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【発明の名称】 着火用高電圧発生装置
【発明者】 【氏名】垣内 正博

【氏名】飯田 敏規

【要約】 【課題】取付け作業が容易な乾電池式着火用高電圧発生装置を提供する。

【解決手段】燃焼器具に取付けられるベース基板2に電池ケース3を一体形成すると共に、トランス装置10をベース基板2に取付け、さらに電池ケース2の接触端子4a,4bを、トランス装置の電源端子15a,15bと接続したから、電源電池を収納する電池ケース2と、トランス装置10とが一体化されており、配線処理が簡易となり、コンロ筐体への取付が容易である。さらには、配線用のリード線32a,32bの線長を可及的に短くできるから、高温雰囲気中での経年使用によっても、リード線32a,32b被覆の損耗による着火不良等のトラブルが発生しにくい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】燃焼器具に取付けられるベース基板に、乾電池が接続する接触端子を装着した電池ケースを一体形成すると共に、トランスケース内に点火トランスが内蔵され、該点火トランスの二次側に接続される高圧端子と、一次側に接続される電源端子とを外側に臨ませたトランス装置をベース基板に取付け、さらに電池ケースの接触端子を、トランス装置の電源端子と接続したことを特徴とする着火用高電圧発生装置。
【請求項2】ベース基板と、トランス装置の、一方に可撓性係合爪を突成し、他方に該可撓性係合爪が嵌入して係止される係合孔を形成したことを特徴とする請求項1記載の着火装置。
【請求項3】ベース基板に、電池ケースと、トランス装置のトランスケースとを一体形成して構成したことを特徴とする請求項1記載の着火装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、点火トランスによって一次電圧を昇圧し、火花放電用高電圧を発生させる着火用高電圧発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスコンロ,バーベキューグリル用コンロ等のガスバーナを着火するための火花放電を発生するための着火用高電圧発生装置は、種々提案されている。かかる高電圧発生装置として、圧電素子を打圧することにより高電圧を発生させる圧電式高電圧発生装置が提案されているが、かかる構成にあっては、十分な高電圧を得ることができず、安定した火花放電が発生しにくい。このため、バーベキューグリル用コンロ等の屋外に用いられる簡易型コンロにあっては、風のそよぎによって着火困難となり易い。そこで、安定した火花放電を得るようにするため、特に、屋外用簡易型コンロにあって、電源として乾電池を用いた乾電池式高電圧発生装置が好適となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、点火トランスの電源となる電池を収容するための電池ボックスは、乾電池の交換を、外側から容易に行い得るように、コンロ筐体の外側に配設し、一方、点火トランスを収納するトランス装置は、コンロの外観を整えるため、コンロ筐体内に配設していた。また、これに伴って、乾電池ボックスとトランス装置の電源端子とを電気的に接続するために、コンロ筐体に孔を穿設してリード線を挿通し、該リード線により乾電池ケースと、トランス装置とを結線するようにしていた。
【0004】このため、高電圧発生装置の取付けが面倒となり、またコンロ筐体の内外に乾電池ケースと、トランス装置との取付け面を確保しなければならず、コンロ筐体の設計が制限され、さらには、電池ボックスと、トランス装置との取付け位置が離間している場合には、リード線が長くなり、その結果、高熱雰囲気中での経時使用により、リード線被覆が損耗し易く、短絡による着火不良を生じ易くなる等の問題点があった。本発明は、取付け作業が容易で、特に屋外用コンロ等の簡易コンロの着火装置として最適な乾電池式着火用高電圧発生装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、燃焼器具に取付けられるベース基板に、乾電池が接続する接触端子を装着した電池ケースを一体形成すると共に、トランスケース内に点火トランスが内蔵され、該点火トランスの二次側に接続される高圧端子と、一次側に接続される電源端子とを外側に臨ませたトランス装置をベース基板に取付け、さらに電池ケースの接触端子を、トランス装置の電源端子と接続したことを特徴とする着火用高電圧発生装置に関するものである。
【0006】かかる構成にあっては、電源電池を収納する電池ケースと、トランス装置とが一体化されている。このため、電池ケースと、トランス装置間の配線処理を要せず、取付が簡単である。ここで、屋外用コンロ等の軽量かつ簡易構造のコンロにあっては、乾電池ケースがコンロ筐体内にあっても、乾電池の交換はそれほど面倒ではない。このため、簡易コンロの着火装置として最適である。
【0007】また、ベース基板と、トランス装置との連結手段としては、ベース基板と、トランス装置の、一方に可撓性係合爪を突成し、他方に該可撓性係合爪が嵌入して係止される係合孔を形成するようにしても良い。かかる構成にあっては、ベース基板に対してトランス装置を、係合爪が係合孔に嵌入するように押し付けるだけで、両者の連結が可能となるから、組み付けが容易となる。
【0008】さらには、ベース基板に、電池ケースと、トランス装置のトランスケースと一体成形して構成しても良い。かかる構成にあっては、部品点数が減少し、組付けが容易となる利点がある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態の一例につき説明する。図1,2で示すように、本発明の着火用高電圧発生装置1は、ベース基板2と、該ベース基板2の側部領域に一体形成された電池ケース3と、ベース基板1上に、電池ケース3と隣接して装着されるトランス装置10とで構成されるものである。
【0010】ここで、図3で示すように、ベース基板2と電池ケース3とはABS樹脂等の耐熱性合成樹脂材料により一体成形される。この電池ケース3は、乾電池を収納できる空隙を備えた、上方が開口する長方形筐体からなり、その開口の長辺側両端には電池の脱落防止用の係止舌片5,5が突成される。また、図1で示すように、その内部で、一端側に板バネからなるマイナスの接触端子4aが装着され、他端側にプラスの接触端子4bが装着され、かつ接触端子4a,4bの他端を電池ケース3の外方へ突出し、これをリード線の接続端子としている。
【0011】一方、前記ベース基板2の電池ケース3と隣接する領域はトランス装置10の装着領域6となる。この装着領域6の四隅には、図4で示すように、可撓性係合爪7が上方突成されている。この可撓性係合爪7は、内外方向の撓みを許容され、後述する係合孔への侵入を容易とする案内傾斜面7aと、係合孔周縁に係止される係止段7bとを有し、上端を鋭角状の刺入端とする公知形状を呈している。その他、ベース基板2にはガスコンロ等に取付けるための取付け片9,9が突成されている。
【0012】次にトランス装置10の構成を説明する。図5,6において、略方体状の下面開放のトランスケース11の一側上面には高圧コード40が嵌着される差込み孔12が4つ列設され、差込み孔12内に針状出力端子13a〜13dが植設されている。前記高圧コード40が差し込まれる差込み孔12は、図7で例示するように、複数のガスバーナを有する燃焼器具に適用できるように、適宜の数が設けられる。
【0013】また、トランスケース11内には、回路部材を装着する回路収納部14とトランス収納部18とが形成されている。回路収納部14には、コンデンサー,抵抗,シリコン制御整流素子等を実装した回路基板等が装着される(図5,6では省略している)。そして、回路収納部14の端子孔から電源端子15a,15bが突出する。
【0014】前記トランス収納部18には点火トランス19が収納されている。この点火トランス19は、図6で示すように、その一次側ボビン20の中心には鉄心21が挿通し、その外側には一次コイルが巻回して、その引出し端を所要導電路と接続するリード線17,17としている。また、一次側ボビン20には二次側ボビン22が外嵌し、この二次側ボビン22には二次コイルが巻回し、該二次コイルのコイル巻端が二次側ボビン22に植設した四つの接続ピン23a〜23dと接続している。
【0015】トランスケース11の下面開口にはプリント基板25が配設され、該プリント基板25に形成された複数のスルホール(図中黒丸で表示)のうち、任意のスルホールに、点火トランス19の一側に縦列状に配設した接続ピン23a〜23dが挿入され、同様に針状出力端子13a〜13dの後端もプリント基板25の端縁に形成したスルホールに挿入され、プリント基板25上に形成された導電路26の導電端と接続する。そしてこれによりプリント基板25上の導電路26を介して、各接続ピン23a〜23dと各針状出力端子13a〜13dとがリード線を要することなく電気的に接続されることとなる。出力端子13a,13bは、二次コイルのプラス端側に接続され、出力端子13c,13dは二次コイルのマイナス端側に接続される。
【0016】トランスケース11内には絶縁性封止剤(図示せず)が充填され、該点火トランス19及びプリント基板25が封止剤内に埋入される。尚、このトランスケース11内に封止剤が充填されるようにプリント基板25には円形の注入孔27が形成されている。前記封止剤は、点火トランス19を固定すると共に、そこから発生する熱を遮断して後記する整流素子等の熱に弱い部品に熱の影響を与えないようにするものである。
【0017】さらに、トランスケース11の側方には、一方の取付け片9上に一致する端子受片28が形成され、該端子受片28の上面にアース端子29が内部から貫通して突成されている。取付け片9,端子受片28及びアース端子29は、固定螺子s(図2参照)の挿通孔が重なり合うように形成されている。
【0018】本実施例のトランス装置10は上述の基本構成になり、差込み孔12から針状出力端子13a〜13dに接続するための所要の高圧コード40が差し込まれる。また、アース側電源端子15aにリード線5aにより接触端子4aが接続され、プラス側の電源端子15bに、スイッチ41(図7参照)を介してリード線5bにより接触端子4bが接続される。スイッチ41は、例えばガス器具のつまみの開弁操作によって閉路するようなものとする。このスイッチ41の閉路によって電気回路部へ給電されると、その電流が整流素子等によって整流されてコンデンサーに電荷が蓄積し、該コンデンサーから点火トランス19の一次コイルに電流が流れ、各二次コイルから発生した高電圧が出力端子13a,13bから高圧コード40によって取出され、放電電極で点火火花を発生する。
【0019】一方、トランスケース11の前後両側には係合孔30を有する取付け片31,31が設けられる。この係合孔30はベース基板2に突成された可撓性係合爪7に一致する位置に配設される。
【0020】かかる構成にあって、その取付けを説明すると、ベース基板2の装着領域6に、トランス装置10を配置し、係合孔30に可撓性係合爪7の上端を一致させて、該係合爪7を圧入する。これにより案内傾斜面7aを案内として嵌入し、係合孔30の周縁に係止段7bが係合して、可撓性係合爪7は係合孔30から離脱不能となる。而して、該トランス装置10はベース基板2に保持されることとなる。
【0021】ここで、ベース基板の係合孔を形成し、トランス装置10の下面に該係合孔に嵌入する係合爪を突成するようにしても良い。
【0022】かかる装着後に、マイナス側の接触端子4aをアース側の電源端子15aにリード線32aで接続し、さらにプラス側の接触端子4bをスイッチ41を介して電源端子15bに,リード線5aで接続する。
【0023】而して、着火用高電圧発生装置1が構成され、バーベキューグリル等の屋外用簡易コンロ等の着火装置として用いられる。この場合にあって、電池ケース3とトランス装置10をベース基板2を介して一体化したから、コンロ筐体の内側に取付けられる。このため、分離された従来構成に比して、長尺の外付け用リード線をコンロ筐体を貫通させて配線する必要がないため、配線処理が簡易となり、装置自体の取付も容易となり、さらにはリード線の線長が短くなって、リード線被覆の損耗が著減し、耐用寿命が長くなる。しかも、屋外用コンロ等軽量かつ簡易構造のコンロにあっては、乾電池ケースがコンロ筐体内にあっても、乾電池の交換はそれほど面倒ではない。
【0024】図7は係る着火用高電圧発生装置1を、バーベキューグリル等の屋外用簡易コンロ等の着火装置に適用した場合の配線図である。
【0025】この着火用高電圧発生装置1は、屋外用コンロのメインバーナ45と、サブバーナ46の着火源として用いた構成を示す。ここで、両側の出力端子13a,13dは、メインバーナ45に対向する点火プラグ47a,47bに接続され、中央の出力端子13b,13cは、サブバーナ46に対向する点火プラグ48a,48bに接続される。そして、出力端子13a,13bと接続された一方の点火プラグ47a,48aをプラスとし、出力端子13c,13dと接続された他方の点火プラグ47b,48bをマイナスとしている。これにより、点火プラグ47a,48aがアース側となるバーナ45,46との間で、煤の付着等により火花が発生しない場合を生じても、点火プラグ47a,48aと点火プラグ47b,48b間で火花が発生するため、安定した着火を確保することができる。
【0026】上述の構成にあっては、トランス装置10をベース基板2に対して別体としたが、図8で示すように、トランスケース11’をベース基板2及び電池ケース3に対して、モールド成形により一体形成しても良い。即ち、電池ケース3に隣接する位置で矩形枠状のトランスケース11’をベース基板2にあらかじめ一体成形し、然る後に、トランスケース11’内に、点火トランス19のほか上述したプリント基板25等の各種部材を装着して、封止剤を充填した後、該トランスケース11’の上部開口に蓋50を被着する。而して、かかる構成にあって、さらに部品点数が少なくなり、組付けが容易となる。
【0027】上述の構成は、コンロ筐体内に電池ケースがあっても、軽量でしかも据え付け型でないため、電池の交換が容易な、屋外用簡易コンロに最適ではあるものの、これに限定されるものではなく、一般の家庭用又は業務用のコンロにも適用可能である。
【0028】
【発明の効果】本発明の着火用高電圧発生装置は、上述したように、燃焼器具に取付けられるベース基板に電池ケースを一体形成すると共に、トランス装置をベース基板に取付け、さらに電池ケースの接触端子を、トランス装置の電源端子と接続したものであるから、電源電池を収納する電池ケースと、トランス装置とが一体化されているため、配線処理が簡易となり、コンロ筐体への取付が簡単であり、さらには、配線用のリード線の線長を可及的に短くできるから、高温雰囲気中での経年使用によっても、リード線被覆の損耗による着火不良等のトラブルが発生しにくい。
【0029】さらに、ベース基板と、トランス装置の一方に、可撓性係合爪を突成し、他方に可撓性係合爪が下方から嵌入して係止される係合孔を形成するようにした構成にあっては、トランス装置10をベース基板2に圧入するだけで、簡易に連結でき、組付けが容易である。
【0030】また、ベース基板に、電池ケースと、トランス装置のトランスケースと一体成形して構成したものにあっては、部品点数が減少し、組付けがさらに容易となる利点がある。
【出願人】 【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
【出願日】 平成11年6月28日(1999.6.28)
【代理人】 【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
【公開番号】 特開2001−12738(P2001−12738A)
【公開日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【出願番号】 特願平11−182165