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【発明の名称】 ガスタービン用燃焼器
【発明者】 【氏名】片 懸 誠

【要約】 【課題】内筒の上部隔壁の空気取り入れ口付近で発生するカルマン渦、または内筒と外筒との間のクリアランスの不均衡による、多大な圧力損失及び旋回流の低下を改善し、燃焼器内筒内における燃料と圧縮空気との混合比の最適化及び排気ガス成分を向上させる。

【解決手段】タービンケーシングに取り付けられた外筒と、同外筒の内部に配置された内筒と、同外筒の端部を覆うカバーに取り付けられ同内筒の内部に燃料を噴射する燃料噴射ノズルと、同内筒の内部でスパークを発生する点火プラグと、同外筒と同内筒との間に形成された圧縮空気の導入部に圧縮空気を旋回させる旋回板を備えた整流部材を設けたガスタービン用燃焼器において、前記内筒を前記整流部材を介して前記外筒に固定して同内筒を同整流部材によって支持させたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】タービンケーシングに取り付けられた外筒と、同外筒の内部に配置された内筒と、同外筒の端部を覆うカバーに取り付けられ同内筒の内部に燃料を噴射する燃料噴射ノズルと、同内筒の内部でスパークを発生する点火プラグと、同外筒と同内筒との間に形成された圧縮空気の導入部に圧縮空気を旋回させる旋回板を備えた整流部材を設けたガスタービン用燃焼器において、前記内筒を前記整流部材を介して前記外筒に固定して同内筒を同整流部材によって支持させたことを特徴とするガスタービン用燃焼器。
【請求項2】前記内筒を二重構造とし、同内筒の外側壁を前記整流部材と一体とするとともに、内側壁をばね板による差込み構造として同外壁に支持させたことを特徴とする請求項1記載のガスタービン用燃焼器。
【請求項3】前記内筒を二重構造とし、同内筒の上端に周方向に複数の整流板を配置し、同整流板に同内筒の外側壁を固定するとともに、同内筒の内側壁に設けた穴に同整流板を差し込んで同内側壁を支持するようにしたことを特徴とする請求項2記載のガスタービン用燃焼器。
【請求項4】前記整流板の一部の板厚を変えて定常燃焼状態で内輪の熱膨張により内輪が移動して整流板と密嵌されるようにしたことを特徴とする請求項3記載のガスタービン用燃焼器。
【請求項5】前記カバーの前記整流板の上方に位置する内面に前記内筒の熱膨張による伸びを許容する溝を設けたことを特徴とする請求項3記載のガスタービン用燃焼器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼器内筒内における燃料と圧縮空気との混合比の最適化及び排気ガス成分を向上させたガスタービン用燃焼器の改良に係る。
【0002】
【従来の技術】図6に従来のガスタービン用燃焼器の断面模式図を示す。図6において、燃焼器外筒5の内部には燃焼器内筒1がカバー4とともにボルト締めで外筒5に固定され、内筒1の上部には燃焼噴射ノズル2及びスワーラ3がカバー4にボルトで固定されて配置されている。外筒5はその下部にあるタービンケーシング8に取り付けられ、外筒5と内筒1との間には放射状に配列された旋回板9をもつ整流板7が配置され、外筒5側に固定されている。なお内筒1の全面には複数個の空気取り入れ口1−aが設けられている。
【0003】このような構造の燃焼器において、圧縮空気は内筒1の下方から整流板7の各旋回板9の間から進入する。整流板7は一方向の大きな旋回流をもたせる機能をもち、圧縮空気は内筒の上部隔壁に設けられた空気取り入れ口及びスワーラ3を通過して内筒1の内部に供給される。一方燃料は外部から燃料噴射ノズル2により内筒1の内部に噴射された後、圧縮空気と適度な混合比で混合され、内筒内部で発生した点火プラグ6のスパークにより着火され燃焼する。内筒1から放出された燃焼ガスはタービンを駆動して、その後大気へ放出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】内燃機関においては、燃費の向上及び低公害化は必須であり、このため燃料と圧縮空気との混合度合いや燃焼性能を向上させることが重要である。しかしながら図6に示した従来の燃焼器の構造では、内筒5の上部隔壁の空気取り入れ口付近でカルマン渦が発生し、また内筒1と外筒5との間のクリアランスの不均衡により、多大な圧力損失及び旋回流の低下が発生しており、その結果燃費、燃焼性能及び排気ガス成分の悪化を招いている。本発明は、このような問題点を改善し、燃焼器内筒内における燃料と圧縮空気との混合比の最適化及び排気ガス成分を向上させることを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明は、タービンケーシングに取り付けられた外筒と、同外筒の内部に配置された内筒と、同外筒の端部を覆うカバーに取り付けられ同内筒の内部に燃料を噴射する燃料噴射ノズルと、同内筒の内部でスパークを発生する点火プラグと、同外筒と同内筒との間に形成された圧縮空気の導入部に圧縮空気を旋回させる旋回板を備えた整流部材を設けたガスタービン用燃焼器において、前記内筒を前記整流部材を介して前記外筒に固定して同内筒を同整流部材によって支持させたことを特徴とする。
【0006】本発明装置においては、前記内筒を前記整流部材を介して前記外筒に固定して同内筒を同整流部材によって支持させたことにより、従来カルマン渦等の発生の原因になっていた内筒の上部隔壁をなくすことができ、これによって内筒上部に発生していた渦流れや圧力損失を改善でき、スムーズな空気流れを形成することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明装置の実施の形態を図面に基づき説明する。図1〜2において、外筒15の内部には、内筒11が配置され、内筒11は外筒15に固定された旋回板19からなる整流部材に一体に固定されている。内筒11の上部には燃料噴射ノズル12及びスワーラ13がカバー14にボルトで固定されている。
【0008】本装置において、圧縮空気はタービンケーシング18内より旋回板19を通過して、旋回板19により一方向の大きな旋回流をもたせられ、内筒上部の空気取り入れ口11−a及びスワーラ13より内筒11の内部に導入される。一方外部から供給され燃料噴射ノズル12から噴射された燃料は、空気取り入れ口11−a及びスワーラ13を通過した圧縮空気と適度な混合比で混合され、内筒内部で発生した点火プラグ16のスパークにより着荷及び燃焼させられる。
【0009】本装置によれば、旋回板19によって内筒11の下部を支持したことにより、従来カルマン渦等の発生の原因になっていた内筒の上部隔壁をなくすことができ、これによって内筒上部に発生していた渦流れや圧力損失を改善でき、スムーズな空気流れを形成することができる。加えて内筒11と旋回板19とを一体化したことにより、圧縮空気に従来より大きな旋回流を与えることができ、これによって内筒内における燃料との混合比が改善され、燃費及び排気ガス成分が向上する。
【0010】次に本発明装置の別の実施形態例を図面に基づいて説明する。図3において、内筒11は、外輪21及び内輪22で構成された二重構造をなす。内筒5の支持構造を図3に示す。外筒15と内筒11との間に設けられた整流部材は複数の旋回板19を圧縮空気の流れに対して適宜角度傾けて配置したものであり、旋回板19は一方で外筒15及びタービンケーシング18とボルト締めで固定され、他方で内筒11の外輪21と突き合わせ溶接又はロウ付けで一体構造となっている。また内筒11の内輪22にはばね板22−aがロウ付けされて一体となっており、ばね板22−aが外輪21内に差し込まれて支持されている。なお外筒11の外輪21及び内輪22には複数の空気取り入れ口11−aが設けられている。本実施形態例の他の構成は図1〜2の前記実施形態例と同一である。
【0011】本装置によれば、旋回板19によって内筒11の下部を支持したことにより、従来カルマン渦等の発生の原因になっていた内筒の上部隔壁をなくすことができ、これによって内筒上部に発生していた渦流れや圧力損失を改善でき、スムーズな空気流れを形成することができるとともに、内筒11の外輪21と旋回板19とを一体化したことにより、圧縮空気に従来より大きな旋回流を与えることができ、これによって内筒内における燃料との混合比が改善され、燃費及び排気ガス成分が向上する。さらに内筒の内輪22をばね板22−aにより外輪21に差込んで支持させているため、熱伸びを吸収でき、かつ燃焼器の組立て、分解が容易となり、メンテナンス性も向上する利点もある。また外輪21と内輪22との間に圧縮空気の一部を冷却空気として導入することにより、内輪22の冷却を効果的に行うことができる。
【0012】次に本発明装置のさらに別の実施形態例を図面に基づいて説明する。図4〜6において、本装置において、燃焼器内筒11の外輪31は全周複数個所に放射状に配置された整流板33と溶接又はロウ付けで固定され、内輪32は整流板33を内輪32に設けた穴に差し込んだ状態で固定されている。ただしこのままでは内輪32の固定が不十分であり、定常燃焼時に振動を発生してしまうので、図5に示すように、整流板33の一部の板厚を変えて定常燃焼状態で内輪32の熱膨張により内輪32が整流板33と密嵌されてガタがこない構造とした。また図4に示すように整流板33の上部のカバー14の内面には整流板33の先端部と嵌め合う溝34が設けられており、内筒11の軸方向の伸びを許容するとともに、ガイドする機能をもたせた。なお他の構造は図1の前記実施形態例と同一である。
【0013】本装置において、燃焼時内筒11は熱伸びにより上方向へ伸びていくが、カバー14に設けられた溝34に沿って伸び、カバー14に拘束されることはない。また圧縮空気の一部は内筒11の壁面に設けられた冷却穴11−a、11−b及び外輪31と内輪32の隙間を通り、内輪32の冷却作用に使われる。
【0014】本装置によれば、内筒の内輪32と整流板33との固定を差込み組立て構造にしたことで、燃焼器製作時の溶接による歪みや残留応力を考慮することなく、精度の安定した装置を製作することができる。また運転時内輪及び外輪に温度差が生じても熱伸びが許容され、内輪及び外輪に変形が生じない。さらに定常燃焼状態で内輪32が整流板33に強固に支持される構造となっており、内輪と外輪との隙間が一定に保たれて、安定した冷却作用を維持できる。加えて整流板33には熱伸びに対するガイト゛と差込み構造による内輪の脱落防止の構造を採用しているため、燃焼器の信頼性も向上されるという利点がある。
【0015】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、前記内筒を前記整流部材を介して前記外筒に固定して同内筒を同整流部材によって支持させたことにより、従来カルマン渦等の発生の原因になっていた内筒の上部隔壁をなくすことができ、これによって内筒上部に発生していた渦流れや圧力損出を改善でき、スムーズな空気流れを形成することができるという顕著な利点をもつ。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成11年6月30日(1999.6.30)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−12739(P2001−12739A)
【公開日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【出願番号】 特願平11−185556