| 【発明の名称】 |
プラズマ溶融炉の運転制御方法とその装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】天野 信雄
【氏名】川見 佳正
【氏名】熊野 信太郎
【氏名】和田 恭子
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| 【要約】 |
【課題】廃棄物溶融炉において溶融メタルが堆積してきたことを、炉内にセンサを設置することなく精度良く確実に予測することが可能となり、溶融メタルの排出時期を、運転員の経験や勘に頼らずに知ることができる廃棄物溶融炉の発明。
【解決手段】炉上より挿設したプラズマ電極と炉底電極間に、定電流制御機能を有する直流電源装置により定電流を流しながらプラズマ放電により廃棄物を溶融処理して出滓口より溶融スラグを排出するとともに、任意に設定した排出サイクル毎に前記溶融スラグ下方に堆積した溶融メタルを所定手段で排出する廃棄物溶融処理炉において、直前の溶融メタルの排出時以降の現サイクルにおける炉内に投入する廃棄物の投入総量に基づいて溶融メタルの排出時期を判断する第1の判定手段による発明、プラズマ電極と炉底電極間の負方向の瞬時的な電圧変動により溶融メタルの排出時期を判断する第2の発明、いずれか一方若しくは両者の判定信号に基づいて、溶融メタルの排出時期を判断する第3の発明からなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 廃棄物を溶融処理して出滓口より溶融スラグを排出するとともに、任意に設定した排出サイクル毎に前記溶融スラグ下方に堆積した溶融メタルを所定手段で排出する廃棄物溶融処理炉において、直前の溶融メタルの排出時以降の現サイクルにおける炉内に投入する廃棄物の投入量を計測し、該計測した現サイクルの廃棄物投入総量が所定の既定値を超えた場合に、溶融メタルの排出時期が来たと判断することを特徴とするプラズマ溶融炉の運転制御方法。 【請求項2】 各サイクル毎に溶融メタルの排出時における溶融メタル量を計測し、少なくとも現サイクルの計測値により廃棄物投入量当りの溶融メタル量を求めることにより、次回溶融メタル排出時期を決める前記規定値を補正することを特徴とする請求項1記載のプラズマ溶融炉の運転制御方法。 【請求項3】 廃棄物を溶融処理して出滓口より溶融スラグを排出するとともに、任意に設定した排出サイクル毎に前記溶融スラグ下方に堆積した溶融メタルを所定手段で排出する廃棄物溶融処理炉において、直前の溶融メタルの排出時以降の現サイクルにおける炉内に投入する廃棄物の投入量を計測する手段と、該計測した現サイクルの廃棄物投入総量が所定の既定値とを比較する手段と、該比較手段よりの信号に基づいて溶融メタルの排出時期を設定する排出制御手段とを具えたことを特徴とするプラズマ溶融炉の運転制御装置。 【請求項4】 各サイクル毎の溶融メタルの排出時における溶融メタル量を計測する手段と、各サイクルにおける炉内に投入する廃棄物の投入量を計測する手段と、前記2つの検出手段よりの検出信号に基づいて、次回溶融メタル排出時期を決める前記規定値を補正する補正手段とを具えたことを特徴とする請求項3記載のプラズマ溶融炉の運転制御装置。 【請求項5】 炉上より挿設したプラズマ電極と炉底電極間に、定電流制御機能を有する直流電源装置により定電流を流しながらプラズマ放電により廃棄物を溶融処理して出滓口より溶融スラグを排出するとともに、任意に設定した排出サイクル毎に前記溶融スラグ下方に堆積した溶融メタルを所定手段で排出する廃棄物溶融処理炉において、プラズマ電極と炉底電極間の運転時の電圧変動を監視して、負方向の瞬時的な電圧変動を検出して計数し、その単位時間当りの発生回数が所定の規定回数を超える状態が所定の時間継続した場合に、溶融メタルの排出時期が来たと判断することを特徴とするプラズマ溶融炉の運転制御方法。 【請求項6】 炉上より挿設したプラズマ電極と炉底電極間に、定電流制御機能を有する直流電源装置により定電流を流しながらプラズマ放電により廃棄物を溶融処理して出滓口より溶融スラグを排出するとともに、任意に設定した排出サイクル毎に前記溶融スラグ下方に堆積した溶融メタルを所定手段で排出する廃棄物溶融処理炉において、プラズマ電極と炉底電極間の運転時の電圧変動を検出する電圧変動検出手段と、該電圧変動より負方向の瞬時的な電圧変動を検出して計数する計数手段と、その単位時間当りの前記瞬時的な電圧変動発生回数が所定の規定回数を超える状態が所定時間継続した場合に、溶融メタルの排出時期が来たと判断する判断手段と、を具えたことを特徴とするプラズマ溶融炉の運転制御装置。 【請求項7】 炉上より挿設したプラズマ電極と炉底電極間に、定電流制御機能を有する直流電源装置により定電流を流しながらプラズマ放電により廃棄物を溶融処理して出滓口より溶融スラグを排出するとともに、任意に設定した排出サイクル毎に前記溶融スラグ下方に堆積した溶融メタルを所定手段で排出する廃棄物溶融処理炉において、直前の溶融メタルの排出時以降の現サイクルにおける炉内に投入する廃棄物の投入総量に基づいて溶融メタルの排出時期を判断する第1の判定手段と、プラズマ電極と炉底電極間の負方向の瞬時的な電圧変動により溶融メタルの排出時期を判断する第2の判定手段とを具え、いずれか一方若しくは両者の判定信号に基づいて、溶融メタルの排出時期を判断することを特徴とするプラズマ溶融炉の運転制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、産業廃棄物、家庭ごみ等の都市ゴミ及びごみ焼却炉での焼却残渣、主灰、飛灰等、更には焼却前の廃棄物を溶融処理する溶融炉の運転制御方法とその装置に係り、特に廃棄物溶融時に炉内に堆積する溶融メタルの増加を推定し、溶融メタルを炉外へ取出す出湯時期を検出し、該検出信号に基づいて出湯操作を行なうプラズマ溶融炉の運転制御方法及びその装置に関する。 【0002】 【従来の技術】都市ごみや、下水汚泥、産業廃棄物及びそれらの焼却灰、飛灰、残渣(以下単に焼却残渣という)は多くの場合埋立て処理されている。しかし、近年埋め立て地の確保が次第に困難になっているため、埋め立てられる焼却灰等の容積を小さくする方法が要望されている。また、埋め立てられた焼却灰等からの有機物質、重金属などの有害物質が雨水、地下水に溶出して、二次公害を引き起こす問題も懸念されており、これらの無公害化の技術も要望されている。 【0003】一方、資源の再利用の観点から、従来焼却灰等として埋め立てられていた物も再利用化の要望がある。都市ごみの焼却灰は、磁気やふるい等により選別され、金属物質は新たな資源として再利用されているが、残った灰の再利用方法の要望も出されている。このような要望に対し、プラズマ炉、バーナ炉、誘導炉などの溶融処理炉に焼却灰を投入してこれらを溶融処理する方法が実現している。これらの方法によれば、焼却灰を高温で溶融することで、焼却灰中の有害成分を高温分解するとともに、金属成分を溶融メタル(金属)として溶融スラグから分離することができる。 【0004】溶融スラグを固化したものは焼却灰からの減容率が大きく、且つガラス化状態にあるためにスラグ中の有害物質は雨水、地下水に溶出しないので、このまま埋立てても二次公害の心配はない。また該スラグは、砂利、小石の代わりにコンクリートの骨材や、ブロック化して道路のタイルに利用するなどして再利用することもできる。一方、近年の溶融炉については、焼却灰等の溶融だけでなく直接廃棄物を溶融処理する溶融処理炉も考えられており、これらも途中の廃棄物焼却工程が不要になるために、有効な廃棄物処理方法である。 【0005】ごみ焼却炉での焼却残渣や飛灰等を溶融処理する溶融炉の一つであるプラズマ灰溶融炉に関して従来例を図5に基づいて説明する。溶融炉1は直流電源装置2を持ち、炉上部から差し込まれたプラズマ電極5を用いて炉底電極6との間で放電させ高温のプラズマを発生させる。炉上部に設けた被溶融物供給口7より炉内に投入された焼却灰は、プラズマの輻射熱とともに、溶融スラグ9、溶融メタル(金属)10中を通る電流が発生するジュール熱により熱せられ溶融する。 【0006】そして投入口7より炉内に投入された焼却灰は、プラズマアーク及び電流がスラグ中を流れる時に発生するジュール発熱によって発生する高熱(1300〜2000℃)で溶融されるが、かかるプラズマ溶融炉において溶融処理する焼却灰中には、溶融スラグ9となるシリカ等の成分と、溶融メタル10となる鉄を始めとする金属成分が含まれている。 【0007】このため前記炉内で溶融された焼却灰は、比重の軽い溶融スラグ9が上部に浮上し、溶融メタル10が下部に沈んでいき二層に分離されていく。上部層の溶融スラグ9は出滓樋3より溢れ出るように連続的に流れ出していき、スラグ搬送コンベヤ8で徐々に空冷して回収する。また、前記スラグ搬送コンベヤ8で徐冷する代わりに、大きな冷却用水槽へ落下させ急冷することにより水砕スラグとして回収する方法もある。 【0008】このような運転を続けていると、上部層の溶融スラグ9は連続的に炉外へ排出されていくが、下部層の溶融メタル10は徐々に蓄積していく。金属成分はスラグ成分に比べて少量のため蓄積速度は速くはないが、次第に溶融メタル層が厚くなり、溶融メタル層の液面が上昇するため、反対に溶融スラグ層が薄くなってくる。 【0009】前述の通り、電流が溶融スラグ層を流れる時に、該スラグ9が抵抗として発生するジュール熱は、溶融のための熱源の一つである。一方、溶融処理によりその堆積層厚が増大する溶融メタル(金属)10の電気抵抗値は、溶融スラグ9に比べて非常に小さいので、その発熱量も小さく、溶融メタル層の増大は同一電流で運転している場合には、発熱量の低下にもつながり炉の運転としては望ましくない。そのため溶融メタル10が蓄積されてくると、該溶融メタル10を炉外に排出するために、炉1を傾けて溶融メタル(金属)10を排出する傾動と呼ばれる操作を断続的に行なっている。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】このため前記従来の溶融設備において、前記傾動操作タイミングを決定するために、被溶融物の溶融に伴い炉内に蓄積される溶融メタル10の量を検出するニーズはあったが、炉内は高温(1300〜2000℃)で腐食性の高いガスがあるなど長期間安定して計測できるセンサが配置できないため、従来は運転員の推測によって傾動操作を実施しており、個人差、経験の差で判断にばらつきが出るといった問題があった。 【0011】また、都市ゴミや産業廃棄物はその混入種別が種々雑多であり、これらの焼却残渣である焼却灰や飛灰等も当然に物性が安定せず、且つ時間的物性変動があるために、このようなものを被溶融物とする場合は、溶融メタル10の堆積増加速度が変化するために、予め定めた時間間隔で溶融メタル10の排出を行なうと、場合によっては傾動タイミングが遅くなって傾動の準備が間に合わなくなったり、早すぎるという傾動頻度が増して溶融時間が短くなるなど、効率的な運転が行なえなくなるという問題があった。 【0012】また、特開平9−280536号に開示されているような、溶融部にレベル検出用電極を設ける方法では、炉内で高温による電極の溶解、溶融物の対流による電極の摩耗や折れ、電極表面へのスラグの付着などの問題が考えられ、またこれらの電極の損傷状態を外部より検出することは困難なため、傾動タイミング時期制御用に長期間安定して検出することに不安があるといった問題があった。 【0013】本発明は、廃棄物溶融炉において溶融メタルが堆積してきたことを、炉内にセンサを設置することなく精度良く確実に予測することが可能となり、溶融メタルの排出時期を、運転員の経験や勘に頼らずに知ることができる廃棄物溶融炉の運転制御方法とその装置、特に廃棄物プラズマ溶融処理炉の廃棄物溶融炉の運転制御方法とその装置を提供することを目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、本発明の第1発明に対応するもので、廃棄物を溶融処理して出滓口より溶融スラグを排出するとともに、任意に設定した排出サイクル毎に前記溶融スラグ下方に堆積した溶融メタルを所定手段で排出する廃棄物溶融処理炉において、直前の溶融メタルの排出時以降の現サイクルにおける炉内に投入する廃棄物の投入量を計測し、該計測した現サイクルの廃棄物投入総量が所定の既定値を超えた場合に、溶融メタルの排出時期が来たと判断することを特徴とする。 【0015】かかる発明によれば、溶融炉において溶融メタルが堆積してきたことを、炉内にセンサを設置することなく精度良く確実に予測することが可能となり、これにより炉内より溶融メタルを排出時期を、運転員の経験や勘に頼らずに知ることができる。尚、本発明は廃棄物溶融炉の運転制御方法であってプラズマ廃棄物溶融炉のみには限定されず、他の内部溶融炉、電気アーク炉にも適用可能である。また、ここでいう廃棄物とは、ごみ焼却炉での焼却残滓、主灰、飛灰を含み、その他溶融炉で溶融処理する可能性のある廃棄物等をいう。 【0016】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の精度向上を図るために、各サイクル毎に溶融メタルの排出時における溶融メタル量を計測し、少なくとも現サイクルの計測値により廃棄物投入量当りの溶融メタル量を求めることにより、次回溶融メタル排出時期を決める前記規定値を補正することを特徴とする。 【0017】かかる発明によれば、被溶融物の性状の季節変動や経時的に変化した場合であっても、排出した溶融メタル量より補正することができ、精度良い排出時期を求めることができる。 【0018】請求項3記載の発明は前記請求項1記載の発明を効果的に実施するための装置に関する発明で、直前の溶融メタルの排出時以降の現サイクルにおける炉内に投入する廃棄物の投入量を計測する手段と、該計測した現サイクルの廃棄物投入総量が所定の既定値とを比較する手段と、該比較手段よりの信号に基づいて溶融メタルの排出時期を設定する排出制御手段とを具えたことを特徴とする。 【0019】請求項4記載の発明は前記請求項2記載の発明を効果的に実施するための装置に関する発明で、各サイクル毎の溶融メタルの排出時における溶融メタル量を計測する手段と、各サイクルにおける炉内に投入する廃棄物の投入量を計測する手段と、前記2つの検出手段よりの検出信号に基づいて、次回溶融メタル排出時期を決める前記規定値を補正する補正手段とを具えたことを特徴とする。 【0020】請求項5記載の発明は本発明の第2発明に対応するもので、定電流制御機能を有する直流電源装置により定電流を流しながらプラズマ放電により廃棄物を溶融処理する廃棄物溶融処理炉において、プラズマ電極と炉底電極間の運転時の電圧変動を監視して、負方向の瞬時的な電圧変動を検出して計数し、その単位時間当りの発生回数が所定の規定回数を超える状態が所定の時間継続した場合に、溶融メタルの排出時期が来たと判断することを特徴とする。 【0021】かかる発明によれば、溶融メタルの出滓重量等を検知する特別なセンサは必要なく、プラズマ電極に印加する直流電圧電源の電圧変動の状況より溶融メタルが堆積してきたことを精度良く確実に検出することができ、溶融メタルを排出時期を、運転員の経験や勘に頼らずに知ることができるのみならず、一時的な被溶融物の性状変動にも対応することが出来、これにより最適な廃棄物の投入制御や、異常判断等も検知可能となる。 【0022】請求項6記載の発明は前記請求項5記載の発明を効果的に実施するための装置に関する発明で、プラズマ電極と炉底電極間の運転時の電圧変動を検出する電圧変動検出手段と、該電圧変動より負方向の瞬時的な電圧変動を検出して計数する計数手段と、その単位時間当りの前記瞬時的な電圧変動発生回数が所定の規定回数を超える状態が所定時間継続した場合に、溶融メタルの排出時期が来たと判断する判断手段と、を具えたことを特徴とする。 【0023】請求項7記載の発明は前記第1発明と第2発明の要旨を組み合わせてより精度良い溶融メタルの排出時期を判断するもので、直前の溶融メタルの排出時以降の現サイクルにおける炉内に投入する廃棄物の投入総量に基づいて溶融メタルの排出時期を判断する第1の判定手段と、プラズマ電極と炉底電極間の負方向の瞬時的な電圧変動により溶融メタルの排出時期を判断する第2の判定手段とを具え、いずれか一方若しくは両者の判定信号に基づいて、溶融メタルの排出時期を判断することを特徴とする。 【0024】かかる発明によれば、前記2つの発明を組み合わせて、互いにバックアップ、補完することができ、より信頼性の高い排出時期の判断と運転制御装置を提供することができる。 【0025】 【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成部品の種類、材質、形状、その相対配置、及び動作手順などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。 【0026】図1は本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ灰溶融炉の運転制御装置の全体構成図で、同図を基に本発明を説明する。図中で図5と同一符号は同一機能部品若しくは部位を示し、その部分の詳細な説明は省略する。図中1は、プラズマ灰溶融炉で、炉内に溶融スラグ9と溶融メタル10が堆積しているとともに、溶融スラグ9と対応する炉側部に出滓樋3が取り付けられている。8はスラグ搬送コンベヤで、出滓樋3より溢れ出るように連続的に流れ出した溶融スラグ9を搬送しながら徐々に空冷する。空冷されたスラグや溶融メタル10は重量計量装置22で計測され、その重量計測信号を溶融メタル量演算装置に送り、所定の演算と測定を行なう。 【0027】スラグや溶融メタルを区別する計量は、炉の傾動の有無より容易に判定できる。即ち、炉1の傾動開始後、搬送コンベヤ8上に溶融メタル(金属)10が出たタイミングから、コンベヤ8の送り速度とコンベヤ長さを考慮することで、溶融メタル(金属)10がコンベヤ出口端へ到達する時間が判り、溶融メタル10の計測開始タイミングを得ることができるので、溶融スラグ9と区別して計測ができる。また、磁石で選別する磁選装置や、磁気での金属判定装置、画像処理判別装置などの溶融メタル選別器を設置して正確に分別すれば、溶融メタル量をより正確に計量できる。これにより、傾動期間中に排出された溶融メタル(金属)10の総量を溶融メタル計量装置38で円滑に求めることができる。 【0028】25は炉押し上げ機構で、傾動制御装置35よりの信号に基づいて操作盤37よりの指示にて所定タイミングで支点26を中心に炉1の傾動を行なう。2は直流電源装置で、炉上部より挿設された主電極(プラズマ電極)5と炉底電極6間で、窒素ガス18が充填された炉内でプラズマ17を放電を行なう(図3参照)。7は炉上部に設けた灰投入口で、その上部に投入量計測装置21を介して灰投入装置12が設けられている。傾動制御装置35には、傾動時期投入量記憶装置32と投入量積算装置33よりの信号を比較器34で比較してその比較信号により制御される。 【0029】傾動時期投入量記憶装置32には手動設定器31と投入量補正装置39が取り付けられており、これらの信号が該記憶装置32に入力される。尚、図中36は表示盤、37は操作盤で、夫々傾動制御装置35に接続されている。 【0030】かかる装置において、灰投入量計量装置21を灰投入装置12に設置して炉内に投入される灰の量を計測し、投入量積算装置33で各バッチ(各傾動タイミング間隔)毎の投入総量を計測する。傾動時期投入総量を設定された傾動時期投入量記憶装置32の設定値と、投入量積算装置33の積算値を比較器34によって比較し、積算値が設定値を超えた場合に比較器34は傾動制御装置35に傾動時期が来たことを通知する。傾動制御装置35は、表示盤36に傾動時期が来たことを表示し、運転員は操作盤37より傾動操作指示を出すことにより傾動作業へ入る。傾動制御装置35は自動的に傾動操作を行なっても良い。 【0031】傾動時期投入量記憶装置32へ投入量の設定は手動設定器31により、運転員が手入力により設定する。設定値は、経験豊かな運転員の経験値によって決定したり、投入灰を分析して含まれる金属成分から投入総量を求めることができる。また、運転員は作業計画、当直人員を考慮してから傾動操作を始めることができるように、表示板36に傾動の表示がされても傾動操作に入るまでに、数時間から1日程度の余裕があるように総投入量の設定をする必要がある。例えば、夜間に傾動時期到達の表示が出た場合に、当直人員の多い日中の運転で傾動操作を行なうなどの判断ができるようにするためである。しかし、傾動操作を傾動制御装置35により全自動で行なう場合は、確認のため表示盤36に表示を行なうが、傾動操作に関しては傾動制御装置35が行なうためこの限りではない。 【0032】傾動作業とは、図2に示すように炉1を傾けて炉内に蓄積された溶融メタル(金属)10を炉外へ排出することである。溶融炉底部の片側に動作時の支点26となる蝶番が具備されており、反対側には油圧ジャッキ、電動シリンダなどで構成される炉押し上げ機構25が具備されている。これにより炉1の片側を持ち上げることで支点26を軸に炉1を傾かせることができ、徐々に炉1を傾けていき、炉1に設定された所定角度(20〜40°)まで傾ける。溶融メタル10の排出が終了したら、炉1を元に戻す。投入量積算装置33へ傾動制御装置35よりリセット信号を送り、積算計を零に初期化してから灰投入を開始して溶融運転を再開する。 【0033】傾動により、溶融メタル(金属)10は通常溶融スラグ9が排出されている出滓樋3を通って冷却コンベヤ8上へ導かれる。コンベヤ8上で冷却された溶融メタル(金属)10はコンベヤ端で回収されるが、ここに設置された計量装置22によって排出された溶融メタル重量を計測することができる。溶融メタル重量の、溶融スラグ9と区別した精度良い計測は、前記方法により正確に計量できる。これにより、傾動期間中に排出された溶融メタル10の総重量を溶融メタル計量装置38で求めることができる。 【0034】一方、炉1の傾動角度は、炉押し上げ機構25のリフト量から容易に求められ、この傾動角度と炉内形状の計算により炉内に残された溶融メタル重量が判るので、排出された溶融メタル(金属)量と合わせて傾動直前の炉内の溶融メタル重量を知ることができる。 【0035】又、前回傾動時に炉内に残っていた溶融メタル重量が判ることから、前回傾動から今回傾動までに増加した溶融メタル重量も判り、その前回/今回の傾動タイミング間の灰投入量も灰投入量積算装置33により判ることから、灰単位重量当りに含まれる金属成分を求めることができる。 【0036】廃棄物の焼却灰の場合、そのもととなる廃棄物の組成は一定でなく、収集される時期や収集先などの要因で組成が変化することがある為、溶融メタル(金属)10の増加速度が変ることがある。しかしながら本実施例によれば、前述のようにして、灰単位重量当りの金属成分含有量を各傾動タイミングサイクル毎に計測して管理することで、各傾動タイミングサイクル間で金属成分が増加の傾向に有れば傾動時期投入量を減らし、減少してくれば傾動時期投入量を増加させるような補正をすることも可能である。 【0037】投入量補正装置39にはかかるロジックを組込んだ投入量補正回路(プログラム)が組み込まれており、これにより溶融する灰の組成が変化した場合でも傾動時期を適切に設定できる。 【0038】次に図3、図4により、本発明の第二の実施の形態を示す。図3はプラズマ溶融炉の電極先端付近を拡大して示した要部構成図(1)と、その右側に電気的な等価回路(2)を示す。等価回路に示すように、スラグ抵抗Rsは大きく、メタル抵抗Rmは小さい。電極5の中央にはプラズマ作動ガス18となる不活性ガス(例えば窒素ガス)が通る穴5aが空いており電極5先端より吹出している。溶融スラグ9表面はプラズマ流17やプラズマ作動ガス18を吹き付けられるだけでなく、投入される灰が塊となって落ちた場合や、灰中の成分がプラズマの高熱によりガス化する等の理由により表面は少なからず波立っている。 【0039】溶融スラグ層9の厚さが薄くなってくると、表面が波立った時に溶融スラグ層9の厚さが非常に薄くなり、時として部分的に溶融メタル(金属)層10がむき出しに近くなる。この場合、プラズマ電極5からのプラズマ電流17は直接溶融メタル(金属)10に流れることとなる。電気回路的には溶融スラグ部分の電気抵抗Rsが零になったのと等しい。プラズマ溶融炉1の直流電源装置2が、設定された電流量を流すように制御する定電流電源装置である場合、回路上の抵抗値(Rc+Rg+Rs+Rm)が変化すると、一定電流が流れていることから、溶融炉に印加されている電圧が変化する。(オームの法則:V=I×Rによる) 【0040】そのため、溶融スラグ層9が薄くなってきて、溶融スラグ面が波立った場合にプラズマ電極5直下で溶融メタル(金属)層10部分が液面に顔を出すと、全抵抗(Rc+Rg+Rs+Rm)でスラグ抵抗Rsが占める比率は比較的大きい為、急激な電圧低下が発生する。しかしこの状態は長く続かずに、波の山の部分が来ると溶融スラグ層9が間に入り、電圧は上昇して元に戻るという現象が起きる。このような電圧変化を、以下では下方スパイクと呼ぶ。 【0041】図4に図3(2)の等価回路に基づいて直流電圧電源の電圧変動を計測した波形グラフ図を示す。図4(1)は溶融メタル(金属)10が多い場合であり、下方スパイクが発生しているのが判る。図4(2)は溶融メタル(金属)10が少ない場合であり、多少の変動はあるものの、安定しておりスパイク状の電圧変動は発生していない。従って、図3(2)の等価回路において、プラズマ電極5と炉底電極6との間に電圧計40を介在させて、その検知電圧を電圧変動監視装置41に送り、該監視装置41で電源電圧の変化を監視し、予め設定された電圧変動が発生した場合に所定のカウンタ信号を計数装置42に出すようになっている。 【0042】本実施例では下方スパイクを検出するため監視装置41への設定は、電圧の下降値:Vdown[V]以上、電圧の変化率:dV/dt[v/s]以上、低下時間幅T[s]以下を設定しておき、この条件に該当する信号変化が有った場合に信号を出すようになっている。一例としては、電圧下降値:30[V]以上、電圧の変化率:5[v/s]以上、低下時間幅15[s]以下があげられる。しかし、被溶融物の粘性、性状(特に電気抵抗など)、運転電圧、運転電流量、溶融処理量などによってこれらの値は変化する為、あくまでもこの値は一例であって本発明を限定するものではない。 【0043】下方スパイク計数装置42では電圧変動監視装置41の出力カウンタ信号を各傾動タイミング間隔毎でカウントして積算していく。傾動時期判断装置43は下方スパイク計数装置42のカウント値を定期的に取込み記憶する。取込んだ後、リセット信号を出力して下方スパイク計数装置42のカウント値を零に戻す。判断装置43では、運転状況を判断し、通常の灰投入運転中に時間当りの下方スパイク発生数が所定の値を超えた場合に傾動時期として判断する。例えば、1時間当りの下方スパイク発生数が50回を超え、その状態が5時間以上続いた場合には傾動時期がきたとして判断する(かかる判断時期本例も本発明を限定するものではない)。この検出信号は傾動制御装置35へ入力され、後の処理は前記実施例1で説明したものと同様に処理されるので、ここでは詳しい説明は省略する。 【0044】このような方法を用いることにより、灰投入量を計測しなくとも傾動時期を検出することができる。一時的に金属成分を多く含む灰を溶融した場合には、設定された灰投入量に達する前に電圧変動の徴候が現れるので、遅れることなく傾動時期を検出することができる。 【0045】また、第1の実施例の検出方法と第2の実施例の検出方法を両方とも組み入れた運転制御装置とすることで、互いにバックアップ、補完することができ、より信頼性の高い判断方法と運転制御装置を提供することができる。 【0046】本実施例では、被溶融物としてごみ焼却炉の焼却飛灰、残渣を溶融するプラズマ灰溶融炉を対象としているが、焼却残渣、飛灰以外の廃棄物など被溶融物中に金属成分を含む物質を溶融処理する他の廃棄物のプラズマ溶融炉の場合にも本発明を適用することはできる。また、本実施例では、溶融メタルの排出方法として傾動を対象としたが、タップホールを開け、炉底から出湯する方式による溶融メタル排出方法など他の排出方法においても、本発明を適用することができる。 【0047】 【発明の効果】以上記載のごとく本第1発明によれば、溶融炉において溶融メタルが堆積してきたことを、炉内にセンサを設置することなく精度良く確実に予測することが可能となり、これにより炉内より溶融メタルを排出する傾動作業開始時期を、運転員の経験や勘に頼らずに知ることができる。この場合、請求項2、4記載の発明を組み込むことにより、被溶融物の性状の季節変動や経時的に変化した場合であっても、排出した溶融メタル量より補正することができ、精度良い傾動開始時期を求めることができる。尚、これらの発明はプラズマ廃棄物溶融炉のみには限定されず、他の内部溶融炉、電気アーク炉にも適用可能である。 【0048】更に第2発明によれば、溶融メタルの出滓重量等を検知する特別なセンサは必要なく、プラズマ電極に印加する直流電圧電源の電圧変動の状況より溶融メタルが堆積してきたことを精度良く確実に検出することができ、溶融メタルを排出する傾動作業開始時期を、運転員の経験や勘に頼らずに知ることができるのみならず、一時的な被溶融物の性状変動にも対応することが出来、これにより最適な廃棄物の投入制御や、異常判断等も検知可能である。 【0049】更に第3発明によれば、前記2つの発明を併用することで、互いにバックアップ、補完することができ、より信頼性の高い排出時期の判断と運転制御装置を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006208 【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年6月28日(1999.6.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083024 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 昌久 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−12715(P2001−12715A) |
| 【公開日】 |
平成13年1月19日(2001.1.19) |
| 【出願番号】 |
特願平11−182472 |
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