によって異常高温となることがなく、加湿ロータの性能を劣化したり寿命を短縮することがなく、火災を発生させる恐れもない。
【0019】上記実施の形態は、ヒータ本体にニクロームの発熱体を使用しているが、他の発熱体や、他の手段によって熱を生ずるものでもよい。
【0020】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発明の加湿装置によれば、加湿通路に設けたヒータが、ヒータケース内にヒータ本体を設けて成り、ヒータケースを通過する空気の方向が、加湿ロータに平行になるようにしているので、上記加湿ロータの面に対する上記ヒータ本体の投影面積が最小となって、かつ、ヒータがヒータケースにより遮断されているため、上記加湿ロータの面に対する上記ヒータの放射熱を最小にして、上記加湿ロータの性能を安定させ、かつ、寿命を延長し、また、火災を発生を防止することができる。
【0021】請求項2の発明の加湿装置によれば、加湿通路に設けたヒータの長軸の方向が、上記加湿ロータの面と略直角であるので、上記加湿ロータの面に対する上記ヒータの投影面積が最小となって、上記加湿ロータの面に対する上記ヒータの放射熱を最小にして、上記加湿ロータの性能を安定させ、かつ、寿命を延長し、また、火災を発生を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成11年9月17日(1999.9.17)
【代理人】 【識別番号】100062144
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
【公開番号】 特開2001−91002(P2001−91002A)
【公開日】 平成13年4月6日(2001.4.6)
【出願番号】 特願平11−263638